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消費者とマネーの戦い 消費しないことで人間性を取り戻す
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2014年11月09日 世相を斬る あいば達也
以下の日経の記事は、彼らの報道意図に関わらず、我々に多くの問題を提起している。“規格外の野菜も当然食べるべし”に具体的に即応することを非難はしないが、幾分情緒的な吹き上がりだ。やはり、最低限でも、なぜそのようなニーズが生まれてきているか程度には思いを馳せて貰いた。そして、最低でも二つの問題的に気づいて欲しい。一つは金融政策で、国民生活が悲鳴を上げている現実。そして次に、マスによって形成されている日本の食市場への疑問を持つことである。
ウォールマートが金融資本と根回しの上、ヨーロッパで芽生えた「スローフード」を歪曲し、「LOHASロハス」と云うマスマーケットを思いつき、健康や環境問題に関心の高い人々のライフスタイルを営利活動に結びつけるために生み出されたマーケティング戦略が、消費者に“刷り込み”をした歴史的事実を、もっと我々は重大な問題として捉えた方が賢明だ。無知無教養な日本人の中にも、「スローフード運動」と「LOHASロハス」の区別のつかいない愚か者が、かなり散見している。
「スローフード運動」は顔の見える枠内の市場形成を目指す社会運動の意味合いがあるわけで、マスを目指す「LOHASロハス」なんてものは、売らんかなと云う市場原理に根ざした企みである。まさに、水と油のような関係、真っ逆さまな概念から派生している。「スローフード運動」はイタリアで生まれたのだが、相当アメリカ発のファストフード現象に触発され、地域を守る意識づけを念頭に進められた。その土地の伝統的な食文化や食材を見直し、マスを排除し、共同体自治を大切にしていこうと云う、社会性の強いイデオロギーを持っている。
広義のスローライフの一部と考えてもいいだろう。持続可能な食文化を見直し、地元の小規模事業者を支えることで、地域循環の経済的サイクルと自治を確立していこうと云うものである。時に、グローバリズムと云う概念に異議を申す政治的意味合いも含んでいる。この考えは、我が国では「地産地消」と云う言葉で語られることが多い。“地域循環の経済的サイクル”という概念は、農産物に限定されるものではなく、再生可能エネルギーによる発電なども、この地域内の経済サイクルに貢献する。
多少誇張的に言うならば、市場原理主義に偏った市場では、マネーにとって合理的なマスとかグローバルが善であり、徹底的な合理性と効率性が追及される。しかし、人間がつくり上げる社会と云うものは、合理的でも、効率的でもない。文化、伝統、義理人情や礼節や信頼によって、その地域ごとに成り立つ共同体であり、所謂「都市文明」とは異なるものなのである。不条理で、非合理的、非効率的ものが、人間同士の繋がりには欠かせない要素と云うイデオロギーである。そのように考えると、日経の記事は悪名高き「LOHASロハス」の原理における、単なる時代的便宜手法に過ぎない。
≪ 野菜「規格外」ぐんぐん 宅配など、割安で需要
流通段階での規格に合わない「規格外農産物」の取り扱いが増えてきた。有機農産物を宅配する大地を守る会(千葉市)が24日に規格外野菜と果物のシリーズを新たに発売するほか、オイシックスも規格外のリンゴの販売を始めた。スーパーや生協でも取り扱いが定着している。一般の野菜や果物より安く販売できることで、消費者のニーズをつかむ。
大地を守る会が新たに扱うのは、15品目程度の農産物。いずれも農協などが定めている品質・形やサイズ・重量に当てはまらないものだ。
大きめのニンジンを同社の通常の商品より4割安い5キロあたり約1300円で売るほか、大きいサツマイモは5割安い1.2キロ約260円で販売する。傷のあるリンゴは1.5キロ800円程度と4割安く売る。初年度の販売目標は1千万円としている。
オイシックスは9月から、春先の低温や長雨の影響で表面に黒い斑点がついたリンゴの販売を始めた。価格は3キロ2500円と通常より3割安い。同社がすでに展開している規格外野菜・果物のシリーズに加えている。
