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自転車ブーム活用で町おこし続々?海外で成功事例も カギはインフラ整備と官民連携
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20141016-00010004-bjournal-bus_all
Business Journal 10月16日(木)0時10分配信
ここ数年、健康志向や環境意識の高まりによりブームとなっている自転車を、行政が町おこしの一環として活用する事例が増えてきた。鉄道の廃線を利用してサイクリングロードを設置した岡山県和気町(片鉄ロマン街道)、自転車を鉄道車両内に持ち込めるサイクルトレインがウリの千葉県市川市(小湊鐵道)、今年10月25日に「ツール・ド・フランス」の名を冠した世界初のイベント「ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」の第2回目を開催するさいたま市など、各地があの手この手で地域の活性化に息巻いている。
自転車産業振興協会によれば、日本の自転車利用人口は約7500万人。そのうち、主に移動手段として利用する「一般層」が7000万人とその大部分を占めるものの、健康のためにサイクリングを楽しむ「スポーツサイクリスト層」が300万人、レースやトレーニングを楽しむ「アスリート層」が30万人いるという。売り上げを見ると、車体の販売は横ばいながら、スポーツバイクについては増加傾向にある。今後はママチャリなどのシティサイクルを使用する一般層がクロスバイクなどに買い替え、スポーツサイクリスト層へとステップアップすることが見込まれている。
健康と環境という切り口に加え、市民の足として身近な乗り物だけに、自転車を活用した町おこしは取り組みやすいテーマといえる。しかし、駅前の放置自転車は全国の自治体を悩ませ、事故発生率は微減傾向にあるものの決定的な解決策は見つかっていない状況で、「自転車の町」と銘打ってみても、名実が相伴わないのが実態のようだ。
●海外の自転車政策
一方、海外に目を転じると、「自転車の町」として生まれ変わった町も存在する。その好例が米・ニューヨークだ。かつてのニューヨークといえば、渋滞で車道にあふれ返る自動車の合間を縫うように自転車が走る……といった光景がごく日常的だった。しかし、ブルームバーグ前市長が渋滞の解消と排気ガス低減の解決策として自転車利用を推進したことで、2000年代後半から自転車専用レーンや駐輪ラックなどのインフラ整備が一気に進められた。
さらに13年6月からは、シティバンクをスポンサーとしたバイクシェアサービス、その名も「シティバイク」が開始された。ロゴ入りのクールな青い自転車がニューヨーク市街を颯爽と駆け抜ける姿は、新しいニューヨーカーの通勤スタイルとなりつつある。レンタルおよび返却は24時間365日利用でき、借りた場所と異なる場所に返却することが可能。最終的にはステーションを600カ所設置し、合計1万台の自転車が置かれる予定だ。
また、毎年5月の第一日曜日に開催され、今年で37回目を迎えた自転車イベント「ファイブボロ・バイクツアー」は、毎年3万人以上が参加するが、近年は爆発的に参加希望者が急増したため、やむなく抽選制に変更されたほどだ。同イベントはレースではなく、ツアーであることもポイントだ。マンハッタンのバッテリーパークから出発し、ブルックリンブリッジや摩天楼、イーストリバーなどを鑑賞しながら、市内5区(ファイブボロ)を自分のペースで走るというもの。イベント盛況の要因は、主催者のNPO法人「Bike New York」が安全な乗り方やサイクリングの楽しみ方の講習会を地道に行ってきたことが大きいようだ。
このように海外事例と比較すると、思いつきレベルでイベントを開催したり、サイクリングロードを用意するだけでは、利用者や観光客の急増が見込めるわけではないことがわかる。ハード面の充実に加え、国や自治体、企業、NPOというセクターを超えた連携や、草の根レベルの啓蒙活動があってこそ、真の「自転車の町」として育っていくのだろう。移動手段として自転車が日常生活に溶け込み、持続的かつ安全に活用されるようになるには、体系的で地道な取り組みが必要となりそうだ。
千葉優子/ライター
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