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注目の外部招聘経営者、なぜ“難しい”?改革を阻む複雑な事情 好業績企業ほど必要?(Business Journal)
http://www.asyura2.com/14/hasan91/msg/240.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 10 月 22 日 07:40:25: igsppGRN/E9PQ
 

注目の外部招聘経営者、なぜ“難しい”?改革を阻む複雑な事情 好業績企業ほど必要?
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20141022-00010006-bjournal-bus_all
Business Journal 10月22日(水)6時0分配信


 最近たまたま目に留まったので、有名コンサルティング会社が1980年代後半に出した企業戦略に関する書籍を読み返してみました。当時はまだ図表が手書きだったりしますが、書かれている企業が抱える課題について、その内容の本質は現在とあまり変わってないことが興味深かったです。

 外部招聘された経営者が機能するかどうかについて、前回連載記事では業績悪化に伴う「危機状態」に陥っている企業の場合について整理しました。今回はそうではない安定的かつ健全な企業の場合について考えていきます。危機から脱却しようという企業と現在すでに儲かっている企業においては、様相が異なります。

 業績好調な企業において、上場前から最大株式割合を継続して保有する権力者、例えばオーナーがなんらかの目的を持って外部から経営者を招聘する場合、オーナーと新しい経営者の間でミッションを共有し、どこまで新経営者が権限を委ねられているのかを明確に定めておく必要があります。理想的な実例として、2011年にLIXILグループ社長に就任した藤森義明氏(元米GE副社長)と最大の主要株主である潮田洋一郎会長の関係がメディアなどでよく取り上げられますが、共有するミッションも可能な限り具体的であったほうが良いです。例えば「いま海外の売上比率が30%だが、3年以内に50%にしたい」などです。逆にダメな例としては「会社の体質、社員の気質を変える」などあいまいな内容です。

●育ててきた自負があるがゆえの……

 オーナー社長にとって最大のハードルは、本当に身を引くことにあります。口頭や書面でどんなに約束しても、人間同士ですから時間がたてば気持ちがどう変わってくるかはわかりません。特に創業したオーナー社長やその一族においては、変わる可能性が高いです。一度取り交わした約束でも、時と場合によっては覆すくらいの情熱やパワーがなければ、会社を創って育てていけないという側面もあるのかもしれません。

 安定した企業において短期の業績だけを考えてしまえば、内部昇格でも外部招聘者でも、誰がトップに座ってもそれほど結果は変わりません。それゆえ、わざわざ外部招聘する経営者への期待の軸としては、将来への仕込みや、変革させて一段違う内容の業績を出すこととなりますが、結果が出るまでには必然的に時間がかかります。解決しなければいけない課題は内部要因だけではなく外部要因も関わりますし、社員を統率するのに時間がかかってしまうからです。

 外部から経営者を招聘した場合、この時間をオーナーが粘り強く待てるかといえば、なかなか難しく、当然ながら社内からは反発が出てきます。反目する古参社員から新経営者に対するネガティブな評判が入ったりすると、自分の決断が正しかったのかと、やや気持ちが揺らいでしまったりもします。また、その理由が年齢的なものであろうと不可抗力的なものであろうと、オーナーにしてみれば自分や一族が成し得なかったことを他人が達成するのを目の当たりにすると、複雑な心境がもたげてくることもあるようです。

 例えば、8月2日付「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社)記事は、サンリオ創業オーナー社長が次期社長に見据えていた長男の副社長が急逝し、ライセンス事業へのシフトによって危機を乗り越えた実績のある常務が社長になることが順当であるものの、やはりオーナーは親族に継がせたいと思い始めたという内側を紹介しています。真相は定かではありませんが、経営者として、人間として揺れ動く模様を象徴しているように思えます。

 著者もかつて、求人内容のミッションに「リストラの完遂ができる人材」と記載された外部経営者募集の最終選考まで残ったことがありましたが、最後にオーナー社長が「この人間が来たら、本当にリストラをきっちりやってしまう。それはしのびない」と言って見送られ、妙に納得してしまった記憶があります。

 招聘された経営者が、オーナーをも絶妙に御すような人間力を有していたり、抜群にオーナーとの相性が合う人物であれば何も問題は起こりませんが、その見極めには少々時間を要するものです。

●社員と同じ方向を向けるか

 資本主義社会では、株式の過半数を持っているオーナーと経営者が対立してしまった場合には、仮に過去・今後の取り組みが正しかろうとも、経営者に勝ち目はありません。ただし、社員全員が経営者の味方になっている状態であれば、資本の論理に勝る流れが起こる可能性があります。なぜなら、オーナーとしても社員全員がいなくなってしまったら元も子もないからです。

