04. 2014年10月22日 19:55:49
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揺り戻す海外景況感、日本株はボラタイルな展開続く 2014年 10月 22日 18:31 JST [東京 22日 ロイター] - マーケットは、過度な悲観の修正段階に入ったようだ。株価急落局面で欧州を含めた世界経済が減速し、堅調な米国経済さえ圧迫するとの懸念が強まったが、米国や中国の経済指標は依然として景気の底堅さを示しているとの認識が広がった。ただ、日本経済は内需が弱く外需依存度を強めており、株価もこうした海外景況感の振れに大きく揺れている。<米中の経済指標は底堅く> 株価急落時に売り材料として強く意識されたのは、景気後退色まで出てきた欧州を初めとする世界経済の減速だ。その結果、堅調な米経済も圧迫されるという懸念が浮上した。 しかし、足元で発表された経済指標をみる限り、米経済は依然として堅調。欧州経済の鈍化が米経済に及んでいるという明確なデータはみられない。 9月米中古住宅販売は、前月比2.4%増の年率517万戸と、昨年9月以来1年ぶりの高水準となり、市場予想の510万戸も上回った。米小売売上高は例外的に悪かったが、10月米ミシガン大消費者信頼感指数など市場センチメントは依然として堅調なまだ。 中国経済も7─9月期国内総生産(GDP)など前日発表された経済指標は、決して悪くなかった。21日に日経平均.N225が300円超の下げとなった理由として、中国経済の不透明さを挙げる声もあったが、海外市場ではほとんどネガティブ視されなかった。「投機的な日本株先物売りの後付け的な理由にされただけ」(国内証券)という。 SMBC日興証券・投資情報室中国担当の白岩千幸氏は、中国経済について「床面積でみた住宅販売のマイナス幅が縮小。政府は景気減速を受けて、住宅購入促進策やインフラ投資の積み増し、金融緩和など景気下支え策を強化している。発電量も8月は冷夏の影響で減少したが、9月にはプラスに転じた」と指摘。緩やかながら底堅い成長を続けるとみている。 <「恐怖指数」が低下> 欧州経済も、ドイツなどは厳しいが、ユーロ安が進んだために、景気を支えるとみられるほか、来年には緊縮財政が今年よりもさらに緩やかになる。ユーロ圏全体の経常収支は黒字化しており、欧州金融危機時のように、すぐに資金不足に困る状況ではない。 欧州経済が今後さらに下振れれば、米経済を下押しするとの懸念は消えていないが、「欧州の景気が減速しても、米GDPを0.1%ポイント程度押し下げる程度だ。影響は大きくない」(外資系投信エコノミスト)との指摘もある。株価急落が一服したことで、マーケットも一時の悲観論が後退している状況だ。 10年米国債利回りは、2.2%台に戻した段階で「安全資産」志向が完全に転換したとは言えない。 ただ、別名「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数.VIXは、16ポイント台まで急速に低下。10月15日に一時31ポイントまでの上昇したものの、足元は株価急落前の水準に戻っている。 <外需依存の日本経済、海外景況感に振れやすく> 日本株が乱高下を繰り返しているのは、国内の長期投資家が乏しいというだけでなく、こうした海外の景況感の不安定な振れの影響を強く受けているためだ。 22日の日経平均.N225は過去3日間で578円高、306円安、391円高と乱高下を繰り返している。変化率では、3.98%、2.03%、2.64%と3日連続して2%を超えた。過去3日間の米ダウ.DJIの変化率は1.63%、0.11%、1.31%といずれも2%以下だ。海外株に比べ、日本株の振れの大きさが目立つ。 JPモルガン・アセット・マネジメント、エコノミストの榊原可人氏は「消費税の影響で内需に期待が持てず、外需次第の状況となっていることで、日本株も海外の景況感の変動に大きく反応している。ただ、企業業績は世界でも数少ない上方修正傾向にある」と指摘。日本株の割安さが再び注目されれば、株価も上向くと予想している。 (伊賀大記 編集:田巻一彦) http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0IB0VH20141022 コラム:貿易収支悪化は円安を加速させるのか=佐々木融氏 2014年 10月 22日 19:41 JST 佐々木融 JPモルガン・チェース銀行 債券為替調査部長 [東京 22日] - 22日に発表された9月の貿易収支(通関ベース)は、市場予想(7800億円の赤字)を大きく上回る9583億円の赤字となった。この結果、今年1―9月の貿易赤字額は10.5兆円に達し、前年同期(7.8兆円の赤字)に比べて35%も増加している。 昨年1年間の貿易赤字は11.5兆円であるから、今年は9月までで、すでにその90%超に達した計算だ。残り3カ月の貿易赤字額が前年同月と同じだったと仮定すると、2014年通年の貿易赤字額は14兆円に達し、過去最高を更新することになる。 以前もこのコラムで指摘したことがあるが、日本の貿易収支悪化の主因は、エネルギー輸入の増加ではない。