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怒りをモチベーションに変えた中村修二教授/(C)AP
青色LEDノーベル受賞で再燃 社員の「発明報奨金」は今…
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/154247
2014年10月21日 日刊ゲンダイ
カリフォルニア大学の中村修二教授(60)のノーベル物理学賞受賞で改めて注目されたのが、サラリーマン研究者の特許料(職務発明)だ。青色LEDを発明(90年に特許出願)した中村氏が当初、日亜化学工業からもらった報奨金は2万円ぽっち。その後、8億4391万円で和解(05年)したが、中村氏は研究のモチベーションを「怒り」と表現していた。日本の職務発明は今、どうなっているのか。
発明対価の「2万円」に不満があった中村氏は、退職後に古巣を相手取って01年に裁判を起こした。この2万円は高いのか安いのか。妥当なのか非常識なのか。
これまでに5件の特許を取得した大手メーカーの若田初さん(35=仮名)がこう言う。
「当時、中村教授が会社から和解金8億円を勝ち取ったニュースはエンジニアに希望の光を与えました。でも、現実は厳しい。会社は入社時に交わした社内規定を盾に、特許出願者としては認めるが、権利は会社に属するといった“包括合意”を振りかざしてきます。実際、出願時には権利を会社に“無償譲渡”する書類を提出しますし、これは今でも何ら変わらない。ほとんどの企業はウチと同じでしょう」
若田さんの特許で製品化された商品は、会社に数億円の利益をもたらしたというが、受け取った金額は報奨金名目で3万円。
ちなみに、02年にノーベル化学賞を受賞した島津製作所の田中耕一さんの報奨金も、出願時6000円と登録時5000円だった。
中村氏の訴訟後、05年に特許法が改正され、職務発明した社員は「相当の対価の支払いを受ける権利を有する」(35条3項)と規定された。そこで武田薬品などは報奨金の上限を撤廃したが、企業寄りの安倍政権は再び「発明は会社のもの」に戻す方針だ。
■他人の特許で独立も
一方、自ら出した特許で恩恵を受けたサラリーマンもいる。大手衣料メーカーに勤務していた鈴木修さん(55=仮名)だ。
「当時は開発課長をしていたのですが、売り出した製品は鳴かず飛ばずでお蔵入りになりました。10年ほど前に早期退職で独立したのですが、元の会社にはロイヤルティーを数%払うことで合意を取り付け販売。数億円の利益になりました」
他人の特許で儲けた人もいる。大手化粧品メーカーに勤務していた近藤徹さん(65=仮名)だ。
「特許内容はすごく良くても時代やニーズがありますから必ず売れるとは限りません。会社では広報として働いていましたが、そのときに売れていない特許に目を付けていた。定年退職後にそれらの特許を使って化粧品を作る会社を設立。もともと休眠していた特許なので安く使え、ジェネリック医薬品みたいな感じで化粧品を販売し、おかげさまで年収はサラリーマン時代の数倍になりました」
特許庁によると、昨年は約32万8000件の特許が出願され、27万7000件が登録された。長い目でみれば、ドカンとボーナスをはずむ会社には、いい人材も集まるのだが…。
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