03. 2014年11月05日 18:37:29
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コラム:米経済が鍵握る「ハロウィーン緩和」の円安効果=熊野英生氏 2014年 11月 5日 18:27 JST 熊野英生 第一生命経済研究所 首席エコノミスト[東京 5日] - 10月31日の日銀追加緩和は、円安・ドル高を促すための決定打になったように思える。目先、年末までに1ドル=120円を目指していきそうな流れである。 しかし、改めて認識すべきは、為替レートの流れを決めるのは日銀ではなく、基本的に米経済だということだ。米連邦準備理事会(FRB)自身も、利上げに向けた政策運営は、経済データ次第だという姿勢を鮮明にしている。経済データの強弱で、FRBの利上げ予想が早まったり、遅れたりする。米利上げ予想が強まると、ドル高・円安になる。 今後の米経済をみる上で、現時点でプラス材料として挙げられるのは原油価格の下落である。原油価格(WTI)は足元で1バレル=70ドル台まで下がり、過去4年間の平均価格に対して、約2割低い水準になっている。 米国はシェールガス革命で、エネルギー自給率は高まったものの、完全に自給しているわけではなく、海外原油市況の下落の恩恵も小さくはない(原油の海外調達率は5年前の65%から低下したとはいえ、まだ47%)。このコスト低下効果が、自動車販売など個人消費にもプラスに寄与すると考えられる。 さらに、原油下落の効果は、米国のみならず、欧州や新興国の経済成長にもプラスとなる。目下の景気減速リスクが、米国よりも欧州や新興国の方にあるとすれば、原油安効果は、減速リスクに歯止めをかけるカウンターパワーとして有力視できる。 また、米国発の経済のけん引力が、米クリスマス商戦の好調によって強まると、原油安との相乗効果で世界経済を押し上げるとも考えられる。 <日銀緩和の本質は米国便乗> ハロウィーンの日に日銀が実施した追加緩和は、あまりに強烈な印象だったので、一瞬にして筆者は思考力を奪われてしまった。わずか2日営業日で、日経平均株価が1200円(プラス7.7%)も上昇したことが、株高・円安の流れがさらに突き進むのではないかという先入観を筆者に抱かせた。金融市場では、大多数が同じように感じているのではないだろうか。 実は、この追加緩和の真髄は、サプライズを起こして、円安・インフレがさらに進むのが当然と皆に思わせる点にこそある。ハロウィーンで、お化けカボチャに仮装した姿をみて、本物のお化けだと錯覚するのに似ている。株価上昇と円安を実力以上に進めるのが「ハロウィーン緩和」の正体だ。 冷静に考えるために、2013年4月4日の「異次元緩和」が何によってもたらされたのかを再考してみたい。このときは、直前まで1ドル=93円だった為替レートが、緩和後に一気に99円台まで円安になった。安倍首相が登場した後の円安の流れをさらに推し進めたのが、「異次元緩和」だった。 しかし、アベノミクス相場の背後には、米国の量的緩和第三弾(QE3)が2012年9月に始まったことと、それと時期を同じくして、欧州中央銀行(ECB)が南欧諸国の国債を無制限に購入するとアナウンスするという、2つの大転換があった。 そうした流れとシンクロして、アベノミクスが海外の過剰流動性を集め、相場変動が起こった。黒田総裁の金融緩和が「異次元緩和」に化けたのは、アベノミクスの演出と海外の金融緩和のせいである。 翻って、今回の追加緩和はどうか。FRBがQE3の段階的縮小(テーパリング)完了を発表したタイミングに、日銀の追加緩和をぶつけてきた。ドル高・円安が双方向で進むことをアピールするのが、黒田総裁の狙いに思える。 もっとも、米金融政策については、今度は緩和ではなく、引き締め方向のイベントなので、2013年4月とは違っている。おそらく黒田総裁は、これから米ファンダメンタルズが着実に改善していき、その変化がドル高を促し、それとシンクロする格好で円安が進むと読んでいるのだろう。米経済に関するシナリオは、着実な景気拡大、利上げ消化、長期金利上昇となろう。 <緩和効果の短期消滅リスク> 反対に、米経済の要因で、日銀の追加緩和効果が短期間で消えるリスクはないか。 ひとつのリスクは、米経済が予想外に弱く、利上げに耐えられそうにないというシナリオである。センチメントは、毎月の雇用統計によって見通しが揺さぶられやすいが、目先の焦点は米クリスマス商戦の動向だ。ただ、前述の原油安に加えて、株価上昇の資産効果も加わるので、リスクは大きくないと筆者は考える。つまり、円高リスクは小さいという評価だ。 一方、正反対のリスクもある。米国が利上げを前にして警戒すべきは、賃金上昇が急に進んで、インフレ・リスクが強まる展開だろう。失業率だけで評価すると、米国の労働需給はかなり引き締まっているように思える。しかし、労働コストはほとんど上昇せず、コア物価も低調である。この図式が崩れて、米連邦公開市場委員会(FOMC)のメンバーたちが利上げに積極的になり、ゼロ金利解除後も利上げを継続しそうだとなると、米株価は下落するだろう。 筆者は、2012―13年と同じパターンで、年末にかけて円安は進みやすいとみる。日銀の追加緩和が持続的に円安効果を発揮できるかは、来年に入ってから米利上げをうまくこなせるかどうかにかかってくるだろう。 *熊野英生氏は、第一生命経済研究所の首席エコノミスト。1990年日本銀行入行。調査統計局、情報サービス局を経て、2000年7月退職。同年8月に第一生命経済研究所に入社。2011年4月より現職。 http://jp.reuters.com/article/jp_forum/idJPKBN0IP0VB20141105
