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太陽光など、再生可能エネルギーの急増が電気料金を引き上げ、国民生活を圧迫している(ロイター)
再生エネ「固定買い取り制度」見直しへ 20年間で50兆円以上の負担
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20141031/dms1410310830010-n1.htm
2014.10.31 夕刊フジ
政府は、再生可能エネルギーを電力会社が固定価格で買い取る制度の、抜本的な見直しに着手した。放置すれば、巨額支出は今後20年間で50兆円以上になり、国民生活や日本経済を直撃しかねないからだ。有識者会議は、買い取り価格を半年ごとに引き下げる案を検討しているという。エネルギー問題に精通する、ジャーナリストの石井孝明氏がリポートする。
固定価格買い取り制度は、民主党政権時代の2012年7月にスタートした。福島第1原発事故を受け、再生エネの導入促進を目的とし、太陽光や風力で作った電気を電力会社に一定額で買い取らせるものだ。原資は電力利用者が負担しており、現時点で、標準家庭の毎月の電気代の上乗せ額は約230円になる。
電力料金はキロワット当たり20円前後(家庭向け)だが、買い取り価格は12年度中に申し込めば太陽光(メガソーラー向け)で同42円となり、これを20年間も長期保障するという、手厚い保護策だった。
「投資すれば必ずもうかる」ため、導入事業者が激増した。2年間で1100万キロワット分もの発電設備が作られ、計画中を含めると、約7000万キロワット分の設備に制度の適用が認定された。これは普通の原発の発電能力70基分であり、まさにバブルだ。
ただし、再生エネは天候など自然条件次第で出力が変動するため、電気を安定的に供給するベースロード電源である原発の代わりにはならない。
一方、国民や企業など、電力利用者の負担は膨大だ。
経産省の試算では、再生エネで7000万キロワットが全稼働した場合、買い取り制度による支払いは年約2兆7018億円になる。これは、消費税1%に相当する額で、標準家庭の毎月の電気代に上乗せされる再エネ負担金は935円と何と現在の約4倍増になる。消費税増税で苦しむ庶民や、コスト増に苦闘する製造業にも、この負担が直撃するのだ。
また、電力設備が再生エネに対応していない。一部電力会社が新規買い取りの申し込み受け付けを一時停止した問題は、このために起こった。電力網の作り直しの経費は総額20兆円以上かかると経産省は試算する。このコストは次世代に大きな負担となる。ドイツ、スペインでは国民負担が急増し、制度の大幅見直しを余儀なくされた。
思い出してほしい。この再生エネ振興策は11年夏、当時の菅直人首相が「再生エネによる脱原発」として導入した。当時から「人気取り」「非現実的な考え」と批判する向きもあった。
政権交代後の自民党政権も政策を追認してきたが、経産省はやっと制度見直しに着手し、15日、総合資源エネルギー調査会の新エネルギー小委員会で議論を始めた。
もちろん、再生エネには「大事故の危険は少ない」などのメリットはあるが、デメリットも多い。一般国民からお金を徴収し、設備を設置できる企業や富裕層が利益を得るという負担の公平性の問題も出るだろう。再生エネの未来を冷静に考えるべきときがきた。
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