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外為取引サイトが消えた−安全な投資が招いた10億ドルの損失
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NEYFRJ6K50YA01.html
2014/11/14 11:30 JST
11月14日(ブルームバーグ):英バーミンガムの医師ラジブディン・マンダルさんは腕試しのつもりで初めて外為オンライン取引に挑戦し、2000ポンド(現在のレートで約36万円)を失った。外為市場はあまりにも大きくて複雑で、自分のような素人が手を出すには危険過ぎると思い知らされ、プロの助言を受ける必要があると判断した。
2013年に入ってマンダルさんはそんな自分にぴったりと思えるサイトを見つけた。「セキュア・インベストメント・ドットコム(secureinvestment.com)」というこのサイトは、外為取引は高リスクだと指摘し、「外為取引をする人の90%は最終的に損をする」と説明していた。その上で、自社のサービスは他社よりも安全だと主張。投資家に代わって取引の判断を行うほか、投資元本を保証するとうたっていた。マンダルさんはこれならたとえ利益を出せなくても損はしないだろうと考えた。ブルームバーグ・マーケッツ誌12月号が伝えた。
セキュア・インベストメントは140カ国の計10万人余りから集めた48億ドル(約5560億円)強の資金を毎日動かしており、取引の全てを公開していると説明。顧客の過去5年間の営業日次ネットリターンは平均1%だと説明していた。
さらに投資家の体験談を収めたビデオまであった。その1人は自分の投資資金が何年も続けて利益を生み、そのおかげで悠々自適の老後への備えが進んでいるとうれしそうに語っていた。マンダルさん(41)はその後3カ月間にわたり、同社ウェブサイトに掲載される投資結果を入念に検討したが、「問題があると思えるようなことは何も見つからなかった」という。
夫婦で6万ドル投資
昨年の5月と6月、マンダルさんは妻で同じ医師のワジマさんと一緒に3万ドルずつをセキュアに投資した。セキュアがドル建てを要求したため銀行でポンドを両替した後、指示通り口座開設のためオーストラリアとキプロスの銀行に送金した。その後、2人は毎日のようにサイトにログインし、セキュアがドル・ユーロ取引を行うのを見守った。
同サイトに表示される夫妻の口座残高は順調に増加し、わずか10カ月で約4倍の24万5000ドルに達した。マンダルさんは今年3月、一部資金を口座から引き出すことを決めた。ところがセキュアからは電子メールで、すぐには下ろせないという返事が届いた。米国の法律である外国口座税務コンプライアンス法(FATCA)に関連する問題のためだとの説明があったが、同法は海外に銀行口座を持つ米国民が対象であり、英国民のマンダルさんには無関係だった。その3月5日付のメールは数日中に資金を受け取れるとし、「お待たせして申し訳ございません」と書かれていた。
しかしマンダルさんはこの時点ではまだ疑っていなかったという。4月30日にセキュアからまた電子メールが届き、そこには「当社の技術部門は現在、システム更新に取り組んでいます。一時的に不具合が生じる可能性があり、ご迷惑をお掛けしますことを心よりお詫びします」と記されていた。
復活せず
その翌日、セキュアのサイトは突然閉鎖され、二度と復活することはなかった。夫妻の出資した6万ドルも行方が分からないままだという。マンダルさんは「毎日、セキュアが利益を上げるのを眺めていたのに、突然サイトがなくなった。心理的苦痛とストレスにさいなまれた」と語る。
夫妻の資金が永遠に戻ってこないのだとすれば、セキュアに資金を託した世界中の投資家も同様だろう。同サイト閉鎖の2カ月前にブルームバーグ・マーケッツ誌が確認したサイト上のデータによれば、損害額は10億ドルを上回る可能性がある。
米上院常設調査小委員会のカール・レビン委員長は「この種の外為詐欺は国際金融システムへの攻撃だ。不正がどこで行われたかを隠しつつ、複数の国の投資家を犠牲にしている」と述べた。
これまで5大陸の計11カ国の顧客がセキュアへの投資で資金を失ったと訴えている。
投資家25人はインタビューで、セキュアから豪州とキプロス、ラトビア、ポーランドの銀行への送金を指示されたと語った。セキュアは2008年にパナマで法人化された。
俳優を起用
セキュアはサイトにあたかも利益を上げたかのような取引データを掲載し、自ら良い評判を作り出すことで投資家を呼び込んだ。これは全て虚構で、複数のオフィスを持ち多くのスタッフを抱えているというのも真っ赤なうそだった。さらにビデオで体験を語った顧客のうち、少なくとも数人は俳優だったことが分かっている。
しかしこうした手口は一時的には効果を発揮した。サイト閲覧回数の調査会社アレクサのデータによれば、3月にセキュアは米2位の店頭外為取引サービス会社、フォレックス・ドットコムを人気度で上回った。そしてネットユーザーをセキュアのサイトに導いた検索語句で最も多かったのは、皮肉にも「Secure Investment(安全な投資)」だったという。
原題:Forex Investors May Face $1 Billion Loss as Trade Site Vanishes(抜粋)
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