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債券先物は過去最高値を更新、追加緩和はリスク増加も  久保田 博幸
http://www.asyura2.com/14/hasan91/msg/164.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 10 月 17 日 10:21:42: igsppGRN/E9PQ
 

債券先物は過去最高値を更新、追加緩和はリスク増加も
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kubotahiroyuki/20141017-00040046/
2014年10月17日 9時34分 久保田 博幸 | 金融アナリスト


10月15日の欧米市場ではリスクオフの動きが強まり、ややパニック的な様相となった。米国株式市場でダウ平均は一時460ドル以上の下げとなり、16000ドルを下回る場面もあった。その後下げ幅を縮小させたが173ドル安に。欧州の株式市場も軒並み大幅下落となっていた。

15日の米10年債利回りは一時1.86%まで低下し、その後2.1%台に。ドイツの10年債利回りは過去最低を記録し、0.72%近辺まで低下した。フランスの10年債利回りも1.10%まで低下し、過去最低水準を更新。英国の10年債利回りも一時1.92%と2%を大きく割り込んでいた。それに対してギリシャ、スペイン、イタリアの国債は大きく売られた。

この世界的なリスクオフの動きにより、日本の債券先物は15日のイブニング・セッションで146円60銭まで上昇した。これまでの債券先物のザラ場の最高値は、2013年4月4日のイブニング・セッションでつけた146円44銭であったことで、ここであっさりと過去最高値を更新したのである。

2013年4月4日に何があったかといえば、日銀が量的・質的緩和を決定した日である。この4月4日の先物の高値は146円05銭、引け値は146円04銭。その後のイブニングで146円44銭まで上昇した。翌日の4月5日の債券先物は146円38銭で寄り付いて146円41銭まで上昇した。この間、10年債利回りは0.315%まで急低下したが、先物はイブニングでつけた高値の146円44銭は抜けなかった。その後、過去最低利回りを更新していた10年債に売りが入り、0.315%から0.620%に利回りが急騰。これにより債券先物も急反落となり、サーキットブレーカーが2度も発動し、債券先物は143円10銭まで下落し、5日の大引けは144円02銭となっていた。

債券先物のザラ場の過去最高値は、2013年4月4日のイブニングでつけた146円44銭となったのだが、引け値での高値は4日の146円04銭であった。今年の8月5日に債券先物は146円05銭で引けたことで、引け値としての過去最高値を更新した。その後じりじりと記録は更新され、8月28日の債券先物の引け値は146円29銭となったことで、ここが引け値としての過去最高値となっていた。

その後、債券相場は中心限月の移行もあり、いったん145円台をつけていたが、ここにきて再び切り返し、ザラ場での過去最高値を更新した。ただし、15日の大引けは146円24銭となったため、引け値としての過去最高値は更新しなかった。15日の前後場、いわゆる日中の高値は146円42銭となったことで、イブニングを除いた日中ベースでは2013年4月5日につけた146円41銭を抜いて過去最高値となったが、こちらはあくまでチャートを見る上での参考数字となり、記録上の最高値は146円60銭となる。

16日の10年債利回りの低下は、0.470%までの低下に止まっていた。この水準そのものは、2013年4月8日以来のものとなるが、昨年4月5日の0.315%という過去最低利回りにはまだ距離がある。昨年4月5日に0.315%からの0.620%の利回りの急上昇を市場参加者は目の当たりにして、警戒心も強く買い進みづらい状況のように思われる。それでも、世界的にリスク回避の動きがまだ続くとなれば、0.315%という長期金利の過去最低もいずれ視野に入ることも考えられなくもない。

しかし、ドイツやフランスの長期金利が過去最低を記録し、日本の債券先物も過去最高値を更新するほどのリスクが発生しているとも思えない。欧州の景気悪化や、英国を含めての物価の上昇の鈍さは気になる。それでも、何かしらの外的ショックが発生しているわけではない。米株式市場は過去最高値を更新し、その反動もあって世界の金融市場が動揺したが、ここまでリスク回避が進むはっきりとした理由もない。

これも日米欧の中央銀行の金融緩和が招いた可能性があるまいか。資金はあふれているが、その行き先が不安定になりつつある。これを沈めるには、極論ではあるが、追加の金融緩和より、むしろ出口政策を進めるほうが適切ではなかろうかとも思ってしまう。これ以上の追加緩和はむしろ今回のような価格変動リスクを増加させるだけになることも意識する必要があるのではなかろうかと思う。


 

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コメント
 
01. 2014年10月17日 10:38:12 : nJF6kGWndY

とりあえず、他に政治的に有効な選択肢がないということだろうなw

まあ、どの道、日本は、今後ハードランディングになる確率は非常に高いから、備えておくことだ

http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/41988
万能薬ではないが、それでも安倍首相に必要な円安
2014年10月17日(Fri) Financial Times
(2014年10月16日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

主婦の「へそくり」、前年比66万円減 家計の赤字補てんに
この2年近くで円は対ドルで約26%下落している〔AFPBB News〕

 円安が日本にとって良いことは、世間にあまねく認められている真実だ。経済の再浮揚を図る安倍晋三首相の計画にとって弱い通貨が極めて重要な施策であることは、少なくとも東京では概して認められていない真実だ(ただし、東京でもその事実は内々には理解されている)。

 2年近く前に安倍氏が大規模な金融緩和政策を推進することが明白になって以降、円は対ドルで約26%下落した。円安は輸入価格を押し上げることで、消費者物価を日銀のインフレ目標である2%に向けて上昇させることに一役買った。

