02. 2014年11月07日 13:39:43
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アジア為替市場で勝ち負け鮮明に−日銀追加緩和で介入必至か 11月7日(ブルームバーグ):日本銀行の黒田東彦総裁が一段の金融緩和に踏み込んだことで、アジア通貨市場で勝ち組と負け組がはっきりしそうだ。 INGグループとウエストパック銀行は韓国のウォンと台湾ドルが値下がりすると見込む。黒田総裁の追加緩和が円安を招いており、その影響を打ち消すため韓国や台湾の当局が介入するだろうと分析する。一方で、高利回りを求める資金が日本から流れ込みインドネシア・ルピアとインド・ルピーは上昇すると予想する。 日銀が10月31日発表した予想外の緩和拡大で、為替市場の二極化が鮮明になりつつある。エレクトロニクス製品や船舶、自動車の輸出で日本と競合する韓国は、日銀緩和の影響を最も受けやすい。台湾は半導体の受託生産で世界一で、ノートパソコンの生産でも際立っている。 INGのアジア調査責任者、ティム・コンドン氏(シンガポール在勤)は6日の電話インタビューで、「韓国の製造業は日本と非常に多くの部分で重なるため、ウォンへの影響が最も大きい。韓国に次ぐのが、同じ理由で台湾だ」と述べた。 ウエストパック銀のストラテジスト、ジョナサン・キャベナー氏(シンガポール在勤)は6日の電子メールで、「円安は確実にリスクだ」と指摘。円相場が韓国と台湾の競争力を脅かしており、企業の「利益見通しを曇らせている。介入が実施される公算が大きい」とコメントした。 韓国銀行(中央銀行)は3日、弱い円が輸出と金融の安定に与える影響を注視するとの声明を発表。台湾の中銀で外為を担当するハリー・イェン氏は6日の電話インタビューで、行き過ぎたボラティリティ(変動性)は抑制すると述べた。 利回り 一方、アジアで投資適格級の格付けを得ている国の中で、債券利回りが最高水準にあるインド とインドネシア は投資家を引き付けている。両国では資金流入で金利が少なくとも半年ぶりの低水準となっているものの、10年債利回りは依然として共に約8%だ。これに対し韓国 は約2.5%、日本 に至っては0.5%未満だ。 オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)のストラジスト、アイリーン・チュン氏(シンガポール在勤)は4日の電話インタビューで、「新政権と改革。これがインドとインドネシアのテーマだ」と語った。 原題:Kuroda’s Stimulus Makes Won a Loser, Rupee a Winner:Currencies(抜粋) 記事に関する記者への問い合わせ先:シンガポール Kyoungwha Kim kkim19@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先:Paul Armstrong parmstrong10@bloomberg.net;James Regan jregan19@bloomberg.netJames Regan 更新日時: 2014/11/07 12:24 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NEND6V6JTSEU01.html
コラム:日銀の命運左右するサウジの動向、日欧が直面する原油下落の影響 2014年 11月 7日 12:38 JST 田巻 一彦 [東京 7日 ロイター] - 日銀が電撃的な追加緩和に踏み切り、欧州中銀(ECB)が追加緩和の準備に入った背景には、期待インフレ率の低下によるデフレ突入への危機感がある。この事態に大きな影響を及ぼしているのが、原油価格の下落だ。 その動向に大きな力を持っているサウジアラビアの意図がどこにあるのか。原油価格がさらに下落するようなら、日銀の緩和効果に「逆風」となる。日銀の命運はサウジの動向に大きく左右される構図ができつつある。 <ドラギ総裁、追加緩和の準備指示> 6日の会見でECBのドラギ総裁は、重要なカードを切った。「必要に応じて実施する追加措置を適切なタイミングで準備するよう、ECBスタッフとユーロシステムの担当委員会に指示した」と述べ、早期の追加緩和に動くことを明確にし、市場には量的緩和への期待感が高まった。ユーロ/ドルEUR=は約2年ぶりの安値となる1.23ドル台まで下落した。 