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欧州の主要銀、25行が資本不足 欧州中銀が査定(日経新聞)
http://www.asyura2.com/14/hasan91/msg/319.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 10 月 26 日 21:47:05: igsppGRN/E9PQ
 

欧州中銀は25行の資本不足を指摘した(写真は欧州中銀のドラギ総裁)=ロイター


欧州の主要銀、25行が資本不足 欧州中銀が査定
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM26H1K_W4A021C1MM8000/
2014/10/26 20:44 日経新聞


 【ロンドン=小滝麻理子】欧州中央銀行(ECB)は26日、ユーロ圏の主要銀行130行のうち、ギリシャの銀行など25行を資本不足に認定したと発表した。資産査定(ストレステスト)の結果、資本不足の総額は250億ユーロ(約3兆4000億円)に達したという。欧州では債務問題を背景に銀行不安がくすぶっている。経営不振行に増資やリストラを求めて銀行再生を図る狙いがある。

 25行のうち12行はすでに150億ユーロの増資を行ったという。

 査定の対象地域となったのは来年に通貨統合に加わるリトアニアを含めたユーロ圏19カ国。ここで営業する主要130行の保有する有価証券や、貸し出し内容などを厳しく精査した。

 そのうえで景気が失速したり、金融市場が混乱したりした場合でも経営が続けられるかを2013年末の資産を基に点検した。5.5%の中核的自己資本比率を維持できると見込まれる銀行は「健全」とみなし、それ未満であれば「資本不足」と認定した。

 資本不足行にはポルトガルやギリシャ、キプロスなどの銀行も含まれる。ドイツやフランスの大手銀行は「健全」とみなされた。

 南欧の銀行は保有している国債の価格下落や、不動産融資の焦げ付きなどが経営の重荷になっている可能性がある。こうした銀行は11月10日までにECBに業務改善計画を提出しなければいけない。

 欧州で主要行を対象にした資産査定は、2010年に欧州債務危機が深まってから2回実施している。だが過去の査定に合格したベルギー・フランス系大手銀行の経営が行き詰まったこともあり、いまだに銀行不安を払拭できていない。

 そこで今回は11月からECBがユーロ圏内の銀行監督を担うのを前に、ECB主導で初めて実施した。

 ただ、今回の査定で欧州金融の再生が進むかはまだ見えない。

 足元ではユーロ圏の景気不安が急速に高まっている。失業率は高止まりし、緊縮財政への不満からギリシャでは政治不安も再び高まっている。景気のもたつきによる不良債権の増加や市場の不信が銀行経営の足かせになる可能性がある。


 

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コメント
 
01. 2014年10月27日 06:42:45 : jXbiWWJBCA
【第155回】 2014年10月27日 加藤 出 [東短リサーチ代表取締役社長]
東西統一25周年控えるドイツで
噴出してきた“不都合な真実”
 この11月9日はベルリンの壁崩壊から25周年、来年10月3日はドイツ再統一から25周年となる。当時のドイツは熱狂に包まれたが、四半世紀を経た現在は複雑な情勢に立たされている。

 10月10日のG20では、ドイツに景気刺激策としての財政支出の拡大を求める声が相次いだ。その数日前に、IMF(国際通貨基金)はユーロ圏の「今後1年の景気後退確率」を4月予測時の21%から38%へと大幅に引き上げていた(日本は前回の18%から今回は24%に上昇)。明らかに財政支出拡大を促すためのドイツ包囲網が敷かれている。

 しかし、ショイブレ独財務相は馬耳東風の様子だ。大きな痛みを伴ったシュレーダー改革や財政再建を進めてきたからこそ、人々の将来不安が低下し、ドイツは成長を実現できたと信じているからだ。彼はユーロ支持派だが、南欧の改革はまだ甘いと思っている。ドイツは「小切手を切るべきではない」と彼はワシントンで反論した。

 ショイブレは、2015年度予算を「黒いゼロ」にしたがっている。若干黒字の均衡財政のことだ。財政黒字になれば、1969年以来の快挙だ。旧西ドイツの人々にも大きな負担を強いた統一から四半世紀の年に黒字になることは感慨深いだろう。

 しかし、8月の輸出など、ドイツの経済指標は大幅な悪化を示している。「このようなときにドイツ政府は何を言っているのか?」と怪しむ人は多いと思われる。

 ドイツの輸出に関しては、季節調整の問題があるため、実は実態を見ると表面の数値ほどは悪くない。7月の輸出は貿易黒字が過去最高を記録するほど好調だったので、7〜8月をならせば、前年比はプラスだ。ただし、伸びが鈍化しているのは事実である。

 設備投資も低調だ。ドイツの鉄道や港湾、道路、橋は、節約路線の影響で老朽化が深刻だ。そういったインフラの悪化も、国内で設備投資が伸びない理由となっている。企業はインフラがしっかりしていて、生産性を高めやすい国に投資したくなるからだ。