 しかし優良企業であるほど、落下傘的にやってきた外部招聘経営者が本質的な課題や将来のあるべき姿を示そうとも、受け取る社員の側は「言っていることはたぶん正しいのでしょうが、今のままでそんなに問題なのですか?」という冷めた反応をしがちになります。中期的な未来を見据えて危機感を持つ社員は、当然ながら会社が安泰な時間が長いほどまれな存在になっています。これは能力の優劣などとはまったく関係なく発生する状態です。

 こうした雰囲気の中で社員をドライブするのは、最終的には本質的に正しい戦略方針、評価と報酬の制度設計、継続的な対話と覚悟があれば切り抜けられるものです。ただし相当に骨が折れますし、どこかで間違えると労働紛争めいたものが発生したり、反感を覚えてオーナーや前経営者などを焚きつけて退任を画策しようという人が出てきたりするリスクを抱えながら試行錯誤を繰り返さなければなりません。

 このようにステークホルダーをまとめることが成否の大きな鍵となってくると考えられます。そしてもしそれに成功すれば、すでに業績の良い企業なので、外部要因の障壁が大きくなければ容易に業績をさらに上向かせることができます。

●最も外部招聘が必要な企業には現れない

 オーナー色が強い企業は、外部招聘した経営者と一枚岩になれずに空中分解したとしても、ただちに経営が傾くことはありません。オーナーにはやはり純然たる愛情が根底にあるため、会社に決定的な打撃を与えるようなことはしないためです。例えば、雪国まいたけは13年に創業者である大平喜信氏が不正経理発覚の責任を取り社長を退任した後、14年の株主総会で実質的な大株主である創業家が突然、全取締役を入れ替えるという事態が発生しました。前代未聞の出来事により経営が混乱し、いまだに落ち着く気配が見えないものの、同社商品は相変わらず店頭に並んでいます。

 厄介なのは、オーナー色が弱いために、サラリーマン組織を生き抜いて権力を握った人が長い間君臨している会社です。親会社でサラリーマン闘争を続けて、敗れて子会社に降ってきた人が社長をしている子会社のパターンも含まれます。会社やグループに思い入れはあったとしても、根本的な愛情は長い年月の末に忘れ去られ、内向き思考が常態化しているために、真摯に市場と戦う癖がなくなってしまっている人が社長をしている状況です。自分を継ぐリーダーがいないことを口では問題視するものの、心の底ではむしろ自分の安住の地が続くことに対して心地よいと思っています。外では普通に「若い人に鍛錬の場でもあるチャンスを与えていかなければならない」など語り、その瞬間は本気で思っていたりもしますが、行動は伴いません。足掛け30〜40年の出世闘争を勝ち抜いた末に手に入れたポストを、たやすく手放せるはずもありません。もちろん、それがあるべき姿かどうかということは考えもしません。

 経営トップがそのような姿勢では、必然的に内部に課題が多くなっていきます。そうした企業こそ外部招聘経営者が活躍できる条件が揃っていますが、外部資本を入れなければならないほど業績が悪化するまで、そうした誘因は発生しません。融資をしている銀行が唯一その流れを生み出せるのかもしれませんが、なかなか難しいのが実情です。与信の格付けが相当低いわけでもない融資先企業の経営体制を変えるという、リスクを伴うアクションはとれないからです。

 古くからある産業において、現時点では業績が良いものの経営面で多くの問題を抱えている企業は、結構な割合を占めているのではないでしょうか。こうした企業に外部招聘経営者が入ってくる機会が増えてくると、日本経済もさらに活性化するのだと思います。果たしてそうした動きが広まるのか、現在クローズアップされている外部招聘経営者の方々の活躍次第ともいえ、陰ながら応援しております。

中沢光昭/経営コンサルタント


 

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コメント
 
01. 2014年10月22日 09:13:18 : nJF6kGWndY

内であれ外であれ、本当に高付加価値の人材というのは、簡単には見つからないということだな

http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/42010
JBpress>ニュース・経営>経営のためのIT活用実学 [経営のためのIT活用実学]
使えない「ハイクラス人材」にならないために
輝かしい経歴を羅列して満足していないか?
2014年10月22日(Wed) 横山 彰吾
 昨今、SNSなどプロフィールを開示している場では、必ずと言っていいほど年齢に合わせたプロモーションコンテンツが表示される。

 筆者の場合は、40代半ばという年齢に合わせて、健康に関するものや、管理職としてのキャリアや自己啓発に関わるようなものが何かしら表示される。

 そのなかでよく目につくのが「ハイクラス人材の転職」に関するプロモーションである。そのサイトに飛ぶと、プレミア感が漂うページが現れ、「年収いくら以上を対象にしたサービスです」との説明がある。ハイクラス人材、ハイスペック人材に、特別な責任あるポジションを提供できるという。