今回のドラギ総裁の発言には、前兆とも言える他のユーロ圏中銀首脳の指摘があった。10月31日に講演したイタリア中銀のビスコ総裁は、ユーロ圏の5─10年のインフレ期待はECBが物価安定の基準としている2%を下回っていると指摘。「デフレにあるわけではないが、リスクは無視できない」と述べていた。 <日欧中銀が懸念するインフレ期待の低下> また、10月31日に追加緩和を決めた日銀は、黒田東彦総裁が同日の会見で「物価下押し圧力が残存する場合、着実に進んできたデフレマインドの転換が遅延するおそれがある」と述べ、インフレ期待が低下して、デフレに逆戻りしないよう予防的に追加緩和を実施したとの見解を示した。 日銀とECBに共通するのは、インフレ期待が低下すればデフレに直面しかねないという強い危機感だろう。特に日本の場合、20年近いデフレからようやく1%台の物価上昇率まで回復してきたものの、再び、ゼロ%台の上昇率が長期化すれば、「振りだしに戻る」という事態に直面するリスクがかなりある。 実際、ユーロ圏の10月消費者物価指数(CPI)は、生鮮食品とエネルギーを除いたコアで前年比プラス0.8%と9月から横ばいで、ジリジリと低下する基調が続いた後、ピックアップする兆しがない。 日本でも生鮮を除いたコアCPIが低下基調にあり、消費税分を除いたベースで10月は同プラス1.0%となり、1%割れも近いとみられている。 <物価押し下げ要因の原油下落> ここに大きな影響を与えているのが、原油価格の下落だ。10月31日の会見で黒田総裁自身もそのことは認めており、実際のCPIが下がることで、インフレ期待が低下して、2%の物価目標が達成できなくなるシナリオを強く懸念したようだ。ユーロ圏でのCPI低迷にも、原油価格の下落が大きな影を落としているのは間違いない。 8月初めに1バレル=97ドル台だった米原油先物CLC1は、11月6日には77ドル台に急落している。世界経済の低迷予想が土台にあると言われているが、劇的な価格下落には、石油輸出国機構(OPEC)が減産に踏み切らないという要因が大きく作用している。 <原油下落でも減産に言及しないサウジ> OPECは6日、2017年までに6%の減産が必要との需要予測を公表したが、27日に開催されるOPEC総会で、減産に関する合意ができるのか疑問視する声が出ている。最大の産油国であるサウジアラビアが、減産に関して全く言及していないということが、原油マーケットに疑心暗鬼を生んでいるようだ。 今、市場でささやかれているのは、米国など北米を中心に生産されているシェールオイルのコストが高いことを奇貨として、サウジが原油価格の下落を容認し、シェールオイルの生産に打撃を与えようとしているのではないか、との観測だ。 <意識されるシェールオイルへの影響> 原油価格が80ドルを割り込めば、シェールオイルの生産は採算が合わなくなると言われており、6日に82ドル後半で推移していた北海ブレント原油先物LCOC1の水準からみて、状況はかなり切迫している。 仮に70ドル付近まで下落すれば、「悲劇的な展開になる」(産油国関係者)との声も漏れ始める中、それでもサウジ関係者から「減産」するとのコメントは出て来ない。 ゴールドマンサックスは10月26日、北米を除く石油輸出国機構(OPEC)非加盟国の生産増が見込まれるためとして、2015年第1・四半期の原油価格予想に関し、米原油先物を90ドルから75ドル、北海ブレント先物を100ドルから85ドルにそれぞれ引き下げている。 <追加緩和効果に自信持つ日銀> 日銀は今回の追加緩和によって、1)イールドカーブが一段とフラット化して資金調達コストが低下、企業の設備投資にプラスに働く、2)追加緩和を好感して株価が上昇しており、企業や個人のマインドが好転して設備投資や消費に好影響をもたらす、3)結果として円安が進み、企業収益を押し上げる効果がさらに発揮される──とみているもようだ。 また、円安で輸出系企業の収益がさらに好転するだけでなく、足元の原油価格下落がコスト減として働き、2014年度下期の収益は「二重の効果」で神風的に収益増を促すことになるだろう。 <サウジの判断、地政学的要因も影響か> 一方、サウジが減産に応じず、原油価格が下落基調を続けた場合、追加緩和のプラス効果を打ち消す作用が大きくなると予想される。このマイナス要素は、原油価格の下落幅によって大きく振れるだけに、事前に正確な規模のマイナス効果を予測することは難しい。 