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外国為替市場の指標レート操作を理由に、アメリカ、イギリス、スイスの当局は6銀行に合計で約43億ドル相当の支払いを命じたという。アメリカの通貨監督庁(OCC)はバンク・オブ・アメリカに対して2億5000万ドル、JPモルガン・チェースとシティ・グループに対してそれぞれ3億5000万ドルという制裁金を科すと発表、これにアメリカの商品先物取引委員会(CFTC)とイギリスの金融行動監視機構(FCA)、スイスの金融市場監督機構(FINMA)による約33億ドルの制裁金が加わる。が、こうした違法行為は日常茶飯事だろう。
アメリカでは「大きすぎて潰せない」とか「大きすぎて処罰できない」ということが言われるが、そうした表現を生み出したのが2008年に問題化したサブプライム・ローンの破綻。高いリスクの商品をリスクが低いかのように言って経済的に豊かでない人びとに売りまくって庶民の生活を破壊、銀行は大儲け、その経営が傾くと庶民のカネを投入して助けてもらい、その経営者は刑事訴追されなかったという出来事だ。
この商売を法律に違反していると会社幹部に警告していた弁護士がいる。JPモルガン・チェースで働いていたアレイン・フレイシュマンだ。そうした実態を2006年から上司へ何度か伝えているが、後に判明したところによると、その前から会社側は違法な商売だと言うことを認識していた。そして2008年の初頭、危機が表面化する直前に彼女は解雇される。
その4年後、証券取引委員会(SEC)がフレイシュマンに接触してきたが、このときは細かい話がテーマだった。その年の終わりには司法省の捜査官と会い、詳細を語ることになるのだが、その件を調査した形跡がない。そして1年前、JPモルガン・チェースは130億ドルを支払うという発表があった。そうした支払いの一方、経営者は刑事訴追されないことになる。
エリック・ホルダー司法長官によると、犯罪の原因は「企業文化」にあり、個人に責任はないということらしいが、ならば犯罪組織や「テロ組織」も同じことだろうと批判されている。そのホルダー長官は今年9月、辞任を表明した。
巨大金融機関は違法な商売で儲け、多くの庶民の生活を破壊し、その金融機関が破綻すると国民のカネで救済、そうした行為の証拠を司法省などは隠蔽、犯罪行為の当事者は起訴されずに今でもカネ儲けに勤しんでいる。アメリカで富を独占している0.01%とはこうした連中だ。日本のエリートはこうしたアメリカを「理想郷」と考えている。
こうしたことを行ってきたアメリカの経済は崩壊状態にある。基軸通貨と見なされてきた「ドル」を印刷する特権と強大な軍事力による脅しで支配システムを維持しているが、すでにロシアや中国を中心とする国々はドル離れを始め、軍事力の優位も揺らいでいる。つまり、「アメリカ帝国」は急速に衰退している。それを見てなのか、ネオコン/シオニストやペルシャ湾岸の産油国が編成したIS(イスラム国。ISIS、ISIL、IEILとも表記)は金や銀を通貨にするという。