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日産と三菱自、蜜月関係に暗雲?日産、国内生産落ち込みと自社目標優先で“約束”反故か
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20141017-00010004-bjournal-bus_all
Business Journal 10月17日(金)6時0分配信
日産自動車は9月、神奈川県・横須賀市にある追浜工場を報道陣に公開した。追浜工場で生産されているのはわずか年間10万台にすぎない。追浜は「グローバル・マザープラント」として、自動車の生産から人材の育成へと役割が切り替わることを示すためだったが、報道陣の関心は、今後追浜で新型軽自動車の自社生産はあるのかという点にあった。質問を受けた松元史明副社長は「タイミングが来たときにお話しします」と明確な答えを避けが、その背景には、合弁相手の三菱自動車工業との間に生じた亀裂があるとみられている。
日産はこれまで国内生産100万台にこだわってきたが、2014年度の国内生産は100万台を切る見込みだ。日産は三菱自との合弁会社NMKVが企画・開発した軽自動車「デイズ」「デイズルークス」を22万台販売。生産は三菱自の水島工場で行われているが、日産はこれを自社生産に切り替えれば、国内100万台という目標を達成できる。
両社は10年、折半出資の合弁会社NMKVを設立し、生産は三菱自の水島工場で行うことで合意した。第1弾は13年6月、燃費性能の良さが特徴の軽ワゴンを開発し、日産は「デイズ」、三菱自は「ekワゴン」ブランドで発売した。第2弾は14年2月、子育て世代向けの背高の軽ワゴンを開発し、日産は「デイズルークス」、三菱自は「ekスペース」ブランドで発売した。軽自動車を生産していない日産は車種を揃えられ、販売不振だった三菱自は生産台数が増え収益が回復できるという双方にメリットがある提携と評されてきた。
だが、この“Win-Winの関係”に亀裂が走る。事の発端は6月24日、日産が横浜市で開いた株主総会における、カルロス・ゴーン社長の発言だった。「国内生産100万台体制を維持するのか」との株主からの質問に対し、「会社として掲げた目標。一部の軽は自社の工場で生産しなければならない。そうすることにより100万台の国内生産を自社工場で実現する」と説明した。つまり、NMKVで共同開発している軽自動車について、15年度以降に新たな車種を出す場合には、自社工場でも一部生産することを検討すると表明したわけだ。
三菱自の益子修会長兼最高経営責任者(CEO)は翌日、「生産は三菱自動車の水島製作所で行うのが基本的な考え方である」と述べ、ゴーン氏の発言を否定した。両社の首脳の考え方の違いが鮮明になり、日産と三菱自の蜜月関係に暗雲が立ち込めてきたのである。
●日産、「100万台」達成を優先
ゴーン氏による軽自動車の自社生産発言は、日産の苦境をあらためて浮き彫りにした。国内市場よりグローバル市場を優先してきた日産はこれまで、国内市場が主戦場だった軽自動車の販売に関心を示していなかったが、国内では軽自動車が新車販売の4割を占める勢いで伸びてきたため、これを無視するわけにはいかなくなった。そこで日産はスズキからOEM(相手先ブランドによる生産)供給を受けて、軽自動車「ルークス」「モコ」を販売。さらに三菱自と共同出資でNMKVを設立して、「デイズ」「デイズルークス」を販売してきたが、軽自動車の自社生産は避けてきた。
ところが、日産の14年度の国内生産台数が前年度比8.9%減の約91万台となり、1960年代以来初めて100万台を下回る見込みとなった。経営目標である「国内生産100万台の維持」が未達になる可能性が出てきたのだ。そこで、NMKVで共同開発している2車種をさらに増やし、一部を日産で引き受ければ国内生産台数100万台をクリアできると計算したわけだ。
三菱自はこの動きに猛反発するが、三菱自は提携の解消まで踏み込むことはないとみられている。「三菱自としては生産台数が減ると経営への打撃があまりに大きい。何がなんでも国内生産100万台を達成したい日産に押し切られて、生産の一部を日産に譲らざるを得ないのではないか」(外資系証券会社の自動車担当アナリスト)。しかし、日産のこうした強引なやり方が、今後の両社の関係に大きな禍根を残すことになりかねないだろう。
編集部
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