http://www.asyura2.com/14/hasan91/msg/672.html
Tweet |
物価上昇率「ゼロ近辺」 IMF、円安影響除き試算
http://www.asahi.com/articles/DA3S11452282.html
2014年11月13日05時00分 朝日新聞
日本の物価上昇率(消費増税の影響をのぞく)を巡り、国際通貨基金(IMF)が為替の影響を受けにくい品目に限った試算を行い、それが各国の財政金融当局に示されていたことが12日、分かった。上昇率は今年に入ってからもプラス0・3%程度〜マイナス0・2%程度の範囲を動く状況が続き、ゼロ近辺にとどまっていた。
消費増税分をのぞいた日本の物価上昇率(インフレ率)は最近、前年比で1・5%前後で推移している。IMFの試算は、円安で輸入品や原材料費の価格が上昇している影響が最近の物価上昇に大きく寄与しており、円安の影響をのぞいた物価はほとんど上昇していないことを示すものだ。
国際金融関係者によると、試算は10月のIMF・世界銀行総会の際に、IMFから各国の財務相や中央銀行総裁が出席する会議で示されたという。IMFは、円安の影響をのぞくと日本の物価上昇率はゼロ近辺にとどまっていることに加え、円安が進んでいるにもかかわらず日本の輸出量が想定よりも増えていないことも紹介。日本の民間需要などが順調に回復しているのかどうか、やや疑問を投げかける内容だったという。
試算は、公表されていない。安倍政権の経済政策アベノミクスについて、IMFは公式には「インフレ期待を高めており、効果を発揮している」と基本的に評価する立場だ。IMFはまた、消費税の10%への引き上げを予定通り行うことも求めている。
■弱い消費回復の機運
《解説》IMF試算が示すのは、アベノミクスの効果が限定的なものにとどまっているという実態だ。
安倍晋三首相は2年前の衆院選で、「2%の物価目標」などを掲げて勝利。首相が日本銀行総裁に起用した黒田東彦(はるひこ)総裁はその実現に向け、2013年4月から過去に例をみない大規模な金融緩和を行ってきた。
物価が上昇すると皆が思うようになれば、消費が増えて企業業績も良くなり、さらに物価が上がっていくという「良い物価上昇」を実現し、好循環をもたらすことを目指した。だが、試算によると、現状は、円安で原材料などの輸入品の価格が上がったことで物価が上がっていくという「悪い物価上昇」の側面が強いように見える。たしかに、円安の影響を除いたベースで、13年初めにマイナス1%程度だったインフレ率は、最近は0%前後に改善している。ただ、国内消費が増え、物価が自律的に上昇していく循環にまでは至っていない。
国内消費の力強い回復で物価が上がっている面が乏しいだけに、企業による賃上げも加速しない。円安が主導する「悪い物価上昇」のもとで、家計の苦しさは増している。
(尾形聡彦)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。