 7〜9月のドイツのGDPがもし大幅に悪化すれば、さすがのショイブレも拡張財政に舵を切るだろう。インフラ整備のためならば、その大義名分になり得る。今回のG20声明文には、「インフラへの投資も重要だ」という文言があった。独政府が落としどころをつくりやすいよう配慮した文章である。


保険会社アリアンツが発表した、低金利政策が欧州の家計に与えた影響を分析したレポート。ドイツは欧州で割を食っている
Photo by Takahisa Suzuki
 ところで、ドイツの大手保険会社アリアンツは9月に、欧州中央銀行(ECB)の超低金利政策がドイツの家計に損失を与えているとのレポートを発表した。それによれば、10年から14年第1四半期にかけて、ドイツ人は1人当たり281.2ユーロ損をしたが、イタリア人は655.1ユーロ、スペイン人は1148.5ユーロ得をしたという。

 貯蓄よりも借金が多い家庭には超低金利政策はメリットとなる。堅実なドイツ人にとっては、腹立たしい推計値といえる。

 また、ドイツでは反ユーロの政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が、地方議会や欧州議会で急速に勢力を伸ばしている。AfD支持者は旧東ドイツ地域に特に多い。旧東西ドイツの経済格差はいまだに大きい。昨年のECBの調査によると旧東ドイツ地域における家計のネット資産の中央値は、スペインの11.7%しかない。

 「なぜ我々の税金で南欧を助けるのか?」という不満を持つ彼らを懐柔しながら、独政府はユーロを維持していかなければならない。

(東短リサーチ取締役 加藤 出)
http://diamond.jp/articles/print/61150


02. 2014年10月27日 06:47:52 : jXbiWWJBCA
定年前にたそがれない!50代からの人生リセット術 野田稔
【第24回】 2014年10月27日 野田 稔 [一般社団法人 社会人材学舎 代表理事]
イタリアに多いプロのマネジャー
「プロジェティスタ」が楽しく働き続けられる理由
イタリア企業の95%は従業員9人以下
組織は個人の人生のためにある

 イタリアには、プロジェティスタという職種・働き方があって、皆生き生きとしている。プロジェティスタとは、プロジェクトマネジメントを職務とするイタリアに見られる独立したプロフェッショナルたちのことである。

 イタリアの産業には、2つの大きな特徴がある。1つは全雇用者の4分の1が自営業者という点。つまり、同族経営が非常に多い。そのため、イタリアでは企業の大半が中小零細企業である。少し古い数字なのだが、95%以上が従業員9人以下の会社であり、従業員50人以上の企業は全企業の1%にすぎないそうだ(イタリア国立統計研究所ISTAT[2010年]のデータより)。

 もう1つの特徴は、産業のクラスター化である。特定分野に関係する同等規模の零細企業群が同じ地域に集積して、緊密なネットワークを形成しているのだ。その結果、多種多様な地域的産業集積が生まれ育っている。

 中小零細企業が多いので、イタリア企業は従業員数が少ない。そのため技術者は社内、社外を問わずにネットワークを生かして人材不足を補完している。それこそプロジェクトごとにネットワークを活かして人材や資材を調達、新たなチームを造る。

 そもそも彼らは独立心が旺盛なので、たとえば、そこで開発された機械に対する注文が増えると、それでスピンオフして会社を作ってしまうこともあるほどだ。

 イタリア人の郷土に対する思い入れは非常に強い。多くの人間は生まれた土地を離れたがらない。「マンマのパスタが食べられる距離」という言葉があるが、これは比喩ではなく、本当に皆が持っている感情なのだ。

 だから地域ごとにクラスターが築かれ、関連する産業、職種の間で稠密な人間関係が築かれる傾向が強い。強い土着志向のことを「カンパリズモ」と言うのだが、このカンパリズモの精神が、産業集積のベースにある。

 つまり、彼らにとって企業とか組織というものは、目的ではなく、あくまでも手段なのだ。よりよく生きるための手段だから、組織のために個人がいるなどという考えはほとんど見られない。だから、人間中心の企業経営が当たり前になる。皆が、サッカーで言うところのファンタジスタであろうとし、自由に働ける環境を大切にする。上下関係よりも横のネットワークを大切にする。

 イタリアの大企業の多くは、従業員300人規模だ。そこからしきりと暖簾分けが行われる。産業集積もその結果起こるのだが、だから、大企業と零細企業の間もネットワークであって、下請けなどという感覚は乏しい。

「プロジェティスタ」という
個人事業主のプロジェクトマネジャー

 このような環境で重要な役割を果たすのが、プロジェティスタだ。肩書きとしては、コンサルタントを名乗る場合が多いようだ。多能工の上にさまざまなビジネス経験を身につけたベテランが多い。あえて年齢幅を言えば、40代半ばから60代が多い。多くはそもそも企業に属していた技術者たちだ。

 イタリアで技術者は、大学もしくは技術専門学校を卒業し、どこかの企業に入社する。最初はある領域のスペシャリストとして育つ。ところが、最後までそうではなく、ある時点から多能工の道を歩き始める。イタリアでも大企業の場合は単能工が多いようだが、中小零細では多能工にならざるを得ない。

