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金融緩和政策の崩壊
クレージー:日銀のさらなる金融緩和により世界の金融緩和策は完全に破綻するだろう。アメリカの金融市場の崩壊となり帰結することになる。
4月の消費税増税による不況に耐え切れず、また次なる10%への消費税引き上げのため、景気を浮上させる目的で、黒田日銀は、さらなる金融緩和のアナウンスをやってしまった。
もともとデフレ下の金融緩和や低金利政策は、デフレを解消するものではなく、緩和処置的なモルヒネのようなものである。終わって見ればデフレを促進している結果になるものである。
今回の金融緩和も、実体市場のデフレはなんら解消されず、金融市場だけがバブルになる。
このような政策では資金が金融市場にだけ回り、肝心の実体市場に回らない。そのためいずれ実体市場に応じた株価や、債権価格に調整されることになる。
その差が大きければ大きいほど、弾けるとその後の深刻度が高くなる。
円安により輸出産業の株価が活況を呈していても、例えば、自動車産業などは、国内の販売不振でも株価は上がる。円安による輸入物価の値上がりにより国内の販売不振、生活苦がより目立ち始める。
デフレは国内の実体市場の現象であり、株式市場の活況は、ほとんどデフレ解消の効果がない。私達はデフレの解消を望んでいるのであり、株屋さんの儲けや、上場企業だけの繁栄を望んでいるのではない。
アメリカの金融崩壊の道筋(http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/アメリカ金融帝国の崩壊の道筋ブログ参照)で述べた時は、8月末頃に日銀の金融緩和が行われるだろうと思っていたが、2カ月ほど伸びたことになる。
それは4月の消費税引き上げによる経済失速が明らかになるころが8月だからだ。しかし彼らは消費税引き上げがデフレスパイラルを惹起することを本当に知らなかったようだ。なお消費が回復することを期待していたようだ。それが2カ月のズレをよんだのだろう。
日銀の今回の金融緩和アナウンスは二つのことをしでかしたことになる。
一つは、アベノミクスを完全に壊滅させたこと。
二つは、日本が世界の金融崩壊の引き金を引いたことである。
デフレ下の消費税の引き上げと金融緩和は、経済対策として相いれない代物だ。デフレは実体市場で、資金が不足し、消費不足であることが原因である。
現在の日銀がやっている金融緩和は、企業や、金融市場に豊富にあるいは無駄に資金が集まるが、消費者には回らない。消費不足を解消するには至らないのだ。
これに対し消費税の引き上げは、資金をさらに消費市場から奪うものであるため、さらなる消費不足になり、経済が縮小していく。
日本の実体市場で企業は売上を減少させながら、金融市場で株価は上がるという、おかしな現象が起こり、そのギャップの解消が金融市場のバブルの崩壊となって表れるのである。
そのため日銀の資金投入がなくなると一気に金融市場がしぼんでしまうことになる。そのためデフレ下の縮小経済では日銀は永遠に国債を買い続けなければならない。永遠ではなく日本の財政破綻まで続けることになる。
このように現在の消費税引き上げと金融緩和は、デフレを促進し、企業淘汰を速め、国の借金をどんどん増やしている。最大の問題は、国の借金を返す母体である企業を淘汰していることである。
国債の暴落は、日本が借金を返せないことが明らかになるにつれ起こっていく。これ以上の産業の衰退は、借金を返せなくなることは明白だ。
さらにもはや日銀に国債を売り出すための時期や、出口は全く見えない。だれが見ても後戻りできない崩壊の道をまっしぐらに進んでいる。
黒田の悪あがきが、世界的な視野もなく単に日本の事情だけを考えこのような暴挙をまたしてもやってしまったのである。
今までの日銀総裁は、デフレには無知、無能であったが、ただ金融緩和がほとんど効果がないということを知っていたため、積極的でなかった。
しかしこの黒田は、現状が分からず無茶苦茶やってしまったのである。最悪最低の日銀総裁と言えるだろう。バズーカの照準が狂っているのである。
アメリカが金融緩和の終了を慎重に宣言し、世界の資金がアメリカに集中しないように苦心したものがすべてパーになってしまった。
アメリカの金融緩和終了のアナウンスを吹っ飛ばしたのである。
これが切っ掛けとなって他の国々が、競ってさらなる金融緩和をしていくことになる。それは大変な結果を引き起こす。世界は再び生産競争に突入し、付加価値の低い物品が横行する。行き場の失った資金はアメリカに集中することになる。
ヨーロッパは既にマイナス金利を取っている。さらに当然、日米が行ったような、さらなる金融緩和策の債券などの買い取りを実施することになろう。
新興国は、その動きに追随していかざる負えなくなる。そして世界のお金がアメリカに再び集中する。その資金がアメリカのダウ平均を急騰させる。
急騰した株価や債券価格はアメリカの実体市場から大きく乖離したものなる。この大きなギャップが、何かの拍子で、一気に弾ける危険が大きくなる。
世界は来年初頭からこの危険な兆候に常に悩まされることだろう。恐らく、中国経済の沈滞、ユーロ諸国のさらなる破綻、ウクライナ問題、イスラム国問題などが複雑に絡み合って、瓦解することになろう。
オバマ政権のレームダック化が、足を引っ張ることになる。
世界は金融崩壊を受け入れなくてはならなくなったのである。日本の馬鹿げた所業によってより早く大規模なものになったのである。(アメリカの金融帝国崩壊の道筋参照)
完全に行き詰まったアベノミクスと日本経済
小泉政権の物まねを大規模にしただけのアベノミくすだが、当時と全く違うのは、輸出が全く増えていないことだ。
当時は、消費税引き上げ後であり、国内不振を脱出するため輸出に力を入れ、中国や欧米の好調に引きずられ輸出が好調であった。そこへ円安が加わり、還流資金が豊富に日本国内に流れ、税収も増えたのだった。
これに対し現在は、無理やり円安にして輸出を促すも、欧米や中国が不振であり、経常収支の赤字が続いている。還流資金が入って来るどころではない。
さらに円安は、輸入物価を引き上げるため、消費税の引き上げとあいまって、実体市場での消費不足がますます顕著になり、デフレスパイラルが激しくなってきている。
(念のため言っとくが、物価が2%上昇しても、販売量が減少すれば、デフレなのである。)
黒田日銀の政策は、金融市場へ資金が流れても、消費者側へは資金が全く流れないため、実体市場での資金不足が深刻になっている。バズーカは消費者に照準を合わさなければならないのに、生産者に合せているのである。
現在、金融市場で華々しく展開しているように見えるが、実体市場では、全く機能していないため、11月末の消費税納付時期や、12月の年末商戦の不振が、すぐに黒田日銀の化けの皮をはがすだろう。
デフレ下の金融緩和はモルヒネ(痛み止め)に過ぎず、病気(デフレ)を治すものではない。
日本の金融緩和の出口は全く見えない。このような日銀の無謀な金融緩和政策は完全に失敗したのである。
なるほど株式市場は盛り上がっている。証券会社は儲かるだろう。それ故何も言わないが、彼らとて専門家に近い人達だ。日銀が全く出口が見えないことぐらい分かっているだろう。せっせと今のうちに蓄えているに過ぎないのだ。
このような傾向は金融界だけでなく日本の企業全体に見えている。稼げる時に稼いでおけ。でなければいずれ破綻するというのが分かっているからだ。
今のやり方では、黒田が辞める時に、そのまま借金が日銀に残ったままであろう。売れない国債の山が残るであろう。彼に退職金や、賞与を払う理由が見つからない。
一言主。
http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/デフレインフレの一般理論
http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/
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