ロンドン外為:ドルが一時114円59銭、日銀総裁発言で円安に
11月5日(ブルームバーグ):ロンドン時間5日午前の外国為替市場で円はドルに対して7年ぶり安値。日本銀行の黒田東彦総裁が物価目標達成のためのさらなる手段について「限りがあるとは思ってない」と発言した。 ロンドン時間午前7時28分現在、円は対ドルで0.7%安の1ドル=114円34銭。一時は2007年12月以来の安値となる114円48銭を付けた。対ユーロは0.6%安の1ユーロ=143円34銭。ドルは対ユーロで0.1%高の1ユーロ=1.2530ドル。 原題:Yen Slides to Seven-Year Low on Kuroda Comments; DollarAdvances(抜粋) 記事に関する記者への問い合わせ先:東京 三浦和美 kmiura1@bloomberg.net;東京 Kevin Buckland kbuckland1@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先:山崎朝子 tyamazaki@bloomberg.netNicholas Reynolds, Jonathan Annells 更新日時: 2014/11/05 17:58 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NEK5PA6S973J01.html ロシア中銀:ルーブル介入政策を変更、投機を防ぐため
11月5日(ブルームバーグ):ロシア中央銀行は同国の金融市場の安定に対する脅威を取り除き投機をやめさせるため、外国為替市場での介入政策を変更すると発表した。 中銀が5日ウェブサイトに掲載した声明によると、中銀は今後3億5000万ドル(約400億円)規模のルーブル買い介入を1日に1回のみ行う。従来は介入の回数について制限は設けていなかった。同時に、「国内の為替市場で追加介入を実施する用意はある」と中銀は表明した。 こうした変更はルーブルが「事実上、完全な変動相場制に移行したことを意味する」と、INGグループのロシアおよび独立国家共同体(CIS)担当チーフエコノミスト、ドミトリー・ポレボイ氏が電子メールでコメントした。 中銀発表後のルーブルは前日比で下げたまま、モスクワ時間午前10時54分現在は中銀の通貨バスケットに対し1.7%安の49.3532ルーブル。 ロシア中銀は10月31日に1.5ポイントの利上げを実施した。 原題:Russia Changes Ruble-Intervention Policy to Ward OffSpeculators(抜粋) 記事に関する記者への問い合わせ先:モスクワ Vladimir Kuznetsov vkuznetsov2@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先:Wojciech Moskwa wmoskwa@bloomberg.netAlex Nicholson, Daliah Merzaban 更新日時: 2014/11/05 17:54 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NEK1ZW6S972H01.html 世界株高に逆行する原油下落、各国中銀には「痛しかゆし」 2014年 11月 5日 17:02 JST [東京 5日 ロイター] - 原油価格の下落が止まらない。世界的な株価のリバウンド基調に逆行し、北海ブレント先物LCOc1は約4年ぶりの安値水準に落ち込んでいる。原油安はエネルギーコストの低下を通じて先進国の景気を支える要因だ。
しかし、期待インフレ率の低下圧力にもなるため、デフレを警戒する日銀など各国中銀にとっては「痛しかゆし」の要因となっている。 <景気以外の売り要因多し> 原油価格をめぐる論点は、下落の主な原因が世界経済の減速懸念かどうかという点だ。もしそうであれば、エネルギーコストの下落によって株価にもプラス要因とは言ってられなくなる。高値を更新する株価は、いずれ原油価格にさや寄せする形で反落する可能性が高いだろう。 確かに世界的な景気減速懸念は、原油価格を圧迫する大きな背景である。米国を除き、欧州や中国、そして日本など経済が足踏みしている地域が多い。オランダ経済政策分析局が出している世界貿易量をみても、今年8月は前年同月比0.8%減と依然低調だ。 しかし、足元の売り材料は、景気減速懸念よりも、需給など別の要因が大きいという。「株高が進む株式市場で織り込まれていないような景気への懸念材料が、原油市場でみえているわけではない」とアストマックス投信投資顧問・コモディティ運用部シニアファンドマネージャーの江守哲氏は話す。 