 さらに彼らは、管理やマーケティング、企画・戦略、経理、人事労務、リーダーシップなどの知識や経験も身につけ始める。つまり、多能工の上にマネジャーの資質も得るというわけだ。この場合のマネジメントはもちろん、単に管理ではない。経営の資質を身につけると言っていい。

 そして、そのうちのある割合が、それぞれの得意分野を持ったプロジェティスタとして独立していく。

 彼らはその後、さまざまな企業から、プロジェクトリーダーとして雇われるようになる。起業する場合もあるが、個人事業主のままで行く場合も少なくない。

 プロジェティスタは、実質的なプロジェクトリーダーとして、当該企業内外の人材をネットワークし、プロジェクトチームを作り上げていく。彼らは請負であるが、社内に深く入り込み、プロジェクトチームの長としてリーダーシップを発揮する。その企業に常駐して、プロジェクトリーディングをして成果を出していくのだ。

せめて25%は楽しく仕事をしたい

 このように、プロジェクトマネジメントの外注が多いのは、小規模の同族経営が多いからだ。家族でない人間は、どんなに頑張っても経営陣にはなれない。だから、優秀であればあるほど、独立していく。

 2006年になるが、イタリアで実際に何人かのプリジェティスタに取材をした。彼ら全員が、独立の理由を「やりがい」とした。「おもしろい仕事をしたい」という欲求だ。同族経営の会社の中で、自分はそれほどおもしろい仕事は任せられないというのだ。

 大きな組織にいたら仕事は与えられるものだ。しかも一人で完結的に仕事をすることは難しく、パーツで請け負うことになる。チームワークと言えばそうだが、自分の意志を浸透させることは難しい。だから、独立する。

 さらに、大きな組織ではルーチンワークが大半を占めるわけで、クリエイティブワークを主体にしたければ、プロジェティスタになるしかないということになる。自分にはイノベーションを起す力があるが、このままではその力を発揮できないと思ったときに、「まあいいか」と思うのではなく行動する。日本の場合はプロジェティスタがいいとは限らないが、社内であっても、その精神は常に重要だ。

 そのために彼らは、安定性のある企業を辞めて独立する。多能工で自分でも腕に自信がある。その上で、一人で起業できるだけのマネジメントなどの知識と経験がある。

 では、彼らはそんなにおもしろい仕事だけをしているかというと、そんなにうまくはいかない。大部分の人は、半分はおもしろいわけではないがお金のために請けた仕事をしている。残りの半分のそのまた半分は勉強のために報酬が安くてもやる。投資のようなものだ。

 だからお金にもなって本当におもしろい、やりがいのある仕事は全体の4分の1しかない。とは言うものの、見方を変えると、25%もお金になって楽しいことをやっているというのは十分に贅沢なことだと思う。

 私はこの、「せめて25%は楽しく働く」ということを日本人のビジネスパーソンにも絶対忘れてほしくない。とりわけ、クリエイティビティのある人、イノベーションを起す力のある人、要するに今、こういった記事を読んでくださっている方々にはちゃんと自分の才能を生かし切って、楽しんで仕事をするようにしてもらいたいと思っている。

 イタリアのプロジェティスタも、そのすべてが成功者なわけではない。経済的な安定が約束されているわけでもない。現実はそんなに甘くはない。ただ、それでもプロジェティスタは多くの人々が憧れる魅力的なスタンスだ。仕事そのものの中に、やりがいを見出す働き方だからだ。

多能工でもあるマネジャーが
理想的な人材像ではないか

 04年頃から、「キャリア自立」ということがいわれ始めた。私も、キャリア自立研修を数多く行ってきた。そんなときに、人事部の人間から「キャリア自立なんかされてしまったら、優秀な人材が辞めてしまいませんか?」という質問をよく受けた。

 そうした質問はもはやナンセンスだ。できる人材を繋ぎとめておける時代は終わった。社畜という言葉はすでに半分、過去のものになった。

 人として正しく扱われていない人間から、創造的なものは生まれない。組織の成員がすべて自らの意思を持ち、主体的に動きつつ、本人たちの自由意思として全体的に整合している。そんな組織が理想だろう。

 プロジェティスタは多能工であるが、第一義的な専門性はマネジメントの力だ。だから、プロジェクトマネジメントのプロと呼ばれる。管理ではなく、目的を遂行するために徹底的に研ぎ澄ませている力だ。

 彼らはそうした力を、自らが望む方向で発揮するために企業を飛び出した。彼らが企業でおもしろくないと言っているのは、同じマネジャーと言ってもアドミニストレーターだからだと推察できる。

 マネジャーが多能工であることの意味は大きい。専門性を磨いている人間の心がわかる。彼らにしばらくの間、伴走しながら教えていくこともできる。技術の関連性を説くこともできる。俯瞰した絵が描ける。

