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日本株5日ぶり大幅反落、7−9月GDP悪化−内需中心売り(ブルームバーグ)
http://www.asyura2.com/14/hasan91/msg/690.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 11 月 17 日 12:45:15: igsppGRN/E9PQ
 

日本株5日ぶり大幅反落、7−9月GDP悪化−内需中心売り
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NF5LXI6JIJUR01.html
2014/11/17 12:02 JST


 11月17日(ブルームバーグ):午前の東京株式相場は5営業日ぶりに大幅反落。日本の7−9月期国内総生産(GDP)が前期比マイナスと予想外に悪化し、国内景気の弱さを嫌気する売りが膨らんだ。陸運や小売、保険、電気・ガス、情報・通信など内需関連株中心に東証1部の33業種中、32業種が安い。

TOPIX の午前終値は前週末比29.22ポイント(2.1%)安の1371.19、日経平均株価 は453円18銭(2.6%)安の1万7037円65銭。

香港のパリー・インターナショナル・トレーディングのマネジング・ディレクター、ギャビン・パリー氏は「GDPは設備投資や消費など中身が良くなかった。実質賃金の上昇とアベノミクスの進展がなければ、個人の購買力は悪くなる」と指摘した。

取引開始前に発表された日本の7−9月期実質GDPの1次速報は、前期比年率1.6%減と市場予想の2.2%増から下振れた。前期比0.4%減を項目別で見ると、在庫投資の下押し寄与度がマイナス0.6%と大きく、全体の約6割を占める個人消費は0.4%増にとどまり、設備投資は0.2%減だった。4−6月期は年率7.3%減に下方改定され、2期連続のマイナス成長。

「設備投資が伸び切れず、消費も予想されたより弱い。住宅はさらに落ち込みが続いている」と大和証券の高橋和宏チーフ・エコノミストは言う。マイナス成長は、「反発力が弱いのではなく、景気悪化という感じになる。株価はその分だけ修正される」と同氏は話した。

117円から115円台に円高進む

午前の為替市場では、GDP発表直後にドル・円相場が一時1ドル=117円5銭と2007年10月以来のドル高・円安水準を更新。しかし、株価の下げが大きくなるのに連れ、一転115円50銭台まで一気に円高方向に振れた。前週末の東京株式市場の終値時点は116円28銭。

安倍首相は16日、2015年10月から予定されている消費税率10%への引き上げを先送りする考えを初めて示唆した、と読売新聞電子版などが報じた。同紙によると、消費税増税は1年半先送りする方針。首相は18日午後に会見し、増税の先送りと衆院解散の考えを表明、衆院選は「12月2日公示・14日投開票」の日程で行われるとしている。

日本株は、直近の株価連騰で日経平均の25日移動平均線からの上方乖離(かいり)が10%に達していただけに、その反動も大きかった。「25日線からの上方乖離、RSI、NT倍率などテクニカルはかなりの過熱感を示している」と、岡三証券の平川昇二チーフエクイティストラテジスト。投資家心理は「売りたいというのが一般的」と言う。

東証1部33業種は保険、その他金融、電気・ガス、医薬品、ガラス・土石製品、精密機器、陸運、ゴム製品、証券・商品先物取引、建設などが下落率上位。繊維の1業種のみ上げた。東証1部の午前売買高は15億1612万株、売買代金は1兆4216億円。値上がり銘柄数は153、値下がりは1610。

売買代金上位ではソフトバンク、ケネディクス、トヨタ自動車、富士フイルムホールディングス、富士重工業、リクルートホールディングス、ファナック、アイフル、日立製作所、野村ホールディングス、三菱地所、オリックスが下落。半面、自社株買いや配当増額が好感された三菱UFJフィナンシャル・グループ、米航空機メーカーのボーイングからの炭素繊維受注で東レは高い。


 

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コメント
 
01. 2014年11月17日 14:56:36 : YxpFguEt7k
おかもと幸三氏
「7〜9月期の実質GDP成長率は年率で▲1.6%減となり景気低迷が鮮明になりました。「アベノミクスは円安を招いて物価を上げただけだ」という声を良く聞きます。GDPの60%を占める個人消費を蔑ろにする格差拡大の冷たい政治ではなく、安心して生活出来る「可処分所得を上げる政策」が必要だ!」
https://twitter.com/happy3okamoto/status/534215189273403392