 1つだけ障害がある。円安は結局、日本にとって全面的に良いことではなくなったかもしれないのだ。

円安を手放しで喜べなくなった理由

 これにはいくつか理由がある。1つは、2011年の福島原発事故後に無傷で存続する48基の原子炉すべてが操業停止となった結果、日本のエネルギー費用が急増したことだ。

 これは、従来よりはるかに多くの石油と液化天然ガス(LNG)を輸入することを意味した。エネルギー輸入は多くの場合、価格の高い長期契約を通じた購入で、日本の貿易収支に打撃を与えることになった。

 円安は事態を悪化させる一方だ。その結果、一貫して健全な貿易黒字の上に築かれてきた日本経済は、ほぼ慢性的な貿易赤字に転落した。日本はまだ外国から多額の投資収益を得ているが、最近は拡大する貿易赤字を埋めるには十分ではなくなった。日本は8月、上半期(1〜6月期)の経常収支がほぼ30年ぶりに赤字になったと発表した。

 円安が天恵ではないかもしれないもう1つの理由は、一般的な認識に反し、日本がもはや輸出主導型の経済ではなくなったことだ。輸出が経済生産に占める割合は約15%。これに対してドイツでは51%、韓国では54%に上る。

 大手自動車メーカーや電機メーカーを含む日本の製造業者の多くは、需要のある場所に近づくために生産を海外へ移した。さらに重要なのは、多くの先進国と同じように、日本のサービス経済が優位に立っていることだ。つまり、日本人の大部分は、円安の恩恵と同じくらい円高の恩恵を受ける可能性がある企業に雇われているわけだ。

実質賃金の上昇につながらない企業収益の拡大

 それでも、キャピタル・エコノミクスによると、全体としては日本株式会社はやはり円安の方が有益だという。多くの企業は、市場シェアの拡大を求めて価格を引き下げるより、むしろ安くなった円で海外の利益を本国に還流させた。キャピタル・エコノミクスは、日本企業の最近の利益急増の4割が円安に起因するものだと試算している。

 これは一見したほど良いことではない。企業が長年にわたって現金をため込んできた経済国では特にそうだ。利益拡大は投資にあまり貢献しなかった。さらに悪いことに、消費に対するインパクトは最小限にとどまった。というのは実質賃金が低下し続けたからだ。

 実質賃金の低下は、少なくとも増えた利益が賃金に還元される前の初期段階では、必然的なインフレの副作用なのかもしれない。SMBC日興キャピタル・マーケッツのジョナサン・アラム氏が指摘しているように、安倍氏が消費税率の3%引き上げにこだわったことは、恐らく円安以上に家計支出に大きなダメージを与えた。

消費税8%、安倍首相が正式表明
安倍首相は円安の恩恵について考え直している〔AFPBB News〕

 いずれにせよ、年内に重要な知事選、来春に地方選挙が控えている首相にとって、自身の名前が付いた経済政策のために大半の有権者が依然より貧しくなったと感じていることは決して理想的ではない。

 安倍氏は明らかに円安の恩恵について考え直している。同氏は円が1ドル=110円という6年ぶりの安値を付けた後のコメントで、円安には良い面と悪い面があると述べた。

リフレ政策の行方

 この点を強調するかのように、その拡張的な金融政策が円相場を引き下げた日銀の黒田東彦総裁が、見解を説明するために国会に招致された。

 こうした状況は、アベノミクスの未来にジレンマを突き付ける。アベノミクスは、日本経済をデフレから脱却させるために政府と日銀が協力する画期的な取り決めを承認することで始まったもので、両者間の亀裂の兆しが少しでも見えたら、市場が揺らぎ、言葉の力に不安なほど依存するリフレ政策の信頼性が弱まる。

 消費者物価のコア指数は現在、年間1.1%という緩やかなペースで上昇している。だが、これでさえ恒久的に続く状況なのかどうかは全く不透明だ。

 黒田氏が指摘したように、15年間も続いた物価下落の後でインフレ期待をつなぎとめることは容易なことではない。円安が日銀の最も強力な政策手段であることは誰もが知っている。

ここで怯むわけにはいかない安倍首相

 もし日銀が安倍氏からの政治的圧力を受けてよろめくように見えたら――例えば、日銀が追加の量的・質的金融緩和に尻込みするようなことがあれば――、リフレの実験全体が暗礁に乗り上げる恐れがある。

 円安がもはや期待通りのものではないという安倍氏の直感は正しい。また、痛みを相殺する賃金上昇がないインフレは、有権者よりもマクロ経済学者に人気だという見方も正しい。

 しかし、安倍氏がここで怯んだら、悲惨なことになる。持続可能なインフレを実現することは、アベノミクスの中心的な信条だ。デフレに逆戻りすれば、それをすべて投げ出すことになる。好むと好まざるとにかかわらず、円安は計画の一環なのだ。

By David Pilling
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【円安の是非について。こちらも併せてお読みください】
・「アベノミクスで「円安不況」がやってくる 」
( 2014.10.07、池田 信夫 )
・「過熱感なき、熱狂なき円安・株高は新トレンドを示唆する 」
( 2014.09.25、武者 陵司 )
・「なぜアベノミクスによって輸出が増えないのか 」
( 2014.09.08、川島 博之 )


02. 2014年10月17日 13:39:58 : vhVfVSUWGI
日米欧の中央銀行の金融緩和が招いた可能性があるまいか<当然の結果でしょう

03. 2014年10月17日 14:08:01 : vhVfVSUWGI
ジャブジャブのマネーは今後も行き場を探してウロウロ
 緩和初期は効果がでても末期には副作用ばかり多くなる
 米国も日本もバブル崩壊に怯えている、
 行きはよいよい。帰りは怖い〜♪
 アベクロがしでかした罪は重い。

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