 だから、プロジェティスタはそれぞれ専門の技術者からそのキャリアをスタートさせている。

 若いうちに専門性を磨くことは間違いではない。そのうちに周辺に視野を広げ、蛸壺に留まらずに多能工への道を歩む。そうする中で、マネジメント力も身につけていく。現場を忘れない、つまりはいつまでもプレイヤーとしての自信も持ち続けたマネジャーになっていってもらいたいと思っている。
http://diamond.jp/articles/-/61126


03. 2014年10月27日 07:48:06 : jXbiWWJBCA

ユーロ圏:世界最大の経済問題
2014年10月27日(Mon) The Economist
(英エコノミスト誌 2014年10月25日号)

ユーロ圏のデフレは、すぐそこまで迫ってきており、極めて危険だ。

ダボス会議閉幕、楽観ムードに警鐘鳴らす専門家の「ユーロ圏崩壊」予想
ユーロ圏はこの2年ほどの猶予期間を無駄にしてしまった〔AFPBB News〕

 世界経済は良い状態ではない。米国と英国から届くニュースはまずまず前向きだが、日本経済は苦戦しており、中国の成長率はいまや2009年以来の低さとなっている。

 予測不能の危険要因があふれている。とりわけ大きなものが、西アフリカで数千人もの命を奪い、それにとどまらず世界中の人々を不安に陥れているエボラ出血熱の流行だ。だが、図抜けて大きな経済的脅威は、欧州大陸から生じている。

 ドイツの成長が停滞した今、ユーロ圏は過去6年間で3度目の景気後退に入る瀬戸際にある。欧州中央銀行(ECB)のマリオ・ドラギ総裁が、単一通貨を守るために「どんなことでもする」と約束したことで猶予期間が生まれたが、各国首脳はその2年間を無駄にした。フランスとイタリアが構造改革を回避し続ける一方で、ドイツは過度な緊縮策を求めてきた。

 欧州の8カ国で物価が下落している。欧州全体のインフレ率は0.3%まで下がっており、恐らく来年は全面的に低下するだろう。世界の国内総生産(GDP)のほぼ5分の1を占める地域が経済停滞とデフレに向かって着々と進んでいる状況だ。

 欧州内外の楽観主義者は、しばしば日本の例を引き合いに出す。日本は1990年代後半にデフレに陥った。日本にとっても世界経済にとっても、その結果は快いものではなかったが、決定的な破滅をもたらすものでもなかった。

 だが、ユーロ圏の及ぼす危険は、それよりもはるかに大きい。日本のケースと違って、ユーロ圏は単独の事例ではない。中国でも米国でも、インフレ率は懸念されるほど低く、現在も低下し続けている。

 そして、我慢強く、均質性の高い社会を持つ日本とは違い、ユーロ圏の場合は、長年にわたる経済の硬化と物価の下落を一致団結して乗り切ることができない。イタリアやギリシャで債務負担が膨らめば、投資家は怯え、ポピュリスト的な政治家が勢力を伸ばし、比較的早い段階でユーロが崩壊するだろう。

すでに死に体

 多くのヨーロッパ人、特にドイツ人は、インフレを恐れるように育てられているが、デフレはインフレ以上に恐ろしいこともある。物価の下落が予想されれば、消費者や企業は支出を控える。そして、需要が縮小すれば、融資の債務不履行(デフォルト)が増加する。それは実際に世界大恐慌で起きたことで、1930年代はじめに、とりわけドイツに悲惨な結果をもたらした。

 したがって、中央銀行がインフレ目標を設定している46カ国のうち、30カ国がその目標を下回っているという現状は懸念すべき事態だ。価格の低下は、歓迎すべき場合もある。特に、石油価格の下落は、消費者の所得を押し上げてきた。

 だがそれ以上に、物価の下落と賃金の停滞は経済の弱い需要によるところが大きく、裕福な経済協力開発機構(OECD)諸国では失業者がおよそ4500万人に上る。それなりのペースで成長している米国などの国についても、投資家はインフレ率の低下を見込み始めている。

 さらに悪いことに、多くの国では短期金利がゼロに近いため、中央銀行は金利を引き下げて消費を押し上げることができない。唯一の対応策は、量的緩和やその他の形での紙幣の増刷だ。

 世界的なローフレーション(持続的な低インフレ)の脅威は、多くの国の中央銀行にとって、緩和的な金融政策を維持する恰好の理由となっている。また、長期的には、インフレ目標の若干の上方修正を検討する刺激要因にもなる。だが、差し迫った問題は、ユーロ圏にある。

 欧州大陸の経済の基盤には、不利な人口動態から重い債務、硬直化した労働市場まで、大きな弱点を数多く抱えている。だが、政治の面でもとてつもなく大きな過ちを犯してきた。フランス、イタリア、ドイツはいずれも、成長を促進する構造改革を避けてきた。ユーロ圏はデフレに対して特に脆い。その原因は、ドイツが過度な緊縮財政に固執し、ECBが大胆さを欠いていることにある。

