★阿修羅♪ > 経世済民91 > 728.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
ドル一時118円台、FOMC議事要旨受け=NY市場(ロイター)
http://www.asyura2.com/14/hasan91/msg/728.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 11 月 20 日 08:34:05: igsppGRN/E9PQ
 

ドル一時118円台、FOMC議事要旨受け=NY市場
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0J32HZ20141119
2014年 11月 20日 07:44 JST


[ニューヨーク 19日 ロイター] - 19日のニューヨーク外為市場では、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録要旨発表を受け、一時ドルが対円で7年ぶりの高値水準となる118円台に乗せた。議事要旨の内容に米景気拡大の見通しを変えるような驚きはなく、日米の金融政策の方向性の違いから日米金利差が拡大するとの観測がドルの後押し要因となった。

また6年半ぶり高水準となった米10月住宅許可件数もドルを支えた。

ドル/円JPY=は議事要旨発表後一時下げたが、ほどなく切り返して118円台に上昇、終盤も118.00円を挟んでの取引となっている。

ユーロ/ドルEUR=の動きは小幅にとどまり、直近の取引で1.2539ドル。

議事要旨発表後のドルの動きについてBMOキャピタル・マーケッツ(ニューヨーク)のFX戦略部門の責任者のグレッグ・アンダーソン氏は「市場はドルに対して依然強気で、押し目買いの機会を狙っている」と述べた。

また、シティFX(ニューヨーク)のG10外国為為替戦略部門の責任者のスティーブン・イングランダー氏は強めの内容となった米住宅指標に触れ、「住宅市場が上向き始めているなら、米経済とドルにとって確かな支援要因になる」との見方を示した。

ドル/円   NY時間午後4時   117.98/00

始値   117.58/59

前営業日終値   116.83/85

ユーロ/ドル NY時間午後4時 1.2542/44

始値   1.2537/41

前営業日終値   1.2535/37


 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 2014年11月20日 09:48:15 : nJF6kGWndY

円が既に史上最高の移動平均乖離率に達している上に、

円安にもかかわらず、内需縮小で、貿易赤字も縮小

これで所得収支など経常黒字がさらに膨らめば、何らかのきっかけで円高への強烈な反転もありそうだが

政府が財政赤字を増やすのは確実だから、さらに歴史的な乖離が進む可能性も高い

またVIXは高くなるか

http://www.mof.go.jp/international_policy/reference/balance_of_payments/bpnet.htm


http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0J400120141120
貿易収支10月は7100億円の赤字、輸出入とも2カ月連続増
2014年 11月 20日 09:11 JST
[東京 20日 ロイター] - 財務省が20日に発表した10月貿易統計速報によると、貿易収支(原数値)は7100億円の赤字となった。赤字は28カ月連続。

輸出は前年比9.6%増の6兆6885億円で2カ月連続の増加。自動車(6.2%増)、鉄鋼(11.8%増)、船舶(53.9%増)などが増加した。

輸入は同2.7%増の7兆3985億円で2カ月連続の増加。液化天然ガス(6.1%増)のほか、「iPhone(アイフォーン)6」販売に向けた携帯電話など通信機(29.6%増)が増加した。

地域別では、米国向け輸出が前年比8.9%増となり2カ月連続で増加、中国向け輸出も同7.2%増と2カ月連続で増加した。欧州連合(EU)向けは同5.4%増と17カ月連続の増加となった。

貿易赤字(季節調整値)は前月比8.4%減だった。 

ロイターが民間調査機関を対象に行った調査では、貿易収支の予測中央値は1兆0500億円の赤字。輸出は前年比4.5%増、輸入は同3.4%増だった。


02. 2014年11月20日 14:57:50 : e9xeV93vFQ

コラム:ドル円は「日米の限界」に挑戦、来年130円も=山本雅文氏
2014年 11月 20日 13:38 JST
山本雅文 プレビデンティア・ストラテジー マーケットストラテジスト

[東京 20日] - 10月初めにかけてのドル円相場の110円への上昇は、早期の米利上げ開始を見込んだスピード違反であり、その後の105円台への調整はやや幅が大きかったものの必然だったと言える。他方、今回の10月末以降のドル円上昇は、日米当局が自身の行動の帰結を理解した上で、確信犯的にドル高・円安政策をとった結果と解釈でき、持続的なものになりそうだ。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は、インフレ率がなかなか目標水準へ上昇しない状況やドル高に懸念を示さずタカ派的なスタンスをとれば、さらなるドル高を通じてインフレ目標が遠のくリスクが高まることは自明だったにもかかわらず、10月会合では低インフレに対する警戒をあまり強めなかった。

また、FOMCは世界景気についても、結果的にユーロ圏の国内総生産(GDP)はマイナス成長を逃れたものの、中国の減速は今後も続く見通しにある中、米国経済への影響は極めて限定的として特段懸念を強めず、あたかも他国の状況がどうであろうと、世界経済のけん引役である米国で労働市場の改善が続けば利上げに向けて邁進していく孤立主義的なスタンスを示した。

一方で日銀は、まるで日本経済の7―9月期GDPのマイナス成長を事前に知っていたかのように、市場に先手を取って追加緩和を実施した。規模は大きくなかったが、タイミング的なサプライズによるアナウンスメント効果に加えて、外国資産投資比率を40%へ大幅に引き上げる公的年金の運用方針の変更と同時に発表するという、元財務官らしい協調介入的な手法をとった。もっとも、安倍政権下での政府・日銀は一体とみてよく、黒田日銀の個人技ではないだろう。

これまでもかなり急な上昇だったが、現在の日米政策当局の対照的な政策スタンスに大幅な修正が入らなければ、ドル円相場は主要通貨ペアの中で最も方向性が明確な通貨ペアとなっていることから、年内120円は通過点に過ぎず、来年前半に125―130円へのオーバーシュートも十分あり得る情勢となってきた。日米の景気、両国の政策当局が、どこまでドル高円安に耐えられるのか、市場はその覚悟と限界に挑戦することになりそうだ。

<為替介入を招く水準はどこか>

では、どこまでドル高円安が進めば日米の限界に達するのだろうか。一つの目安として、過去のドル売り円買い介入水準をみてみよう。

財務省データによれば、ドル売り円買い介入は1991―92年および97―98年に行われており、筆者も日銀時代に後者に関わったが、いずれも125円を超えた水準から実施されている。逆に言えば今回もその水準まで行かないと実施されないかもしれず、まだ10円程度の「のりしろ」がある。

実弾介入の前段階として、口先介入が行われ、円安進行につれ表現が次第に強くなっていくだろうが、最終的には同方向のマクロ経済政策を伴わなければ介入は効果がない。特に現状、円安をもたらす強力な金融緩和を行いながら、過度な円安は望ましくないと言っても自己矛盾で「から脅し」に過ぎず効果がない。本当に当局が円相場の方向性を転換させたいのであれば、金融緩和の停止、縮小をすべきだが、それは今後数年間あり得ない。

なお、経済的に言えば名目的な水準の意味合いは薄く、実質相場の水準で円高・円安を判断すべきだが、円の実質実効相場でみると現在は過去にドル売り円買い介入が行われた水準と比べて3割以上も円安水準となっている。それにもかかわらず追加的な円安政策がとられていることを考慮すると、当局および一般国民は実質相場よりも名目相場で捉えている可能性が高いことがうかがえる。

日本が本当に円安で困るとすれば、輸入物価の急騰が一般物価に浸透し、実質賃金の低下が消費を押し下げることだが、これが経済統計で確認されるには速くて半年程度はかかるだろう。

円安を受けて海外投資家が自国通貨換算での日本の株式や不動産の資産価値の目減りを嫌気して売却するような場合も、「日本売り」であるため当局は警戒するだろうが、今後の円安方向が明確であることから、対日投資には為替ヘッジが行われている可能性が高く、すぐには資本流出につながらないとみられる。

米国はドル高円安で何か困るだろうか。通常の波及チャネルとして、全般的なドル高は輸出とインフレを抑制する効果があり、実際、ドル高円安シナリオの最大のリスク要因はFOMCの突然のハト派化だ。最近の主要国中央銀行のコミュニケーションをみると、市場に十分織り込ませて行動を起こすというソフトランディング型ではなく、イングランド銀行(英中銀、BOE)を筆頭として、非線形的に豹変することが多い点は注意する必要がある。

