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経済暴落論者の「支離滅裂」 数字で語ると矛盾がバレバレ
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20141106/dms1411060700008-n1.htm
2014.11.06 「日本」の解き方
今から2年ほど前になるが、当時の野田佳彦首相が衆院解散を明言し、政権交代の可能性が高まり、アベノミクスの第1の矢であるインフレ目標と金融緩和政策が採用されることが確実になった。
その前後から、多くの人たちは奇妙なことを言い出した。「インフレ目標と金融緩和で円暴落、国債暴落、ハイパーインフレになる」という言説が流行したのだ。
しかし、政権交代が起こり、インフレ目標と金融緩和が実際に行われても、円は予測通りに若干安くなり、金利も当初は一時高くなったがすぐに落ち着き、物価はインフレ目標2%に向かって上がりだした。つまり、円暴落、国債暴落、ハイパーインフレになるというのはウソだった。
米国でも似たような事情だ。ノーベル賞学者のクルーグマン・プリンストン大教授も、最近のコラム『どんなコストを払ってでもインフレ妄執を広める人たち』の中で、金融緩和でひどいインフレになるという人が後を絶たないこと、その間違いが正されず、今でもそうした人は見解を変えていないことを嘆いている。
最近、ある企業経営者と話をしたが、実際に起こっていないにもかかわらず、いまだにインフレ目標と金融緩和で円暴落、国債暴落、ハイパーインフレになると言っていた。その人は、本を読むのが好きらしく、経済暴落を予言する「ホラー本」の読者らしい。
ホラー映画が一定のファンをつかんでいるように、「経済暴落ホラー本」にも一定の読者がいる。困ったことは、そのホラーと現実との区別がつかないことだ。ホラーはあくまで現実と違うから楽しめるのであって、本当に起きたら、それこそ大問題になる。
ところが、最近、消費増税が話題になると、今度は「消費増税を先送りすると、円暴落、国債暴落」という人が出始めた。中には、インフレ目標と金融緩和導入の際と同じようにハイパーインフレという人もいる。
残念なのは、円暴落、国債暴落という人の中に、黒田東彦日銀総裁が含まれていたことだ。最近は軌道修正したが、「消費増税が先送りされると、政府の信認が失われる」と話したこともあった。さすがに、黒田総裁はハイパーインフレとは言えない。国会の場でもそうはならないと発言している。
だが、日銀は政府の子会社なのだから、政府の信認が失われれば、子会社の信認もなくなり、ハイパーインフレになるだろう。黒田発言も矛盾をはらんでいるものだった。
円暴落、国債暴落というホラーを語る人には、どの程度の期間でどの程度の下落なのかを定量的に問いただすといい。この質問によって、ホラーから現実の世界に連れ戻すのだ。
その際、為替、金利、インフレ率、成長率がどうなっているかも同時に聞けば、その相互関係がデタラメで、現実を語っていないことがすぐばれる。経済ホラーに浸っている人は、こうした数字を答えることができないものだ。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
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