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世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第97回 IMFとOECDが警鐘鳴らす問題点()
http://www.asyura2.com/14/hasan91/msg/248.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 10 月 22 日 15:36:31: igsppGRN/E9PQ
 

世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第97回 IMFとOECDが警鐘鳴らす問題点
http://wjn.jp/article/detail/6090513/
週刊実話  2014年10月30日 特大号


 消費税増税問題が典型だが、現在の日本の経済政策の混迷を理解する際のポイントは、事が我が国のみならず、世界的問題であるという点である。

 日本に限らず、世界の主要国の多くは物価上昇率が低迷している状況で緊縮財政(増税、政府支出削減)を実施し、さらに各種の規制緩和で国内の所得格差、資産格差を拡大しているのだ。

 そして、ついにIMF(国際通貨基金)やOECD(経済協力開発機構)が、世界各国の公共投資削減路線や格差拡大政策について警鐘を鳴らし始めた。

 IMFは先日、世界経済の成長鈍化を懸念し、
 「先進国だけで1兆ドル(約110兆円)の「需要不足」を抱える」
 と、極めて重要な事実を指摘した。
 すなわち、現在の世界経済の問題について、「物価の上昇」ではなく、「需要の不足」であると明言したのである。

 さらに、IMFのクリスティーヌ・ラガルド専務理事は、10月2日にワシントンで講演し、世界経済に対し6兆ドルの公共投資の必要性を提言した。過去に各国で行われた緊縮財政を主導したIMFとしては、驚くべき方向転換である。

 ラガルド専務理事が“何”に政府が投資するべきと提言したかといえば、空港やインターネットを含む「インフラストラクチャー(国民福祉の向上と国民経済の発展に必要な公共施設)」である。

 「現在、多くの国で輸送やエネルギー供給上の障害があり、発展を妨げている。経済成長と雇用のためにも、投資が欠かせない」
 と、専務理事は語ったのだ。

 現在の日本は、港湾整備などで諸外国に大幅な遅れをとり、もはや「生産性向上」「国際競争」という面でも、インフラ大国でも何でもない。公共投資を削減し、国民の生命や安全を危険に晒し、虎の子の供給能力を削り取り、さらに「国際競争」でも敗北している。

 信じがたいかも知れないが、日本に向かう大型コンテナ船は、一度、韓国の釜山に立ち寄り、小型コンテナ船に積み替えている。日本には、大型コンテナ船が停泊できる能力を持つ港がないためだ。

 日本国民、官僚、政治家、学者たちの「公共投資」に対する意味不明な嫌悪感が、結局のところ、日本を壊してきたわけである。

 ラガルド専務理事が「公共投資を増やすべき」と提言している以上、公共投資不足は日本だけの病ではないようだ。

 もっとも、日本ほど公共投資を減らした愚かな国は、主要国には一カ国もないが、いずれにせよIMF出向中の財務官僚ではなく、トップのラガルド専務理事が「公共投資を増やせ」と言っている点は重要だ。

 少子高齢化で生産年齢対総人口比率が下落している我が国にとって、公共投資によるインフラ整備は欠かせない。理由は、生産年齢人口比率が落ちていく以上、生産年齢人口一人当たりの生産性を高めることが必須だからだ。

 日本は生産年齢人口一人当たりの生産を増やし、インフレギャップを埋める必要がある。
 そして、生産性向上のためには、インフラ整備が欠かせない。人間一人が“努力”により生産を増やそうとしたところで、限界がある。

 例えば、運送業で働くドライバーが、A地点からB地点まで8時間かけて、トラックで荷を運んでいたとする。高速道路というインフラが整備されることで、A地点からB地点までの走行時間が2時間に短縮された。すると、ドライバーは残りの6時間を“別の仕事”に充てることが可能になるわけだ。

 別に、ドライバーの数が増えたわけではないにもかかわらず、「トラックで荷を運ぶ」というサービスの生産が増加した。これが、典型的なインフラ整備による生産性向上の効果である。

 日本国内には思考停止に陥った人が少なくなく、
 「人口が減るのだから、これ以上の公共投資は不要だ」
 などと、シンプルに考えがちだ。話はまるで逆で、今後の日本は生産年齢人口が減少するからこそ、生産性向上のための公共投資を拡大しなければならないのである。

 生産性向上を目指した公共投資の拡大は、国民の実質賃金を引き上げ、国内の所得格差、資産格差の縮小に貢献する。日本経済を再び「分厚い中間層を中心とした経済」に導いてくれる可能性が高いのだ。

 10月2日、OECD(経済協力開発機構)が「世界の貧富の格差」を問題視するレポートを出した。OECDによると、世界の富裕層と貧困層の格差の拡大は1820年代と同じ水準にまで悪化しているとのことである。

 筆者が特に問題にしたいのは、格差拡大そのものというよりは、
 「所得格差が開くことで、経済成長が阻害されていないか?」
 という点である。

 アメリカのノーベル経済学者ポール・クルーグマン教授も書いていたが、
 「低所得者層を中間層に引き上げる政策と、経済成長率を高めることは両立する」
 のだ。

 逆に言えば、中間層を低所得層に叩き落とすことで、経済成長率は(少なくとも先進国では)確実に落ちる。

 特に、現在の日本は実質賃金が“絶賛、下落中”であり、国民の多くが中間層から低所得層に移行している。結果的に、国民は消費という内需を拡大させる購買力を失いつつある。

 安定的な経済成長を達成したいならば、この流れを逆転させる政策を打つべきなのだが、現実の安倍晋三政権は「消費税増税(低所得者層の税率が高くなる)」「労働規制の緩和」「外国移民受入」「法人税の無条件減税」「株価至上主義」と、国内の所得格差を拡大する政策を推進している。