今回も、インフレ率がなかなか上昇しないことを急に重視し、ハト派度を強めてくる可能性もある。とはいえ、円の独歩安で、ドルが対その他通貨では円ほどには上昇していない状況であれば、ドル高円安は米国にとって大問題とはならないだろう。日本にとってドル円相場は非常に重要だが、米国にとって対円相場は貿易の観点から人民元、ユーロ、カナダドル、メキシコペソに次ぐ5番目の通貨に過ぎず、米国が日本にとって重要であるほどには、日本は米国にとって重要ではない。

<クロス円も上昇の可能性大>

以上を踏まえると、日米当局の対照的な政策スタンスがもたらすドル高円安には、当面大きな障害がないと判断でき、日米の覚悟の程度と政治・経済的な限界を試すべく、市場はドル買い円売りを進め、来年にかけて130円へオーバーシュートするだろう。

日本政府・日銀のあからさまな円安政策により、円はユーロよりも、他の主要な先進国通貨そして多くの主要な高金利・新興国通貨と比べても弱い通貨となる可能性が高まっている。特に、ブラジルレアル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソなど、国内に政治・経済的不安定要因を抱えており、米国の利上げ局面では資金流出懸念から売り圧力を受けやすい通貨も、対円では横ばいか小幅上昇を確保することができそうだ。

金利を考慮すればさらに妙味があることから、これらの通貨は日本からの投資資金のみならず、国際的な円キャリー取引活発化の恩恵を受け、ドル高からくる悪影響がある程度相殺されそうだ。自国通貨を弱くしたいユーロ圏、豪州やニュージーランド、円安により直接的な悪影響が出やすい韓国にとっては歯がゆい問題だが、新興国へのメリットもある点を国際社会で主張していけば、円安政策に対する批判は全体として高まらないだろう。

ドル高円安シナリオのリスクとしては、前述した米国の突然のハト派化のほか、日本の消費増税延期やアベノミクス継続を問う衆院解散・総選挙からくるリスクがある。ただし、株高をもたらしてきたアベノミクスに対する国民の支持や、野党勢力の低迷を背景に、与党自民党が勝利し安定政権期間がさらに延期され、アベノミクスが継続され株高・円安基調が続くというのがメインシナリオだ。

もっとも、今年4月の消費増税後の予想外の景気低迷や閣僚辞任問題などで支持率に低下圧力がかかったのも事実であり、与党敗北リスクが低いにせよ存在し、選挙後のアベノミクスの軌道修正リスクが頭をかすめる投資家もいるとみられることから、選挙がない場合と比べて株価調整や円買戻しリスクが増したのも事実だ。

一方、消費増税の延期は、足元の2四半期連続マイナス成長を踏まえれば国際的にみても不適切とは言えず、これ自体が「日本売り」につながる材料とはならないだろう。むしろ次回の増税には景気条項が付けられないことで、今回与党が選挙に勝利できれば財政規律が強められるとみることもできる。

*山本雅文氏は、外為投資に関する調査・分析・情報発信を行うプレビデンティア・ストラテジーの代表取締役兼マーケットストラテジスト。日本銀行で短観調査作成、外為平衡操作(介入)や外為市場調査・モニタリングに従事した後、ドイツ・フランクフルト駐在を経てセルサイドに転出。日興シティグループ証券で通貨エコノミスト、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド銀行東京支店およびバークレイズ銀行東京支店で日本における為替ストラテジーチームのヘッドを歴任後、2013年8月にプレビデンティア・ストラテジーを設立。国際基督教大学卒業。
http://jp.reuters.com/article/jp_forum/idJPKCN0J407A20141120


 

円が対ドルで7年ぶり安値更新、日米政策相違で−118円台後半

  11月20日(ブルームバーグ):東京外国為替市場では円が午後に入り下げ幅を拡大し、対ドルで7年3カ月ぶりの安値をさらに更新している。日米金融政策の方向性の違いなどを背景に、1ドル=118円台後半まで円安・ドル高が進んでいる。
午後2時15分現在のドル・円相場は118円61銭前後。19日には米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が公表されたが、米連邦準備制度理事会(FRB)が来年利上げに踏み切るとの見方は変わらず、ドル・円は米国市場終盤に118円台に突入。この日の東京市場でもドル買い・円売り優勢の流れが続き、午後には一時118円64銭と2007年8月以来の円安値を付けた。
大和証券金融市場調査部の亀岡裕次チーフ為替アナリストは、FOMC議事録がインフレ期待の低下に言及したことは「決してドル高材料ではないと思うが、結果的に金利が少し反発しているし、ドル安には作用しなかった」と指摘。その上で、「きのうはドル高という感じだったが、11月に入ってからはどちらかというと円安という要素の方が強い」と言い、「現実的に120円が意識される」と話す。
ユーロ・円相場は一時1ユーロ=148円83銭と08年10月以来の水準まで円安が進行。円は主要16通貨のうち韓国ウォンを除く15通貨に対して下落している。
FOMC議事録
FRBが19日公表したFOMC(10月28、29日開催)の議事録によると、多くの政策当局者は国民のインフレ期待低下の兆候に警戒すべきだとの認識を示した。また、FOMCメンバーは「インフレ期待がしっかりと抑えられた環境の中で(人的)資源のスラック(たるみ)が減少し、インフレ率は目標の2%に戻ると引き続き予想した」ことが示された。
議事録では、多くの参加者が国外の成長減速の米経済への影響は「極めて限定的だろう」と予想したことも示された。理由として米経済における外国との貿易が占める割合が「比較的小さい」ほか、ドル相場の変動の影響も「穏やか」で、外需の鈍化は「当初懸念されていたほど深刻にはならない可能性が高い」と説明した。
三井住友銀行市場営業部ニューヨークトレーディンググループの柳谷政人グループ長(ニューヨーク在勤)は、議事録がインフレ期待の低下に言及したことについて、「グローバルに消化しつつある大きなストーリーを変えるわけではない」とし、「ドル・円上昇のトレンド感」が出てきていると指摘。「この動きを止めるような参加者がいなくなる可能性の方が高い」とし、月内に120円も視野に入ると語った。
円売りに安心感
菅官房長官は20日の記者会見で、118円台まで進んだ円安について、背景や要因についてコメントは控えたいとし、為替相場の動向を注視していくことが大事と述べた。
日本銀行が予想外の追加緩和を決定した先月末以降、円は対ドルで8%近く下落。大和証の亀岡氏は、安倍首相が消費再増税を見送る方針を表明したことで、「日本の景況感に対する安心感から株高とともに円安が進みやすい。円高へのきっかけになる材料がないので安心して円を売っている」と話す。
一方、この日発表された10月の貿易収支は赤字額が前年同月比35.5%縮小の7100億円となり、市場予想の1兆270億円を下回った。輸出が2カ月連続で前年比プラスを維持した一方で、輸入は原油価格の下落で伸びが縮小し、赤字額は2カ月ぶりに前年同月を下回った。
クレディ・アグリコル銀行外国為替部の斎藤裕司エグゼクティブ・ディレクターは、「輸出が伸びており、そこからさらに円安が進んでいることを考えれば、これから赤字は減っていくという見方が出るだろう」と指摘。その上で、朝方は貿易赤字が予想より少なかったことで円を買う動きも見られたが、輸入企業など円を売り遅れている向きは多いとみられ、「ドル・円の下値は限られる」と話していた。
記事についての記者への問い合わせ先:東京 小宮弘子 hkomiya1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net 青木 勝, 崎浜秀磨
更新日時: 2014/11/20 14:16 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NFB6DA6K50Y701.html


米で異例の寒波、死者も…NY州が非常事態宣言
2014年11月20日 11時55分

米ニューヨーク州で19日、屋根などに積もった雪をかく市民ら(ロイター)

 【ニューヨーク=水野哲也】米国の広い範囲で11月としては異例の寒波が到来し、CNNテレビなどは19日、ニューヨーク州西部のバファロー周辺で少なくとも7人が積雪に伴う事故などで死亡したと伝えた。

 各地で記録的な寒さとなり、18日には全50州で氷点下の気温を観測した。全米の約半分の地域で積雪があった。バファローでは積雪が1・8メートルに達し、各地で事故が多発。雪で立ち往生した乗用車やバスの中から丸1日以上出られなくなる人が相次いでいる。

 雪は20日も降り続くと予想されており、ニューヨーク州は非常事態を宣言し、州兵を動員して住民の支援などにあたっている。
http://www.yomiuri.co.jp/world/20141120-OYT1T50040.html
 


アングル:中国不動産市場に底打ちの兆し、販売や投資に明るさ
2014年 11月 20日 12:59 JST
[北京 20日 ロイター] - 10月の中国主要70都市の新築住宅価格は前年比2.6%の下落と、約4年ぶりの大幅な落ち込みになった。しかし不動産販売・投資や、建設活動などはいずれも持ち直しの兆しが出ており、不動産セクターが最悪期を脱したことがうかがえるようになってきた。