上げるべきは、株価ではなく、庶民の可処分所得。


02. 2014年11月17日 15:34:32 : FHvh9lVMzo
明日からの株価は墜落していく気がする。いよいよ逃げないと首を吊る自殺者が多くでてきそうだ。いよいよ破綻の道をまっしぐらである。素人さんが詐欺にあって、根こそぎ尻の毛まで抜かれそう。

03. 2014年11月17日 17:25:35 : s1AaoZsOya
政府のデタラメ金融政策以外に株高になる要因が1つも無いんだから、一時的に上がってもすぐそれ以上の暴落になる。
日本経済は内需主体経済であり、原材料も燃料もほとんど輸入に頼っているのに円安に誘導するなど日本経済の実態がまるで分かっていない経済音痴が政府日銀を支配しているのは日本にとって最大の悲劇だ。

04. 2014年11月17日 22:21:28 : jXbiWWJBCA

 
コラム:「2期連続マイナス成長で増税延期」は妥当か=岩下真理氏
2014年 11月 17日 18:40 JST
岩下真理 SMBCフレンド証券 チーフマーケットエコノミスト

[東京 17日] - 17日朝発表の7―9月期実質国内総生産(GDP)1次速報値は、前期比年率マイナス1.6%(4―6月期は同マイナス7.3%に下方修正)と、市場予想平均の同プラス2.0%程度から大きくかい離し、衝撃の2四半期連続のマイナスとなった。

市場予想が外れた大きな要因は在庫と設備投資だ。民間在庫品の前期比寄与度はマイナス0.6%と、前期のプラス1.2%という大幅な在庫増の調整が大きく出た。また、関連統計から事前予想でプラスとみられていた設備投資の前期比はマイナス0.2%と、2四半期連続のマイナスになった。

在庫調整は覚悟されていたが、マイナス幅が想定より大きい。好転が期待されていた設備投資の弱さは、内閣府の説明によれば、主因は自動車と電子通信機器の減少とされ、前向きな循環メカニズムが働いているとは言い難い。

一方、個人消費は前期比プラス0.4%と戻りが鈍かった。財・サービス別でみると、耐久消費財(特に自動車やパソコン、白物家電)が前期比マイナスで足を引っ張った格好だ。

ただ、今後の持ち直しを期待できる部分もあった。例えば、生産統計をみると、在庫調整は進展していた。10―12月期の在庫はネガティブにはならないだろう。夏場以降の円安を背景に、企業収益は増加を続けており、今後の設備投資の持ち直しは期待できる。

また、雇用者報酬の前年同期比は、実質マイナス0.6%(4―6月期のマイナス1.9%)、名目プラス2.6%(同プラス1.6%)と共に改善方向にある。所得環境の改善に冬の賞与増加が加わり、さらに天候要因の剥落、耐久消費財の持ち直しも考えれば、10―12月期の消費は二極化(堅調な高額消費、日用品の節約志向)のもとで底堅い動きを続けると、筆者はみている。

基調的なGDPを把握するため、2013年10―12月期から2014年7―9月期の1年間と、その前の2012年10―12月期から2013年7―9月期を比較すると1%程度の伸びはある。消費増税の影響が一巡する10―12月期には、潜在成長率を上回る成長は見込める状況だ。

筆者は増税議論において、足元の4―6月期、7―9月期の景気動向だけに過度に左右されるべきではないと考えている。だが現実には、7―9期の弱さが決め手となって、政治判断として消費再増税の1年半の先送りが発表されることになるのだろう。

<消費統計にはトリックあり>

それにしても、GDP推計に使う消費の需要統計は、4月の消費増税後は供給統計とのかい離が大きい。

需要統計が弱い理由は3つ考えられる。第1に、供給側の統計である商業販売統計には、サービス業となる外食やレジャーは含まれておらず、天候要因の悪影響が及びにくいこと。第2に、総務省「家計調査」のサンプルバイアスの可能性だ。同調査における勤労者世帯の収入データは厚生労働省「毎月勤労統計調査」の現金給与総額と比べて弱く、回答世帯の所得水準が平均よりも低位であると推察される。その結果、収入の弱さを反映した支出の弱さはありそうだ。