 安倍政権の経済政策の多くは、世界の趨勢から見ても“時代遅れ”になりつつあることを、日本国民は理解するべきなのである。

三橋貴明(経済評論家・作家)
1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、わかりやすい経済評論が人気を集めている。


 

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コメント
 
01. 2014年10月22日 16:14:04 : 4duwhmOPC6
 そりゃ違うでしょうね。
 「公共投資」と別に土木建設である必要はありません。
 「ハコモノや公共施設でなく人命優先でヒトに対する維持管理を含めた公共投資」だって立派な「公共事業」です。これで経済を回せば良いだけ。
 「ヒトに対する公共投資」とは「医療、保育、年金、介護」に決まってます。・・・「老朽化した、或いは修理が必要なハコモノや公共施設で無駄に多い分のを老化した或いは医療介護が必要なヒトに振り分ければ良い」と言うだけ。
 現状で無駄なものが多いガタが来た公共施設の「介護医療(修理改修)、年金(費用対効果で意味のない存続保障)」に多額の公費が投じられている。
 それで老後の生存保障(生活、医療、介護の資金)がどう見ても少ないヒトが多いから、消費を控えるため、→ IMFは先日、世界経済の成長鈍化を懸念し、「先進国だけで1兆ドル(約110兆円)の「需要不足」を抱える」
 庶民の生存とかけ離れた公的事業の比率が多いから消費が控えられ経済が回らないのです。
 あげくに不安にかられて貯めたお金をハゲタカにブン取られるケースも多く、それで更におカネが無くなって経済は低迷する事も多かったのではないですか?

02. 2014年10月22日 17:21:45 : nJF6kGWndY

>生産性向上を目指した公共投資の拡大は、国民の実質賃金を引き上げ、国内の所得格差、資産格差の縮小に貢献

ただし、そのような効率的な公共投資が、実際に政府にできたのは、キャッチアップ時代だけで

最近は、既得権者へのムダなバラマキばかりが多いというのが現実だな


03. 2014年10月22日 20:01:34 : 4duwhmOPC6
01です。
2行目を一部訂正。
「公共投資」と別に → 「公共投資」は別に  です。
ところで三橋貴明氏のブログ「新世紀のビッグブラザーへ」を見ると、「無論、公共事業、介護報酬、診療報酬など、政府の支出により需要規模が決定される分野については、「市場」に従い、労務単価を引き上げる政策を採らなければなりません。」 とあるので、全く介護医療などの社会保障による経済効果を無視しているわけでもなさそうです。
ただ土建業に関する公共事業は今のあり方は今一つ疑問ですね。
東日本大震災や伊豆大島の土砂崩れなどを考えると、別に今の状況では土建業がいけないと言っているわけではありません。
津波対策の高台などへの移転費用補助、山崩れ危険エリアの安全な土地への住宅移転費補助などを住宅所有者に行えば、それについてくる形で高台などの造成、住宅新築とついでに耐震、介護型住宅などで土建業も結果的に潤うので別に従来型の公共事業で景気対策にする必要はないでしょう。
多くの国民の所有不動産の実物資産価値を高める事もできるのです。

04. 2014年10月22日 23:59:35 : E7SnLubCIE
アメリカの婆さんの言ってること聞いていたら、また昔の苦い経験が役立たなくなる。箱入りの公共事業は、景気向上には大きく効かないので廃止する、という暗黙の認識が日本ではされているのだが、、、
おかしなババアだわ。
国民の幸福のため、などといっているが、嘘であるな。
何故IMF専務理事が、女性なのだ?
これが、安倍馬鹿政権の、女性活用の流れになったのだろうが、

”雌鶏泣けば国(家)滅ぶ”という東洋には、格言があります。
案の定女性2閣僚、直ぐに潰されました。
アメリカの言うこと、全く信じられなくなってきてる、今までがいままでだから、、、、


05. 2014年10月23日 02:54:50 : QBrYpzDGwo
  公共投資、公共投資って、市中銀行も日銀も、国債をやたら買いこんで政府に資金を流すばっかりなのだから、民間が内部留保300兆円を吐きだすつもりにならない限り、日銀が輪転機を回して作った円が政府に行くだけの、まさに真正社会主義国の体を示しているのであり、従って必然的にそこでの政策は公共投資しかないではないか。
    だが、国内は人手が足らず、復興事業もままならないらしいじゃないか。
    そもそも、更地に成った時にしか、電線の地中化などの街づくり公共事業は不可能であるが、人手が足りなかったり、コストが掛るからやらないというのが理由なのだとすれば、別に公共投資に振り向けていないという訳ではないだろう。
    更地に成った東北に碌に手も掛けずに、軍事関連予算ばかりに注ぎ込もうとしているだけだ。軍拡政策も公共投資の一環だから、ある意味公共投資には予算は充分あてがわれていると思うよ。

06. 2014年10月23日 15:16:59 : 3l8qnLzGMU
今の日本では公共投資を行なっても需要が起きない。

国民の「将来不安」が強いため、仮に所得が増えても貯蓄にまわることになる。国民の将来不安を解消しない限り、内需が増加することはない。

公共投資の原資は国債発行に頼ることになる。そのことが国民の将来不安を一層強めることになる。国民はいつまでも国債の増発が続けられないことを知っている。自己防衛のために可処分所得の多くを貯蓄に回すことになる。

大規模な公共投資は国民の将来不安を一層強め、内需を冷え込ませることにつながるだけである。


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