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大阪府の中小企業ボーナス調査 4割以上が賞与なしの見込み(週刊ポスト)
http://www.asyura2.com/14/hasan91/msg/802.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 11 月 25 日 16:16:05: igsppGRN/E9PQ
 

大阪府の中小企業ボーナス調査 4割以上が賞与なしの見込み
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20141125-00000016-pseven-bus_all
週刊ポスト2014年12月5日号


 いよいよ冬のボーナスシーズンを迎える。大阪シティ信用金庫では毎夏冬、取引のある中小企業のボーナス調査を行なっている。同信金の調査担当は語る。

「そもそも中小企業では『ボーナスゼロ』のところがまだまだ多い。昨年、大阪府下の1127社を調査したところ、冬のボーナスを支給したのは56.2%に過ぎませんでした。今年の冬については調査・分析の途中ですが、4割以上の企業が賞与なしという状況は変わらないでしょう。平均支給額も昨冬の27万2442円から数千円アップが関の山で、経団連が発表した大企業平均の89万3538円には遠く及びません」

 中小企業は日本の企業の99%を占め、雇用の7割を支えている。その多くはボーナス増とは無縁だというのである。

 東京・大田区に本社を置き、プラスチック製部品などを製造する一英化学(従業員14人)の西村英雄・社長が嘆く。

「うちみたいな町工場はどこもそうだと思うけど、給料を出すのが精一杯だ。もちろん苦労している従業員がボーナスに喜ぶ顔が見たい。でも、人員整理もしているくらいでとてもそんな余裕はない。

 大手企業は最高益だとニュースでやっているが、利益は中小の現場には還元されない。円高の時はコストカットを求めてくるが、円安になってもそれを元には戻さない。円安による電気代の高騰で前よりも苦しくなったくらいだ。

 先日、メインの発注元が樹脂部門を大幅に縮小した。その発注元の意向で工場移転までしたのに、我々に何の説明もなかった。町工場をいじめて最高益やボーナス大幅増で浮かれているのは、見ていて本当に腹が立つ」


 

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コメント
 
01. 2014年11月25日 19:48:12 : N1xbFAyXHw
 これが現実と言うものだ! 「トリクルダウン」は蜃気楼でしかなーい!   ウソノミクス&イチブノミノミクス&サギノミクス&庶民底辺層をハカイノクス!

02. 2014年11月25日 19:58:40 : nJF6kGWndY

これまでデフレ不況で苦しんできた製造業大手は大分助かったが

特に輸入依存の内需非製造系は厳しいという、わかり易い結果

http://1000nichi.blog73.fc2.com/blog-entry-122.html
[2014冬のボーナス・その他]
  ■国家公務員・地方公務員の給与・ボーナス引き上げラッシュ到来
  ■2014年冬のボーナス平均支給額 民間非製造業と国家公務員で大差
2014年冬のボーナス予想 (三菱UFJリサーチ&コンサルティング)

民間企業  377,128円(2.8%)
(製造業)  523,591円(9.8%)
(非製造業) 345,889円(0.9%)
国家公務員 666,100円(16.5%)
(民間はパートなども含みます)
  ■2014年冬のボーナス平均支給額 国家公務員は20%増、民間予想は?
  ■2014年冬のボーナス平均支給額 増加分は消費税増税分3%に満たず
  ■2014年冬のボーナス平均支給額・東証一部上場企業 製造業が上昇
  ■2014年冬のボーナス・業種別平均支給額ランキング 自動車強し?
  ■2014年冬のボーナス・業種別ランキング・ワースト 小売業がやはり低い?
  ■2014年冬のボーナス支給額・経団連調査が、高額となった理由は?
  ■2014年冬のボーナス支給額・経団連業種別ランキング 電機復活!
  ■2014年冬のボーナス支給額 公務員は非正規雇用より高くて当然
  ■2014年冬のボーナス、大企業と中小企業で格差拡大 輸出企業でも消極姿勢


03. 2014年11月26日 07:04:55 : jXbiWWJBCA

中小企業が良くならない限り、日本経済は回復しない

伊藤忠商事前会長 丹羽宇一郎氏に聞く(前編)

