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死を招く危ない食品、食の不祥事…“リスク分析システム”は、なぜ機能不全に陥った?(Business Journal)
http://www.asyura2.com/14/hasan91/msg/294.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 10 月 25 日 06:52:25: igsppGRN/E9PQ
 

死を招く危ない食品、食の不祥事…“リスク分析システム”は、なぜ機能不全に陥った?
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20141025-00010002-bjournal-bus_all
Business Journal 10月25日(土)6時0分配信


 昨年社会問題化した関西有名ホテルのレストラン食品偽装、今年初めのアクリフーズ(現マルハニチロ)農薬混入事件、そして7月の中国食肉加工工場で発覚した使用期限切れ鶏肉問題――。この1年間、消費者の食への不安をかき立てる、重大な不祥事件が続いた。
 
 ここで不思議なのは、食品のリスク分析についてはすでに世界共通の考え方が導入されているにもかかわらず、上記のような事件がなぜ立て続けに起こっているのかという点である。安全性確保については、2000年代に世界中を巻き込んだ脳障害で人をも死に至らせるBSE(牛海綿状脳症)問題などの経験に基づいて、世界共通の「リスク分析」【編註1】という考え方が導入され、「農場から食卓まで一貫した対策を行う」という国際的な合意がすでに形成されている。リスク分析とは、どんな食品にも人に危害を加えるリスクがあり、そのリスクを科学的に評価し適切な管理をすれば、健康への悪影響を未然に防ぐことができる、とする考え方であり、次の3つの要素から成る。

・リスク評価:リスクを科学的に評価
・リスク管理:リスクを適切に管理
・リスクコミュニケーション:消費者やメディア、研究者、行政、産業界など関係者の間で、情報や意見を交換すること

 なお、国際的な合意は具体的には、FAO(国連食糧農業機関)とWHO(世界保健機関)の合同による国際食品規格委員会(コーデックス)などで取り決められている。

●リスク分析システムに抜け穴

 日本はこの国際的な合意を基にして、食品安全委員会がリスク評価、厚生労働省と農林水産省、消費者庁などがリスク管理を分担し、そして必要に応じて消費者やメディア、研究者、産業界など関係者がリスクコミュニケーションをしてきたはずである。つまり、食の不祥事件が起こるたびにこのリスク分析システムが作動し、行政は関連法令や制度を修正・整備し、罰則などを強化させ、産業界も企業単独で、あるいは業界ぐるみでそれぞれの安全確保システムをチェックし、自主規制を強化するようになっている。

 ところが、過去の苦い経験を忘れかけた頃、類似パターンの食の不祥事件が、それも手を替え品を替えて一気に再現される。消費者は既視感にとらわれ、またかとうんざりしながら、そのたびになすすべもなく再び食の不安のるつぼへと投げ込まれてしまう。
 
 なぜ国際的な合意によるリスク分析システムが、機能不全に陥っているのか。少なくとも、リスク分析システムが社会全体をカバーし切れず、システムのどこかに抜け穴があることを示しているのではないか。

 ●おおむね安心して食べるには…

 私たちは何としてでも、その抜け穴を探り当てる必要がある。食の不安を抱えながら、危ない食品を食べ続けるわけにはいかないからだ。ここで、改めて「食べること」の意味を再確認しておきたい。

 こんな話がある。月面着陸を目指すアポロ計画(1961年)の際、米国航空宇宙局(NASA)は宇宙飛行士の食事のためにチューブ式の完全栄養食品を開発し、それによって宇宙飛行士は無事帰還。チューブ式は「米国栄養学の勝利」と称賛されたが、肝心の宇宙飛行士たちはチューブ式の食事ではストレスになると訴え、結局、その研究は頓挫したそうだ【編注2】。

 一方、80年代半ば、日本の文部省の特定研究【編注3】で、食品の機能性が世界で初めて明らかにされた。食品には、生存に必要なビタミンやミネラルなどの栄養補給機能だけでなく、おいしさを味わう感覚機能があるという。チューブ式には感覚機能の代わりに、ストレス蓄積のマイナス機能がある。噛んで飲み込んでおいしさを味わってこそ、ストレスも解消され、明日への活力も湧く。

 危ない食品では栄養もおいしさも損なわれがちで、病どころか、時に死を招く。つまり、これは毒物に近い。本連載では順次「危ない食品の正体と多様性」や「戦後日本と危ない食品の深い関係」「なぜ食品は工業製品並みに品質管理ができないのか」などのテーマに迫る。その最終的な目標は、おおむね安心して食べられる日本人の食の状況を築く、そのための道筋を探ることにある。

