http://www.asyura2.com/14/hasan91/msg/301.html
Tweet |
雑感。中国の住宅価格下落
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52664599.html
2014年10月25日 在野のアナリスト
今週の米株市場は3日も200$以上の上昇をつけるなど、先週までの下落とは打って変わって反発を強めています。欧州も不安定ながらも自律反発局面に入っていますが、キッカケはECBによる社債購入への言及、とみられます。ECBが欧州の景気悪化をうけ、資金供給を本格化する。その期待への買いが市場を下支えします。しかし国債にしろ、社債にしろ、ECBの購入対象は安全な債券であり、逆に市場から安全な投資先が奪われていく。日本でも短期国債のマイナス金利状態に突入しましたが、これは明らかに異常であり、次の大変動を準備しているように見えてしまいます。
安全な資産がなくなれば、リスク投資する。貸付が増える、と見込んでいた中央銀行の思惑は、これまでのところ見事に外れています。欧州金融機関のストレステストの結果に注目も集まりますが、一方で自己資本に規制をかけて、もう一方でリスク投資する、というのは矛盾です。結果、資金の流通量を増やしても景気を浮揚せず、金融市場だけを肥大化させてきました。
ECBが新たに資金供給すれば、FRBによるQE停止後も、資金の量は増え続ける。金融市場も安泰、これが今の市場の理屈です。イスラム国の脅威も、エボラ出血熱への警戒もありながら、今週に切り返せた原因でもあります。また米企業の決算が思いのほか良かった点も、安心感につながったのでしょう。しかしキャタピラ決算など中身はあまり良くなく、世界経済の減速は、着実に米企業も蝕んでいるようです。そして次の危機を引き起こしそうな中国の材料もあります。
中国国家統計局の発表で、9月新築住宅価格指数が、70都市中の69都市で下落しました。未だに1%前後の下落幅は、到底信じられるものではなく、下落が始まってからの数字の安定感からも、操作されたものと推測されます。7-9月期GDPの7.3%も同様に、数字的なものは意味がなく、中国経済の方向性は悪化であり、それは不良債権の増加としていずれ顕在化するのかもしれません。
VIX指数の長期低下が、次の不安を準備しているともされます。危機に鈍感となった市場が、真の危機に気づいたときに市場が大変動を起こす。その周期が正しければ、12月か1月ごろ、VIX指数の急変動が起こり易い、とされます。それは中国経済のクラッシュが引き起こす、と予想していますが、年をまたぐときか、中国で重視される旧正月前か、資金クラッシュが起き易いタイミングを意味するのかもしれません。景気悪化は認めつつ、対策が出てこない中国の実態は、実は借金まみれなのかもしれない。それは官民合わせてのことになれば傷は深くなります。
アジアインフラ投資銀行が、21カ国の参加で基本合意書に署名されました。アジアのインフラ投資は不足する、ともされますが、この仕組みは分かり難く、またフローをどう追うのか? そんな基本的なことすら不明です。没落しつつある中国がつくった金融の仕組み、それが次のクラッシュとどう関係するのか? その辺りを無視して浮かれる市場が、いつ頃織り込んでいくのか? そのタイミングの見極めが肝要なのでしょうね。
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。