現在の原油価格下落の1つは需給要因だ。原油は慢性的な供給過多の状態が続いているほか、競合関係にあるシェールガス・オイルの供給が進んだことも大きい。今は夏の旅行シーズンから冬の暖房用需要への端境期にも当たる。ドル建ての原油取引においては、ドル高も売り要因だ。 さらに産油国が価格下落にもかかわらず、減産に踏み切らないことで、多くの市場参加者の目論見が狂い、ロングポジションが投げさせられているという面もある。「株高が続く株式市場に資金シフトする動きも出ている」(国内投信)という。 こうした需給要因がメーンの要因であれば、いずれ原油相場は反発することが期待される。世界経済は減速気味だが、ここにきて目立った悪材料が出ているわけではない。ただ、売り材料は需給要因だけではないとの指摘もある。 市場では、産油国が原油価格を下げることでシェールガス・オイルの採算割れをねらう「シェールつぶし」の観測がささやかれている。「原油の生産コストは既存の施設なら10─20ドル程度を言われる。一方、シェールガスの採算ラインは80─85ドルのようだ。ライバルをここで一気につぶそうとしているのではないか」(ばんせい投信投資顧問・商品運用部ファンドマネージャーの山岡浩孝氏)という。 <金融政策も左右> そうした思惑があるとすれば、原油価格の下落は長期化し、世界経済にも大きな影響を与える可能性が高まる。原油価格の下落は資源国の景気は圧迫する一方で、先進国の景気を支える。世界景気に与える影響は、トータルで見ればプラスとの見方が多い。だが、原油価格の下落が経済に影響を与える経路はもう1つある。物価への影響だ。 先進国の中央銀行が警戒するのは、原油価格下落を通じた期待インフレ率の低下。 米国債と期待インフレ率(BEI)は、原油価格に連動することが知られている。他国では連動しないケースがあるものの、原油価格の下落の影響はやはり大きい。 「期待インフレが後退し、将来への見方が慎重になれば、ガソリン価格の下落で浮いたお金を、他に使うのではなく、貯金にため込んでしまうことになる」とSMBC日興証券・シニアマーケットエコノミストの嶋津洋樹氏は指摘する。 今回、日銀が追加緩和に踏み切ったのは、こうした原油価格下落による期待インフレ率の低下を警戒してのことだった。 日銀の黒田東彦総裁は5日の講演で、追加緩和を決断した背景について、消費税率引き上げ後の反動減の影響が長引く中、原油価格の急落が物価の下押し要因となっていることを挙げた。原油価格の下落は「やや長い目でみれば、日本経済に好影響を与え、物価を押し上げる方向に作用する」としながらも、「短期的とはいえ、現在の物価下押し圧力が残存する場合、デフレマインドの転換が遅延するリスクもある」と指摘した。 シティグループ証券の試算では、ドル/円が120円まで進行し、原油価格も1バレル110ドルに戻るケースでは、15年秋のコアCPIは前年比1.5%近くに上昇する。インフレ期待の高まりに伴うフィリップス曲線の上方シフトが加われば、2%の物価 目標が視野に入ることもありうるという。 一方、円安/ドル高が120円まで進行する一方、原油価格が横ばいで推移するケースでは、コアCPIの前年比は15年度以降、1%未満にとどまる。 日銀の金融政策の行方も、原油価格の動向がカギを握ることになりそうだ。 (伊賀大記 編集:田巻一彦) http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0IP0U120141105 日銀が新たに債券市場機能を調査へ、追加緩和で対話強化 2014年 11月 5日 18:09 JST [東京 5日 ロイター] - 日銀は5日、追加緩和実施に伴う国債などの買い入れ額拡大を踏まえ、新たに債券市場参加者から市場機能や金利見通しなどを調査し、公表するなど市場との対話の取り組みを強化すると発表した。
新たに導入する「債券市場サーベイ」は、債券市場の機能度や金利見通しなどを継続的に把握するとともに、サーベイから得た情報を有益に活用して「市場参加者との対話を一段と強化する」ことが狙い。 「2015年入り後、準備が整い次第速やかに開始する」予定で、国債売買オペの対象先から債券市場の機能度や金利見通しなどを調査する。調査頻度は四半期毎とし、2、5、8、11月に実施。調査月翌月の金融政策決定会合初日の5営業日前に公表する。 また、国庫短期証券の銘柄別買い入れ額について、公表頻度を引き上げる。これまでは月1回としていたが、11月から月3回に拡大する。毎月10日と20日、および最終営業日時点の残高を、それぞれの2営業日後の夕刻に公表する。 このほか、従来から実施している「東京短期金融市場サーベイ」の公表時期を早期化。これまでは8月に調査を実施し、12月から翌年2月に公表していたが、今年から10月に公表を前倒している。 (伊藤純夫 編集:宮崎大) http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0IP10120141105
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