 経済が縮小している今でさえ、ドイツは「あらゆる国が赤字を削減すべきだ」という考えにとりつかれている。その一方で、ドイツが金融緩和に反対しているために、ECBは――明らかにドラギ総裁の意図に反して――他の大国の中央銀行に比べてはるかに小規模な量的緩和にしか踏み切れていない(ECBは先日、「カバードボンド」の買い入れを開始したが、それでもまだ及ばない)。

 以前そうした漸進策に論理があったとしても、いまやもう無意味になっている。予算が削減され、ECBが、物価下落の食い止めが可能であると世間に信じさせることに苦労している今、デフレに転落する可能性はあまりにも高いように見える。

 ストレスの徴候は、市場にも政治にも表れ始めている。ギリシャでは、急進左派連合(SYRIZA)の支持が急上昇したのに伴い、国債利回りが急騰した。フランスとドイツは、フランスが提出する新たな予算案を巡って舌戦を繰り広げている。

そして訪れる死

 経済の悪化を食い止めたいなら、欧州は自滅的な行動をやめなければならない。ECBはソブリン債の買い入れを始める必要がある。ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、フランスとイタリアが財政赤字削減のペースを緩めるのを認め、その代わりに、フランスとイタリアは構造改革のスピードを上げるべきだ。マイナスの実質金利で借金ができるドイツは、国内でのインフラ整備にもっと資金を費やせるはずだ。

 そうした策には効果があるだろうが、それだけでは十分ではない。目下の状況は、ユーロをめぐる初期の大混乱にどこか似ている。ドラギ総裁の「どんなことでも」という誓約が出る以前、中途半端な解決策が危機を煽るだけだった頃だ。

 今必要なのは、何か抜本的な策だ。ECBによる新発国債の購入など、多くの教科書的な解決策を禁じている欧州法がネックになる。

 法にかなった最善の選択肢は、インフラ支出の大幅な増加とECBによる債券買い入れを組み合わせることだろう。つまり、欧州投資銀行(EIB)が、国境をまたぐ鉄道の高速化や電力供給網の統合強化などへの投資を大幅に(例えば3000億ユーロ=3830億ドル程度)拡大し、その資金調達のために債券を発行し、それをECBが流通市場で購入すればいい。

 考えられるもう1つの策は、EUの財政赤字ルールを見直し、投資支出を赤字の計算から除外することだ。そうすれば、ここでもECBの保証を得ながら、各国が赤字幅を拡大することができる。

政治的な意志はあるか?

 そうした諸々の対策の背後には、政治的な意志という問題が控えている。メルケル首相とドイツは、単一通貨の破滅が目前に迫らない限り、行動を起こす気がないように見える。欧州全土で人々が苦しんでいる。イタリアとスペインでは、若者の失業率が40%を超えている。

 この夏の欧州議会選挙で、有権者は既存の秩序に対する怒りをぶちまけたが、ほとんど変化は起きなかった。またどん底に転落となれば、彼らの忍耐が試されることになる。そして、ひとたび経済がデフレに襲われれば、それを振り払うのは極めて難しい。欧州の首脳たちに残された時間は少ない。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42056


04. 2014年10月27日 09:16:38 : nJF6kGWndY

危機だ危機だと騒ぐ場合、大したことがないことは多いな

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0IF10520141026
ストレステスト結果は与信促す、デフレ想定せず=ECB副総裁
2014年 10月 27日 07:24 JST
[フランクフルト 26日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のコンスタンシオ副総裁は26日、ECBが130行を対象に行ったストレステスト(健全性審査)の結果について、銀行の信用供与を促すとの見方を示した。

副総裁は記者会見で「審査の結果、この先の景気回復が融資の抑制によって阻害されることがなくなった」と述べた。ただ「欧州には需要が不足している」とも指摘した。

ECBによると、130行のうち25行が2013年末の時点で不合格となった。指摘された資本不足は総額250億ユーロだったが、12行が今年に入り150億ユーロの増資を実施。残り100億ユーロとなっている。

コンスタンシオ副総裁は「(ストレステストには)デフレシナリオは想定していない。デフレが起きるとは考えていない」と述べた。

ゴールドマン・サックスが9月に行った調査によると、投資家は510億ユーロの資本不足を予想していた。これには8月に実施した資本増強分も含まれている。しかし実際の不足額は同水準を大きく下回った。

副総裁は「多くのアナリストが予想していたよりも(銀行が)健全で堅固だったということだ」と指摘した。

また26日の公表前に行ったストレステストに関するデータの修正は「ごくわずか」とし「(全体の結果には)ほとんど実質的な変更はなかった」と説明した。


05. 2014年10月27日 11:42:51 : niiL5nr8dQ
情報BOX:欧ストレステストへの市場の見方、一定評価も課題残る
2014年 10月 27日 11:08 JST
[ダブリン 26日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は26日、ユーロ圏の民間銀行130行に対する資産査定とストレステスト(健全性審査)の結果を発表した。

