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「先進国の人はみんな金持ち」という概念はもう消えていく
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2014年11月15日 Darkness - ダークネス
現在、私たちが暮らしている資本主義社会は持てる者と持たざる者を区分けしている最中であることは誰もが気付いている。
富める者はますます富み、貧しい者は持っているものも奪われていく。アメリカでも、ユーロ圏でも、アラブ圏でも、そして中国でも、日本でも、みんな同じように極度な格差が生まれようとしている。
この動きが突き進んでいくと、どうなるのか。
まず、すべての国で格差が当たり前になり、ますます深刻化する。先進国であっても貧困者が大量に出る。逆に途上国であっても富裕層が大量に生まれる。
国の中で人々が分離するのだ。その結果、先進国と途上国という見方が、あまり意味のないものとなる。
今までは先進国と言えば、「国民みんなが金持ち」という意識だった。しかし、もうそんな認識が時代に合わなくなる。
国の中で貧富の格差が苛烈なものになっていくのだから、「先進国の人間がみんな金持ち」という意識が成り立たないと誰もが認識するようになる。
■バブル時代とグローバル化時代が格差を増長させた
「一億総中流」という言葉があった。1950年代から1970年代までの日本の高度成長は、日本人のほとんどをそれなりに豊かにさせた。そして、日本人はみんな「自分は中流だ」という意識を持つようになった。
時代はこれを「一億総中流」と呼んだ。この時代にも金持ちと貧困者はいたが、「ごく普通の人」が圧倒的ボリュームを占めていて、格差は目立たなかった。
しかし、1980年代後半のバブル時代に入ると、急激にこの「一億総中流」が崩れていった。土地を持っている者、株式を所有する者が、どんどん「中流」を引き離していったのだ。
しかし、1990年にはバブル崩壊が起きた。右肩上がりの不動産価格、右肩上がりの株式市場は崩落した。その中で、過大な借金で資産を膨らませていた人々が一気に没落した。
この後、また「一億総中流」に戻ると思われた。
しかし、1990年代後半に入ると、別の巨大な流れが日本に押し寄せていた。それは「グローバル化」というものだった。今度は、そのグローバル化の波が日本を覆い尽くした。
グローバル化の時代の特徴は、「競争の世界化」だ。今まで日本国内だけで競争していれば良かった日本企業も、外国から安い製品が津波のようになだれ込んで来ると、否応なく対応を迫られるようになった。
グローバル企業は、コストの安い途上国に工場を建てて、そこで人件費を削減して製品の価格を下げるという動きをしたので、先進国で高い賃金の労働者を雇っている企業は軒並み苦境に落ちていった。
■リストラと、非正規労働化と、低賃金化はセット
日本の企業もそうだ。日本人の労働者の賃金は世界水準で見ても非常に高い。日本企業は価格競争の中でまったく太刀打ちできなくなってしまった。
そして、どうしたのか。結局、日本企業も工場をどんどん途上国に移して、日本人労働者を切り捨てる動きをしないと生き残れなくなった。
2000年代の初頭から雪崩を打つようにそのような動きが加速し、正社員は非正規雇用者に置き換えられ、終身雇用も年功序列も見直される流れとなっている。
終身雇用のシステムが崩壊したので、リストラも恒常的になったのは、国民の8割がサラリーマンの日本人が一番よく知っていることだ。
激甚化した資本主義の競争の中では、実力と運を持った人間が富を総取りする。そして、ごく普通の人たちはコスト削減やリストラの嵐に飲み込まれていく。
リストラと、非正規労働化と、低賃金化はセットなのだ。
だから、リストラされた人たちから年収低下の憂き目を味わうことになる。それが繰り返されることによって、中流がポツリポツリと下流に落ちていく。
若年層は最初からその多くが非正規労働者だが、将来はそれが「当たり前」になり、最初から正社員というのがあり得ないと思われるようになるのだ。
こんな世界の中では、成り上がれるのは「ごく一部」であり、その他大勢は完全に下流に落とされて、そこから這い上がれなくなっていく。
つまり、先進国であっても「国民みんなが金持ち」という状態は完全に消える。
先進国でも貧困層は途上国と変わらないまでに落ちていく。そして、途上国でも金持ちは先進国と変わらないまでに豊かになっていく。
■グローバル化は人々をノマド(遊牧民)にさせる
先進国は豊かという概念が消えるもうひとつの要因は、グローバル化によって当たり前になっていく「移民」の出現だ。現在、欧米のほとんどすべての国は、大量の移民がなだれ込む。
ニューヨークは当初から人種の坩堝と言われたが、今やロンドンだろうがパリだろうがローマだろうがベルリンだろうが、どこの国のどこの都市でも、大量の移民がやってきてそこに住み着いている。
今のところ、この移民の多くは貧困層である。先進国に住んでいるのだが、仕事もなく、文化にも馴染めないので、必然的に貧困に追いやられていく。
いくら先進国の福祉が充実していると言っても、物には限度があり、福祉で生活が豊かになっていくことはない。福祉はあくまでもギリギリの生活を維持するだけのものである。
先進国で、こういった移民が増えることによって、「先進国=豊か」の構図は消えていく。
一方で、先進国の富裕層の中には、さらに生活コストを浮かして豊かさを享受したいと考える人たちもいる。彼らは途上国に移動して、途上国の物価で生活する。
物価が自国の半分の国で暮らしたら、事実上、資産は二倍になったも同然だ。
そうすると、先進国でも貧困層の群れが溢れ、途上国でも富裕層が増えるという世界が出現していく。グローバル化は人々をノマド(遊牧民)にさせて混沌化に導くのだ。
まだ人々は「先進国と途上国」という括りで現在の世界を見ている。そして、先進国の人々は豊かで、途上国の人々は貧しいという認識にある。この認識は早晩、崩れていく。
格差が極大化していく先には、「先進国」「途上国」という概念は消えるのだ。「国」が豊かか貧しいかという概念がなくなり、「個人」が豊かか貧しいかという二極分化だけになる。
- マルチメディア・グループ「スプートニク」が、世界各国で活動を開始、一日800時間 kokopon 2014/11/15 20:36:23
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