不動産市場低迷は中国経済にとって最大の脅威になると懸念する海外の投資家にとっては、住宅価格が底打ちしたとなれば、今年一番の朗報になるかもしれない。

もちろん中国の住宅市場はなお足場が弱く、政策面の支えがなければまた沈み込む恐れはある。それでも一部の住宅購入希望者やブローカー、ディベロッパーなどは潮目が変わりつつあると確信している。

北京付近で住宅購入を検討中の24歳の男性は「住宅市場は少しばかり熱気が出てきたように見受けられる。今なら北京郊外で小さな家を買うことを考えられる」と話した。

中国の住宅価格は2009年からの5年間のうち4年で過去最高を更新したが、今年に入って政府が融資や頭金比率の制限を通じて価格抑制に乗り出し、市況は冷え込んでしまった。

しかし9月には世界金融危機以降で初めて頭金比率を下げるなど、最近になって不動産規制が緩和されており、そうした政策効果が顕現化している可能性がある。

10月の主要都市の住宅価格は前月比では0.8%の下落と4カ月ぶりの小幅な落ち込みにとどまった。住宅ローン件数も1─10月は4.3%減で、1─9月の4.9%減からマイナス幅が縮小した。

あるブローカーは「10月以前は顧客に住宅購入を考えるよう説得するのは骨が折れたが、現在は多くの顧客が積極的で、気に入った物件ならば即座に購入を決めている」と述べた。

<住宅部門が成長押し上げも>

不動産サービス会社Eハウス・チャイナ(EJ.N)によると、主要都市で売れ残った在庫物件は前月比0.9%減と、ここ9カ月近くで初めて少なくなった。

INGのアジア調査責任者、ティム・コンドン氏は、住宅指標は価格が下落する都市が今後減っていくことを示唆しており、全般的な住宅価格が底打ちするのは時間の問題だと指摘。中国の成長率見通しにおいて住宅部門は上振れ要因になる可能性があるとの見方を示した。

ほかにも住宅市場にとって明るい材料がある。10月の不動産投資は11.8%まで伸びが加速し、住宅建設は9月の0.2%減から約43%増と急反転。1─10月のディベロッパーの土地購入も1─9月の4.6%減から1.2%増に盛り返した。

中堅ディベロッパー、陽光100中国(2608.HK)のバイスプレジデントのFan Xiongchong氏は「市場は底を打ちつつある」と明言した。たたし反発の動きがどの程度のスピードでどのぐらい安定的かを判断するのは難しいと釘を刺した。

(Shao Xiaoyi記者、Koh Gui Qing記者)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0J407X20141120


 

日本経済への成長期待が持ち直し、日銀追加緩和で=GSAM調査
2014年 11月 20日 12:14 JST
[東京 20日 ロイター] - 日本経済の成長に対する国内の個人投資家の期待感が、日銀追加緩和で持ち直したことがわかった。ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントがまとめた第4回国内個人投資家調査によると、12カ月後の日本経済の「プラス成長」を予想した回答の割合は62%と緩和前の54%から回復した。ただ、昨年の69%からは減少している。

今年の調査は日銀の追加緩和前(10月)と緩和後(11月)の2段階で実施した。日銀の追加金融緩和を受け、個人投資家の国内経済への期待感が持ち直したことを裏付ける形となった。

12カ月後の「マイナス成長」を予想した回答も11月調査では10.4%と、10月調査の14.4%から縮小している。ただ、こちらも昨年の7.7%からは依然として拡大基調にある。

今後保有したい資産クラスに関しては、11月調査で「国内株式」との回答が75%(10月時点70%、昨年72%)、「先進国株式」が24%(同19%、16%)、「新興国株式」が13%(同11%、12%)。「REIT」が30%(同24%、24%)となった。これに対して「円預金」、「外貨預金」の回答はともに昨年調査から低下しており、株式やREITに対する個人投資家の関心が高まっていることも示した。

調査は金融資産3000万円以上を世帯で保有する20歳以上の個人投資家が対象。マクロミルを通じ10月10─11日にインターネット上で実施した。有効回答数は1000。また日銀の追加緩和を受け、回答者を対象とした追加調査を同社を通じ11月6─10日に実施。有効回答数は972となっている。

(長田善行)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0J407820141120


 


03. 2014年11月20日 20:20:38 : jXbiWWJBCA

コラム:日銀緩和中毒が招いた財政規律の喪失=河野龍太郎氏
2014年 11月 20日 19:05 JST
河野龍太郎 BNPパリバ証券 経済調査本部長

[東京 20日] - 従来から筆者は、日本経済の中長期シナリオとして、次の4つを掲げてきた。1)デフレ回帰、2)4―5%の比較的モデレートなインフレ下での金融抑圧、3)10%程度の高インフレ下での金融抑圧、4)安倍政権が目標とする「2%潜在成長率・2%インフレ」の定着である。

高水準の公的債務を抱える中で、財政・金融政策によってデフレ脱却を目指せば、インフレ醸成後に財政従属に陥り、金融抑圧が不可避となる。つまり、インフレ率が上昇しても、財政への配慮から長期金利上昇を避けるために、ゼロ金利政策や長期国債の大量購入を止められず、結局、インフレ・タックスによって公的債務の圧縮を図ることになるというのが、アベノミクスがスタートした段階からの筆者の想定であった。

基本シナリオは2番目だが、1番目のデフレ回帰シナリオ以外はいずれもインフレ醸成後、金融抑圧が採用され、ゼロ金利政策や長期国債大量購入政策が継続される。4番目のハッピーエンドシナリオでも、内閣府が認めている通り、公的債務の対国内総生産(GDP)比の低下を可能とする基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字を確保することはできない。この場合でも財政調整を進めなければ、金融抑圧の採用が不可避となる。

また、デフレ回帰シナリオについても、デフレ下で公的債務がさらに積み上がり、財政調整も選択されないとすれば、最終的にはインフレ・タックスが不可避となる。デフォルトを避けようとすれば、理論的にも歴史的にも、公的債務の圧縮は財政調整かマネタイゼーションによるインフレ・タックスの二つの選択肢しかないのである。

従来、2番目の基本シナリオでは、アグレッシブな財政・金融政策の継続から完全雇用が定着し、2015年後半から賃金上昇を伴ったインフレ率の加速がスタート。長期金利急騰を避けるべく、日銀が本格的な金融抑圧を開始すると予想していた。国債価格支持政策による長期国債の無制限購入である。

しかし、長期金利が急騰する前に、日銀は10月31日の追加緩和によって、市中発行額の9割に達する長期国債の購入を開始した。これをもって、本格的な金融抑圧が始まったと解釈すべきだろう。

それゆえ、冒頭で述べた4シナリオの生起確率については、従来予想から以下のように修正した。まずデフレ回帰シナリオについては、35%から20%に引き下げ、代わりに2番目のマイルドインフレと3番目の高インフレのシナリオについて、それぞれ40%から50%へ、20%から25%へ引き上げた。安倍政権が望む「ハッピーエンド」である4番目のシナリオは、5%のまま据え置いた。

ポイントは、早期に金融抑圧が本格化したことから、想定以上に長期金利の上昇が抑え込まれ、実質金利のマイナス幅拡大によって、円安が一段と加速する可能性が高まったことである。詳しくは後述するが、来年後半には1ドル=130円に達する可能性もある。

また、長期金利が抑制されることは、これまで以上に財政膨張への歯止めが利かなくなることを意味する。消費再増税先送りもその現れだ。以下、日銀追加緩和と増税先送り解散後の景気シナリオを点検する。

<GPIFと日銀の協調PKO>

まず、生起確率変更のきっかけとなった10月31日の日銀追加緩和について論じておく。読者の中には、ゼロ金利制約に直面しているのだから、いまさら日銀がバランスシートを拡大させても、インフレ醸成にはつながらないと考える人も少なくないだろう。

しかし、確実に効果を持つ経路がある。マネタイゼーション政策だ。中央銀行ファイナンスによる追加財政を追求すれば、需給ギャップは改善し、インフレ醸成も可能となる。2013年度に日本経済が2.2%の高い成長を遂げたのも、そして消費税や円安の影響を除いてもインフレ率が1%程度まで上昇したのも、まさにヘリコプター・ドロップの効果だった。金融政策単独ではなく、マネタイゼーションというパッケージで政策を捉える必要があり、それが昨年取られた「アベノミクス・ラウンド1」の本質でもあった。

