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【日本の解き方】GDPショック埋める景気対策、定額給付金など10兆円規模の財政出動が必要
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20141122/dms1411221000003-n1.htm
2014.11.22 夕刊フジ
7〜9月期国内総生産(GDP)の1次速報で、実質成長率は年率換算で前期比1・6%減だった。これで2期連続でマイナス成長であり、伝統的な経済学ではリセッション(景気後退)である。
ちょっと数字を整理しておこう。2013年7〜9月期から10〜12月期、駆け込み需要のあった14年1〜3月期、その反動減と消費増税による需要後退のあった4〜6月期、そしてこの7〜9月期の実質GDPの対前期比はそれぞれ、2・4%増、1・6%減、6・7%増、7・3%減、1・6%減である。
マスコミはこの数字ばかり報道しているが、傾向を見るためには、それぞれの前年同期比をみるといい。それらの数字は、2・3%増、2・5%増、2・9%増、0・2%減、1・2%減となっている。
これを見ると、消費増税の4月以前には、2%程度の実質経済成長をしていたが、消費増税後の4月以降はマイナス成長になったことがすぐわかる。これを天候のせいなどと言っていた増税派エコノミストや学者もいたが、さすがにもうウソはつけないはずだ。最近ではさすがにダンマリを決め込んでいる。
ただ、経済がこうなった以上、先日の日銀の追加金融緩和に加えて、経済対策が検討されなければいけない。
来年10月に予定されていた消費再増税を先送りしたのは当然として、経済の落ち込みを防ぎ、再び成長軌道に乗せるための当面の対策として必要なのは、財政と金融のマクロ経済政策である。その上で、中長期的な対策として成長戦略が出てくる。
この順番は重要だ。そもそも成長戦略には時間がかかるものが多い。その上、現在の需給ギャップ(需要と供給の差)を埋め成長路線の入り口に立たないと、成長戦略の効果は出てこないことを忘れてはいけない。
それを踏まえた上で、現在の需給ギャップについて、内閣府の従来の分析を行えば、2期連続のマイナス成長によって今のところ15兆円程度あると思われる。これを財政政策と金融政策で穴埋めするのが、経済対策のセオリーだ。
金融政策の効果はすぐにはフルに発揮されず、徐々に効いていくので、先般の追加金融緩和を所与とすれば、財政政策では10兆円程度の財政出動が必要だろう。
財政出動というとすぐに公共事業という発想になるが、実は公共事業では労働力や資材の面で制約があるので、予算をつけてもすぐに有効需要に結びつかない。このため、給付金や租税歳出(減税)で行う方が有効需要をすぐに作りやすい。
減税では、消費減税が優れているが、政治的に困難であれば、定率減税などの所得税減税でもいい。しかし、消費増税の影響は低所得者層により大きな打撃を与えているので、定額の給付金も良い対策になる。例えば、5万円の定額給付金を1億人に行えば、5兆円の経済対策になる。まずい経済政策によって、国民に迷惑をかけたのだから、この程度の給付を行ってもいいだろう。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
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