05. 2014年11月13日 22:28:52
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NT倍率急伸、日銀のETF追加刺激し15年ぶり水準が視野に 11月13日(ブルームバーグ):日本銀行が追加金融緩和で上場投資信託(ETF)の買い入れペースの増加を表明して以降、国内主要株価指数の中で日経平均株価 のパフォーマンスが最も良好だ。TOPIXに対する相対的な位置関係を示すNT倍率も急上昇している。 日銀の政策変更が発表される前日の10月30日終値と11月12日終値を比較すると、日経平均株価 は9.8%高、JPX日経インデックス400 は8%高、TOPIX は7.7%高だった。一方、時価総額が相対的に小さい銘柄で構成されるTOPIXスモール は3.8%高にとどまった。 日経平均の上昇率が拡大している影響で、日経平均をTOPIXで割ったNT倍率は12日時点で12.5倍と2日連続でことし最高を更新。昨年12月には12.7倍と、国際優良株相場の全盛だった1999年3月以来の高水準を付けていた。このままNT倍率の上昇が続き、13倍に乗せると15年ぶりとなる。 東海東京調査センターの鈴木誠一マーケットアナリストは、「日銀の現在のETF買い入れは上場ETFの時価総額に応じた金額で行っているため、足元では日経平均型を54%、TOPIX型を46%買っている計算になる」と分析。日経平均を常にロング(買い持ち)にすればレバレッジが利く投資になるとし、「日銀のETF買いはNT倍率を拡大させる」との認識を示した。 日銀は、ETFの年間買い入れペースを従来の年間1兆円から年間3兆円へ3倍に増やした。さらに、ETFの買い入れ対象に新たにJPX日経400連動型ETFを加えている。 品薄株で効果大、Fリテイリやアドテストなど 鈴木氏によると、日銀によるETFの買い入れ額はことしの残り分と来年分を加えた合計で約3兆3000億円。このうち、約1兆8000億円は日経平均型のETFを買う計算になるという。NT倍率の上昇は、短期的には行き過ぎの可能性はあるものの、「昨年12月の12.7は通過点で、近い将来には13に乗せるだろう」と予想した。 日経平均が上昇することで、「日経平均に採用されている銘柄で、流動性が少ない品薄株は価格効果が大きくなる」とも同氏。影響が相対的に大きい品薄上位5銘柄にファーストリテイリング 、アドバンテスト 、ミツミ電機 、コナミ 、日立建機 を挙げる。 しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用部長は、日経平均のパフォーマンスが高い要因として、「日経平均やJPX日経400は大型株が多いのに対し、TOPIXは一部の大型株が買われても全体の反応は鈍くなる」と指摘。指数間でパフォーマンス格差が生じたのは、「相場の速い動きについていくため、流動性の高い大型株中心に海外勢の買いが入ったため」とみていた。 野村証券によると、日本に上場している日本が主市場の全ての指数連動型ETF・ETN(レバレッジとインバースは除く)の10月末残高のうち、日経225型は6本で全体の48.6%、TOPIX型は4本で41.6%を占める。残高では、日経225型がTOPIX型を上回る。 13日の日本株市場では、日経平均は一時前日比1.2%高の1万7395円15銭、TOPIXは1%高の1390.29ポイントに上昇。日経平均の上昇率がTOPIXを上回り、NT倍率は12.52倍まで上がった。 記事に関する記者への問い合わせ先:東京 長谷川敏郎 thasegawa6@bloomberg.net;東京 竹生悠子 ytakeo2@bloomberg.net 記事に関する記者への問い合わせ先:東京 長谷川敏郎 thasegawa6@bloomberg.net;東京 竹生悠子 ytakeo2@bloomberg.net 更新日時: 2014/11/13 14:12 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NETB5B6TTDSC01.html ETFの毎月の買入頻度や金額は決めていない=黒田日銀総裁 2014年 11月 13日 14:37 JST [東京 13日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は13日、参議院財政金融委員会に出席し、ETFの買い入れについて、毎月の頻度や金額は決めていないと語った。また、あらためて財政再建の重要性を強調した。風間直樹委員(民主)の質問に答えた。