もちろん、この政策の主役は財政政策であって、金融政策は脇役である。マネタイゼーションにおける金融政策の効果は、政府支出の拡大がもたらす金利上昇圧力の吸収に他ならない。10月31日の追加緩和も、やはりヘリコプター・ドロップというパッケージで捉える必要がある(アベノミクス・ラウンド2)。

まず、今回の政策は、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)によるリスク資産購入を中央銀行がファイナンスすることと事実上、同じ効果を持つ。GPIFが保有する長期国債を売却し、その資金で株や外債、外株などのリスク資産の購入を増やす一方で、日銀がほぼ同額の長期国債を市場から購入し、金利上昇圧力を吸収する。一種の価格維持政策(PKO)だが、世界最大の公的年金を動員するのだから、マグニチュードが違う。アロケーション変更によるGPIFの海外債券・海外株式の購入額も20兆円近く増額され、規模は為替介入に匹敵する。

早晩、2014年度補正予算が編成されるが、結果的にそのファイナンスも今回の日銀の措置によって行われる。追加財政なしでは、15年度に日本版「財政の崖」が生じるため、その痛みの回避を目的に、消費増税が先送りされても補正予算が編成されるのである。さらに、増税先送りにもかかわらず、増税を財源に予定していた新規の社会保障関連支出の大半が実行される見込みだが、これらも既存の社会保障関連支出と共に、日銀が国債購入でファイナンスすることになる。

このように中央銀行ファイナンスによる政府支出が継続されることによって、すでにゼロ近傍まで低下した潜在成長率を多少は上回る成長が続き、失業率は低下する。すでに失業率は完全雇用の領域まで低下しているが、それが定着すれば賃金上昇が始まりインフレ期待は確実に高まっていく。原油価格の低下で、当初想定よりインフレ率の上昇は遅れているが、底流では労働需給の逼迫を背景に、インフレ率のトレンドを左右する単位労働コストが徐々に上昇し始めている。

デフレ脱却にマネタイゼーション政策が有効であるなら、なぜ、安倍政権以前は採用しなかったのか。それは、強い常習性を持ち、必要な時に止められないから、財政当局や金融当局が発動を躊躇(ちゅうちょ)してきたためである。仮に初期の目的を達し、総需要刺激策を手仕舞いしようとしても、麻薬中毒患者が感じるが如く強い痛みが経済に走る。しかし、マネタイゼーションを継続すれば、中央銀行が金利上昇圧力を吸収してくれるため、継続コストは全く感じられない。むしろ、つかの間のユーフォリアを感じることができる。

政策効果は徐々に小さくなっていくため、発動の頻度も高まっていく。これが、一度始めたマネタイゼーションを手仕舞することが困難な政治的理由であり、だからこそ「マネタイゼーションの誘惑」を遮断するために、先人は独立した中央銀行制度を確立したのである。中毒症、依存症はますます強まり、止めどない公的債務の膨張が続いていく。

公的債務が膨らむと、マネタイゼーションから抜け出すのはますます難しくなる。長期金利が上昇すると、利払い費が膨張し、財政危機や金融危機をもたらすためである。結局、国債購入政策やゼロ金利政策の停止どころか、テーパリング(緩和縮小)も開始できない可能性がある。

もちろん、最終的な帰結が本当にマネタイゼーションであるかどうかは、物価安定の観点から利上げが必要になった際に、日銀が財政への配慮によって、ゼロ金利政策や長期国債購入政策の解除に踏み切れないことを確認する必要がある。しかし、十分な財源もなく法人税減税が検討され、経済危機でもないのに、すでに法制化された消費増税が先送りされたのは、マネタイゼーション中毒が社会に広がっていることの証左ではないだろうか。

<金融抑圧が生む円安とインフレの悪循環>

さて、今回の景気シナリオ見直しでは、前述の通り、2番目の「4―5%のマイルドインフレ下での金融抑圧」と3番目の「10%程度の高インフレ下での金融抑圧」の生起確率をそれぞれ50%と25%に引き上げた。両シナリオに共通するのは、程度の差はあれ、スタグフレーションであるということだ。現実に、名目賃金は上昇しているが、インフレ上昇に追い付かず、実質賃金は減少している。

もちろん、2番目のシナリオのように、最終的に4―5%の物価上昇でとどまるのなら、資源配分の歪みも限られ、やむなしと言うべきかもしれない。財政調整が選択されないのだから、インフレ・タックスは必然である。ただ、3番目のシナリオにおいては、二桁インフレとなり、資源配分や所得分配は大きく歪み、経済は大きく混乱する。

両者の分かれ目となるのは、円安の進展度合いである。マイナスの実質金利に直面した預金者が大量に資金シフトを始めれば、円安が加速し、3番目のシナリオに近づく。過去20年も日本は名目ゼロ金利による緩やかな金融抑圧を経験してきたが、それでも実質金利は常にプラスであった。しかし、現在我々が経験しているのは、明らかなマイナスの実質金利であり、それは今後も継続し、マイナス幅は拡大していく。

従来は、2014年末に1ドル=115円、15年末に125円まで円安が進むと考えていたが、今回の追加緩和をきっかけに、15年後半には130円を目指すのではないか。16年には円安がさらに進む。来年後半以降は、もはや誰もが望まないような水準まで円安が進む可能性がある。

3番目のシナリオでは、150円を超えるような劇的な円安によって、二桁インフレが進むことを想定しているが、円安が当初の想定よりも進むと考えているため、今回、生起確率を引き上げた。インフレ加速が始まっても、財政危機を回避するため、長期金利の上昇を抑え続けると、実質金利のマイナス幅が拡大し、円安がさらに加速、インフレが高進するスパイラルに陥る。そうした状況を回避するため、日銀は長期国債の大量購入を継続したまま、オーバーナイト金利を引き上げるオペレーション・ツイストを余儀なくされる可能性がある。

その場合、日銀当座預金に対する民間金融機関への付利の支払いが嵩(かさ)み、損失拡大によって、債務超過に陥る可能性が高い。理論上は中央銀行が債務超過に陥っても、流動性供給などに支障はないのだが、3番目のシナリオでは、国債や国債を裏付けとする日銀券に対する疑念が生じているからこそ、劇的な円安が進むのである。だとすると、日銀が債務超過になること自体が、さらなる円安圧力につながるのではないか、心配である。

今のところ、筆者が3番目を基本シナリオとしていないのは、ほとんどの先進国の潜在成長率が下方屈折し、自然利子率が低下しているためである。最も堅調な米国ですら、政策金利や市場金利が大きく上昇することは想定されない。不幸中の幸いだが、先進各国とも低金利が継続するため、日本の預金者がマイナスの実質金利に直面しても、海外に資金の逃げ場はなく、当面は劇的な円安が避けられる。

とはいえ、2番目のシナリオに踏みとどまるには、極端なマネタイゼーションを阻止する仕組みが不可欠となる。歳出削減や増税などの財政調整が先送りされ続ければ、いずれはインフレと円安のスパイラルに陥る。

しかし、日銀の量的質的緩和によって財政規律はすっかり弛緩した。2020年の東京オリンピックを控え、今後も財政需要は底なしであり、政治的な財政膨張圧力に歯止めをかけることができるだろうか。財政膨張が止まらない一方、金融抑圧によって長期金利の上昇が抑えられ、実質金利のマイナス幅が拡大、円安が加速、気が付けば2番目のシナリオから3番目のシナリオへ移行していた、ということも十分にあり得る。

なお、デフレ回帰シナリオの生起確率を現在も20%と比較的高めに想定しているが、それは国内要因ではなく、主に海外からのショックを念頭に置いているためである。例えば、日本経済の完全雇用が定着する前に、中国経済がハードランディングするケースが考えられる。その場合、デフレに舞い戻る可能性が高まる。

また、潜在成長率の低下に直面する米国が、数度の利上げに耐え切れず、不況入りするケースもあるかもしれない。米金融緩和が再開すれば、量的緩和第4弾(QE4)の導入になると思われるが、それが急激な円高をもたらし、デフレが再燃する可能性がある。

*河野龍太郎氏は、BNPパリバ証券の経済調査本部長・チーフエコノミスト。横浜国立大学経済学部卒業後、住友銀行(現三井住友銀行)に入行し、大和投資顧問(現大和住銀投信投資顧問)や第一生命経済研究所を経て、2000年より現職。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。(here)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0J40F020141120


