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為替相場から読む米国の金融政策
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/40949
2014年10月31日(金) 真壁 昭夫「通貨とファイナンスで読む世界経済」 :現代ビジネス
9月半ばに一旦、1ドル=110円台にまで円安が進んだが、その後、ドルの利益確定売り・円の買い戻しが出て、一時、円が105円台まで上昇する局面があった。円の買い戻しの速さは、短期間のうちに一方向に偏ったポジションの巻き戻しを示唆する。
特に影響を与えたものが、9月17日のFOMCにおける政策金利見通しだ。FOMC参加者は2017年末に3.75%という予想(中央値)を示した。FRB首脳は今回の予測値を通して、米国の金融政策を正常化する必要性を示したかったものと見られる。
問題は、この予想がFRBの想像以上にドル高期待を高めたことだろう。その結果、多くの投資家が急速にドル買い・円売りのポジションを積み上げた可能性がある。それは、ドル・円相場が一挙に110円の壁を超えたことからも明らかだ。
■ドル高・円安のスピード調整
これだけに急激にドル高・円安が進むと、必ずどこかでスピード調整が起きる。それが10月前半に発生した。IMFの世界経済の下振れリスクに対する減給などをきっかけに、ドル・円相場は110円程度から、一挙に105円台にまで円が買い戻された。
その動きは、それまで極端にドル強気に傾いていた、ヘッジファンドなど大手投機筋のポジションの巻き戻しと考えられる。それがまさにドル高・円安のスピード調整だ。問題は、乱高下の間に市場のボラティリティーが大きく上昇したことだ。
これは、米国の金融当局にとって、市場とのコミュニケーションが失敗したとの不安を高めた動きであったかもしれない。金利の予測値などを通して、FRB自身が市場と行ってきたコミニュケ―ションが上手くワークせず、市場が大きく振れてしまったからだ。
■注目される今後のFRBの政策運営
今回、ルー財務長官等の発言を通して分ったことは、急速なドル高は米経済にとってのマイナス面を高める可能性があるという懸念だ。すでに世界経済全体の需要はリーマンショック以前よりも縮小している。
そのため、一部の国の通貨が急速に下落することは世界経済の不確実性を高めることにつながる。ルー長官のドル高けん制は、極端な為替の動きを懸念しているのに違いない。当然、これからFRBも、金融政策の正常化にはより神経を使わざるを得ない。
10月24日終了時点で米国の株式市場は、月初の水準まで回復した。問題は、FRBのスタンスだ。米国の金融政策の慎重なかじ取りが求められている局面だけに、市場のボラティリティーも変化しやすい局面が続くことだろう。
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