2014年11月26日(水)  日経トップリーダー

少子高齢化に伴う人口減少に対応しつつ、短期的には東京オリンピックに向けて新たなフェーズへと向かう挑戦を仕掛けていく――。グローバル化が一段と進む中、日本の中小企業は今、2つの大きな課題に直面している。では、経営者として何をどのように考え、行動していくべきなのだろうか。伊藤忠商事前会長で、中国大使も務めた丹羽宇一郎氏に聞いた。
日本は今、少子高齢化に伴う人口減少で苦しんでいます。これを前提としたときに中堅・中小企業はどのように考えて対応していくべきでしょうか。


丹羽宇一郎(にわ・ういちろう)氏 1939年愛知県生まれ。62年名古屋大学法学部卒業後、伊藤忠商事に入社。ニューヨーク駐在、業務部長などを経て98年社長に就任。99年に約4000億円の不良資産を一括処理しながら翌年度の決算で同社史上最高益(当時)を計上し、世間を驚かせた。2004年会長に退き、日本郵政取締役、国際連合世界食糧計画(WFP)協会会長などを歴任した後、10年から12年まで、戦後初の民間大使として中国に駐在した。(写真・菊池一郎、以下同じ)
丹羽:それは非常に重要な問題です。ご存じのように、日本企業の99.7%は中小企業です。それが全従業員数の7割を占めている。つまり、日本経済の基盤を形成しているのは中小企業です。

 ですから、中小企業の復活なくして日本経済の復活はあり得ません。にもかかわらず、今、その中小企業が追い込まれていて、後継者不足にも悩まされている。これは日本の強さの源泉を失うことになり、大変懸念すべき問題だと思います。

 日本経済がこれまで強かったのは、全世帯の7割を占める中間層がいたからです。非常に優秀なこの層が厚かったから、世界の信頼を得るような商品を開発することができた。その力が今、かなりそがれている。

 なぜかと言えば、企業のトップが、平均的労働者の10倍、20倍もの報酬をもらうようになってきたからです。これでは企業としての一体感を保てない。欧米流の業績評価が行き過ぎて、日本企業の強みであったはずのチーム力が発揮できなくなってしまっているんです。

若くて優秀な人材を採用できないのは魅力がないから

おっしゃるように、人材に関して日本の中小企業は悩んでいます。まず、優秀な若い人をなかなか採れない。非常に名のある大企業ばかりに人材が殺到して、実力はあるのに名前が知られていない中小企業にはあまり人が集まらない、という状況が続いています。

丹羽:人材が採れないのは、その企業に魅力がないからです。そこは、経営者として言い訳してはいけないでしょう。規模が小さいから、知名度がないから、経済環境が悪いから、という理屈は成り立たない。採りたい人材が採れないなら、それなりの方法を考えなければいけません。

 社会全体で言うと、もう、勤労者の4割近くがパート・アルバイト・派遣社員などの非正規雇用になっています。その中に立派な人もいますよ。それに、何も全員が新卒である必要はない。中途採用でもいい。採った人が辞めてしまうというのなら、その理由を考えて対処すればいい。

 以前、米国の調査結果を見たことがありますが、社員が辞める一番の原因は給料じゃないんですよ。

社員が辞める一番の原因は何でしょうか。

丹羽:最大の理由は上司です。会社の中の人間と折り合いが悪い。特に部長。挨拶してもロクに返してくれないとか、疎んじられているとか、これで辞める人が多い。各社で一度、上司が理由で辞めている人がどれくらいいるか、調べてみるといいと思います。


 一般論としてよく「3年以内に辞める若者が3割」というデータが引き合いに出されますが、これにはあまり意味がありません。第一に、いつの時代も若者は3割くらい辞めているのです。

 真剣にその対応策を考えたいのであれば、どの業種、どんな企業で辞めていく割合が高いのかまで細かく調べてみてください。各企業を取り巻く環境がこれだけ大きく違ってくると、一般論で考えていては対策を打ち出せません。「若い奴らはこらえ性がないんだろう」で終わってしまう。

部下は上司を3日で見抜く

丹羽さんご自身はトップにいらっしゃる時、どんなことを考えて部下(社員)をマネジメントしてこられたのでしょうか。

丹羽:やはりね、部下の立場に立って考えることです。よく言うんですけれど、上司が部下を見抜くには3年かかる。しかしながら、部下が上司を見抜くのは3日もあれば済みます。この上司は能力があるか、信頼できるか、部下はすぐに見抜きます。だまされたような顔をして、だまされてはいない。政治家を見る国民の目と一緒です。だから、上司たる者、しっかりと部下の勉強をしないといけない。