04. 2014年11月21日 13:16:26 : xEBOc6ttRg

この1週間の円の下がり方、速すぎる=麻生財務相
2014年 11月 21日 12:41 JST
[東京 21日 ロイター] - 麻生太郎財務相は21日、閣議後の会見で、最近の円安進行について「この1週間の円の下がり方は、テンポが速すぎる」と市場動向をけん制し、為替の急激な変動は歓迎できないと語った。

麻生財務相は「為替は市場が決める話であって、こちらが介入してどうのこうのというような話ではない」としながらも、急激な円安が「輸入物価に直結する」問題などを挙げ、「急激な変動は、歓迎すべきことではない。上がっても下がっても」と市場をけん制した。

<補正予算は越年へ、経済対策「年内とりまとめ」>

12月の解散・総選挙で来年度予算編成は大きな影響を受ける。今後のスケジュールについて麻生財務相は「経済対策を年内にまとめる。関連する補正予算は年を越すことになるが、補正予算で経済運営に万全を期す」と述べた。

具体的な対策の中身については、2017年4月に消費再増税ができやすくなる経済状況をつくることだとし、アベノミクスの地方への波及が焦点になるとした。具体的な規模については、15年度が基礎的財政収支(PB)の赤字半減目標達成年度であることから「経済再生と財政規模の両立をはかることが一番大事、配慮しながら考えていく」と述べるにとどめた。

<社会保障充実分、見直さざるをえない>

消費税引き上げの延期で、社会保障充実に充てる財源の手当てが焦点になっている。予定通りのサービスの充実を求める声も浮上するが、麻生財務相は、「プログラム法では消費税率引き上げの増収分を充てると書いてある」と述べ、「(増税を)延期する以上、社会保障充実分も見直さざるを得ない」と述べ精査する考えを示した。

<20年度PB黒字化、歳出からスタート>

政府は消費再増税延期でも従来の財政健全化目標を堅持する方針を明らかにしている。20年度のPB黒字化目標については、消費税率を10%に引き上げ名目3%成長を実現したとしても、なお11兆円程度の赤字が残り、増税延期で達成はより難しくなったとみられている。

政府は来年夏に向けて具体的な計画を策定する予定だが、10%超の消費税率引き上げが必要になるのではないかとの質問に麻生財務相は「今の段階で、どうしなければならないという状況はみえていない。基本的には歳出を整理していかなければならないところからスタートする」と述べるにとどめた。

*内容を追加します。

(吉川裕子 編集:宮崎大)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0J504K20141121


コラム:解散総選挙でアベノミクス復活へ=村上尚己氏
2014年 11月 21日 11:34 JST
村上尚己 アライアンス・バーンスタイン マーケット・ストラテジスト

[東京 21日] - 先月のコラムで「消費増税断行」は世界が警戒するリスクであることを論じた。その後、安倍政権は消費再増税先送りを決定。霞が関発で広められた節のある「増税不可避」との考え方に乗って、前政権の負の遺産である増税強行を続けるリスクが大きいと認識したのだろう。安倍政権の判断は、今後の日本と世界経済にとって望ましいことだ。

17日に発表された7―9月期国内総生産(GDP)1次速報値は前期比年率1.6%減と、2四半期連続のマイナス成長となった。こうした経済指標を受けて、「アベノミクスの頓挫」などという論評がメディアで再び増えている。12月14日に予定されている総選挙では、「アベノミクスの失敗」を掲げて選挙に挑む野党が出てきそうである。

「アベノミクスが失敗した」「恩恵を受けたのはごく一部で格差が広がっただけ」などは、根拠が不確かな主張である。2013年に実現した金融緩和強化によって、同年に日本経済は個人消費主導で2%成長を果たした。アベノミクス発動により、日銀の金融政策を根本から変えたことで実現したのである。

消費主導で景気回復が始まり、減少する一方だった雇用者が2013年春先から増え(失業率は大きく低下)、そして名目賃金もほぼ20年ぶりの高い伸びとなっている。アベノミクスを変えず金融・財政政策による総需要拡大を止めず続けていれば、2%インフレ目標実現が現実味を帯びていただろう。そして、これまでのデフレ下では難しかった「満足できる職の機会を多くの人が得ることができる」経済状況に着実に変わっていただろう。

<再増税延期で「失われた20年」再来を回避>

返す返すも、4月に実施された8%への消費増税は残念だった。総需要不足が続いているにもかかわらず、景気回復のエンジンだった個人消費を落ち込ませる大型緊縮政策に転じ、日本経済は2014年度にマイナス成長に陥ったとみられる。

ようやく増え始めた実質賃金が消費増税により「ガタ落ち」したのだから、消費が失速したのはやむを得ない。経済正常化を目指していたはずの安倍政権が、アベノミクスの本筋から離れてしまい大型増税に転じた帰結が今年の経済停滞である。

「アベノミクスの失敗」などという声は、こうした現実を踏まえていない主張だ。経済政策の失敗をもたらしたのは、増税政策だ。それを、金融緩和政策に結び付けるのは筋違いの議論のすり替えではないだろうか。

また、金融緩和政策のみで経済成長は難しい、などといった議論も耳にする。実際に起きていることは、2014年度になって消費増税の失敗で景気が失速したが、その落ち込みを和らげているのが日銀による金融緩和である。金融緩和による実質金利低下、円安株高、そして企業業績の底上げが日本経済を支えている。

仮にアベノミクスの軸である金融緩和強化が実現せずに、今年のような大型増税が実現していたら、日本経済は深刻な景気後退に陥っていただろう。5%への消費増税後から始まったデフレ不況と公的債務残高の拡大といった、1997年以降と似たような状況が生じ、「失われた20年」が再び今年から始まっていた可能性があったということだ。本当に恐ろしい話である。

なお、「現在の日本経済は完全雇用に近く、経済停滞は供給制約がもたらしている」「景気刺激的な金融・財政政策の効果が限られている」という議論も一部で聞かれる。ただ実際には、大型増税という総需要押し下げ政策で成長率がマイナスに転じたことを踏まえれば明らかだが、日本経済の問題は総需要不足であり、そして依然デフレ脱却は道半ばである。今回の安倍政権の政策転換で、2017年3月まで今後2年半にわたり、景気刺激的な金融・財政政策によって需要を底上げし、経済成長率を高めることは十分可能である。

18日の首相会見における「消費増税先送りは重要な決断だから国民に信を問う」「アベノミクスについて賛否あるが、選挙戦を通じてそれを国民に判断してもらいたい」というのは、ストレートで率直なメッセージだった。総選挙をめぐり目先は思惑が揺れ動くだろうが、少なくともアベノミクスに対する評価を理由に与党が大敗するリスクはかなり限定的だろう。

*村上尚己氏は、米大手運用会社アライアンス・バーンスタインのマーケット・ストラテジスト。1994年第一生命保険入社、BNPパリバ、ゴールドマン・サックス、マネックス証券などを経て、2014年5月より現職。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0J502320141121?sp=true


日経平均は反落、財務相発言で軟化
2014年 11月 21日 12:00 JST
[東京 21日 ロイター] - 前場の東京株式市場で日経平均は反落。短期的な過熱感が意識されたほか、3連休前であることも重なり、ポジション調整に押される形となった。また麻生太郎財務相が足元の円安についての言及が伝わり、ドル/円JPY=EBSが117円半ばまで下落すると、指数は下げ幅を拡大した。

前日の米国株は主要3指数がそろって反発。ダウとS&P500が終値で最高値を更新した。堅調な内容の米経済指標も発表されるなど、外部環境は良好な状況にあったものの「日本株も米株も25日移動平均線からのかい離率が大きく、高値警戒感がある中で、ポジション調整の動きが続いている」(エース経済研究所・子幡健二社長)ことから、軟調な地合いが続いた。

また麻生財務相が閣議後の会見で、この1週間の円安の進行について「テンポが速すぎる」との認識を示したと伝わり円が上昇。主力輸出株の一角が軟化し、指数は一時192円値下がりした。ただ、日銀のETF(上場投資信託)買いをはじめとした需給面での期待感も根強く、下値は限られた。

個別銘柄ではカシオ計算機(6952.T)が続伸。同社が今期の配当を従来予想の25円から30円に増やす見通しと21日付の日本経済新聞朝刊が報じ、株主還元拡大への期待から買われた。米議会公聴会においてエアバッグ問題で厳しい追及を受けたタカタ(7312.T)は一旦、悪材料出尽くしととらえられたことなどで大幅高。一方、ホンダ(7267.T)は小幅安となった。