食品スーパーでは、景気低迷時や野菜が品薄となったときなどに、規格外の野菜や果物、鮮魚などを取り扱う店舗が目立つようになった。価格の手ごろさも打ち出し、多くのスーパーが定期的に販売している。
いなげやは数年前から取り扱いを始め「リンゴなどに加え、近年はサクランボなどの季節商品にも広がっている」と話す。イトーヨーカ堂は常設の売り場はないものの、「規格外野菜」などと断ったうえで、天候不順時などにこうした生鮮品を販売している。 コープさっぽろ(札幌市)や、関東周辺の地域生協でつくるパルシステム生活協同組合連合会(東京・新宿)なども規格外野菜を扱う。
農家の生産量の2〜3割程度が規格外野菜・果物になるとされる。出荷するときの大きさや品質、重量などが決まっている卸売市場向けには流通しにくい。
規格外野菜はこれまでは農家が自ら消費するほかは、食品や飲料など加工用の原料に回ったり、廃棄されたりすることが多かった。最近では生産者が地域の直売所や道の駅などで割安に販売することも増えている。
東京都中央卸売市場の8月の国産野菜の平均価格は前年同月比12%高くなるなど、このところ、夏場などに天候不順が続き、野菜や果物の市中価格が上昇するケースが増えた。割安な規格外の野菜のニーズは高まっている。
宅配各社などは加工用よりも高値で規格外の野菜を農家から買い取ることが多い。規格外の野菜が流通することは、生産者にもメリットがある。 ≫(日経新聞)
まあそれでも、不揃いだからと云って、「お前は大根じゃない、人参じゃない、リンゴじゃない」は滑稽なわけで、マスの原理に包装や陳列ケースの関係上、画一化されていた、野菜等たちが、本来の役目を果たせることは、最低限良いことである。このような現象は、マスな流通経路におけるマーケットが縮小傾向にある事を示唆している。そりゃあ、消費者(生活者)もバカじゃないので、将来の生活全般の縮小が約束されている事実に向き合い出しているわけで、非常に良いことである。
破竹の勢いだったイオンは、マスマーケットの変調に対応するには、あまりにも図体がでかく、苦戦を強いられている。大きいことは良いことだ、と云う世界には、終電のベルが鳴っているのである。比較的分散経営をしていたセブン&アイ・ホールディングスも、8%への消費増税で、流石に息切れが目立ち始めてきた。カリスマ経営者の鈴木敏文でさえ、出口が見えないと嘆いている。安売り消耗戦突入で、いつの日か、マンモスが倒れることもあるのだろう。
しかし、「スローフード運動」が動き出すには、我が国はあまりにもマスマーケットに頼り過ぎ、シャッター街を作り過ぎた。そして、どんな地域も「都市文化」に毒されかけているのだから、「地産地消」な吉里吉里国を目指すには、地域が毒され、人心が毒されているので、コインの表と裏のように、簡単に変われることはないだろう。おそらく、塗炭の苦しみが付き纏う、市場原理主義的金融資本に打ち勝つための、「買わない意識」が勝つか負けるか、当分踊り場が継続するのだろう。ただ、最低限しか買わない意識構造が定着すると、既存勢力が得ていた利権構造が壊れていくので、気がつくと、消費者に寄り添う、国民に寄り添う政治勢力が抬頭する希望は残されていると信じておきたいものである。
PS: 菅官房長官、500億基金の次は沖縄にUSJ誘致だと
このスガと云う男は、どこまで下品なのかわからない。立身出世な人生ではあったが、底なしの女衒の塊のような男である。那覇市内で講演し、沖縄県による映画のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ」の誘致活動を、政府として支援する考えを表明したと云うのだから、あまりにも恥を知らない過ぎる。
沖縄県民も馬鹿にされたものだが、恐ろしい官房長官である。米国資本「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」の運営会社とすでに接触済みだそうだが、TDLはケンモホロロニ断ったのだろうか(笑)。しかし、このような寝技に持ち込むところを見ると、仲井真もうちょっとで、と云う票読みがあるのかもしれない。
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