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コラム:世界が警戒する消費増税「断行」リスク=村上尚己氏(ロイター)
http://www.asyura2.com/14/hasan91/msg/288.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 10 月 24 日 21:00:05: igsppGRN/E9PQ
 

コラム:世界が警戒する消費増税「断行」リスク=村上尚己氏
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0ID0PZ20141024
2014年 10月 24日 19:14 JST


村上尚己 アライアンス・バーンスタイン マーケット・ストラテジスト

[東京 24日] - 安倍政権は2015年10月の消費増税について、12月に判断をする予定である。8月のコラムでも述べたが、今年の日本株は年初来、米国や新興国市場のパフォーマンスを下回り、日々の上昇・下落を海外株市場に左右されている状況だ。

4月の消費増税によって景気回復が止まり、今年度の成長率はほぼゼロになりそうな経済環境の下で、企業業績が事前の増益見通しを達成できるかは、海外経済とドル円次第。そう考えると、日本株市場の現在のような状況も仕方がないと言えよう。

今月19日には、日本株市場の命運を握るであろう消費再増税判断について、英フィナンシャル・タイムズ(FT)に安倍首相へのインタビュー記事が掲載され、その後、一部メディアが「安倍首相、消費増税の延期示唆」とのベッドラインで引用し伝え、話題になった。

もっとも、FTは記事のタイトルで、「安倍首相が景気と増税のバランスをとる」というこれまでの見解を繰り返し述べているに過ぎない。この記事の冒頭で、「安倍首相が消費増税先送りを示唆した」と、記者の主観で解説されているのが実情だ。

記事を読む限り、安倍首相の発言は「デフレを終わらせるチャンスで、この機会を逃してはならない」とこれまでと同じ見解が示されているだけである。これだけで、「消費増税先送り示唆」と報じるのは無理があるように思えるが、こうした記事がFTに掲載されたことについては、2通りの解釈ができると考える。

一つは、書き手側がこれまでの安倍首相の考えを十分に理解しておらず、従来と同じ発言なのに、増税先送りに前向きになったと誤解した可能性だ。

日本では、ほとんどのメディアを通じて、消費増税は「規定路線」であり「常識」であるかのような主張が大多数である。筆者は経済学的には疑問に感じるが、「増税不可避」が日本のメディア一体となったキャンペーンになっていると思っている。そうした異常な状況が日常となった記者からすると、安倍首相の発言が予想外に聞こえたので「増税先送り示唆」と、解釈されたという可能性である。

もう一つは、そうした解説が報じられるようなニュアンスで、安倍首相が発言した、あるいは「増税先送り示唆」という観測記事を、官邸の判断で許容した可能性だ。

昨年の8%への消費増税決定前には、安倍首相のその決断が既成事実であるかのような報道が相次いだ。実際には情報ソースが明らかではなく、増税キャンペーンを繰り広げる中での意図的なリーク情報だったとみられる。今回、海外メディアの独占インタビューを受けたことを踏まえると、昨年の経緯があり、官邸が日本の大手メディアから流れるリーク情報を警戒している可能性がある。

もちろん、海外メディアを通じて、増税先送りの観測記事を流すことで、マーケットの反応を確認したかった意図があったのかもしれない。記事が流れた当日はタイミングが良かったので株価は上昇した。また、主要な通信社を通じてこうした記事が流れても、為替、債券市場はほとんど反応しなかった。

筆者が見聞きする限り、日本で消費増税が先送りとなって、それが金利の大幅上昇などのリスクをもたらすというシナリオについては、国内外の投資家の世界において議論になっていることすら聞いたことがない。

むしろ、日本経済に強く意識されているリスクは、大型増税を早期に始めてしまったことで今年の経済成長率が、現在市場で一番注目されているデフレ危機に直面する欧州と同様に失速しつつあることだ。こうしたグローバルな経済環境で、さらなる消費増税が、アベノミクスの失敗を招き、そして世界経済回復の足を引っ張るリスクについて、警戒感を持たれるのは自然のことである。

<米財務省からの忠告>

この種の問題意識は、投資家の世界だけではなく、米財務省にも共有されている。日本のメディアでは詳細に報道されているのを筆者は見たことがないが、今月15日に公表された米財務省為替報告書では日本経済は次のように言及されている。「内需拡大を持続させるには、インフレ率を超えた賃上げ主導による継続的なビジネス・住宅投資・家計消費の拡大が必要不可欠である。この観点から、日本は財政再建のペースを慎重に調整すべきである」。

2012年に欧州危機が深刻化した時に、欧州諸国が緊縮財政ペースを和らげるよう米国などは主張したが、同様に今の日本は緊縮財政政策を慎重に行うべき、と忠告されているのである。5%への消費増税後に起きた1990年代後半の経済停滞期に、日本政府は米国から財政政策を通じた景気刺激策の強い要請を受けたことがあったが、当時を思い出している投資家も多いだろう。

消費増税で経済成長率が大きく減速し、秋口になっても景気回復がほとんど観察されない状況を素直に踏まえれば、再増税に踏み切るリスクは極めて高いのではないだろうか。そして、世界中の投資家や当局は警戒して見ている。こうした中で、大型増税を敢行して緊縮財政政策によって国内需要をさらに抑制することになれば、世界中の投資家が日本市場やアベノミクスに「諦め」を抱いても不思議ではない。

*村上尚己氏は、米大手運用会社アライアンス・バーンスタインのマーケット・ストラテジスト。1994年第一生命保険入社、BNPパリバ、ゴールドマン・サックス、マネックス証券などを経て、2014年5月より現職。


 

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