例えば、1―9月の輸入額は前年同期に比べて4.4兆円増加しているが、そのうちエネルギー輸入の増加額は1.0兆円でしかない。 その1.0兆円のうち0.6兆円が液化天然ガスの輸入増加であり、これは確かに原発停止が影響していると考えられるが、それでも輸入量の増加分は0.2兆円程度で、残りの0.4兆円分は円安も含めた輸入価格上昇が影響している。ちなみに、原油は輸入量が前年同期比4.3%も減少しており、0.3兆円分の輸入増加額は全て円安も含めた輸入価格上昇が影響している。 今年に限らず、ここ数年の貿易収支の悪化は、エネルギーの輸入量増加というよりは、アジアからの輸入増加に拠るところが大きくなっており、こうした傾向は足もとでむしろ顕著になってきている。1―9月の輸入額は前年比7.4%の増加となっているが、そのうちアジアからの輸入増加の寄与度は3.6%ポイントと約半分を占める。前述の通り、1―9月の輸入額は前年同期比4.4兆円増加し、そのうちエネルギーの輸入増加額は1.0兆円であったが、アジアからの輸入増加額は2.1兆円である。 また、品目別に1―9月の輸入額の前年同期増加率(7.4%)に対する寄与度をみても、電気機器(1.4%ポイント)、一般機械(1.1%ポイント)、鉄鋼や非鉄金属など原料別製品(1.0%ポイント)の寄与が大きくなっている。2013年中のデータによると、日本はこれらの品目の輸入の7―8割をアジアに頼っている。特に、電気機器の輸入は82%がアジアからとなっており、その中で最大の項目である通信機器は実に93%に達する。 最近、「円の実質実効レートは歴史的な最安値圏にあるが、貿易赤字が拡大している状況では、一段と下げ余地があるのではないか」と問われることがある。確かに、貿易収支の悪化は通貨にとってはネガティブな影響を与えるイメージが強いが、筆者は以下の理由から、貿易収支悪化が円の実質実効レートをさらに押し下げるとは考えていない。 <ドルとポンドの教訓> 一つめの理由は、経常収支はまだ黒字であるということだ。貿易収支は確かに赤字を拡大しているが、所得収支の黒字が大きいこともあって、経常収支はまだかろうじて黒字を維持している。今年は通年では赤字となる可能性もあるが、少なくとも今までのところ、経常収支は2000億円の黒字である。当然以前より黒字額は圧倒的に小さくなっているが、経常収支が全体として円買いなのか円売りなのかと問われれば、依然として円買いなのである。 二つめは、円の実質実効レートが以前、最安値を記録した時との比較である。円の実質実効レートは2007年6月にも現在とほぼ同レベルの史上最安値まで下落した。しかし、この年の貿易収支は11兆円の黒字を記録しており、さらに経常収支の黒字額は24.9兆円と過去最大を記録している。こうした事実に鑑みると、貿易・経常収支の悪化が実質実効レートの円安につながるという考え方にはあまり説得力がないように思える。 三つめは他国との比較である。日本は今までが黒字だったので、貿易収支の赤字がこれだけ急速に拡大すると確かにショックを受けるが、米国の貿易赤字は対国内総生産(GDP)ベースでみると、今でも日本の2倍近くある。前述の通り日本はまだ経常黒字国だが、英国の経常赤字は対GDP比5%近くとかなり大きく、かつ実は悪化傾向にある。それでもドルもポンドも足もとで実質実効レート上は過去最低ではない。 とはいえ、やはり貿易収支が悪化しているのだから、円安になるのではないか、と考えたくなるのは理解できる。ただし、この場合、円安になるのは名目の為替レートだけで、実質実効レートは基本的には平均回帰的な動きを続けるのであって、すでに史上最安値近辺にある現状レベルからさらに円安にはならないと考えている。「重要なのは名目ベースでの為替レートで、実質実効レートが円安にならなくても、あまり関係ないのでは」との声が聞こえてきそうだが、実はこれには重要なインプリケーションがある。 つまり、これだけ実質実効レート上で円安の水準にあるにもかかわらず、何らかの構造的な理由で輸出が増えず、貿易赤字がさらに拡大していくとすると、結果的にインフレ率の上昇につながると考えられる。そして、この結果、インフレ率に沿う形で名目上の円安は進むが、それゆえに、実質実効レートは変化しないことになる。 米国や英国の国際収支が日本に比べて圧倒的に悪いのに、ドルとポンドの実質実効レートが常に弱いわけではないのは、名目上の為替レートが赤字から発生する通貨売りを背景に下落しても、インフレ率もそれなりに高いので実質実効レートの下落につながっていないからだと考えられる。 通貨の基本的な強弱の差を決めるのは、国力・人口や、国際収支が黒字か赤字かではなく、あくまでインフレ率の差である。インフレ率は通貨の価値の変化率であるから、このことは自明の理だ。実質実効レートは平均回帰的な動きをするはずであるから、円は実質的にはこれ以上弱くなるとは考えにくい。名目の為替レートがここからさらに円安になることはあり得るが、それはインフレ率の上昇を伴い、実質実効レート上では変化がない形で発生すると考えられる。 *佐々木融氏は、JPモルガン・チェース銀行の債券為替調査部長で、マネジング・ディレクター。1992年上智大学卒業後、日本銀行入行。調査統計局、国際局為替課、ニューヨーク事務所などを経て、2003年4月にJPモルガン・チェース銀行に入行。著書に「インフレで私たちの収入は本当に増えるのか?」「弱い日本の強い円」など。 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0IB0YH20141022 円安進行、急激でなければ介入しない=渡辺JBIC総裁 2014年 10月 22日 19:37 JST [東京 22日 ロイター] - 国際協力銀行の渡辺博史総裁(元財務官)は22日、ロイターとのインタビューに応じ、為替相場は当面、ドル/円104─105円前後を中心とした範囲で推移する可能性が大きいとし、政策対応が必要な状況ではないとの見解を示した。