2013年末の時点で25行が不合格となり、資本不足は総額250億ユーロだった。ただ12行が今年に入り150億ユーロの増資を実施している。

以下にアナリストらの反応をまとめた。

◎プライスウォーターハウスクーパース(PwC)の経済危機対応責任者コリン・ブレアトン氏

ストレステストの結果が公表された。ある程度市場の信頼と安定の回復につながるだろうが、銀行部門の危機や課題の克服にはまだほど遠い。

ストレステストは支払い能力に関する1回限りのテストで、存続可能性を審査するものではない。長期的な存続可能性とは、銀行が資本コストなどあらゆるコストを賄えるだけの利益を創出できるかどうかだ。

欧州の多くの銀行はこうした長期的な存続可能性に関するテストをクリアできていない。欧州の弱い経済状況や低金利見通し、事業継続や法令順守、リストラのための費用、新規参入銀行やノンバンクとの競争などが理由だ。ストレステストは銀行が体質を強化するための時間的猶予を与えたにすぎない。

◎ウニクレディトの首席エコノミスト、エリック・ニールセン氏

銀行の資産査定とストレステストを行えば貸し出しが伸び景気回復を促進すると考える当局者が多過ぎる。そうした可能性は極めて低い。

これまでのところ融資については需要が問題になっている。ユーロ圏では企業向け貸し出しは国内総生産(GDP)に6─9カ月遅れるのが常だ。今回もそうなると考えている。貸出の伸びが経済成長を促すという考えは幻想だ。なぜそうしたことが政策の場で議論されるのか理解しかねる。

企業が融資を要請するのは、自社の製品に対する需要の増加を確信してからだ。現在は需要の伸びが見られない。ユーロ圏では需要への刺激が必要で、これは経済学の基本だ。

◎ランバード・オディアー・インベストメントのクレジット部門代表、ケビン・コリギャン氏

ほとんど予想されていた結果と一致している。ただ、イタリアの不合格銀行が予想以上に多かった。

この結果を受け債券市場で投資家がどちらかの方向に動くとは思わない。

投資できない環境ではないということをある程度投資家に確信させる結果だ。ただ、銀行が十分な資本を確保しているだけでは欧州経済は改善しない。今後、中小企業への貸し出し増加につながるかどうかを見極める必要がある。

◎クレアインベストメントのファンドマネジャー、イオン・マーク・バラフ氏

結果のほとんどは24日に既にもれていたが、全般的にプラスの内容だ。これにより欧州連合(EU)の銀行統合が実現に近づき、ECBと銀行セクターに対する信頼性が高まる。今後EUの銀行が資本増強を行う際の支援にもなる。

メルケル独首相が今週末、欧州での投資の必要性と緊縮財政からの脱却についてこれまでの発言のトーンを変えたことも踏まえると、27日の市場は少なくとも反発し、24日の下げを取り戻すだろう。

*内容を追加して再送します。


ECB包括的審査:25行が不合格−合計250億ユーロの資本不足 

  10月26日(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)がユーロ圏の銀行を対象に実施した包括的審査の結果、イタリアのモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ 銀行など25行が不合格となった。国別で資本が最も不足しているのはイタリアの銀行システムだと認定した。
ECBは不合格となった25行の資本不足の合計額を2013年末時点で約250億ユーロ(約3兆4300億円)としたが、その大部分を金融機関がこれまでに調達したと説明。現時点でなお資本が不足する金融機関の中で、モンテ・パスキとバンカ・カリジェ に合わせて29億ユーロの調達が必要だと判断した。
野村ホールディングスの銀行アナリスト、ジョン・ピース氏は「資本不足は予想レンジの下限だ。不合格の銀行数や調達が必要な資本額が小さければ、ECBは中銀の信頼性を市場に納得させることが難しかっただろう」と語った。
欧州の大手銀行の資本不足は認定されず、フランスやドイツ、スペインで資本増強を求められた金融機関はなかった。資本不足が判明した銀行は最長9カ月以内にECBに指摘された不足分を穴埋めする必要がある。
JPモルガンのアナリストはリポートで、今回の結果の第一印象について「かなり肯定的」との見方を示し、ドイツ銀行やコメルツ銀行、エルステ・グループ・バンクとギリシャの銀行の株価に好影響が出そうだと予想した。
ECBの包括的審査は銀行ストレステスト(健全性審査)とバランスシート上の資産内容の査定(AQR)で構成されている。欧州銀行監督機構(EBA)もこの日、ユーロ圏以外の銀行も対象にしたストレステストの結果を公表した。
イタリアの銀行
ECBの審査ではドラギ総裁の出身国であるイタリアの銀行が特に資本増強の必要性を指摘された。ECBのデータによれば、イタリアの銀行3位モンテ・パスキとバンカ・カリジェに加え、小規模金融機関2行に合計33億ユーロの資本不足がある。今年講じた措置では不十分で、補充が必要と判断された。
イタリア財務省は発表文で、「資本不足の未対応部分は今後の市場取引を通じてカバーされ、包括的審査で保証された高度の透明性によってこうした取引が難なく完了することを確信している」との見解を示した。
現時点でも資本不足とECBが認定した13行のうち、ギリシャの2行については修正計画が既に進行中だとして免除となった。ポルトガルでは、コメルシアル・ポルトゲース銀行が11億5000万ユーロの資本不足と判断された。ただ、同行は26日の発表文で不足分をカバーできる十分な資本を今年調達していると説明した。
原題:ECB Fails 25 Banks in Test as Capital Hole Lurks in Italy(1)(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:フランクフルト Jeff Black jblack25@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Craig Stirling cstirling1@bloomberg.netPatrick Henry, 麗英二
更新日時: 2014/10/27 07:55 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NE1V406K50XU01.html