東証1部の騰落数は、値上がり578銘柄に対し、値下がりが1093銘柄、変わらずが162銘柄だった。

日経平均.N225

前場終値 17165.5 -135.36

寄り付き 17285.72

安値/高値 17108.2─17285.72

東証出来高(万株) 124451

東証売買代金(億円) 11584.75

(長田善行)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0J505B20141121


日本株反落、ユーロ景気低調と円安一服−素材、輸出中心売り

  11月21日(ブルームバーグ):午前の東京株式相場は反落。ユーロ圏景気指標の低調や為替の円安一服、チャート分析やテクニカル指標からみた過熱感を背景に、海外景気動向に敏感な非鉄金属や繊維など素材関連株、機械や電機など輸出関連株中心に下げた。建設株も軟調。
TOPIX の午前終値は前日比8.84ポイント(0.6%)安の1388.80、日経平均株価 は135円36銭(0.8%)安の1万7165円50銭。
しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用部長は、材料が出尽くし、3連休を控え「利食い売りが出ている。為替も一服し、テクニカル面からも騰落レシオなどが上がり、買いにくい水準になってきていた」と言う。
きょう午前のドル・円相場は一時1ドル=117円36銭と、前日の日本株市場の終値時点118円65銭に比べ円高方向に振れた。東京時間20日夕には一時118円98銭までドル高・円安が進んだが、ユーロ圏統計を受けた前日の海外市場で円の買い戻しが先行、その流れを受け継いだ。
英マークイット・エコノミクスが20日に発表した11月のユーロ圏の製造業とサービス業を合わせた総合購買担当者指数(PMI)速報値は、51.4と前月の52.1から低下。1年4カ月ぶり低水準となり、市場予想の52.3も下回った。ドイツの総合PMIも低下した。
一方、日経平均の20日時点での25日移動平均線からの上方乖離(かいり)率は6.7%、目先過熱を示す5%をなお超えている。東証1部の上昇・下落銘柄数の百分比である騰落レシオ も122%と過熱圏の120%以上で、上値を買い進みにくい状況にある。
財務相発言、日経平均も一段安場面
きょうの日本株は小動きで始まった後、徐々に下落基調を強めた。午前後半には麻生太郎財務相が閣議後会見で、「円の下がり方のスピードのテンポは速過ぎる」とし、円安・円高の急激な変動は「歓迎すべきではない」と発言。その後、朝方の1ドル=118円台から117円台半ばまで円高方向への動きが強まったことで日経平均も先物主導で一段安、一時192円安まで売られた。
東証1部33業種は非鉄や建設、繊維、機械、小売、電機、卸売、輸送用機器、ガラス・土石製品、海運など28業種が下落。非鉄は、中国経済統計の低調を受け前日のニューヨーク、ロンドン銅市況が下落したことが嫌気された。石油・石炭製品、空運、水産・農林、パルプ・紙、鉱業の5業種は小高い。
売買代金上位ではマツダやサクサホールディングス、東レ、ソニー、富士重工業、三菱商事、伊藤忠商事、日立製作所、三菱重工業、コマツ、パナソニック、アステラス製薬、川崎汽船、良品計画が下落。ディズニーキャラクターが多数登場するスマートフォン向けの牧場シミュレーションゲームを12月に配信するマーベラスは急騰。ケネディクス、タカタ、日本航空、ニコン、ユニチカも上げた。
記事についての記者への問い合わせ先:東京 竹生悠子 ytakeo2@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Sarah McDonald smcdonald23@bloomberg.net 院去信太郎
更新日時: 2014/11/21 12:12 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NFD0SZ6K50XY01.html

寄り付きの日経平均反落、過熱感意識で連休前の利益確定売りも
2014年 11月 21日 09:13 JST

[東京 21日 ロイター] - 寄り付きの東京株式市場で日経平均は反落。前日の米国株高や円安基調の継続など、外部環境は良好な状況にある半面、テクニカル上の過熱感が意識されている。3連休前ということも重なり、主力株を中心に利益確定売りが広がっている。

指数寄与度の大きいファーストリテイリング(9983.T: 株価, ニュース, レポート)は下げている一方、ソフトバンク(9984.T: 株価, ニュース, レポート)はやや上昇している。

もっとも市場では下値は限定的との見方が根強い。下落すれば日銀のETF(上場投資信託)買いも見込まれるなど、日本株の好需給・先高期待が相場を下支えする見通しだ。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0J500B20141121

JPX日経400先物始まる、連動資産は増加へ−個別銘柄影響も

  11月21日(ブルームバーグ):JPX日経インデックス400 の先物 取引が25日に始まる。投資家にとっては先物を使ったヘッジ目的の売買も可能になり、利便性の向上で原資産のJPX日経400自体の流動性が増え、連動する資産の一層の拡大にもつながりそうだ。
日本取引所グループ(JPX )によると、JPX日経400先物は四半期ごとの5限月が取引され、取引時間は日経平均株価やTOPIX先物と同じ午前9時−午後3時15分、午後4時30分−翌午前3時。取引単位は指数値の100倍、呼値単位は5ポイントとなっている。
企業の株主資本利益率(ROE)を重視し、ことしから算出が始まったJPX日経400に連動する上場投資信託(ETF)4本と公募投信の総資産規模は、19日時点で3262億円と順調に増えている。連動資産の成長で、投資家から先物導入の要望も強まっていた。
三井住友アセットマネジメントの平川康彦シニアファンドマネージャーは、「先物ができると指数としての利便性が高まり、流動性が増す。TOPIX先物や日経平均先物、オプションのいくらかはJPX日経400先物に置き換わるだろう」とみている。
先物の登場で、個別銘柄への影響を小さくしながら新規投資がしやすくなり、先物のショート(売り持ち)もできるため、保有するポートフォリオのヘッジが可能。ETFは上場しているが、「残高や流動性を考慮すると、先物ができた方が売買しやすい」と平川氏は言う。
225mini意識の仕掛け
JPX日経400先物の想定元本は約127万円と、取引単位1000倍で約1700万円が必要な日経平均、同1万倍で約1400万円が必要なTOPIXに比べ小さい。元本面では、取引単位100倍の日経225mini、同1000倍のミニTOPIX先物に近く設定されている。
JPX日経400先物が上場する大阪取引所・市場企画部の塙明紘調査役は、「基本的な設計は日経225miniやミニTOPIX先物に合わせてある」と指摘。デリバティブの場合は、「流動性を作ることが大事。最初から小さいサイズにしたのは、誰にでも使ってもらえる商品が必要」と狙いを説明する。
JPX日経400先物の流動性向上を担うマーケットメーカーはABN・アムロ・クリアリング証券、ニューエッジ・ジャパン証券、BNPパリバ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券など7社。SBI証券やカブドットコム証券、岩井コスモ証券、光世証券は、個人向けに同先物を扱う。
推定市場規模は3755億円
みずほ証券の永吉勇人チーフクオンツアナリストは、「先物が登場すれば、裁定取引が組めるようになり、直接的効果では連動資産が増える」と予想。先物が上場しても、投資家からあまり使われないケースもあるが、「JPX日経400の場合は多くの投資家が現指数に注目しているため、先物も使われる」とみる。
大阪取引所の10月24日時点の試算では、先物市場規模(想定元本ベース)は日経平均が6兆9447億円、TOPIXが6兆1572億円。先物と現物市場規模の比率からJPX日経400先物の場合を想定すると、市場規模は3755億円、先物建玉は33万2046単位になる。
日本の公的年金を運用するGPIFは4月、JPX日経400をパッシブ運用のインデックスの1つに加えることを明らかにした。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は3月末時点で、JPX日経400に連動した資産を1511億円保有する。日本銀行は10月31日、指数連動型ETFの資産買い入れ対象ついて、新たにJPX日経400を加えた。日銀の従来の買い入れ対象はTOPIXと日経平均だった。
「先物が上場すれば、証券会社は日銀の買い注文に応じるポジション(持ち高)を保有できるようになる」と、東海東京調査センターの鈴木誠一マーケットアナリストは指摘。先物の上場まで日銀はJPX日経400のETFを買えなかったとみる同氏は、「先物上場日以降には買ってくるだろう」と予測した。
三菱食品や京葉銀、山口FGなど
一方、SMBC日興証券の伊藤桂一チーフクオンツアナリストは、先物上場で大規模なパッシブファンドが増える効果がある、との見方だ。構成銘柄へのインパクトを抑え、大きなパッシブファンドを組成するには先物の存在が不可欠だが、日次平均出来高の1割を上限とした場合、現在は最大で250億円程度のファンドしか組成できないと言う。
伊藤氏は、公的年金などが数兆円規模のパッシブファンドを組成すれば、時価総額に比べ流動性が低い銘柄にポジティブ・インパクトが予想される、と分析。1兆円規模のJPX日経400パッシブファンドが新規組成された場合、インパクトが大きい銘柄として三菱食品 、京葉銀行 、十六銀行 、日本パーカライジング 、持田製薬 、セリア 、伊予銀行 、山口フィナンシャルグループ 、アークス などを挙げる。
JPX日経400に対する投資家の注目度の高さは、パフォーマンスの優位からも顕著だ。年初来上昇率はJPX日経400の8.5%高に対し、TOPIXは7.3%高、日経平均は6.2%高。安倍政権が成長戦略の中で企業の稼ぐ力の強化を打ち出す中、市場や企業のコーポレート・ガバナンス重視の流れも追い風となっている。
もっとも、先物導入でJPX日経400の上値が重くなる可能性を指摘する向きもある。「一般的に先物がないと、売りの相場観の方が反映されにくく、ロング(買い持ち)バイアスがかかりやすい。安いコストで空売りできるようになり、それが解消される可能性がある」と岡三証券の栗田昌孝シニアクオンツアナリストは言う。日経平均とTOPIXの先物は1988年9月に取引が開始され、間もなく「日本株は天井になった」と栗田氏は振り返る。
21日のJPX日経400は前日比0.1%安の12755.77で取引を開始、ユーロ圏経済統計の低調や為替の円安一服、3連休を前にした持ち高整理の動きからその後下落率が1%を超す場面があった。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 長谷川敏郎 thasegawa6@bloomberg.net;東京 Tom Redmond tredmond3@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Sarah McDonald smcdonald23@bloomberg.net 院去信太郎
更新日時: 2014/11/21 11:26 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NF0LT56JIJUP01.html