また、サウジの減産判断には、中東から手を引こうとする米国の戦略に対するけん制もある、という見方が一部の外交専門家の間で出ている。とすれば、単にシェールオイルに打撃を与えるだけが目的ではない、という可能性も排除できず、予測可能性はますます低下する。 <先進国の物価、原油価格で上下する構図> 他方、サウジも原油価格の低下をどこまでも放置できない事情があるようだ。国内における社会福祉関連の支出増はオイルマネーの流入に負っているほか、中東の周辺国への資金支援もオイルマネーが「財源」とみられ、コストが10ドル台と言われているので、原油価格の大幅な下落に耐えられると判断するのは早計のようだ。 いずれにしても、サウジの動向が原油価格の基調を変え、それが先進各国の物価に影響するという構図が出来上がりつつあるのは間違いない。特に金融政策の指標として、エネルギー価格を含んだコアCPIを採用している日銀にとって、ここからの一段の原油価格下落は、CPIの押し下げ要因として無視できない存在になってきたのではないか。 日銀の命運は、サウジの動向が大きく左右すると言っても、決して過大な表現ではないと考える。 ●背景となるニュース ・ECB総裁「全員が追加措置の用意」、対立懸念踏まえ一枚岩強調 [ID:nL4N0SW75H] http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPKBN0IR07C20141107
為替、実体経済反映し安定的に推移するのがいい=甘利再生相 2014年 11月 7日 09:38 JST [東京 7日 ロイター] - 甘利明経済再生担当相は為替市場で円安が進んでいることに関連して、過度な円安も円高も好ましくないとし、「日本の実体経済を反映した為替レートで安定的に推移するのが一番いいと思う」と語った。 甘利経済再生相は「過度な円安も過度な円高も好ましくない、(為替相場の)変化のスピードが速すぎるのも経済にとってはあまり歓迎することではないといわれている」と指摘。「その幅がどれくらいであるかということに言及すべきではない」と語った。 円安による原材料高などに対応して新たな経済対策を求める声が出ていることについては「経済対策は来年度予算まで含めてのメリハリだと思うが、議論が始まるということだ」としたうえで「アベノミクス進展に強化すべき点がどの辺にあるか、どういう政策が一番効果が高いかなどの議論を行っている。党の議論の成果は(政府に)提言されるので、活用できるものは活用していきたい」と述べた。 また、この日の閣議前に、麻生太郎財務相とともに安倍晋三首相と会い、「経済財政諮問会議の今後の運び方について相談した」ことを明らかにした。 議論の詳細については「控える」としたが、「諮問会議は経済財政運営の司令塔だ。その司令塔のスケジュール感、予算編成のスケジュール感はこんな感じということを中心に話をした」と述べた。 消費再増税の判断時期については「菅義偉官房長官が慎重に2次QE(GDP)まで見るということだ。その際には、予算編成との整合性を政府としてしっかりとりながら、やっていくということになる」と語った。 (石田仁志 編集:内田慎一) http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0IR02420141107 麻生財務相が消費税判断を明言、「予定通り上げたほうが良い」 2014年 11月 7日 10:38 JST [東京 7日 ロイター] - 麻生太郎財務相は7日、閣議後の会見で、2015年10月に予定される消費税率10%への引き上げについて、予定通り上げたほうが良いとの認識を示した。最終判断の焦点となる景気情勢について、7月、8月が天候要因で下振れしたが、9月、10月、11月と経済指標は間違いなく上がっていると指摘。