総裁は10月31日に追加金融緩和に踏み切った理由について、4月の消費税率引き上げの影響がやや長引き、天候不順もあって「やや弱め」の需要が続いていることや、原油価格の急落を受けて「物価上昇期待や賃金への影響など下方リスクが出てきている」ことを指摘。「この際、物価安定目標の早期実現のコミットメントを示し、量的・質的金融緩和の拡大を行うというのが、政策委員の多数意見だった」と述べた。 日銀は追加緩和でETF(指数連動型上場投資信託)の保有残高をそれまでの年間1兆円増から3兆円増に3倍増加させるペースで買い入れることを決めた。ETFなどリスク性資産の買い入れ拡大は、日銀が損失を抱える可能性を高めることにもなりかねないが、総裁は「ETFの買い入れで日銀のリスクは増大するが、物価安定目標の早期実現に必要な政策」とし、日銀として自己資本の充実に努めていると説明した。また、ETFの購入ペースについて「毎月に何回、金額はいくらと決まっていないし、示すものではない」と述べた。 また、来年10月の消費税再増税の先送り観測が強まっているが、総裁は「財政の持続可能性の維持は、重大な課題」とし、政府に対して「中期財政計画に沿って着実な(財政)健全化を期待する」と語った。 (伊藤純夫 編集:宮崎亜巳) http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0IX0BR20141113 ECBの四半期専門家調査、インフレ率・GDP予測を下方修正 2014年 11月 13日 19:03 JST [フランクフルト 13日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は13日、ユーロ圏経済に関する第4・四半期の専門家予測調査を公表した。調査では、ユーロ圏のインフレ率と域内総生産(GDP)伸び率の予測がともに、前回第3・四半期調査から下方修正された。
インフレ率予想は2015年が1.0%、2016年が1.4%。前回予想はそれぞれ1.2%、1.5%だった。 GDP伸び率予想は、2015年が1.2%、2016年が1.5%。前回予想はそれぞれ1.5%、1.7%だった。 調査は、ユーロ圏のエコノミスト、学識経験者、その他の専門家61人を対象に10月16─23日に実施された。 ECBは来月、ECBのスタッフによる予測を公表する。 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0IX0WF20141113
中国:10月の工業生産と投資、市場予想に届かず-減速感深まる 11月13日(ブルームバーグ):中国の10月の工業生産 と1−10月の都市部固定資産投資は共に伸びが市場予想を下回り、景気減速の深まりを示した。政策当局に対して景気刺激策の拡充を求める圧力が高まった。 国家統計局が13日発表した10月の工業生産は前年同月比7.7%増。ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想の中央値は8%増だった。10月の小売売上高 は同11.5%増。1−10月の都市部固定資産投資は前年同期比15.9%増と、2001年以来の低い伸びにとどまった。 クレディ・アグリコルのシニアエコノミスト、ダリウス・コワルツィク氏(香港在勤)はこの日の指標について、「中国本土の景気への下押し圧力を浮き彫りにしている」と指摘した。 10月の小売売上高も、ブルームバーグがまとめた予想中央値の前年同月比11.6%増に届かなかった。1−10月の都市部固定資産投資 は市場では前年同期比16%増が見込まれていた。 統計局が同時に発表した1−10月の不動産開発投資は前年同期比12.4%増。同期間の不動産販売額は7.9%減、住宅販売額は9.9%減となった。 原題:China Slowdown Deepens With Weakening in Production, Investment(抜粋) 記事に関するブルームバーグ・ニュース・スタッフへの問い合わせ先:北京 Xiaoqing Pi xpi1@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: Malcolm Scott mscott23@bloomberg.net Greg Ahlstrand 更新日時: 2014/11/13 17:03 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NEYQEP6JIJUS01.html 日本株3連騰、増税延期観測強く連日高値−消費など内需上げ 11月13日(ブルームバーグ):東京株式相場は3連騰。消費税増税の延期観測が強まる中、資生堂やユニ・チャーム、花王など消費財関連銘柄が上げ、小売や水産、サービス、情報・通信など相対的に内需関連株の強さが目立った。衆院解散の決定を示唆する与党重鎮の発言が市場に伝わった午後に一段高となった。 