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米国の金融政策と米国債の関係  久保田 博幸
http://www.asyura2.com/14/hasan91/msg/352.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 10 月 28 日 11:33:05: igsppGRN/E9PQ
 

米国の金融政策と米国債の関係
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kubotahiroyuki/20141028-00040321/
2014年10月28日 9時55分 久保田 博幸 | 金融アナリスト


10月28日、29日のFOMCにおいて、毎月の米国債とMBSの買入れ額を150億ドルからゼロとし、テーパリングを終了させる予定である。つまり量的緩和が解除される。

FRBは米国債とMBSを大量に市場から買入れ、不動産市場の活性化や雇用環境の改善などを目的としていた。住宅ローン担保証券(MBS)と米国債を買い入れることで、米長期金利の低下を促し、住宅投資を促して、金利低下による景気への効果も意識され、結果としてFRBの目的のひとつである雇用の改善に結び付けようとしたものである。

FRBの資産買入れは中央銀行のバランスシート拡大によるデフレ脱却を意図したものではない。しかし、結果とすれば日銀の異次元緩和と同じようなことをしている。治療目的は違うが、使用薬は同じであり、中央銀行の国債買入れはまさに万能薬と言えそうである(本当に効くかはさておき)。ユーロ経済とデフレ懸念払拭のため、ECBも日銀やFRBと同じようなことをしようと画策している。

中央銀行による国債買入れがどのような効果を生んだのか。これは大きな課題であり、その検証はもう少し時を置いてからする必要があると思う。経済は中央銀行の金融政策だけで動くものではないため、その検証はかなり困難を極めることも確かである。

ただし、今回のFRBの量的緩和第三弾と市場で呼ばれたものと、そのテーパリングの過程における米国債、つまり米長期金利の動向を比較することはできる。そもそもFRBの量的緩和の目的が長期金利の低下を促すものであったのであれば、その効果は果たしてあったのかどうか。それを確認してみたい。

2012年12月12日のFOMCでは、年末に終了するツイストオペの代わりに毎月450億ドル規模の米国債購入を決定した。これまでのツイストオペでは、450億ドルの短期債を売って長期債を購入していたが、短期債を売却しない分、FRBのバランスシートは拡大する。MBS含めると月額850億ドルを買い入れることになる。また、国債の償還分の買入も行う。これが量的緩和第三弾のスタートとなる。

2012年12月のFOMCで量的緩和が決定された日あたりでの米長期金利は1.7%近辺にあった。しかし、ここから長期金利は低下してはいない。むしろ上昇基調となり、2013年1月から2月にかけて2%近辺に上昇した。これは欧州の信用危機の後退が背景にあったと言える。

2013年3月あたりから5月にかけての米長期金利は2%近辺から1.6%近辺に低下した。これはFRBの量的緩和がタイムラグを置いて効果を発してきたわけではない。2013年3月にはキプロスの財政不安による欧州の信用不安の再燃によるものであった。

2013年5月あたりから今度は米長期金利が急速に上昇する。5月の1.6%近辺から9月には3%近くまで上昇した。これは5月のECBの追加緩和をきっかけに、欧州の信用不安が急速に後退したことや、5月22日にバーナンキFRB議長が証言後の質疑応答で、景気指標の改善が続けば債券購入のペースを減速させる可能性があると指摘したことが要因とされる。

ところが9月のFOMCでテーパリングの決定がなかったことから、米長期金利はいったん2.5%あたりまで低下する。その後、再びテーパリング開始との観測が強まり、FRBは2013年12月のFOMCで毎月の米国とMBSの購入額を850億ドルから750億ドルに減少させ、テーパリングを開始した。これを受けて米長期金利は再び2014年1月1日に3%近辺に上昇したが、ここがピークとなった。

2014年1月には650億ドルに縮小。3月に550億ドルに、4月に450億ドル、6月17〜18日に350億ドル、7月29〜30日に250億ドル、9月16〜17日に150億ドルとした。この間の米長期金利は総じて低下傾向となり、2.1%台にまで下げている。

米国債もむろんFRBの金融政策だけで動くわけではないが、FRBは金融政策で米長期金利を低下させようとした。たしかに米長期金利は3%を超えて大きく上昇したわけではない。長期金利を抑え込むことには成功したかに見えるが、果たしてそうであろうか。

テーパリングを開始しても長期金利は低下していた理由は何なのか。このあたりの関係を市場マインドなども併せて検証する必要があろう。これを把握してから、FRBのゼロ金利政策の解除に向けての市場の動向を読む必要も出てくるのではなかろうかと思う。


 

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コメント
 
01. 2014年10月28日 12:15:04 : nJF6kGWndY

>10月28日、29日のFOMCにおいて、毎月の米国債とMBSの買入れ額を150億ドルからゼロとし、テーパリングを終了させる予定である。つまり量的緩和が解除

とりあえず、これで

QEがハイパーインフレを起こす

一度始めたQEをやめると、株や国債が暴落して財政破綻する、ドル暴落・・

などなど、間抜けな陰謀論者たちの説が

デマだったことが立証されたとは言えるな


>テーパリングを開始しても長期金利は低下していた理由は何なのか。このあたりの関係を市場マインドなども併せて検証する必要

まず過去のFRBのアナウンスと市場の動きの相関を検証してみることだ


02. 2014年10月28日 13:50:03 : bfiJIUelwU
現実の経済は税金を納めるにも、投資をするにも価値のトレードオフが発生してしまう。支出の元となる資金の準備のために他の資産が売られたり、他の財やサービスへの支出が減少することが起こる。米国の量的緩和が米国民の支出の原資を提供し、支出の原資となる資産価格の下落を防いでいた。

米国経済は今月の量的緩和の打ち切りで、デフレ化の傾向が鮮明になると予想できる。長期金利が低下しているのもそのためだ。

トレードオフの原則の復活は米国の国内ばかりか全世界まで波及することになるだろう。この過程は米国内外のバブル崩壊そのものだろう。

金融危機回避と無関係の量的緩和は時間の無駄食いで、増税の伴わない景気対策は後に禍根を残す。


03. 2014年10月28日 13:53:27 : bfiJIUelwU
今の相場は勉強になるだろう。

支出時のトレードオフの復活で起こるバブル崩壊は、さまざまな商品市場の下値が切り下がって、資金の移動がほとんどなく、ほとんどの商品の価値が目減りするようだ。

おそらく、下がった分あがると思ていたら、下値が切り下がっていて、上値に戻らなくなっていたということになるだろう。

唯一、増税路線を堅持する先進国の国債は例外だ。


04. 2014年10月28日 13:58:04 : DkfeeiX6tE
量的緩和を終了する予定、予定、予定、予定。。。。2015年の初頭まで引っ張れるかな。

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