財務相として初めて、引き上げの是非について明言した。 政府・与党内でも慎重論が広がる再増税について、麻生財務相は、最終判断の焦点の7─9月期の経済情勢は天候要因で7月、8月は下振れしたことは間違いないとしながらも、「9月、10月、11月と数字は間違いなく上がっている」と指摘。さらに「来年度の景気が今年より悪くなるとみる人は、学者・経営者含めて、一人もいない」とし、「予定通り上げていったほうが良い」と述べた。 他方、足元の景気情勢を考えなければならないとの主張があることも承知しているとも語り、「最後の判断をするまでの間、いろいろ指標を集めてきちんと対応しなければならない」と語った。 <急激な為替の変動は経済に影響> 外為市場では、日銀の追加緩和後、一時、1ドル115円台に乗せるなど急速な円安・ドル高が進行している。 1週間で5円以上進行した円安のペースについて「為替は変動するのは当たり前。それが急激に上がったり下がったりするのは、経済にいろいろな影響を与える」と指摘。政権奪還前の野田政権末期の79円台から現在の115円台まで4割程度上昇した点では「かなり急激に上がっているとの表現は間違いない」と語った。 追加緩和については「デフレ不況からの脱却が主たる目的」と繰り返し、円安誘導を目的としたものではないと強調。追加緩和によって「デフレを止めていることは間違いない」と語った。 <経済対策、原材料高の痛み受ける地域に配慮へ> 円安が経済に与える影響について麻生財務相は、輸出企業には良い影響を与える一方で、原材料高が進行している点を指摘した。 原油価格などは下落しているが、燃料費の家計に与える影響が大きい地域への配慮を行う必要があるとも語り、「(経済)対策を行うなら、全体で対策をするのではなく、地域によってガソリンの値段が異なり痛みが違うので、そういうことに配慮する対策を考える必要がある」と述べ、年内にまとめる経済対策では、円安による原材料高に配慮する考えを示唆した。 *内容を追加しました。 (吉川裕子 編集:内田慎一) http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0IR01820141107 日経平均は米株高手掛かりに一時140円超上昇、週末で伸び悩む 2014年 11月 7日 12:28 JST [東京 7日 ロイター] - 前場の東京株式市場で日経平均は反発。前日の米国株市場では主要3指数がそろって上昇。外為市場でも円安基調が継続していたことから、外部要因を好感し主力輸出株が買い優勢で始まった。寄り付き直後に前日比140円超の値上がりとなったものの、週末で米10月雇用統計の発表も控えていることから、利益確定売りに押され指数は伸び悩んだ。 米国市場では、ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁がユーロ圏の景気下支えに向け、必要なら追加措置を講じる用意があると表明したことを受け、ダウとS&P500が終値で再び最高値を更新。また1ドル115円前半で推移する為替相場も、朝方の東京市場の支援材料となった。 また、日銀のETF(指数連動型上場投信)買いやGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用比率見直しなど、日本株に対する需要面での期待感が引き続き相場の下支えとなる一方、短期的な過熱感が意識され、利益確定売りで指数は上げ幅を縮小。米雇用統計の発表を控えていることも背景に、上値の重い展開となった。 米雇用統計については、事前に堅調さを示す経済指標が出ていたこともあり、「米株もドルも、ある程度強い数字が出るとみて買われている。日本株も同じように部分的に織り込みつつある」(エース経済研究所・子幡健二社長)との声が出ている。日経平均は日銀の追加緩和発表後に大きく上昇したものの、節目の1万7000円を前に、スピード調整の局面となっているとの見方が優勢となっている。 個別銘柄では伊藤忠テクノソリューションズ(4739.T)が大幅高。6日に自社株買いを発表し材料視された。半面、スズキ(7269.T)は軟調。2014年7―9月期の連結営業利益が8四半期ぶりの減益となったことなどが嫌気された。ニューヨーク・タイムズ紙で10年前のエアバッグ試験内容が報じられたタカタ(7312.T)は下げに転じた。 東証1部の騰落数は、値上がり1074銘柄に対し、値下がりが626銘柄、変わらずが132銘柄だった。 日経平均.N225 前場終値 16865.76 +73.28 寄り付き 16934.04 安値/高値 16858.07─16938.2 東証出来高(万株) 124969 東証売買代金(億円) 11667.26 (長田善行) http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0IR06Q20141107
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