TOPIX の終値は前日比12.46ポイント(0.9%)高の1389.51、日経平均株価 は195円74銭(1.1%)高の1万7392円79銭。両指数は連日で年初来高値を更新。 BNPパリバインベストメント・パートナーズの清川鉉徳取締役運用本部長は、内需関連について「ことしは消費税増税で業績が悪化したところが多かったが、来年はその返しがくるだろう。次の増税がなくなれば、戻りは輸出関連より大きい」と指摘。衆院解散・総選挙となった場合、与党大敗のシナリオはメインではなく、株価は「結果次第でもう一段上昇する可能性もある」と予想した。 ブルームバーグ・ニュースの取材では、安倍晋三首相が来年10月からの消費税増税の延期を決断し、衆院を解散した場合、総選挙は12月2日公示、14日投開票の方向で調整される見通し。選挙対策に詳しい自民党関係者2人が明らかにした。きょう午後には、自民党の大島理森前副総裁が衆院解散は「決定とみていい」と発言した、と時事通信が報じる材料もあった。 この日の日本株は、投資家の短期売買コストを示す25日移動平均線からの乖離(かいり)率でみた過熱感、為替の急激な円安基調の一服などを背景に売り先行で始まり、日経平均は朝方に97円安まで下げた。午前半ばまで前日終値付近でもみ合ったものの、徐々に上昇基調を強め、午後終盤には上げ幅が一時200円を超えた。 野村証券投資情報部の山口正章エクイティ・マーケット・ストラテジストは、「解散総選挙を織り込みにきている」とし、以前は増税しないと「日本の財政面での信頼感が崩れるとの見方があったが、直近では明らかに流れが変わってきている」と言う。 SQ前日、先物連動の展開続く きょうのドル・円相場は、おおむね1ドル=115円50−80銭台で推移。一時の116円台に比べると円安の勢いは鈍っているが、前日の東京株式市場の終値時点115円32銭からは円安水準で安定した動きだった。 一方、あすは株価指数オプション11月限の特別清算値(SQ)算出で、これに絡む最終的な先物売買の影響をきょうも受けやすかった。大阪取引所の日経平均先物12月限のきょうの出来高は、3日連続で10万枚を上回る。 東証1部33業種は水産・農林、倉庫・運輸、その他金融、保険、小売、化学、サービス、繊維、ゴム製品、情報・通信など29業種が上昇。鉱業、金属製品、ガラス・土石製品、建設の4業種は安い。化学は、資生堂やユニ・チャームなど消費財銘柄の上げが寄与した。東証1部の売買高は24億6788万株、売買代金は2兆5665億円。値上がり銘柄数は1297、値下がり433。 売買代金上位ではソフトバンクやトヨタ自動車、三菱UFJフィナンシャル・グループ、ファーストリテイリング、NTT、楽天、オリックス、ヤフー、セブン&アイ・ホールディングス、イオン、JR西日本、電通が上昇。1−9月期営業利益が3割を超す増益の東洋ゴム工業は急伸した。7−9月期利益の低調が嫌気されたコロプラは急落、アイフルや富士通、新生銀行、太平洋セメントも安い。 記事についての記者への問い合わせ先:東京 竹生悠子 ytakeo2@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: Sarah McDonald smcdonald23@bloomberg.net 院去信太郎 更新日時: 2014/11/13 15:49 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NEY71S6K50XX01.html
焦点:世界中で危機多発した2014年、西側の政府と軍は「臨界点」 2014年 11月 13日 16:00 JST [ワシントン 12日 ロイター] - ウクライナ危機をめぐるロシアとの対立に始まり、エボラ出血熱の封じ込めやイスラム過激派組織「イスラム国」に対する軍事行動など、2014年は西側当局者にとって、近年まれに見る規模の危機に追われた年となった。 現役や元当局者らによると、結果的に米英や欧州の政府内では、前例があまりないほどの限界状態が続いているという。それに伴い、他の危機の兆候が見落とされるリスクがある。 たとえ当局者らが何をすべきか分かっていても、度重なる政府予算の削減は、軍隊など必要なリソースを十分に投入できなくなることを意味する。 オバマ米大統領は、イラクやアフガニスタンでの泥沼状態から抜け出すことを望んで政権の座に就いた。しかし、米国主導の大規模な軍事介入の時代は終わりを迎えたかもしれないが、各地で危機が同時多発する時代が幕開けしただけかもしれない。 米陸軍のオディエルノ参謀総長は先月、ワシントンでの会合で「世界がわれわれの目の前で変わりつつある」と述べた。 同参謀総長は、陸軍兵力を過去10年のピークだった57万人から45万人に削減する計画は、もはや実行可能ではないと指摘。