欧州銀行株、27日上昇見通し−ECB審査信頼できると専門家 

  10月26日(ブルームバーグ):週明け27日の株式市場では欧州地域の銀行株と債券が大幅に上昇する可能性がある。欧州中央銀行(ECB)はユーロ圏の主要銀行を対象とした包括審査で、大部分の銀行が健全な状態にあると判断。アナリストも審査結果を信頼している。
JPモルガン・チェースのキアン・アボホセイン氏(ロンドン勤務)らアナリストは、「リスクのある資産について市場が懸念を抱いていた銀行を中心に、われわれは好ましい反応を予想している」と指摘した。電子メールでリポートを送付した。
ECBはユーロ圏の130銀行を対象にバランスシートの査定と経済的圧力に対する耐久力についての審査を行い、25行が不合格となった。大手はいずれも健全と判断された。フランスとドイツ、スペインで増資が必要と判断された金融機関はなかった。
JPモルガンによれば、ドイツ大手銀のドイツ銀行 とコメルツ銀行 、スペインのバンコ・ポプラール・エスパニョール 、オーストリアのエルステ・グループ・バンク の株価は上昇する見通し。同社のアナリストらはリポートで、イタリアのモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ 銀行とコメルシアル・ポルトゲース銀行(BCP )の審査結果に投資家は「逆に負の驚き」を感じるだろうと指摘した。
21億ユーロ(約2900億円)の資金不足と判断されたイタリア3位の銀行モンテ・パスキは、資本増強に向けてあらゆる戦略的選択肢を検討するため助言役を採用。BCPは11億4000万ユーロの不足とされたが、大半を穴埋めしたとしている。
シティグループのアナリストらは26日に電子メールで配布した資料で、ギリシャとドイツの銀行に「市場が高得点を与える」可能性があるとの見方を示した。
原題:European Banks Seen Gaining as Analysts Say ECB TestsCredible(抜粋)
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記事についてのエディターへの問い合わせ先:Elisa Martinuzzi emartinuzzi@bloomberg.netCindy Roberts, Frank Connelly
更新日時: 2014/10/27 08:43 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NE2JI66JTSEC01.html

コラム:FRB議長が格差拡大を警告、利上げシナリオに修正も
2014年 10月 24日 12:27 JST
田巻 一彦

[東京 24日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長が、米国で進行している所得格差に強い警鐘を鳴らしている。その背後には、格差拡大が中間層を没落させ、米経済の活力を奪うとの分析がありそうだ。短期的には賃金上昇を阻み、米利上げを先送りさせる作用として働くだろう。

米利上げとドル高を前提にしたシナリオは、大幅な修正を迫られる可能性がある。

<格差拡大は賃金上昇頭打ちに波及>

イエレン議長は今月17日の講演で、所得や富の格差拡大について、非常に憂慮しているとの見解を示した。

具体的には過去数十年にわたって「富裕層の所得や富が著しく増大する一方、大半の所得層では生活水準が低迷している状態と言える。このことは明白だ」「米国民が伝統的に重きを置いてきた機会の均等に照らして、どうなのかと問うことが適切だ」と述べた。

FRBが9月に公表した調査によると、米国の所得格差は金融危機で拡大し、富は上位3%の富裕者に集中しているという。

イエレン議長は、ここまでしか具体的に指摘しなかったが、上位数パーセントの富裕者がより金持ちになるということは、20世紀以降の米国繁栄の原動力だった「中間層」が没落の道を歩んでいるということでもある。

分厚い中間層が、米経済や社会の活力の源泉だった。だが、エンジンが止まりかけている。イエレン議長は、その点にも言及し、最近の米国では起業が難しくなっており、実際にビジネスに参入しても、大半は数年で撤退を余儀なくされているとも指摘。こうした点が、米経済での成功を難しくさせている面があるとの見方を示した。

格差の拡大は、最近の賃金上昇伸び悩みにも、影響していると指摘したい。米労働省が発表している賃金は、このところ失業率が低下しているにもかかわらず、横ばい傾向を鮮明にしている。

かつてのように中間層が健在であれば、失業率の低下とともに時間当たり賃金が上がり出し、個人消費の目立った増加へとつながっていったはずだ。

言い換えれば、格差の拡大と中間層のやせ細りが、米金融政策にも大きな影を落としているということだろう。

<FRB高官から相次ぐハト派的発言>

実際、米サンフランシスコ地区連銀のウイリアムズ総裁は14日、インフレがFRBの予想を著しく下回るようなら、新たな資産買い入れの可能性も排除しないと、QE4を連想させる発言を行った。