 本当に転職を考えている人からすると「使ってみよう」ということになるのだろうが、採用する側の立場で見ると、ハイクラス人材、ハイスペック人材の定義に多少違和感を覚える。

 対象としているのは年齢、役職、収入が「ハイ」な人材ということのようだが、必ずしもそういう人たちが「本当に仕事ができるかどうか」は別問題だ。つまり、スペックがハイだとは限らない。

活躍できる場はどんどん狭くなる

 一方で最近、某大手自動車会社が経理部門の効率化を目指して、経理業務の大多数を「BPM」(Business Process Management:マネジメントも含めたアウトソーシング)に切り替えたという話を耳にした。

 従来のBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)は「作業」のアウトソーシングが中心だった。それに対してBPMはかなり難易度の高い業務までまとめてアウトソーシングしてしまう。そのため、社内に残るのはほんの一握りの人材だけだということになる。

 BPMの時代になると、ベテラン社員の「業務を知っている」「人脈が豊富」という今までの強みが強みではなくなってくる。また、専門性で勝負しようとしても、業界で必要とされる専門性がどんどん変化しており、ベテランとして企業に残ることが極めて難しい環境になりつつある。こういった状況を踏まえると、転職を希望するハイクラス人材が希望通りの条件で活躍できる場は、非常に限られていると言えそうだ。

本当のハイクラス人材は何ができる人なのか

 では、スペックを含めてハイクラスと認められ、必要とされるには、何ができる人であればよいのか?

 IT関連の領域で言うと、年齢や経験年数、年収にかかわらず、本当の意味で「ハイスペック」と言えるのは、やはり「改革ができる人」であろう。

 筆者が現場で出会ったある人は、知識と技術力があり、手も動き、ちょっとしたシステムの機能ならばすぐに作ってしまう能力の持ち主であった。確実に仕事をこなし、あらゆる仕事に必ず貢献することができる。

 しかしその人は、システムの機能を取り上げない会議には、「内容が具体的ではない」との理由で出席しようとしなかった。部署の方針に関わるような会議でも出てこない。

 優れたスキルを持っていても、そのスキルを会社の方向性や仕組みを変えていくことに生かそうとしないのである。結局、その人は1つの部署に留まり、ステップアップする機会を得られないままである。

 一方、ある人は、個々のシステムや技術のことは概要としてつかんでいる程度で、自分で何かを作るようなことはしない。しかし、常に現状から二歩先、三歩先の会社のあり方を考え、唱えている(場合によってはそれが原因で社内に敵をつくることもしばしばあった)。3回に1回くらいは、そのアイデアが周囲につぶされずに形になり、何年後かに「やっておいてよかった」という仕組みになっていることもあった。

 上の2人は、いずれもITの先端動向に関して常にアンテナを立てて、テクノロジーやソリューションサービスの動向を把握している。そこから、前者は自らツールを作る方向に行き、後者はそれらをどう生かすかという方向に行く。当然、仕事のやり方も異なってくる。

 では、どちらがコア人材として企業に必要とされるかというと、やはり後者である。他の人ができないことをしているという点では共通だが、改革に結び付ける可能性を持っている方が企業にとっては価値がある。前者は残念ながら、BPMなどで「代用が利く」のである。

豊富な経験からエッセンスの抽出を

 また、ハイスペック人材の要件は、実は履歴書や職務経歴書には表れない。経歴書に記されるのは、過去にどんな仕事でどんな成果を出したか、ということである。戦力になる人もならない人も、書かれている経験は総じて変わりがない。しかし、その経験を自らの「武勇伝」ととらえているか、それとも、その経験の「エッセンス」を認識しているかが、ハイスペック人材かどうかの大きな分かれ目となる。

 今や過去の経験はあっと言う間に通用しなくなる時代である。例えば、基幹システムまで利用料を払いながら使うクラウドの時代が来るなどということを一体誰が予想できただろうか。そういった変化を前提に考えると、15年、20年と積み重ねてきた、一見頼もしく見える経験は、もう頼りにならない可能性が大いにある。

 それよりも大切なのは、そういった経験・事例のなかでものにした普遍的な要素、例えば、プロジェクトの困難を乗り切るコツや、窮地での意思決定の方法、企業における様々な業務の位置づけなどを理解し、身につけていることである。そして、それをもとに仮説を立てる能力がないと「改革ができる人」にはなり得ない。

 これらの能力は自然に身につくものではない。本人の自覚や意識によって培われるものである。今からでも遅くはない。自分の経験した仕事を分解してエッセンスを抽出しておくべきである。そして、自分がやったことがない仕事でも「こうやったらうまくいきそうだ」という仮説を描くトレーニングをしておくことが必要だろう。

 いつまでも第一線でさらなる進化を目指すのであれば、若いころ以上の工夫と努力が求められるのだ。


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