第3に、実質化によるマイナス幅の拡大だ。実質化に用いる消費者物価指数(CPI)は「総合」ではなく、「持ち家の帰属家賃を除く総合」である。持ち家の帰属家賃の低下幅が大きいために、それを除いた物価で除すると、総合やコアよりも実質の数字が小さくなってしまうトリックがある。家計調査のサンプルバイアスにより、低所得者層や年金生活者が、日常的に使う食料品(非耐久財)や衣料品(半耐久財)支出において節約志向を強めたことが色濃く反映され、実態よりやや弱い感触になっていると言えそうだ。

筆者は総務省の消費統計研究会(前身は家計調査等改善検討会、2011年11月に開始)の委員を務めており、家計調査の調査方法などの改善を話し合ってきた。実際に見直し(電子家計簿の導入)後の調査が実施されるのは、CPIの2015年基準改定への影響などを考慮して2016年1月以降だ。その後は、実態をより正確に反映できる調査が期待される。しかし今回、日本の消費再増税を決める重要なタイミングで、この統計のサンプルバイアスを指摘せざるを得ないのは、3年前から見直しを考えてきた立場上、非常に残念でならない。

<日銀の三重苦を招く消費増税先送り>

さて、各種報道によれば、安倍首相は18日の有識者点検会合最終回と経済財政諮問会議での議論を踏まえ、同日にも新たな経済対策および2014年度の補正予算編成を指示、消費再増税の1年半先送りの判断と衆議院解散を判断する見込みだ。

今回の解散風の背景には、長期的な経済財政状況よりも、長期政権に向けた「勝てる選挙」の意味合いの方が強く感じられる点が残念だ。消費再増税先送りを決断すれば、目先、いくつかの政策対応を迫られよう。1)消費税を財源とする社会保障関連の予算削減、2)法人実効税率の引き下げ幅、3)補正予算の規模だ。

1点目については2015年度予算で約1.5兆円の消費税収減への対応を迫られる。2点目は、引き下げ幅を小幅にとどめることになろう、3点目は、2013年度決算の剰余金と2014年度の税収上振れ分で3兆円程度にとどめ、「消費刺激」「地方活性化」「災害復旧」を対策の柱とする方向だろう。

筆者は以前より、9―11月の指標で天候要因剥落後の消費持ち直しや設備投資、輸出と生産の増加が確認できれば、消費再増税を決断すべきと主張してきた。確かに消費増税後の国内経済は想定より下振れたが、生産、輸出と消費の供給統計は8月を底に9月以降持ち直す過程にある。駆け込み需要の反動減が一巡する10―12月期には潜在成長率を上回る成長は実現可能だ。4―6月期、7―9月期の弱さだけで、日本経済の実力を測るべきではない。

よってこの際、消費税法の景気条項は外すべきだろう。消費増税議論で最も重要なのは、財政の中長期的な持続可能性という視点だ。先送りは、少子高齢化で人数が少なくなる将来世代に、社会保障の負担を大幅に増加させることを意味する。これでは、日本の明るい未来は描けない。政府は長期的な負荷や基礎的財政収支(プライマリーバランス)計画の修正まで考えた上で、当面のデフレ脱却に向けた前進を選択する以上、それなりの覚悟を持って経済運営を進める必要がある。

振り返れば、2013年1月22日発表の「デフレ脱却と持続的な経済成長の実現のための政府・日本銀行の政策連携について」(共同声明)では、日銀が早期の物価目標達成、政府が財政健全化の推進を約束していた。しかし、政府が消費再増税の先送りを決断すれば、日銀は梯子(はしご)を外されたことになる。

ましてや、10月31日の追加緩和(ハロウィーン緩和)を好感した株高、国債大量買い入れによる長期金利の低位安定が再増税先送り論を勢いづけたとするならば、日銀にとって不本意な結果と言わざるを得ない。政府サイドに予算膨張を抑制する姿勢、歳出削減の努力がなければ、日銀による財政のマネタイゼーションという批判は避けられないだろう。

その一方で、14日には短期国債のマイナス金利が拡大し、長期国債の買い入れを増額しても短期国債の需給を緩めることはできていない。異次元緩和の枠組みの限界を露呈しており、遠くない将来、長期国債のオペでも執行リスクにさらされるだろう。

他方、日銀の本気度を受けた円安・ドル高進行の裏側で原油価格はまだ下げ止まる気配がみえない。国際エネルギー機関(IEA)は14日発表した11月の石油市場月報で、「供給が減らなければ、2015年前半に下落圧力はさらに強まる」との見解を表明した。日銀はハロウィーン緩和決定時に物価の下押し圧力を強調し過ぎた分、物価の下振れが視野に入れば、市場に追加緩和を催促されよう。

