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世界的な相場変調のきっかけは9月19日の米国株式市場
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kubotahiroyuki/20141016-00040007/
2014年10月16日 8時6分 久保田 博幸 | 金融アナリスト
今回の世界的な相場の変調がどのタイミングで起きていたのか。株や債券、為替のチャートを確認したところ、ひとつの起点となる日が浮かんでくる。9月19日である。
株式市場ではダウ平均やS&P500が最高値をつけていたのがこのタイミングであり、ナスダックもこのあたりから大きく下落している。米債も9月19日あたりがターニングポイントとなり反発(金利は低下)していた。ユーロ円も19日までいったん戻してここから再び下落している。円安ドル高は10月1日に110円台に乗せたが、日経平均は9月19日に直近のザラ場高値を付けていた。
9月19日には二つの大きなイベントがあった。ひとつがアリババの新規上場である。 中国の電子商取引最大手アリババグループが9月19日にニューヨーク証券取引所に上場した。時価総額で約25兆円と一気にフェイスブックなどをしのぐIT大型株となった。この上場に絡んでの資金シフトがあり、それがナスダックの下落を招いて、米株全体が調整局面入りしたとの見方もあった。
もうひとつ9月18日にスコットランドの住民投票が実施されている。結局、スコットランドの英国からの独立は回避された。スコットランドの住民投票への市場の注目度は高く、もし独立となれば金融市場にも大きなショックが走ることが懸念されていた。
ただし、9月19日以降の金融市場の動きはリスク回避にみえる。スコットランドの独立回避をきっかけにして動きが出たとすれば、むしろリスクオンになってもしかるべきであり、これを材料に動いたとするには説明が難しくなる。ただし、地合いを変化させたひとつのきっかけとなった可能性はある。
9月22日には米政府がイスラム国を標的にシリア領内で空爆を始めた。エボラ出血熱の流行もあった。さらにIMFが10月7日公表した世界経済見通しで2014年と15年の世界経済の成長率予測を引き下げたこともきっかけとの見方もある。しかし、タイミングからみれば、今回の世界的な大きな調整は9月19日近辺ですでに始まっており、日経平均もIMFの発表前にピークアウトしており、これはあくまで下げを加速させた要因に過ぎないように思える。
やはりこのなかで最も怪しいのはアリババの新規上場ではなかろうか。史上最大規模のアリババの新規上場というイベントが終了し、ここで米国株式市場がいったんピークアウトしたと思われる。
それまでの米株の上昇、しかもダウ平均やS&P500の史上最高値更新というにより、マーケットではリスクオンの様相を保っていた。米株がしっかりしていたことで、ある程度、リスクが覆い隠されていたとみられる。しかし、そのベールがはがされると、欧州経済の先行きなどの不安要因が今度は市場参加者の視線の先にあった。このため、あらためてリスクオフの動きが強まり、米株が不安定な動きを示したあと急落し、それとともにドルも下落した。不安感が強まるなか、世界経済の悪化が意識され、原油価格の下落なども世界経済の悪化のサインとされた。
日米欧の中央銀行の金融政策動向の先行きよりも、リスクオフの動きにより、米国や英国、そしてドイツの国債が買い進まれた。ギリシャの国債がここにきて大きく下落しているのもリスクオフの動きと言えるのではなかろうか。
もし今回のリスクオフの動きのきっかけが米国株式市場にあるとして、この流れに変化が生じるとすれば、やはり米国株式市場からになろう。年末にむけての相場動向を占う意味でも、米国株式市場の動向に注意を払うべきなのかもしれない。
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