消費増税10%超は想定せず20年度PB黒字化へ=甘利経済再生相
2014年 11月 21日 11:07 JST
[東京 21日 ロイター] - 甘利明経済再生担当相は21日、閣議後の会見で、2020年度に国の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)を黒字化する財政再建目標について「10%超への消費税率引き上げを想定せずに達成する」との見解を示した。

足元の急速な円安進行について、為替は日本経済の実体を過大評価、過小評価することがあるが、最終的には強くなった日本経済の実体に即した水準に収れんすると述べた。足元の水準か過大評価か過小評価かについては明言を避けた。

アベノミクス以外の政策でデフレ脱却は無理だとして、今回の衆院解散について「この道しかない解散」と命名した。

アベノミクスについては「とん挫したとか、いろいろなこと言われているが、経済再生にはこの道しかない。内閣として退路を断ってこの道を選んでいることを理解してほしい」と強調。「安倍内閣がデフレ脱却に失敗すれば、これから先のデフレ脱却の可能性まで奪ってしまう」「デフレ脱却に失敗したら退陣すればよいという簡単なものでない」と述べた。

*内容を追加して再送します。

(竹本能文)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0J503520141121

伊藤教授:消費増税と日銀の同時引き締めがリスク、早急に成長戦略を

  11月21日(ブルームバーグ):伊藤隆敏政策研究大学院大学教授は、安倍晋三首相が日本経済の実力を高める成長戦略に早急に取り組まなければ、2017年4月の消費増税と日本銀行による異次元緩和の手じまいが重なり、マイナス成長となる恐れがあるとみている。

伊藤教授は19日のインタビューで、消費増税の先送りは当面の景気回復には追い風となり、日銀が2%の物価目標を「達成できる確率は高まった」と指摘。財政と金融の同時引き締めになった場合、潜在成長率を成長戦略で引き上げておかなければ、低成長なのに物価は上がる「スタグフレーションに陥りかねない」と懸念を示した。

消費増税の先送りで「時間を買った」以上、景気のテコ入れを図るだけでなく、平均的な成長率の水準自体を高める必要があると主張。今後2年程度で取り組むべき重要課題は「財政出動がなくても1.5−2%の成長が持続的になり、異次元緩和が将来なくなっても安定的に2%インフレが達成できる世界を作ることだ」と述べた。

安倍首相が4月に消費税率を5%から8%に引き上げた後、国内景気は低迷。7−9月期の実質国内総生産 (GDP)速報値は前期比年率1.6%減と予想外の2四半期連続マイナス成長となった。安倍首相は18日、来年10月に10%へ再増税する予定を1年半延期すると表明。景気次第で増税を回避できる景気判断条項を撤廃し、財政健全化の方針は堅持する姿勢を示した。

相当まずい事態

伊藤教授はこれに先立つ4日、政府が消費増税を予定通り実施した場合の影響について有識者・専門家42人に意見を聞く点検会合の第1回に出席し、予定通りの消費増税を支持。終了後に記者団に対し、国民全員が「生活水準を上げるには生産性の上昇しかない」と述べ、来年の通常国会は成長戦略の実現に費やすべきだと話した。

今回のインタビューでは、消費増税の先送りは「財政再建にとって良くない方向」としながらも、「日本国債の信認が直ちに揺らいだり、金利が急騰することはない」と予想。その間の景気支援に成功すれば「行く先は同じ別の道」になると述べ、増税延期に一定の理解を示した。ただ、17年4月に再延期となれば「相当、相当まずい事態になる」とも語った。

国債・借入金・国庫短期証券(TB)を合わせた国の債務残高は、9月末に1038.9兆円と名目GDPの2倍超に達している。財務省の試算では、消費税率を予定通り10%に引き上げ、平均3%の名目成長と歳出の効率化が実現できても、予算総額から国債費を除いた基礎的財政収支(プライマリーバランス)は20年度に6.6兆円の赤字。国際公約でもある同年度のPB黒字化には一段の対策が必要となる。

長期金利の指標となる新発10年物国債利回り は20日に0.465%。日銀が2%の物価目標を達成するため、長期国債の買い入れを保有残高が年間約80兆円に増加するよう進めている中、スイスに次ぎ世界で2番目の低水準で推移している。

GPIF改革

伊藤教授は公的・準公的資金の運用・リスク管理を見直す政府の有識者会議で座長を務め、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF )などの運用とガバナンス(組織統治)両面での改革を昨年11月に提言。今月4日に始まったGPIFのガバナンス改革を検討する厚生労働省年金部会の作業部会でも座長代理を務めている。
19日のインタビューでは、GPIFを複数の常勤理事による合議制に改編するための法改正を「来年の通常国会で通してほしい」と発言。増税延期法案などの審議に時間が費やされ、GPIF改革を含む成長戦略が進まなければ「増税までに潜在成長率の引き上げが間に合わない」と説明した。

伊藤教授は来年1月1日付で、米コロンビア大学国際公共政策大学院の教授に就任する。政策研究大学院大教授は兼任し、夏季のみ日本で集中講座を開く方向だ。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 野沢茂樹 snozawa1@bloomberg.net;東京 下土井京子 kshimodoi@bloomberg.net
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 野沢茂樹 snozawa1@bloomberg.net;東京 下土井京子 kshimodoi@bloomberg.net
更新日時: 2014/11/21 09:10 JST

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NFD01F6TTDS601.html

アングル:規制緩和がカギ握る日本の新たな「ロボット革命」
2014年 11月 21日 12:48 JST
[東京 20日 ロイター] - 世界屈指の「ロボット大国」日本。ロボットは日本の技術的優位性がまだ残されている分野の1つでもある。しかし今、米国やドイツ、韓国や中国などに猛追され、その牙城が脅かされつつあることに関係者は危機感を強めている。

信州大学医学部付属病院の脳神経外科医、後藤哲哉氏はかつて、7年越しで進めていた手術支援ロボットの試験を始めた矢先に、政府がロボットの規制強化に向かっていることを知った。

それから十数年、後藤氏は国産ロボットが試作機さえ日の目を見ることができないなか、ライバルである米国製の手術支援ロボット「ダヴィンチ」が米規制当局に承認され、商業的成功を収めているのを悔しい思いで見てきた。

ロボットの活躍の場が工場から一般家庭、病院や店舗、紛争地帯に広がる中、日本の当局者らは現在、研究者からイノベーションの阻害要因だと批判される各種規制を改めることで、新たな「ロボット革命」を後押ししようとしている。

独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)ロボット・機械システム部の主任研究員、真野敦史氏は「日本の競争力の源泉をロボットが担えると思っている」と語る。

NEDOは、川崎重工業(7012.T)やパナソニック(6752.T)などに委託し、膵臓腫瘍の摘出など、ダヴィンチよりも複雑な作業が可能な内視鏡手術ロボットの開発を始めている。NEDOは総事業費約50億円をかけ、「未来医療を実現する先端医療機器・システムの研究開発」プロジェクトに着手。2019年までの臨床試験を目指しており、同ロボット開発はその一環だ。