いまさらながら、追加緩和実施の理由について「デフレマインドの転換が遅延するリスク」顕現化の未然防止と説明したのは失敗だったのではないか。仮に消費増税後の景気下振れに対応した追加緩和としていれば、今秋以降の景気持ち直しにより、市場が物価だけに焦点を当てずに済んだように思える。

以上のように考えると、日銀は当面、1)財政のマネタイゼーションという批判、2)国債買い入れオペの執行リスク、3)原油安による物価鈍化という「三重苦」に見舞われよう。

財政再建派の黒田総裁によるハロウィーン緩和を水の泡にしないためにも、政府はまず来年度の賃上げに向けて働きかけることが肝要だ。また、実質所得の減少に対応した軽減税率導入の検討、人手不足解消につながる雇用面での規制緩和、成長産業育成に向けた特区の新たなプランも進めて欲しい。そして、長期政権のメリットは、企業にとっても新たな事業戦略に安心して取り組める環境が整うことだ。経営者も競争力強化に向けて、この機会を逃してはならない。

<エルニーニョ暖冬で米景気腰折れリスクは>

最後に、日本の消費に影響を与えた気象の最新情報をお届けしたい。気象庁は10日発表のエルニーニョ監視速報(2014年10月の実況と2014年11月から2015年5月の見通し)で、「冬にはエルニーニョ現象が発生している可能性がより高い」「今後の状況により、エルニーニョ現象がこの夏から発生していたと判断する可能性もある」との見解を示した。

2014年は3月発表時にエルニーニョ現象発生の可能性が指摘され、7月には「遅れる」、8月には「低い」、11月にはまた「可能性あり」に修正と、経済予測は本当に気象予測に振り回され続けている。それでも鰯(いわし)の行動は教えてくれていたと、筆者には思える。仮に日本が暖冬となった場合、冬物衣料や鍋料理関連の消費、冬スポーツの支出が伸び悩む可能性が考えられるだろう。

ちなみに、エルニーニョ現象発生時の天候の特徴で、筆者が気になるのは世界経済のけん引役である米国だ。冬の間(12月から2月)、北米中部には高温傾向、米国北西部には多雨傾向がある。今年1―3月期の大寒波後、米国景気は天候要因に引っ張られることなく緩やかな回復を続けてきたが、果たしてエルニーニョ暖冬が訪れても、腰折れすることはないのか。来年にかけても引き続き、天候からは目が離せない。

*岩下真理氏は、SMBCフレンド証券のチーフマーケットエコノミスト。三井住友銀行の市場部門で15年間、日本経済、円金利担当のエコノミストを経験。2006年1月から証券会社に出向。大和証券SMBC、SMBC日興証券を経て、13年10月より現職。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0J10E320141117


 
最大の要因は在庫調整の進展、GDPマイナスで甘利担当相
2014年 11月 17日 14:49 JST
[東京 17日 ロイター] - 甘利明経済再生担当相は17日、7━9月期国内総生産(GDP)速報値が予想に反してマイナス成長となったことについて「最大の要因は在庫調整が進展したことだ」と指摘した。そのうえで消費税率10%への引き上げに関し、安倍晋三首相が帰国後に速やかにその可否を判断するとの見通しを示した。

同日午前、速報値の発表を踏まえ都内で記者会見した。甘利担当相はその中で、在庫調整の進展が、マイナス成長に陥った背景にあるとするのと同時に、今年4月の消費税率8%への引き上げで「住宅投資と設備投資がマイナスになった」ことも理由に挙げた。

そのうえで甘利担当相は「デフレマインドが払拭しきれないなかでの消費税引き上げは、想定よりインパクトが大きい」との認識を示し、安倍晋三首相が近く判断する10%への増税可否について、「消費増税で景気が失速し、デフレに戻ってはいけない。あす以降、(消費増税や景気対策、解散などの)何らかの判断が出ると思う」と語った。

消費税率10%への引き上げそのものは必要との認識も示した。社会保障の財源の半分を借金で賄っている現状では、将来にわたって制度そのものを維持できないためだ。甘利担当相は「安定、充実した社会保障には安定財源が必要」と強調した。