最低ラインとして49万人は維持すべきだと述べた。 ウクライナをめぐるロシアの動きも、欧州の防衛予算削減に疑問を投げかけた。 オディエルノ参謀総長は「将来的な武力衝突の数や期間や場所や規模、情勢安定後に実施する作戦の必要性に関して誤算があった」とし、「こうした計算ミスは軍事リスクの増大に直結する」と語った。 また当局者らは、他にもさまざまな問題が重なったことで、外交関係者の緊張は限界に達していると指摘する。 ナイジェリアの治安悪化やマレーシア航空機の撃墜、香港の民主化要求デモ、北朝鮮政権内の不穏な動き、スコットランド独立の是非を問う住民投票、中国と周辺国による南シナ海での領有権争いは、いずれも新たな情勢分析と緊急対策の策定が必要だった。 2014年は人道危機も増えた。エボラ出血熱のほか、イラク、シリア、南スーダン、中央アフリカでの情勢悪化など、世界保健機関(WHO)は初めて、5つの危機に同時に対処しなくてはならなかった。 ある英当局者は匿名を条件に「誰もが疲れ切っている」と語った。 <過密日程> 危機対応の最前線に立たされているのは、特に中東を担当する外交関係者だろう。イラクやシリアでは「イスラム国」が台頭し、イスラエルはガザに地上侵攻し、イランの核交渉は思うように進まず、リビアやイエメンでも同時期に危機が発生した。 一部の当局者は、危機的状況が発生するたびに新たな任務を割り当てられた。イエメンの担当者がロシア問題に回されたこともあったという。リビアなどを担当するチームからは、自分たちが忘れられたも同然との不満の声も聞かれた。 こうした危機多発の年は過去にもあった。1991年にはイラクによるクウェート侵攻とモスクワでのクーデター未遂があった。1994年にはボスニアとソマリアとルワンダで危機が重なった。しかし、2014年は火種の範囲の広さという点では突出している。 必然的に、組織のトップは最も緊張を強いられる。実務者レベルとは違い、トップはすべての大きな脅威について把握しておく必要がある。ヘーゲル米国防長官は過密日程のため、予定していたアジア歴訪を延期した。 政府首脳には政治的責任も伴う。先週には米国で中間選挙が実施され、来年には英国で総選挙が控える。 こうした状況では、単純な時間不足で詳細が置き去りになると専門家は警鐘を鳴らす。 米元大統領次席補佐官(国家安全保障担当)のジム・ジェフリー氏は、イスラム国の台頭など特定の脅威をオバマ大統領に認識してもらうには、「7つある問題の5番目がイスラム国の台頭」というように説明するのではなく、それだけを明確に協議する時間をつくらなくてはならないと語った。 (Peter Apps記者、翻訳:宮井伸明、編集:伊藤典子) http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0IX0GZ20141113 インタビュー:運用改革案、賛成7・反対1で議決=GPIF理事長 2014年 11月 13日 18:48 JST [東京 13日 ロイター] - 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の三谷隆博理事長は13日、ロイターとのインタビューで、「脱国債」を掲げた運用改革案について、運用委員8人のうち賛成7、反対1で議決したことを明らかにした。
反対票を投じたのは連合総研の菅家功専務理事とみられる。 三谷理事長はインタビューの中で「委員の1人が、安全資産である国債の保有割合を大幅に引き下げるのは国民の理解が得られないと語った」と述べた。改革案の可否がわかったのは、今回が初めて。 GPIFがまとめた改革案は、国内債券の保有割合を60%から35%に引き下げる一方、国内外の株式を12%から25%に、外国債券を11%から15%にそれぞれ引き上げるというものだ。 国債の比率を大幅に引き下げたことについて、三谷氏は「デフレからの脱却が見込まれる中で、将来の金利上昇の可能性を織り込む必要があった」と指摘した。そのうえで「長期的な運用リターンを得るには比率を大きく見直す必要があった」と語った。 新たな資産比率にいつ移行するかは市場への影響を考慮し、明言しなかった。 主なやり取りは以下の通り。 ――国内外の株式を大幅に増やす分散投資に踏み切った。あらためてその狙いは何か。 「予定されている積立金の水準を確保するためだ。積立金が想定より早く枯渇してしまっては年金財政に差し支えがある。これまではデフレ的な環境だった。今後、これがインフレ的な環境に変化していく。それに沿った基本ポートフォリオ(運用指針)を作る必要があった」 「今は日銀の『超金融緩和』で、国債利回りが抑制されている。しかし、インフレになれば当然、国債利回りは上昇する。かりに100%を国債で運用すると1%の金利上昇で10兆円の評価損を被りかねない。