【編注1】中島隆・内閣府食品安全委員会事務局次長「食肉の生食による食中毒のリスクについて」(11年8月23日、「食の安全フォーラムinとやま」ネット掲載)などを参考。

【編注2】中村丁次・神奈川県立保健福祉大学学長「時代とともに変化する日本の『栄養』」(『ヘルシスト』ヤクルト本社、11年5月10日)

【編注3】文部省の特定研究(藤巻正夫代表「食品機能の系統的解析と展開」1984〜86年)

石堂徹生/農業・食品ジャーナリスト


 

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コメント
 
01. 2014年10月28日 07:09:37 : jXbiWWJBCA
中国食材」が日本産より安全かもしれない理由
[橘玲の日々刻々]
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 日本マクドナルドが170億円の赤字に転落したことを発表しました。その要因はいうまでもなく、期限切れの鶏肉を出荷していた上海の食材卸会社と取引があったことです。この問題が大きく報じられたことで中国からの輸入食材に対する不安が再燃し、来店客数が大きく減少したとのことです。

 ところで日本では、「中国産食材=汚染・危険」と誰もが思っていますが、意外なことに専門家のなかでは「国産より中国産が安全」との声も聞かれます。いったいどういうことでしょうか。

 まず前提として、中国が食の安全に大きな問題を抱えていることは間違いありません。粉ミルクにメラミンが混入し乳児が腎臓結石になった事件以来、北京や上海などの都市部では中国産の乳製品をいっさい信用しない消費者が激増しました。それ以外でも春雨に漂白剤を使ったり、酒にメチルアルコールを入れたり、下水道の汚水から食用油をつくったり、違法行為は枚挙にいとまがありません。また長江以南の農地は工場排水などによる重金属類の汚染が深刻で、基準値を上回るカドミウムが含まれた汚染米が大きな社会問題になりました。

次のページ>> 中国産が国産よりも安全かもしれない理由とは?

 それではなぜ、中国産の食材が安全なのでしょうか。それは、日本の消費者が不安を抱けば抱くほど行政の輸入食品への規制が厳しくなり、食材の輸入・販売業者が安全確保に躍起になるからです。

 冷凍餃子に劇薬が混入していた事件では、輸入元のJTフーズや販売した生協も深刻な打撃を被りました。それにもかかわらず中国からの輸入食材に頼らざるを得ないとしたら、二度と同じような事故を起こさないよう衛生管理を徹底するしかありません。

 冷凍餃子事件の起きた2008年1月までの1年間で、日本では1292件の食中毒事件が起きていますが、このうち中国産食品が原因とされたのは冷凍餃子による3件だけで、他はすべて日本国内に原因がありました。

 厚労省の「輸入食品監視統計」を見ても、中国産は輸入量(検査数量)が多いので違反数量はトップですが、違反割合は0.22%で平均を下回り、アメリカからの輸入食材(0.81%)の約4分の1です(平成24年度)。また厚労省が国産品と輸入品の残留農薬を検査したところ、国産品(0.34%)の方が輸入品(0.21%)より基準値を超える農薬が検出される割合が高かったというデータもあります(2003年)。中国産の残留農薬は輸入品の平均より低いのですから、これでは学校給食から追放すべきは国産やアメリカ産の食材で、子どもには中国産の食材を食べさせるべきだ、ということになってしまいます。

 農業の専門家のあいだでは、乾燥した気候で冬が寒い山東省は無農薬・減農薬の野菜を栽培する適地で、手間のかかる農法は労働力が豊富で労賃の安い中国でなければ成り立たないというのが常識です。それに対して国内の都市部の菜園などは、無農薬栽培をしても土壌自体が汚染されている可能性があり、輸入食材とちがって残留農薬の検査もないため「かえって危険」なのです。

 もっとも、こうした事実をいくら列挙しても、「中国産=危険」「国産=安全」というステレオタイプが覆ることはないでしょう。だとしたら賢い消費者は、偏見のお陰で安く売られている「安全な」中国産食材を使って美味しい食事を楽しめばいいのです。

参考:丸川 知雄『「中国なし」で生活できるか』
『週刊プレイボーイ』2014年10月20日発売号に掲載

作家。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。「新世紀の資本論」と評された『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)が30万部の大ベストセラーに。著書に『日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル』(以上ダイヤモンド社)などがある。
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