 中小企業の経営者も同じですよ。社員(部下)が結婚しているのか、していないのか。していないとすれば、したい気持ちはあるのか。既婚者だったら、家庭生活はどうか、奥さんが病気がちだったりしないか、とか、そういうことを把握しておかないといけない。

 やはり人間は、人としての自分の存在を認め、理解してくれる人のために働くものです。お金のためだけじゃない。大げさなことを言えば、経営者は「この人のためなら死んでもいい」くらいの気持ちを持ってもらえる人間になることですよ。

 ただね、認めてばかりでもいけません。大事なのはメリハリをつけること。例えばいつも褒めていると、人間は褒められるために仕事をするようになります。そうすると、会社のため、社会のために働くという大切なことを忘れてしまうんです。褒められるためなら、悪いことをしてでも利益を出すようになります。

 経営者は社員を認めるだけでなく、おかしいなと思ったら、利益が出ていても「どうしてこんなに利益が出ているんだ?」と社員を問い詰めるくらいの器量が必要ですね。

仕事のできる部下・できない部下がいますね。できない部下に対しても、分け隔てなく目をかけてこられたのでしょうか。

丹羽:それはどうだろうか。私自身が平等だと思っていても、向こうがそう思っていない場合というのはあるかもしれません。

 意識的にしていたのは、ちょっと生意気で斜に構えたような部下ほど気にかけて見ていました。そういう人間はたいてい自負心が強くて、自分の能力を過信している。「オレはこんなに仕事をしているのに、ちっとも評価されていない」と思っているわけです。

 でも、社会に出てからの評価は自分がするわけではありません。他人がするのです。だから、そういう社員を呼んで、仕事は試験とは違うんだというようなことをよく話していましたね。

 どの会社でもとんがった社員はいます。そういう跳ねっ返りの強いのを役員にしようとすると、たいてい上司が反対します。だけど、そういうときは上司にこう言うんです。「おまえはあいつの意見をちゃんと聞いてやったことがあるのか?」と。

 生意気な社員の話をよくよく聞いてみると、けっこうまっとうなことを言っていたりします。私に対しても会社に対しても非常に厳しい意見を言うけれど、ちゃんと自分の意見を持っている。そういう人間を役員にしないと、会社は恐らく衰退するでしょうね。同じカラー、同じ考えの人間ばかりで固まっていってしまう。

 だから、経営者というのは、そういう生意気な人間にも目をかけて、処遇していくということが大事だと思いますね。

経営者1人では何もできない。重要なのはチーム力

新しいことにチャレンジする際にも、臆せず、そういうとがった人材を抜擢していくことが大事でしょうか。


丹羽:新しいことって言ってもね、経営者1人では何もできませんよ。最初の話に戻りますが、結局はチーム力です。日本はこのチーム力で世界と戦ってきたんだから。

 それがね、だんだんと欧米流の業績評価が強くなってきて、もっと個人を評価しましょうというふうになってきた。だけど、個々を評価していくと、それまでのチームとしての強さが消えていくわけです。社内がお互いにライバルみたいになってしまう。

 そうではなくて、会社としての一体感がほしい。自分がサボったら、周りに迷惑を掛けるからやらなくちゃいけないとか、そういう気持ちが大切です。この上司・経営者のために頑張るんだというチームとしてのまとまりです。それが消えつつある、ということが今の日本の経営の一番の問題なんです。(後編に続く)

(構成:曲沼美恵)

事業承継/知的資産経営フォーラムを開催します

基調講演のテーマは「古からの遺産を磨き、もっと輝く会社に」
独立行政法人 中小企業基盤整備機構は、「平成26年度 事業承継/知的資産経営フォーラム」を12月4日(木)、東京で開催します。入場は無料です。8代続く老舗企業、龍角散の藤井隆太社長の基調講演を始め、様々な業種の経営者が登壇し、事業承継について必要なものは何か、厳しい市場環境の中で何をすべきかについて語ります。詳細はこちらをご覧ください。


