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31日の追加緩和発表後、記者会見に臨む黒田東彦日本銀行総裁
「マネタリーベースを年間80兆円に増額」は何をもたらすのか
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20141101-00010000-shikiho-biz
会社四季報オンライン 11月1日(土)10時0分配信
10月31日午後1時44分。正午を過ぎても、金融政策決定会合の声明文が流れず、「何かあったのではないか」と市場がジリジリし始めた頃。
「マネタリーベースを年間約80兆円に増額する」
突然舞い込んだ「サプライズ緩和」に、株式市場も為替市場も大きく反応した。
日本銀行がこの日決定した追加緩和の内容は、これまで年間約60〜70兆円のペースで拡大するとしてきたマネタリーベースの増加額を約80兆円に拡大。同時に、買い入れの平均残存期間を7〜10年程度に延ばし、長期国債の保有残高も、年間約50兆円から約80兆円へ約30兆円増やすものだ。ETFやJリートの買い入れ規模もこれまでの3倍に増やし、それぞれ年間約3兆円、約900億円に増額する。
黒田日銀の突然の追加緩和に、市場は驚きを隠せなかった。31日の日経平均株価は前日比755円高の1万6413円に急騰。為替レートは午後1時44分に追加緩和の発表があった後、円安ドル高が一気に進行し、31日午後7時現在、1ドル111円台で推移している。
問われる緩和の必要性と合理性
今回の追加緩和は、問題も含んでいる。
「実際の物価上昇率の伸び悩みが続けば、せっかく是正が続いてきたデフレマインドの転換が遅れてしまうリスクがある。その意味で、いままさに正念場、クリティカルモーメントにある」
決定会合後の記者会見で、黒田東彦総裁は追加緩和に踏み切った理由をこう説明している。
だが、問題は、記者会見でもやりとりがあったように、このタイミングでの追加緩和の必要性、合理性だ。黒田総裁は「消費税率引き上げ後の需要面の弱めの動きや原油価格の大幅な下落が物価面で下押し要因として働いている」ことを追加緩和に踏み切った理由として挙げている。しかし、物価上昇を含め、これまで日本経済は順調に推移していると説明していただけに、突然追加緩和が必要だと判断した唐突さは否めない。
また、これまで「戦力の逐次投入はしない」と説明してきた異次元緩和のロジックとの整合性も問われる。追加緩和を認めれば、これまでの異次元緩和がうまくいっていないということを意味しかねないからだ。
さらに、11月からは年末の消費再増税の判断に向け、有識者からのヒアリングがスタートする。
「消費再増税を決める前のタイミングで金融緩和すれば、ある意味食い逃げされてしまうのではないか」との問いに、黒田総裁は「消費税の再引き上げは、政府で経済動向を見極めて決定することで、私どもの関知するところではない」と一蹴した。しかし、仮に消費再増税が延期されることになれば、財政健全化の重要性を訴えてきた黒田日銀の前提が揺らぐことになる。
(山田徹也)
※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。
山田徹也
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