http://www.asyura2.com/14/hasan91/msg/497.html
Tweet |
リアル企業の実店舗出店、なぜ加速?相乗効果で集客の間口拡大 オイシックスの事例
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20141106-00010001-bjournal-bus_all
Business Journal 11月6日(木)6時0分配信
インターネット発の企業がリアル店舗を展開する動きが目立ってきた。日本最大級のネット通販サイト「楽天市場」を運営する楽天の「楽天カフェ」、美容総合サイト「@cosme」を運営するアイスタイルの「@cosme store」などがそうだ。すでにネット事業で成功している企業が、あえてテナント料などのコストをかけてリアル店舗に進出する例も少なくない。
今やネット通販の拡大により、リアル店舗がその売り上げをネットに奪われやすい構造になっている。特に、取り扱い商品に差が出にくい家電や衣類、CD、書籍などは、店頭では商品を見たり試すだけで、実際に購入するのは割引率が良く安価なネット通販という顧客が増えているからだ。その結果、リアル店舗はショールームと化し、頭を抱える企業も少なくない。
しかし、リアル店舗にはネット通販にはない多くの魅力がある。例えば、店頭で顧客の購買行動や行動パターンを直に観察できるため、調査結果を取り扱う商品の選定や商品開発などに生かすことができる。一方、消費者にとっては、実際に商品を手に取って試したり、その場でスタッフに質問できるなど、ネットよりも安心感や親しみといったソフト面のメリットを感じやすい。
特に食品の場合は、色とりどりの野菜を目立つように陳列したり、試食コーナーで食材を調理して、おいしそうな匂いを漂わせるなど、リアルならではの五感を刺激する仕掛けをつくりやすい。
●ネットからリアル店舗へ進出するオイシックス
食品を扱うネット発企業のなかでもリアル店舗の進出に注力しているのが、有機野菜など生鮮食品のネット通販を展開するオイシックスだ。同社取締役の古府裕雅氏は、リアル店舗に進出する理由について次のように語る。
「ネットで買い物をすることに抵抗がある層は、一定数存在します。ネットではアプローチできないお客様にも間口を広げ、認知度を高めたいという狙いもあります。また、食品の場合は、ネットで買う前のトライアルとして、リアル店舗を利用したい人も多いのです」
同社は近年、リアル店舗の拡大を進めており、東急グループのスーパーマーケットチェーン、東急ストアの店内でも、ショップインショップ(=同社専用コーナー)10店舗を展開し、顧客との接点を増やしている。
また今年1月には、同社初の中型店「Oisix CRAZY for VEGGY アトレ吉祥寺店」をオープンさせた。83坪と過去最大規模の同店のコンセプトは、ずばり「体験型」だ。そこには、従来の「有機野菜はこだわりが強い人が買うもの」というイメージを払拭し、「ニッチからマスに広げる」という意図がある。
実際に農場で使われていたトラクターや牛や豚のオブジェを配置することで、子どもでも楽しめる店内を演出。野菜が主役の惣菜が食べられる初展開のデリコーナーや、温度を摂氏3度に保った青菜野菜を収納する「エクストラフレッシュルーム」を置き、直感的に野菜のおいしさや新鮮さを体感してもらう狙いだ。デリでは、単身者のほか、子育てや共働きで忙しい家庭の主婦などが、惣菜を持ち帰るといった利用方法も増えている。
一般的に、ネット発のリアル店舗はPR目的と捉えられがちだが、「吉祥寺は当社のネット通販の利用者が多いという土地柄もあり、確かにネットとのシナジー効果も見込めます。しかし、リアル店舗はネットとの相乗効果を第一義とせず、事業としての収益拡大を目的としています」と、古府氏は強調する。
●リアル店舗ならではの啓蒙活動
ユニークな取り組みとして特筆すべきは、店頭で野菜勉強会を実施している点だ。参加者の中にはリピーターも多く、評判も上々なことから、現在週3〜4回とハイペースで実施。リンゴという食材一つとっても、品種や産地によって味や色、食感などが異なるため、参加者は味比べを通じて新鮮さを感じるそうだ。
よく知っているはずの野菜や青果に意外な品種があることや、調理法によって新しい食べ方があることを伝える“啓蒙の場”となっている点にも触れておきたい。
「虫食いがあって見た目が悪いリンゴでも、あえて“ふぞろい”として販売しています。それらを紹介しながら、農薬を使用していない安全の証であることの理解を深めていただいています」(同)
野菜勉強会の開催スケジュールは、店頭での掲示のみとなっているが、今後はLINEを活用したネット上の告知などで、リアル店舗への来客を促進していく考えだ。
また、好調なショップインショップはさらなる出店を検討中だという。「当社の商品と接していただく機会を増やすことで、ネット通販のご利用をご検討いただく方が増えればうれしいです」と古府氏は語り、リアル店舗を入り口としてネットへと顧客の関心が広がることも期待している。
ネットとリアルは必ずしも相反する関係にあるわけではない。時代とともに変わる消費行動に対応すべく、今後もネットとリアルの新たな関係を打ち出す企業が増えていくことだろう。
千葉優子/ライター
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。