もっとも日本企業の損益分岐点となる為替レートが、120円程度と想定されていた時期と比べ円高方向に振れた可能性はあると指摘。1日で5円など急激な変動が生じれば、円買い介入に踏み切ればよいと強調した。 米利上げは今月末に予定されている資産買い入れ終了後、1年程度先というのが米国の中心的な見方と指摘。欧州中央銀行(ECB)はドイツが抵抗しつつも量的緩和方向に進むが、日銀は「みなさん(市場・メディア)や産業界が何を言おうと、黒田東彦総裁は政策の現状維持を続ける」との見通しを示した。 <ドル/円の中心水準は104─105円にシフト> 渡辺総裁は為替・株式市場について、しばらく動きの少ない時期が続いたため、「材料に大きく反応しやすくなっている」と指摘した。100─101円のレンジで推移していたドル/円が5円以上円安に振れたのも、やや急激で、110円を突破し「112円、113円と円安が進めば財務省が対応を考えた可能性はある」とした。 もっとも現時点では、日米の金融政策の方向性の違いで、ドル/円の中心水準が100─101円から104─105円にシフトしたとの見方。急激な変動には「円買い介入の権限はある」としつつ、「特定の水準を目指した介入はありえない」との見解を示した。 <漆器業界の苦境、円安によるコスト増の象徴> 9月初旬、渡辺総裁が「さらなる円安はマイナス」と発言し、直後に同じ財務官出身の黒田・日銀総裁が「さらなる円安は日本経済にプラス」と述べ、「黒田・渡辺論争」と注目された。 渡辺総裁は「黒田さんはマクロをみており、私は個別産業界の声を伝えただけ」と説明した。円安が中堅中小企業のコスト増要因となっている象徴として、歴史的な日本の輸出品である漆器(英語名Japan)業界が、中国産漆のドル建て輸入コストの上昇で苦境にある点を挙げた。 また、「部品を輸入品に切り替えた中堅・中小企業などは、円安で最終製品の競争力は上がってもコスト増につながっている」とし、損益分岐点が、120円程度とされた従来よりも円高方向にシフトした可能性があると指摘した。もっとも、具体的な水準についてはコメントしなかった。 <米利上げ、2016年まで後ずれも> ドル/円を左右する米国の金融政策について、「資産買い入れは予定通り今月末で終わる」との見方を示したが、「利上げは2015年後半か16年など1年以上先になるというのが米国の多くの見方」と指摘した。米国内の賃金上昇ペースが緩慢なことや、欧州経済の回復遅れで、米国の出口政策のペースを遅らせるとの見方だ。 欧州経済は、ウクライナ問題の影響というよりも様々な構造的な調整の遅れから回復が遅れていると指摘。ECBは量的緩和に踏み切らざるを得ないが、ドイツの抵抗からスタートが遅れ、欧州経済の回復の遅れにつながると指摘した。 <黒田日銀1.5%ならオントラック、QE2は効かない> 日銀については当面政策の現状維持を続けるという見方。黒田総裁をよく知る渡辺氏の感触としては、「2015年末に消費者物価指数の前年比1.5%程度に上昇していれば、黒田総裁は想定通りとみるだろう」と指摘した。 市場では現行の量的・質的緩和(QQE)開始から2年後となる来年4月までに、日銀が2%の物価目標達成のため、追加緩和に踏み切るとの期待と観測が根強いが、「1%をある程度上回っていればオントラックと彼は思うだろう」と述べた。 また「冷静に考えればリーマンショック後の米金融緩和もQE1(量的緩和第1弾)がもっとも実体経済と株価に効き、QE2、QE3と順次効果が少なくなった」とし、日銀が追加緩和に踏み切っても効果は限定的なものにとどまるとの見解を強調した。 (竹本能文 木原麗花) http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0IB13C20141022 経済や雇用支援へ柔軟な財政政策を実施へ=APEC共同声明 2014年 10月 22日 18:31 JST [北京 22日 ロイター] - 北京で開かれていたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)財務相会合はグローバル経済と雇用創出を支援するため、柔軟な財政政策を実施するとの共同声明を採択した。
新たな成長要因を生み出すために構造改革を進めるほか、「最近の経済情勢を考慮し、引き続き柔軟な財政政策を実施している」とした。 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0IB0W320141022 |