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財政破たんと消費税とインフレ、そして、地熱開発
年間50兆円とか80兆円という国債を日銀が買い取っている状態が今後も続くかと言ったら続くはずがない。まさに日銀が紙幣を無から生み出しているわけで、労働の裏付けがない貨幣を作り出し続けることは不可能だ。一つには外貨との比較であり、円安になって輸入物価高になる。もう一つ、労働の裏付けがないという意味で、国内的な腐敗を招く。公的な部門につながった人々にカネが渡りがちになり、これが社会の階層化、一部の人びとの特権階級化につながり、特権階級化した人々が他者を犠牲にしていくようになる。この一例が派遣であり、これが少子高齢化を招いている。結果として、社会全体が破滅に追い込まれるはずだ。だから、数年から5、6年のうちには出口を探さなくてはならず、それまでに財政破たんを避ける方策を講じる必要がある。
増税のための手段として消費税が言われているが、これは富裕層増税を避けるとともに、インフレ対策でもあるはずだ。税金の多くはインフレに一年遅れてスライドするので、インフレになれば税収は減少する。年金も一年遅れてスライドするのでインフレになると給付額が減少する。ところが、消費税はインフレと同時にスライドするので、インフレになれば、年金負担は減少し、逆に消費税はインフレと同時に増加する。
現在発行済みの国債の多くは表面利率が固定されているので、今後インフレになっても国庫からの支出は増えない。ただし、インフレになれば新しく発行する国債はインフレ率を上回る表面利率を付けないと売れないので、発行コストは増加する。つまり、本格的なインフレになればなるほど国債発行は難しくなる。
既に日本の財政悪化は世界的に群を抜いていて、プライマリーバランスが取れたところで、いつでも日本国債売りが大規模に始まり、国債暴落と円安に追い込まれる可能性はある。だから、なるべく早く円安による輸入物価上昇が日本社会に大きな影響を与えないようにする必要がある。
円安による輸入物価上昇で影響の大きなものは化石燃料と食糧だ。
ガソリンや灯油、軽油、重油といった化石燃料を輸入にほぼ100%頼っている日本は今後円安になれば一気に経済破たんに追い込まれる。以前の円安期には化石燃料の国際価格そのものが下がっていたことが多い。今後そういった大幅な資源価格安は見込めないだろう。このことは原発再稼動とは基本的にあまり関係がない。原発再稼動で節約できる化石燃料は数割程度だ。更に、ウランの輸入価格も値上がりするはずだ。
食糧輸入も大きな要素で、小麦や大豆、家畜飼料、肥料原料などほぼ100%輸入に頼っている。自給が実質的にできている米よりもこれらの食品の方が現在の食料としての割合は大きくなっていて、円安はこれらの価格を上げていく。
消費増税はガソリンや灯油、食料品一般にもかかっていて、円安と消費税増税が重なれば、二重の影響を物価に与える。これまでデフレに耐えて経済活動をしていた生産者や物流・小売業者が廃業して行き、行政による保護に頼るしかない状態になる。何よりも年金暮らしの高齢者の生活を直撃し、高齢者の生活が劣化して、結果的に社会的な負担は増加するはずだ。
もし、年間5%のインフレが実現すれば、これまでに積み上がった財政赤字は同率で実質的に減少することになる。これは税収増よりも効果的な財政赤字解消策に見える。しかし、これが出来るのは新たに国債を発行する必要がない場合のみだ。1000兆円の国債が積み上がっていると仮定して、その5%は50兆円であり、既にこの規模よりも大きな額の新規国債発行をしている。新規に発行する国債の表面利率は発行時のインフレ率と同程度かまたはより高くないと買い手が付かない。だからインフレによって財政立て直しができるということは、現状の国債発行状態が続く限り無理だ。
つまり、消費税によるインフレに強い財源確保という意味はあまりないことになる。インフレと同時に増税になるはずの消費税という考え方は、経済全体が縮小する影響の方が大きくて、税収全体としては減少し、却って財政悪化を招く。
だから、少なくとも増税をするのであれば、それは消費増税という形ではなく、違う形の増税を選ぶべきだ。現在、スマホやパソコンによって漫然と時間消費がされている面が強いので、パケット通信に一定率で課税をするなども考えることが出来る。また、以前から指摘されている通り、国際的な資本取引に課税をすることもできる。そもそも為替取引時の1ドル1円という手数料は金融機関のもうけすぎの面がある。
次に、化石燃料と食糧の輸入頼みを改善する手段として地熱開発がある。安定した発電が出来る地熱発電はそのままベースロード電源として原発や火力発電の代替えになることが出来る。また、熱利用が広範囲に可能であり、冬場に積雪のある地域では特に利用価値がある。冬場に農業が可能になるはずでその影響は大きい。
つまり、日銀による国債大規模引き受けは地熱開発に結び付けば大きな効果を生み出し、日本の将来を明るくするが、そうでなければ、結局、負担の将来へのつけ回しでしかなく、遅くとも5年ぐらいで財政破たんにつながるだけだ。
現状で技術的な裏付けがある再生可能エネルギーで新規の大規模開発が出来、かつ、産業用に使えるものは地熱だけであり、このことは多くの関係者は理解をされているはずだ。ところが、なかなか地熱開発をやろうという動きが大きなものにならない。その背後には原発に結びついた利権と国際的な利己主義があるのだと思う。しかし、国際的な利己主義は今現在地球的な危機を作り出しているはずで、この圧力に屈することは結局地球社会の支持を得ることもなく、日本社会から考えてもいいことはない。
各小学校校区に数万キロワット規模の地熱発電所を作る程度の規模での大規模開発を始めるべきだと思う。まずは、モデル県を選んでそれを実施するべきだ。
2014年11月09日11時10分 武田信弘
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