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10月29日、米FRBは資産買い入れ額をゼロとした。写真はイエレン議長。ボストンで17日撮影(2014年 ロイター/Brian Snyder)
米FOMCが量的緩和終了:識者はこうみる
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0II27M20141029
2014年 10月 30日 08:43 JST
[ワシントン/東京 30日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は29日まで開催した連邦公開市場委員会(FOMC)後の声明で、資産買い入れ額をこれまでの150億ドルからゼロとした。これに伴い、2012年9月に開始した量的緩和第3弾(QE3)は終了した。
同時に、世界経済には多くの部分で減速の兆候が見受けられるものの、米経済は引き続き回復軌道に乗っているとの自信を示した。
市場関係者の見方は以下の通り。
●世界景気の減速懸念には触れず
<プレビデンティア・ストラテジー、外為ストラテジスト 山本雅文氏>
FOMCで、労働市場の判断が改善されたことにはさほど驚きはない。
ただ、一部のFRB高官が指摘していた世界景気の減速懸念について、明示的に懸念が示されなかったことや、インフレ率については、市場ベースのインフレ期待の低下やエネルギー価格低下からくる短期的な下押し圧力に言及したものの、全体として判断を下方修正しなかったことには意外感がある。
前日は、FOMCの声明文が予想外にタカ派的なものとなり、来年後半へ後退していた利上げ開始期待が来年半ば程度に前倒しとなり、米金利が全般に上昇。これを受けてドルが全面高となった。
しかし、世界景気の減速については、状況は簡単には改善しないとみている。ドル/円の上昇も一筋縄ではいかず、引き続き不安定な値動きとなりそうだ。
● 「株高要因は流動性」が市場の当初反応
<リバティービュー・キャピタル・マネジメントのリック・メックラー社長>
投資家は株価の上昇をけん引してきた要因が、次の2つのどちらなのかを見極めようとしている。景気は本当に好転しているのか。そうであるなら、株価は今後も上昇を続け得る。そうではなくて米連邦準備理事会(FRB)から市場への流動性供給が停止されるだけで、あとは何も残らないのか。その場合、資産価格は下落する可能性が高まる。ここ数カ月間、投資家を悩ませてきたこうした疑問が今、目の前に立ちはだかった。
当初の反応は、市場は企業の増益よりも低金利に支えられていた、というものだった。しかしこれはとっさの反応に過ぎない。こうした見方は今後変わるかもしれないが、最初に浮かんだ考えは「FRBからの資金供給が途絶えれば株価は下がるだろう」だったわけだ。
●近い将来の利上げの可能性残す
<BMOプライベートバンク(シカゴ)の首席投資責任者(CIO)、ジャック・アブリン氏>
特に大きなサプライズはなかった
市場では(利上げの)恒久的な先送りを示唆するような文言が待ち望まれていた可能性があるが、連邦準備理事会(FRB)は、インフレ率が目標の2%を恒常的に下回り続ける可能性はやや減ったとする9月のFOMC声明の文言を繰り返した。
これにより近い将来の利上げ実施の可能性は残された格好だ。ただ、実際にそうなるとは考えていない。
●労働市場の見方改善、一部予想より幾分タカ派的
<ウェルズ・ファーゴ・ファンズ・マネジメントの首席ポートフォリオ・ストラテジスト、ブライアン・ジェイコブセン氏>
労働資源の著しい活用不足に関する文言が削除されたことはうれしい驚きだ。声明では経済情勢に関し慎重かつ楽観的なトーン両方が示され、均衡が取れた内容となった。
ただ、多くのトレーダーが想定していたよりも若干楽観的なトーンとなり、「相当な期間」が意味する期間がやや縮まってきている可能性があることから、株は売られた。
ここ数週間に聞かれたFRB当局者の発言よりも、幾分タカ派的な内容だったと市場は受け取ったようだ。
●政策の道筋に遅れ生じる可能性示唆せず
<シティの米州・G10為替戦略主任、リチャード・コチノス氏>
FOMC声明は、リスクの高まりには言及せず、一段と楽観的かつタカ派的な内容となった。FRBがこれまでに明らかにしてきている道筋に実質的な遅れが生じる可能性が示唆されたようには見えない。
市場は2015年10月の利上げ開始を織り込んでいた。FOMC声明やFRBが用いている文言は、2015年6月を示唆していることを受け、この予想を6月に向けて前倒しする動きとなっており、これはドル押し上げの材料となる。
FRBは政策は経済指標次第としてきており、その方針は声明であらためて示された。
●利上げ近付いたと解釈すべきでない
<インタラクティブ・ブローカーズの首席市場アナリスト、アンドリュー・ウィルキンソン氏>
今回のFOMC声明は、予想されていたほどハト派的ではなかった。緩和縮小プロセスが年末まで継続されるとの予想の根拠になっていた世界的な金融の混乱についての言及がなかったことがその大きな理由だ。
連邦準備理事会(FRB)は、量的緩和(QE)の実施期間を通して労働市場は非常に良好に反応したと基本的に総括した。ただこれは数年間にわたる経過について述べたものであり、FRBが金融引き締めに一歩近付いたと解釈してはならない。
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