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就活、売り手市場でも油断できない理由 「後ろ倒し」でも実質的な選考はもう始まっている!
http://toyokeizai.net/articles/-/54163
2014年11月24日 中川 雅博:週刊東洋経済編集部 記者
いよいよ来週から12月。1年の総仕上げの時期だが、現役の大学3年生には現実が迫る。就職活動である。例年だと12月から就活は本格化してくる。ただ、今年は違う。こんな学生の声が方々から聞こえてきている。「まだ大丈夫でしょ」。就活の時期が、“後ろ倒し”になるからだ。
2013年9月、経団連(日本経済団体連合会)は「採用選考に関する指針」を発表。2015年に行われる2016年卒(現在の大学3年生)の就活から、会社説明会などの採用広報活動の解禁は従来の12月から翌年3月に、面接などの選考開始は同4月から8月へと変更されることになったのだ。
後ろ倒しの議論は、商社の業界団体である日本貿易会を中心に、4年ほど前からあったが、安倍政権の強い後押しを受け、今回ようやく具体化した。
そもそもの目的は「学生が本分である学業に専念する十分な時間を確保するため」と、経団連の指針には書かれているが、この指針自体が早くも有名無実化しつつある。16年卒の優秀な新卒学生を囲い込もうと、企業はもう動き出しているのだ。
■インターンシップが急増
景気回復に伴う人手不足も重なり、多くの企業が採用意欲を高め、学生優位の「売り手市場」となっている昨今、2015年の就活も人材争奪戦となるのは必至。はやる思いが現れているのは、急増するインターンシップだ。
就職情報サイト「リクナビ2016」のプレオープン版にインターンシップの情報を掲載したのは、約2700社に上る。前年比では倍増、そしてリクナビ史上過去最高の数字だという。文化放送キャリアパートナーズの調査でも、今年以降有効になる採用手段として、最も多くの企業が選んだのが「大学3年生対象のインターンシップ」となった。
今年は1日のみの「ワンデーインターンシップ」が多くの企業に広がっている。これまでインターンシップを開催したことのない企業にとっては、1〜2週間、各職場に学生を受け入れるノウハウはなく、取り組みやすい。
ただこれは、実質的な会社説明会になっている。経団連の上記指針では3月まで説明会を開催できず、これをかわす「隠れみの」にして、できるだけ早く自社に親しんでもらおうとするわけだ。
さらに今年になって増えているのが、インターン参加者のためのフォローイベント。実際のインターンの数カ月後に、会社についてより深く理解してもらうために開催するイベントだ。こうして企業は、自社の求人に関心を持つ学生を集める動きを、すでに本格化させている。学生側としては志望企業が投げる網に引っかかるよう、今すぐ動き始めなければならない。
■8月選考開始企業は戦々恐々
8月に選考を開始する大企業は、今から戦々恐々だ。というのも、選考開始が8月に繰り下がっても、大半の企業は従来どおり10月1日に内定式を行うからだ。つまりこれまで4〜10月と6カ月あった選考期間が、わずか2カ月に短縮される。企業はその期間で、採用計画人数を満たさなければならない。他社に先駆けて優秀な人材を採ろうと思えば、スタートダッシュがカギになる。
「来年は『内々定の打診』という言葉が出てくる」と話すのは、文化放送キャリアパートナーズ就職情報研究所の平野恵子研究員。簡単に言えば「8月になったら内々定を出す」と約束すること。正式な選考開始前に、リクルーター面談などで実質的な選考を行い、7月末頃までには内々定を出す学生を人事部が決めてしまうのだ。
もっとも、経団連非加盟の大企業や、中堅・中小企業は、一定数が8月以前、早ければ4月から選考を行い、内々定を出すとみられている。“すべり止め”ともいえる内々定を持って、8月の大企業の選考に臨む学生も増えることだろう。
こうした企業の動きからいえることは、学生が経団連の指針通りに動き始めたとしても、採用の大波に乗り遅れる可能性が高いということ。早くから開くイベントで、企業は有望な学生を探している。内々定の席は、徐々に埋まっていくのだ。8月に近づいたタイミングで初めて説明会に出席し、そこからエントリーシートを提出していたら、わずかに残った席を大人数で争うことになってしまう。そうならないためにも、早め早めの動きが不可欠だといえる。
今の時期から冬にかけては、これから多くのインターンシップや業界・仕事研究のイベントが開かれる。企業と接触しておくという意味合いもあるが、それだけ将来の仕事について考える機会が与えられているのだ。「あれもこれもしなくちゃならないのか」と考えるのではなく、「こんな仕事をしている人に話を聞きたい」「あの会社をインターンでのぞいてみたい」という好奇心を持って活動すれば、楽しく、意義のある就活になるはずだ。
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