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日銀、Beginning of the END
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52665076.html
2014年10月31日 在野のアナリスト
日銀が追加緩和、黒田バズーカ第二弾を撃ちました。年間60〜70兆円としていた資金供給を80兆円に、ETF買入れをJPX日経400も含めて3倍の3兆円に、J-REIT買入れも3倍の900億円に増額します。昨日、ちらりと考えていましたが、実は日銀には3つの追加緩和する要因がありました。
1つはFRBによるQE3の終了を、成功裏に終わらせねばならない。これは媚米体質の安倍政権と歩調を同じにします。1つはGPIFの運用見直しによる、国債市場への動揺緩和。もう1つは消費税再増税への布石を打つため、4兆円の補正予算を組もうとする政府との同調。このタイミングの重なりは、日銀内のコンセンサスをとるでもなく、やってしまえ、との思惑も働き易かったのです。
総務省発表の労働力調査で、失業率は前月から0.1pt上昇の3.6%ですが、問題はそこではありません。前年同月比で、正規雇用が36万人増。これは一貫して減少してきた正規雇用が増加に転じていますが、特殊要因です。一方で、自営業主・家族従業者が19万人減です。円安の影響で、中小零細企業がばたばたと倒れ始めた。それを示唆するのかもしれません。家計調査による消費支出は前年同月比、実質で5.6%減。名目でも1.9%減。勤労世帯の実収入は前年同月比、実質で6.0%減。名目でも2.3%減。賃金が減って、消費も減って、しかも良くなるどころか、むしろ悪くなっている。消費者物価は3.0%上昇で、税を除くと1.0%程度の上昇ですが、生活実感は益々悪くなっている中で、さらにコストプッシュインフレを促す円安に、日銀が舵を切ったのです。
しかも今回、市場は急上昇しましたが、先物系上位にはイベントドリブン型の、いつもの面々が並びます。しかし聞こえてくる市場の声は、日銀を非難するものが多い。決定会合でも賛成5、反対4と割れたように、今回の決定に大義はありません。しかもGPIFが国債比率を60から35%、国内株を12から25%、外国債を11から15%、外国株を12から25%へと、運用比率見直しを発表したのと、同じ日だったことで財政ファイナンス、日銀による付け替えではないか? との疑念を国内外問わず、多くの人に抱かせてしまった。これは日銀の信用に関わる問題となります。
さらに黒田氏のこれまでの強気な見方、増税に関する発言が、今回一変させた。これも日銀の信用を失墜させます。サプライズ効果はでても、安心して運用できる市場とは看做せないためです。しかも、市場からも昨年4月のQQEの効果について、懐疑的な見方が広がっていた。上記したように、経済への効果は限定的で、すでに不況入りも囁かれ、しかもその原因が円安に伴うコストプッシュインフレかも、という中での追加緩和ですから、景気をさらに冷やすかもしれない。マイナス金利が頻発し、個人向け国債の販売も停止されるなど、異常事態にも関わらず、問題ない、と一蹴するだけでどうして、というその理由についての明確な回答はありませんでした。
今は円安、株高ですが、円安、株安に陥ると日本は地獄をみます。日本への投資はダブルで損失を抱える恐れがあり、しかも日銀の態度に信がおけない。外国人投資家が続々と逃げだす恐れがあります。個人的には、日本が地獄の窯のふたを開けたのかもしれない、と考えています。これまででさえ、出口が難しかったのに、さらに出口を難しくした。年末にむけ、中国が破綻する恐れを懸念していましたが、日本が先になるかもしれない。それほどの悪い事態です。
今日、市場は沸きましたが、売り方の買戻しを巻きこんだ面が大きく、現物、先物を合わせると売買はまさに沸騰です。それが逆回転を起こしたとき、日銀のバランスシートは急速に悪化、円の信用も失墜するでしょう。まさに、バズーカを放って焦土と化した日本から、いつ逃げだすか? 市場は誰もが意識した。今日はハロウィンですが、そこに登場するカボチャのお化けは、ジャック・オ・ランタンと言います。ある伝承では、かつて悪魔を高い木に登らせ、十字架をつけて降りられないようにし、地獄に落ちない約束をとりつけた、とされます。しかしジャックは悪党で、天にも上れず、地獄にも行けず、それでカボチャのお面をつけ、この世をさまよっているのだ、と。まさに日銀がジャックと同じ立場になった、そして国民は塗炭の苦しみに苛まれる、といった状況が予想される事態になった、との決定が今日、下されたのでしょうね。
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