米シカゴ地区連銀のエバンズ総裁は13日、2016年初旬まで利上げするべきではないと発言。米セントルイス地区連銀のブラード総裁は16日、インフレ期待の低下を踏まえ、資産買い入れ(QE)縮小停止の可能性に言及した。

いずれの発言も、過去に経験してきた景気回復局面における物価の上昇テンポと、直近の米国の状況にかい離がある点に注目。インフレ率やインフレ期待の低迷が継続するなら、急いで利上げせず、QE縮小も決められた通りに進めると決めつけるべきでないとの見解だ。

これらFRB高官の発言と、冒頭で紹介したイエレン議長の「格差警戒」の発言は、つながっていると見るべきだ。

FEDウオッチに定評のあるエコノミストの斎藤満氏は、所得上位数パーセントに富が集中するトレンドが継続すれば、米経済の消費エンジンは着実に弱まっていくと指摘する。「所得が高額になればなるほど消費性向は低下する。高額所得者ほど消費から投資へシフトするので、集中が高まるほど消費押し上げ効果が減殺される」と指摘する。

<米利上げ先送りなら、ドル高シナリオに修正圧力>

米市場では、着実に米利上げの時期をめぐる予想が後ずれしているようだ。元財務官で国際協力銀行の渡辺博史総裁は、利上げの時期について「2015年後半か16年など1年以上先になるというのが、米国の多くの見方だ」と22日のロイターとのインタビューで指摘した。

日米金融政策の方向性の違いに着目し、ドル/円JPY=EBSが115円程度まで上がるとのシナリオが、東京市場では今でも一部で持てはやされているが、果たしてその賞味期限はどうなのか。

米利上げを見込んだ短期的なドル高シナリオは、どこかの段階で修正を余儀なくされるだろうと予測する。

米金融政策に限らず、過去の経験を100%当てはめて未来を予測するのは、かなりリスクが高そうだ。日本経済に関しても、供給制約と潜在成長率の低さという点を考慮せずにいると、成長率や物価などの見通しを誤ってしまう危険性が増大しそうだ。
http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPKCN0ID08320141024


 


日本株上昇、輸出一角や素材、電力高い−好業績確認の建設も 

  10月27日(ブルームバーグ):午前後半の東京株式相場は上昇。好決算を背景にした前週末の米国株続伸、為替の安定が好感され、輸送用機器など輸出関連株の一角、化学や鉄鋼など素材株が高い。通期業績計画を上方修正した東急建設 が急騰するなど建設株も買われ、電力、空運株も堅調だ。
午前10時42分現在のTOPIX は前週末比7.54ポイント(0.6%)高の1249.86、日経平均株価 は70円30銭(0.5%)高の1万5361円94銭。
東洋証券の大塚竜太ストラテジストは、「米国の決算がしっかりしており、米国株の戻りに連れて日本株も上昇している」との認識を示した上で、国内決算も「今のところ順調。国内販売台数で一部ネガティブな報道もあった自動車も、ホンダがしっかりしている」と指摘した。
24日の米国株市場では、クラウド型ソフトウエアとサービスの伸びで7−9月(第1四半期)売上高が市場予想から上振れたマイクロソフトが買われ、S&P500種株価指数 など主要株価3指数が続伸。これまでに決算を発表したS&P500種構成銘柄のほぼ80%が予想を上回る利益で、売上高では61%が予想を上回っている。
企業決算に対する安心感から上げた米国株動向に加え、けさのドル・円相場は1ドル=108円前後と24日の東京株式市場の終値時点107円97銭に比べ安定推移。市場の落ち着きを背景に、週明けの日本株もリスク資産選好の買いが優勢だ。
東証1部33業種は電気・ガス、空運、建設、ゴム製品、海運、陸運、繊維製品、鉄鋼、化学などが幅広く上昇。電力では、東京電力 が上昇している。25日付の日本経済新聞朝刊は、2015年3月期に1250億円程度の単独経常黒字を確保できる見通しと報じた。建設では、東急建が上昇率上位に並ぶ。土木工事での工事採算性の向上などを踏まえ、15年3月期業績計画を上方修正している。一方、鉱業株は軟調。
売買代金上位では、米ワクチン受託製造会社を買収すると27日付の日経新聞朝刊が報じた富士フイルムホールディングスも上げ、KDDI、日本エアーテック、オリエンタルランド、三井物産、ブリヂストン、伊藤忠商事、飛島建設、クボタ、デンソー、大成建設も高い。半面、通期業績計画の据え置きが失望されているファナックが安く、シャープ、タカタ、クラリオンが下落。マッコーリー証券が投資判断を下げたカカクコムも売られている。
記事についての記者への問い合わせ先:東京 竹生悠子 ytakeo2@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Sarah McDonald smcdonald23@bloomberg.net院去信太郎
更新日時: 2014/10/27 10:57 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NE2PZR6K50XX01.html


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