国際ロボット連盟によると、急成長している産業用ロボットシステムの市場規模は、世界で年間290億ドル(約3兆4500億円)だという。

安倍晋三首相は新成長戦略を発表した今年6月、規制緩和などで日本のロボット市場は2020年までに3倍に拡大し、2.4兆円に達する見通しだと語った。

医療用ロボットは市場規模こそまだ小さいが、大きな可能性を秘めており、日本では10年以内に産業用ロボットを上回るとみられている。

新たな手術支援ロボットの開発は、後藤氏が規制の壁にぶつかった当時と比べれば、障害は少ないはずだ。

「当局は(2005年施行の)薬事法改正が医療機器参入の障害になったとは言わないが、われわれのような研究者や企業は、これにより日本の研究がストップしたと捉えている」と後藤氏は語った。

安倍首相は規制緩和と構造改革を約束しているが、過去2年にわたる政策は行き詰まりを見せており、来月にはアベノミクスが最大の争点になりそうな総選挙が行われる。

<日本のライバル>

日本が規制緩和に動く大きな引き金となったのは、今から1年前、元東京大学助教2人が中心となって立ち上げたベンチャー企業「SCHAFT(シャフト)」を米グーグル(GOOGL.O)が買収したことだった。同社が開発したヒト型ロボットは、米国防総省国防高等研究計画局(DARPA)主催の災害救助ロボットコンテストで優勝した。

早稲田大学の藤江正克教授は「二足歩行ロボットと言えば日本だと誰もが思っているなか、それも持って行かれたという衝撃があった」と語る。

米国のロボット産業の主なけん引役は軍であり、無人機や災害救助ロボットなどに資金を提供して実地試験も行っている。その一方で、シリコンバレーはグーグルの自動運転車にみられるような人工知能や自律システムの開発を進めている。

経済産業省の元産業機械課長で、日本のロボット戦略に関わった須藤治氏は「正直、米国の計画も気になる」と話す。

米国以外も、ロボットを産業政策の最前線に押し出している。中国は過去10年でロボットの売り上げが32倍に急増。2013年には世界最大のロボット市場となり、日本を上回った。

韓国はロボット産業に年間5億ドルを投じる5カ年計画を打ち出し、欧州連合(EU)も研究開発・イノベーション枠組みプログラムに年間1億ユーロを投じている。

追いつかれたくない日本は来年度予算の概算要求で、ロボット関連の要求総額が約160億円となっている。

しかし、ロボット工学が専門の早稲田大学の高西淳夫教授は、日本が成功するか否かは、絶対的な安全を義務付けることで乗り越えられない壁ともなる規制プロセスを変えられるかにかかっていると指摘する。

経済産業省は、医療機器の認可手続きを緩和し、試験的に介護施設へロボットを導入できるよう厚生労働省に働きかけてきた。

経産省はまた、パナソニックのベッド型介護ロボットが2月に認証を取得した生活支援ロボットの国際安全規格を主導している。

経産省の現産業機械課長である佐脇紀代志氏は、規制緩和がロボット産業を成功に導く機会を十分につくりだしていると自信を見せる。「医療機器に関する医薬品法上の手続きは緩和されている」とし、「当時のような言い訳を企業は使えなくなってきている」と語った。

(Sophie Knight記者、金子かおり記者、笠井哲平記者、翻訳:伊藤典子、編集:宮井伸明)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0J506Y20141121


アングル:ECBがABS購入開始へ、効果には疑問
2014年 11月 21日 12:44 JST
[フランクフルト 20日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は今週、資産担保証券(ABS)の買い入れ策を開始するが、投資家の関心は薄く、所期の目的を達成できない可能性がある。

ABSは、低リスクから高リスクまで様々なローン債権をパッケージにして証券化したもの。米サブプライム住宅ローン債権の証券化商品が金融危機を引き起こしたため、ABSの印象は悪化した。

ECBは、欧州では住宅ローン債権もクレジットカード債権も通常きちんと返済されている上、証券化の手法も米国に比べてシンプルで理解しやすいとし、ABSは安全だと主張する。

ドラギECB総裁は、ECBのバランスシートを1兆ユーロ拡大する戦略においてABS買い入れが一翼を担うと期待している。もし期待通りに事が進まず、景気浮揚効果も小さければ、本格的な量的緩和を開始すべきとの圧力が強まるだろう。

規制当局と投資家はこのプログラムの成功に懐疑的で、ECBの考え方に詳しい関係筋によると、ECB内部でさえ期待度は低いという。

リスクを抑えるため、ECBはABSのうち最も安全性の高いトランシェだけの購入にとどめる。ECBの購入に促され、他の投資家がよりリスクの高いABSを追随して買うことを望んでいる。

しかしジャック・ドラロジエール元国際通貨基金(IMF)専務理事は、成功の見込みはほとんどないとの見方だ。ロイターに対し「ECBの措置を歓迎はするが、シニアトランシェを買うだけでは機能しない。シニア部分は正に買い手に事欠かない分野だ。インパクトを持たせるにはECBあるいはその他の買い手がABSのもっと質が低くリスクの高いトランシェを購入しなければならない」と語った。

<深い懸念>

欧州金融市場協会(AFME)のリチャード・ホプキン氏は「ABS市場を回復させるだけでは不十分だ。資本規制も変更し、保険会社による投資を容易かつ低コストにする必要がある」と話す。

8兆ユーロ超の資産を抱える保険会社は、公には議論に加わろうとしないが、一部幹部は水面下でABSのリスクに懸念を示している。

こうした状態では、ECBがABS市場に新たな息を吹き込める見込みは薄い。欧州におけるABSの発行高は昨年1800億ユーロと、2008年の約4分の1に萎んでいる。

ECB内部でも大きな効果を期待する声は少ない。事情に詳しい関係筋は最近、ABSとカバードボンドの買い入れ策について「機能しないことが分かっている者もいる。規模が小さ過ぎ、問題の方はずっと大きい」と話した。

仮にインパクトが小さければ、政府も景気浮揚に注力すべきだというドラギ総裁のメッセージが補強されると考えるECB関係者もいる。

総裁は、各国政府がリスクの高いABSに保証を与えることでECBの買い入れ策を支えることを提案したが、政府を説得できなかった。ドイツにぴしゃりと拒絶されたのだ。

ショイブレ・ドイツ財務相は5月に「大きな危険を伴うことを恐れている」と述べた。この発言には今なお、ドイツ政府当局者らの大半の意見が集約されている。

(John O'Donnell、Eva Taylor記者)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0J506O20141121



BNPが米ジャンク債トレーディングチームの大半削減-関係者

  11月20日(ブルームバーグ):フランス最大の銀行BNPパリバは、投資銀行業務再編の一環として、米国の高利回り債トレーディング・セールスチームの人員の大半を削減する。事情を直接知る関係者4人が明らかにした。
非公開情報であることを理由に関係者が匿名を条件に語ったところでは、米国の高利回りクレジットセールス責任者のケビン・クック氏とジャンク(投機的格付け)債トレーディング責任者のマイケル・ダウデル氏を含めて、少なくとも7人の行員が退職する。BNPは最もリスクの高い社債からの利益を狙い、金融危機後にニューヨークでジャンク債関連の業務を拡大していた。
BNPの広報担当者とダウデル氏、クック氏は電話取材に対し、いずれもコメントを控えている。
BNPは市場関連業務を再編する。投資銀行部門の見直しの一環として、債券トレーディング責任者のフレデリック・ジャンボン氏はその職務を離れる。9月に投資銀行責任者に指名されたイアン・ジェラルダン氏は20日の発表文で、「銀行業界は劇的に変化した」と述べ、法人・機関投資家の顧客向けに「よりシンプルで効率的な」サービスを目指す方針を明らかにした。
ブルームバーグの集計データによると、BNPは米国の高利回り債の引受業者ランキングで今年は17位と、2013年の15位から順位を落としている。
原題:BNP Paribas Said to Cut Most of Junk-Bond Trading Team in U.S.(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Lisa Abramowicz labramowicz@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Shannon D. Harrington sharrington6@bloomberg.net Mitchell Martin
更新日時: 2014/11/21 07:42 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NFCXCH6JIJUT01.html


  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。) ★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
  削除対象コメントを見つけたら「管理人に報告する?」をクリックお願いします。24時間程度で確認し違反が確認できたものは全て削除します。 最新投稿・コメント全文リスト

▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民91掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
経世済民91掲示板  
次へ