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長期金利の上昇は間近か/(C)AP
増税延期で現実味帯びる 2017年4月「日本国債暴落」
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/155122
2014年11月21日 日刊ゲンダイ
日本国債は大丈夫なのか――。消費再増税が先送りされたことで、金融市場がピリピリしている。海外投資家から見れば、来年10月の消費税10%への引き上げは国際公約で、日本の国内事情である「景気条項」など関係ない。安倍政権は約束を反故にしたと判断して当然だろう。
すでに欧米系大手格付け会社のフィッチ・レーティングスは日本国債の格付け見直しを表明した。
「フィッチと並ぶ世界3大格付け会社の米S&Pと米ムーディーズも動くかもしれません。そうなったら、日本国債売りが現実になる恐れが出てきます」(マーケットアナリストの黒岩泰氏)
今のところ、国債市場は安定を保っている。19日の長期金利も0.47%と落ち着いているが、何しろ国際公約を破ったのだ。この先どうなるか分かったものではない。
安倍首相は18日の会見で、17年4月の再引き上げについて「再び延期することはない」と明言したが、うのみにする海外投資家は少数派。再増税を中止する新たな法律を成立させれば、いとも簡単に「中止」できるからだ。
「増税直前に3.11大震災を上回るような災害が首都圏を襲うかもしれません。不安要素はいくらでもあるのです」(外資系証券アナリスト)
■一層の円安進行で景気減速
再増税される17年4月の景気も不透明極まりない。大手シンクタンクや証券各社の経済見通しは、再増税直前となる16年度の実質GDPを1.4〜1.8%成長としている。気になるのは為替相場で、1ドル=120〜125円が主流だ。今以上に円安は進み、輸入インフレが加速。庶民生活はさらなる物価上昇に直面し、キュウキュウとしている。そんな時期に消費税が10%に引き上げられるのだ。
このとき、現在と同じように消費が低迷し、景気が減速していたら、間違いなく海外ヘッジファンドは「日本国債売り」を仕掛けてくるという見方がある。
「日本の政府債務残高は対GDP比で230%超と世界最悪です。米国の106%、ドイツの83%と比較しても歴然としている。しかも日銀は国債を年間80兆円も買い入れ、海外勢はマネタイゼーション(財政ファイナンス)だと非難する。再増税が引き金となり、日本の財政は破綻に向かうと断言するヘッジファンドが必ず出てきます。日本国債は“売り浴びせ”です」(金融関係者)
長期金利が1%、2%、3%と上昇(価格は下落)し、「あっという間にジャンク債とみなされる7%に達する危険がある」(前出の黒岩泰氏)。
頭の中は「延命」の2文字しかない安倍首相の保身によって、国債暴落は絵空事ではなくなってきた。
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