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資産効果について
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52665534.html
2014年11月04日 在野のアナリスト
今日の東京株市場、450円近く上昇して16862円になりましたが、CME日経平均先物からは500円近く、ザラ場高値からも300円近く、下落している上ヒゲという形であり、上値の重さは示しました。円も対ドルで114円台をつけた後、113円台前半まで下げています。外国人投資家は買い、という報道もありますが、今のところ買いは短期スジであって、逆に普段はみられない、長期投資家の売りなどもあって、判断は区々のようです。バブル化を意識して買うところと、今のうちに売っておこう、という主体がせめぎ合い、しばらくは16500円前後の推移になりそうです。
円安で利益水準が押し上げられ…というのが、年末18000円説の論拠ですが、ソニーのように円安は業績にマイナスと発表するところもあり、企業により功罪は分かれます。それでも今は、先物主体の買いが大きいため、業種に関係なく、業績に関係なく買われる面があり、結果的に実体と乖離した市場になっていることの、これは証左です。今回のように先物ふり回し、ドレッシングなどの特殊要因を囃して、実体と乖離する水準へは駆け上がるのでしょうが、17000円より上に行くためには、内需の回復が絶対条件です。ナゼなら、日本経済の主体は内需であって、しかも上場企業の半分以上が国内をメインで活動する企業でもあるからです。
国会論戦で、安倍氏が経済の視点で間違えている点は様々ありますが、資産効果の認識もそうです。ここまでは上手く機能したように見えますが、これ以上の金融緩和、株高でも資産効果の期待度は低くなります。年初来高値更新、といってみたところで、今日の終値は年初より数%ぐらいの上昇でしかない。昨年のような倍増には3万円を越さなければなりません。さらに今回の円安、株高局面は違った側面も映します。それは消費よりも海外への資金逃避、という面です。
大橋巨泉氏がある番組で示唆した「海外に逃げるしかない」との言葉が、示唆的です。日銀の信用が失墜し、急激な円安、ハイパーインフレが起きたとき、国内で運用しているだけでは資産を守れません。投資で儲かれば消費へ、という新自由主義者にありがちな発想は、ある水準までは機能しても、それを越すと国内の投資も消費も減退させます。よく中国の批判にある、投資の行きすぎにより経済が減退、富裕層が海外に逃げ出す構図が、日本でも起こり易くなるのです。
そこに来て消費税再増税にむけた点検会合、初日は反対派を3人呼びましたが、残りの日程は賛成多数です。上げるか上げないか5分5分、と述べる人もいますが、会合の運用状況をみても90%以上は上げる気満々です。こうした税負担が重くなる、破綻が意識される国からは逃げだす。それが富裕層の行動です。職場が国内であれば、すぐに移住せずとも、将来に備えて国外に土地や家をもち、移住できるよう備える。そんな行動がここからは増えてくることが予想されます。
市場関係者も「日本にとってよいことかどうかは別にして、株は上がります」と苦々しく語る人もいます。富裕層も、株が上がったら売り逃げして、さっさと国外脱出。そう意識させたのが、今回の日銀の決定ということです。株が上がったといっても、年初からみれば円は対ドルで10%近く下落しているので、実は単純計算すると、外国株や外債を買っていた方がパフォーマンスがいいのです。それは外国人投資家とて同じ、リップサービスに騙されていると、とんでもない目に遭うのでしょう。彼らの方が、海外に投資したいと思っているはずなのですから。日銀、GPIF、それらがいなくなった後の買い手がみつからない中、誰もが逃げ場さがしを始めた、それまでにどうイベントドリブン型で動いてくる市場で儲けるか、そんなしのぎ合いになってきているのでしょうね。
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