このコラムについて
トップリーダーかく語りき

自ら事業を起こし数々の試練を乗り越えて一流企業に育て上げる。引き継いだ会社を果敢な経営改革で躍進させる――。 こうした成長企業のトップはどう戦略を立て、実行したのか。そして、そこにはどんな経営哲学があったのか。日経トップリーダー編集部が創業経営者やオーナー経営者に経営の神髄を聞く。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20141114/273863/?ST=print


04. 2014年11月26日 07:37:51 : jXbiWWJBCA

「「糸へん」小耳早耳」
フィットの解散は、関西繊維業界にとって大きな損失

今後も大阪の地位はさらに低下する

2014年11月26日(水)  南 充浩

 11月14日にTSIホールディングスが大規模な不採算ブランドの廃止を発表し、業界に衝撃が走った。まず、子会社で1990年代にはセレクトショップの先駆けとして知られていた「フリーズショップ」を展開するフリーズインターナショナルを解散する。フリーズショップは廃止。フリーズインターナショナルが展開していたもう一つのショップ「フリーズマート」の運営はサンエー・ビーディーに移管する。

 また、ホールディングス傘下の東京スタイルが展開していた「ナネット レポー」「ココフク」「ツールフェイス」「アリスミュー」の4ブランドは廃止する。東京スタイルが米国からのライセンスで生産していた「レベッカミンコフ」の展開は、サンエー・インターナショナルへ移管する。

 そして東京スタイルの子会社で、「ザ・ファースト」を展開するフィットは、ブランド廃止の上、来年2月末日で解散となる。

 この中でフィットの解散だけが異例だと感じる。なぜなら他の会社、ブランドはすべてもともとからサンエー・インターナショナルと東京スタイルが展開していた会社、ブランドであるのに対して、フィットだけが外部から買い取られた子会社だからだ。別資本企業として独自経営していたフィットを2011年3月に東京スタイルが買収したのである。

 数年前から東京スタイルは好調な個性派中小アパレルを買収しまくっていた。この数年間で東京スタイルに買収されたアパレル企業はナノ・ユニバース、ローズバッド、「トルネードマート」を展開するスピックインターナショナル、「スラップショット」を展開するエレファント、「アプワイザー・リッシェ」を展開するアルページュ、「ステューシー」を展開するジャック、「goa」ブランドを展開するウエイブインターナショナル、そして「ザ・ファースト」を展開していたフィットである。

 一方のサンエー・インターナショナルも「マーガレットハウエル」を展開するアングローバルを買収している。

 そして2011年6月にサンエー・インターナショナルと東京スタイルが経営統合し、TSIホールディングスを設立した後は、大型の企業買収は行われていない。

 外部から買われた企業で解散となるのはこのフィットが初めてのことになる。

 経営統合しTSIホールディングスを設立したものの、傍から見ていて経営統合の効果があったとはあまり感じられなかった。今年の8月中間連結決算でやっと初の営業黒字化に成功しているのである。黒字化するまでに3年間も費やしている。筆者のような部外者からすると、何のために経営統合したのかと、あまり理解できなかった。

 ちなみに、今年8月の中間連結決算は、売上高865億9300万円(前年比1.2%減)、営業利益3億1900万円(前年は14億400万円の赤字)、経常利益9億4900万円(前年は5300万円の黒字)、当期損失4億6500万円(前年は28億8800万円の赤字)という業績であり、微減収ながら営業黒字化と経常増益に成功したが、当期赤字は継続中である。財務体質では業界の優等生と呼ばれていた東京スタイルが経営統合に参加する意味があったのかといまだに不思議でならない。

 今回の大型スクラップについて、採算化不可能と見なしたブランドを廃止するとしており、これによって来期は10億円の利益改善を見込んでいるというのがTSIホールディングスの発表である。そのためブランド、子会社のスクラップは来期以降も継続すると見なくてはならないだろう。フィットの例があるように外部から買われた子会社も今後は安穏とはできない。数年後にはなくなっている子会社がいくつかあるのではないかと推測される。

 さて、東京拠点の業界人なら「フリーズショップ」の廃止に衝撃を受けたのだろうが、関西圏を拠点にしている筆者にとって、フィット解散の方が大きな衝撃である。実はこの発表の少し前から解散の噂は耳に届いていた。

