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“熱い”スーパー銭湯業界、あの人気店の秘密とは?多彩な日替わりサービス、法人客開拓…
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20141023-00010003-bjournal-bus_all
Business Journal 10月23日(木)6時0分配信
秋が深まってくると、ゆっくり湯船に浸かる時間が楽しみな人も多いかもしれない。
あらためていうまでもなく、日本人は風呂好きだ。家庭に浴室が整備されるのに伴い、昔ながらの銭湯(公衆浴場)の数は減ったが、全国各地にスーパー銭湯と呼ばれる施設も次々にでき、「安・近・短」で楽しめる娯楽として親しまれている。
公衆浴場は、法律や条例において「普通公衆浴場」と「その他の公衆浴場」に分けられる。前者は一般公衆浴場とも呼ばれ、条例などにより物価統制を受けて入浴料金が定められるのが特徴で、主に銭湯や公営の公衆浴場が当てはまる。これに対し、スーパー銭湯や健康ランド、サウナ風呂などは後者に区分される。スーパー銭湯と健康ランドに明確な違いはないが、貸し館内着があり、ショーも楽しめる施設が多い健康ランドに比べて、スーパー銭湯は入浴設備が中心だ。
入浴料は施設によって異なるが、銭湯が300〜400円台なのに対して、スーパー銭湯は600〜800円台が多い。なかには岩盤浴や休憩スペースなど設備を充実させ、入浴料が2000円を超えるような高級店もある。高級店と大衆店は、設備だけでなく備品も異なる。1000円でお釣りがくる施設は、銭湯と同じようにタオルは自分で持参するのが一般的となっているが、高級店は手ぶらで訪れても備品が充実しているので困ることがない。
●スーパー銭湯最大手の取り組み
さて、スーパー銭湯の業界で最大手は極楽湯だ。前身の会社が1996年から施設を運営しており、2014年10月現在、国内は北海道札幌市から宮崎県宮崎市まで、海外では中国・上海に、直営店とフランチャイズ店を合わせて39店舗を構える。ジャスダック上場企業で、前期の売上高は100億円を超えている。
今回は、そんな極楽湯の人気の秘密を探ってみよう。東京都多摩市にある「極楽湯・多摩センター店」に、平日午後の木曜日と金曜日に2度足を運んだ。
展開する施設によって違いはあるが、多摩センター店の特徴は地下1500mから汲み上げた天然温泉で、泉質はナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉だ。温浴施設は自然の湯(天然温泉)やタワーサウナ、ジェットバス、電気風呂など6〜7種類、露天にも岩風呂、檜風呂など3種類ある。
平日午後は高齢層が多いが、若い世代もいたので話を聞いてみた。
「学校の帰りに時々寄ります。いろんなお風呂が楽しめるので、リラックスできます」(大学生)
「仕事の休みは平日なので、思い立った時に来ます。住まいは沿線で少し遠いのですが、もっぱら浴香蒸風呂を目当てに来ています。いろんな施設に行きましたが、これだけ温度の高いものは珍しい」(小売業の会社員)
この会社員が好きな浴香蒸風呂は、天然ハーブを用いており、中に入ると蒸気が充満して一瞬、視界が見えなくなる。「慣れない方は熱くて、すぐに退出されますよ」と笑っていた。
ほかに人気があるのは、露天のつぼ押し湯(寝湯)で、5人収容できる広さがある。休日は込み合うようで「交代でお使いください」と表示されていた。
サウナもイメージしていたよりも広く、ざっと数えて30人ほど収容できる。大きな壁時計は10分計時のアナログ画面で、よくある砂時計や小型時計よりもわかりやすい。
別の日に足を運んだ時は、常連客同士で談笑していたが、両日ともに1人で楽しんでいるお客が多い。行った限りでは木曜日よりも金曜日のほうが若い世代の割合が多かった。
ちなみに入館料は、大人で平日860円(会員750円)、土日祝日1000円(同900円)だが、フロントにはクーポンが置いてあり、割引価格でリピートできるようになっている。時期によって割引価格は異なるが、今回置いてあったのは、一般価格で平日550円、土日祝600円となるクーポンだった。
●リピーターと法人客の獲得を狙う
極楽湯のコンセプトは、同社によれば「健康」「癒し」「心からのおもてなし」で、「子供からお年寄りまで三世代が楽しめる施設を目指している」という。そのため、来場客を楽しませる工夫を随所に凝らす。
例えば、多摩センター店の館内には、1000円カットの理容室や、整体、足つぼ、韓国式あかすりのほかにゲームコーナーもある。休憩場所には新聞や雑誌も揃えてあり、特に女性誌は充実している。
また、家族連れが多い土日祝日には、巨大プラレールを運行したり、「お子様紙芝居」「お子様じゃんけん会」といった子供向けイベントも開催される。
温浴施設にも工夫を凝らしている。10月には女性客向けに期日限定の「バラ風呂」を実施している。ほかにも毎週木曜日は「生薬漢方デイ」として生薬を入れた風呂を提供している。それだけではなく、定期的に「メンズデイ」「レディースデイ」として入館料を割り引く日もある。いずれもキーワードは「日替わりサービス」だ。
飲食メニューについても、同社が「居酒屋に匹敵する」と自信を見せるほど充実しており、日替わりランチなどの食事をはじめ、入浴後のビールも人気となっている。
意外に人気なのは、フロント横にある野菜や果物の販売だ。にんじん(100円)、小松菜(90円)、バナナ(100円)などで、千葉県産や新潟県産もあり、特に地元の品ではないようだが、フロントスタッフに聞くと「その日によって品物は変わり、新鮮さが人気」だと言う。
このように施設内は充実しているのだが、極楽湯のユニークなところは、むしろ営業活動にこそある。各店舗の店長や店長代理は、近隣の会社を訪問して「宴会プラン」の利用を勧めるなど、法人客の獲得にも力を入れているのだ。
最近は、国内のビジネスホテルなどでも大浴場を設置するところが増えており、充実した入浴施設はビジネスパーソンの人気が高い。そう考えると、入浴+宴会の組み合わせは、「安・近・短」の福利厚生としても興味深い。
こうして見てくると、スーパー銭湯も、いかにリピーターを多く獲得するかが成功のカギのようだ。極楽湯も割安な回数券を販売したり、イベントカレンダーのチラシ、割引券クーポンを置くなど、リピーター確保に余念がない。携帯メールでもクーポンは配信するが、来場客に高齢者が多いのでチラシは効果的だろう。
「また来たい」と思わせるためにも、さまざまな日替わりサービスが欠かせないようだ。
高井尚之/経済ジャーナリスト
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