(国に与えられた目標である)賃金上昇率プラス1.7%を確保するのに、いまのような超金利が続けば、ターゲットから相当下振れしかねない」 ――年金資産の「株シフト」へのリスクを懸念する声は根強い。 「株式のリスクは短期間の値動きが大きいことだ。上がったり下がったりする循環的なリスクはあると思う。ただ、短期的な振れは大きくても、年金運用は『長期』を前提にしている」 「今年は(株式)市況が悪く、評価損が出たからダメだというわけではない。長期のトレンドがどうかが重要だ。1年、2年の成績に一喜一憂せず、10年、20年の長いタームでみている。年金運用はもともと長いタームを前提にしたものだ」 ――国債と国内株の株式については、これまでより上下の「かい離」を容認することになった。かえって曖昧な運用指針とならないか 「基本的な考え方を変えたわけではない。今回の見直しで、国内債券の比率が大幅に引き下がる一方、比較的、値動きの大きい国内外の株式の比率が高まったため、他の資産のふれで、国債のウエイトが変わりやすくなった」 「あくまでも技術的な対応と認識している」 ――新たな資産比率と、保有実態とのかい離もあると思う。いつまでに上下限の幅に収まるようにするのか。 「今年9月末の資産比率を公表しておらず、入っているかどうかは言及を控えるが、いずれにしてもタイムリミットを設けているわけではない」 「市場に大きな影響を与えないようにするためにも、状況をみながら、もっと買えるときには買ってもいいし、買いづらいときには買わない。逆に、売りづらいときには売らないし、売りやすいときには売る。市場の動向をみながら売買を進め、入れ替えを行う」 ――中心値までの調整も同様か。 「もちろんそうだ。中心値に近づけていくのは基本だが、これもタイムリミットを設けているわけではない」 「経済環境や市場環境によっては、中心値からあえて外すこともあり得る」 ――発表のタイミングが日銀の追加金融緩和と重なったことが思惑を呼んでいる。株高政策を推進する安倍晋三政権からの圧力との指摘もある。 「私に対してはまったくなかった」 ――今年6月の運用指針の見直し要請から13回にわたり議論を重ねてきた。候補に挙がった案にはどのようなものがあったのか。 「詳細についてこの場では言及を控えるが、5%刻みの案を基本に議論してきた。これまでは国債の比率が高かった。このため、他の3資産の構成比率のパターンも数えられる程度に限られた。しかし、今回は国債の比率が大きく低下したことで、残る3資産の比率を1%刻みで試算すると、無限に数が増えてしまう」 「まずは5%刻みで計算し、このあたりが妥当という案については、その近傍のプラスマイナス2%程度のところで1%刻みで再計算し、どれが一番いいかをチェックした。結局は、もとの5%刻みがいいとの結論に至った。何らかの意図があったわけではない」 ――最後の運用委員会となった10月23日の議決の際に、反対意見や、反対票はあったか。 「反対票はあった。委員の名前は言えないが、議決としては委員8人のうち賛成7、反対1となった。国債は安全だが株は価格変動が激しいという一般認識があり、変動が激しい株のウエイト高めることに、国民の理解が得られないのではないか、という反対意見だった」 ――国債などの伝統的な運用資産とは別に、インフラや不動産、プライベート・エクイティー(未公開株)などの非伝統的な代替(オルタナティブ)枠に、全資産の5%の投資上限を設けた。狙いは。 「向こう5年でどのくらい積み上がるか、という観点から、うまくいって5%程度と試算した。5%は6.5兆円程度に相当する。強い制約にもなるとの判断からだ」 「インフラは一般のマーケットで売られている資産と異なる。1000億円と決めても、いい案件がなければ投資はできない。いくらと決めてすぐ実現できるものではない。いっぺんに残高が膨らむわけではない」 ――英プライベートエクイティ(PE、未公開株式)投資会社、コラー・キャピタルの水野弘道パートナーが運用委員に入っていることは、利益相反に当たらないか。 「関係ある案件であれば、当然、議論から外れてもらう」 ――今後、統治強化に向けた議論が本格化する。法改正伴う組織改革は必要か。 「何人かが集まって議論しながら投資のやり方を決める方が健全だ。運用委員会は毎月1回程度の開催にとどまり、日常の投資の議論はできない」 「理事会をつくり、議論しながら投資方針を決定し、投資を実行するのが組織のあり方として望ましい。そうした点は取り入れてほしい」 *内容を追加しました。 (山口貴也、梅川崇)) http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0IX0LV20141113
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