フィットは大阪で奮闘していた数少ない企業だった

 かつて繊維の街として知られ、大手アパレルの本社が連なっていた大阪だが凋落は著しい。すでにかなりの数の大手アパレルの本社は東京に移転してしまっているし、登記上の本社は大阪のままだが、実質的な機能は東京に移転している企業も数多い。また、少し名の知れたアパレル企業は近年も続々と東京へ本社機能を移転している。大阪に本社機能を残したまま奮闘している企業は本当に数少ない。フィットはその中の一つだった。

 インターネットの発達で本社を東京に置く必要はないという議論があるが、ことアパレル業界に限っては東京一極集中はとどまる気配がなく、むしろ加速しているという感じさえ受ける。

 東京スタイルに買収される際に流された2011年3月のリリースによると、買収の前年の2010年1月期のフィットは、売上高21億1300万円、営業利益3900万円、経常利益3000万円、当期利益2300万円だった。ちなみに設立は昭和60年。当時の持ち株比率は鍛冶猛社長(現会長)が82%、その他個人2人で18%という割合だった。

 その前2期の決算も表記されているが、2008年1月期は売上高13億9600万円、営業利益2700万円、経常利益1800万円、当期利益200万円。2009年1月期は売上高22億8000万円、営業利益3300万円、経常利益2600万円、当期利益1500万円となっている。

 1年間で10億円も一気に増収している。2011年は減収だが増益となっており、当時は関西アパレル業界では成長著しい有望アパレルだった。「ザ・ファースト」というショップ名で直営店展開しており、2011年は33店舗体制となっていた。

 現在、同社のウェブサイトで確認したところ、アウトレットとインターネット通販サイトを除いて23店舗体制だったから、良くても2011年当時と横ばい、悪いと数億円〜10億円内外の減収となっていると推測される。このあたりも「採算化の見込みなし」として解散に追い込まれる一因となったのだろうか。

 一般的に20億円〜50億円内外の規模のアパレルがもっとも苦しいと言われる。売上高が100億円を超えるとアパレル企業の経営は安定期に突入する。逆に10億円内外や数億円規模なら資金力はないものの、従業員数が少ないうえに計画変更の小回りが利きやすいことから、企業経営は比較的楽だとされている。20億円〜50億円内外の規模が中途半端で経営は難しいといわれる。

 このため、この規模の企業が大手に買収されたり、資本参加してもらったりというのは業界ではよくある話である。大阪を拠点に成長した遊心クリエイションも日鉄住金物産が資本参加している。

 2011年3月当時、フィットが大手企業である東京スタイルに買収されたことに対して危機感を抱いた人間はいなかっただろう。おそらく多くの識者と呼ばれる業界通も明るい未来を予測していたはずだ。識者なんていう柄ではないが、筆者もそのうちの一人である。ところがその3年後に解散の発表となった。

 大手の子会社となるメリットは数多くある。しかし、デメリットもある。親会社の意向でブランドが廃止になったり会社が解散になったりすることであり、今回はそのデメリットが露わになったケースだといえるだろう。そういえば、同じ東京スタイルの子会社のウエイブインターナショナルも新規で立ち上げた「ラウレアサニーサイドストア」というカジュアルブランドをわずか1年で閉鎖している。これがもし、東京スタイルの子会社になっていなかったら、もう少し継続することができたのではないかと考えてしまう。継続した結果、傷口が広がってしまうということもよくあるのだが……。

 それにしてもフィットの解散とブランド廃止は、関西繊維業界にとって大きな損失である。なぜならここと取引していた関西拠点の小ブランドも多いし、ここをメインの取引先としていた関西拠点のOEM/ODM企業も数多くある。これらのブランドや企業には大打撃といえる。今後はアパレル大手だけではなく、OEM/ODM企業の本社も東京移転がさらに加速するのではないだろうか。繊維・アパレル産業における大阪の地位はさらに低下しそうだ。

このコラムについて
「糸へん」小耳早耳

普段、私たちが何気なく身に着けている衣服の数々。これらを作る世界では何が起きているのか。業界に精通した筆者がファストファッションから国内産地の実情まで、アパレルや繊維といったいわゆる「糸へん」産業にまつわる最新動向を鮮やかに切り取る。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20141121/274160/?ST=print


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