*見出しを修正して再送しました。

(山口貴也)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0J101120141117


 


05. 2014年11月20日 20:42:58 : jXbiWWJBCA

円安と株高に依然高い相関、今後は企業業績がカギ
2014年 11月 20日 17:12 JST
[東京 20日 ロイター] - 上値を追うドル/円JPY=EBSに対し、日本株は足踏みとなっている。直近の市場では日本株が円安についていけなくなっているようにみえるが、実は25日移動平均でみた相関関係は非常に高い。

ただ、日本株の割高感も漂い始めており、今後は円安メリットを生かして企業業績を拡大させることができるか、中期的な株高トレンド入りのカギとなりそうだ。

<回帰分析値は0.98>

ドル/円JPY=は上昇ピッチを速め、ここ2日間で約2円上昇している。7年超ぶりの高値を更新し続けており、118円高後半まで一気に上値を伸ばしてきた。一方、日経平均.N225は2日続けて1万7300円を挟んでのもみあい。アベノミクス相場の1つの特徴である円安と株高の連動が、この2日間はみられなくなっている。

「ドルを売る理由がない」(国内銀行・為替担当者)と強気な声があふれる外為市場に対し、株式市場では「衆院選の結果が不透明ななかでは上値は追いにくい」(国内証券・情報担当者)と慎重な声が多い。20日の東証1部売買代金も2兆円前半と盛り上がりに乏しかった。

円安にはメリットだけでなく、輸入コストの上昇などデメリットもある。円安デメリットを日本株もついに警戒し始めたとの見方もあるが、データ的には、少なくとも現時点では連動性が崩れたとは言えないようだ。

25日平均の回帰分析でみた日経平均とドル円の相関性は、現時点で0.98と極めて高くなっている(1なら完全に連動)。足元だけをみれば日本株は急ピッチの円安に対し、やや出遅れ感があるが、もともと高かった日本株に、ドル/円が追い付いてきているという見方もできる。

業種別の株価動向をみても、20日の市場では、自動車やハイテクなど円安メリットを享受するセクターが上昇し、電気ガスや紙パルプなど円安デメリット業種は下落と非常に「素直」な相場展開だった。円安の功罪に対し、これまでと違うような市場の動きがまだ見えたわけではない。

三菱UFJ投信・戦略運用部副部長の宮崎高志氏は「経常収支が黒字のうちは、日本経済トータルでみれば円安は依然メリットだ。特に輸出企業の影響力が大きい日本の株式市場においては、円安が日本株の買い材料という構図はしばらくは変わらないだろう」と指摘している。

<個別株は先行して物色>

予想株価収益率(PER)でみると、日経平均は16倍前半、TOPIX.TOPXは約17倍と歴史的にみて割高感の漂う水準に突入している。日銀の大規模な追加緩和によってPERの水準が切り上がったとの指摘もあるが「実際に企業収益が上昇すると確認できるまでは、上値を追いにくい」(国内証券ストラテジスト)ことが、日本株の頭を押さえているようだ。

今後、日本株が上昇トレンドに乗れるかどうかは、高いPERを正当化できるような水準まで企業業績が伸びてくるかどうかにかかる。実際、業績拡大への期待が大きい企業の株価は先行して買われている。

トヨタ自動車(7203.T)は約7年ぶりに7000円台を回復。円安に加え、燃料電池車「ミライ」の販売開始も好感されている。「高級車だったプリウスは、今やカローラに並ぶ普及をみせている。ミライは究極のエコカー。量産効果とともに価格が下がり水素ステーションも広がれば、一気に普及するだろう」(日本アジア証券グローバル・マーケティング部次長の清水三津雄氏)との期待は大きい。

さらに円安による輸入コストや原材料価格の上昇が懸念されている食品株の中でも、カルビー(2229.T)や江崎グリコ(2206.T)など上場来高値を更新する銘柄も出てきている。

岡三証券・投資戦略部シニアストラテジストの大場敬史氏によると「増加する外国人観光客が帰国後に日本のお菓子の美味しさを宣伝してくれているようだ。値上げで円安によるコスト増を吸収できるような競争力のある企業に人気が集まっている」という。

円安を含めたアベノミクス政策の日本経済に与える影響はまだ見極められないが、この機会をチャンスとして成長している個別企業株の物色は着実に進んでいるようだ。

(伊賀大記 編集:田巻一彦)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0J40M520141120


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