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バブルのニュースアプリは“ただ乗り”?大量資金投入も、継続可能性に疑念の見方も
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20141016-00010002-bjournal-bus_all
Business Journal 10月16日(木)0時10分配信
「週刊東洋経済」(東洋経済新報社/10月11日号)は『新聞・テレビ動乱』という特集を組んでいる。「朝日新聞で注目が集まるメディア業界は今、変革期を迎えている。ニュースアプリや動画コンテンツが続々登場する中、最後に生き残るのはどこか」という内容だ。
新聞は購読者数が激減、テレビは視聴率の減少傾向が止まらない。既存メディアを見ているのは、40〜50代を境にした上の世代。30代より下の層は既存メディアより新興メディアが中心だ。
しかし、提供される情報に違いはない。既存メディアのビジネスモデル(新聞の販売店制度など)が時代に合わなくなっていたり(特集記事『新聞編 アンチ朝日キャンペーンはいつまで続くのか 朝日騒動が示す 新聞の旧態依然』)、紙にこだわりデジタル化に追いついていない(特集記事『デジタル化対応の明と暗 大手各紙のデジタル戦略』)ために、新しいメディアに収益を奪われているというのが現状だ。
そして新興メディアは大量にテレビCMを流して、既存メディアのお得意様となり、新興メディアにニュースなどのコンテンツを提供しているのは既存メディアという補完関係になっているのだ。
例えば、特集記事『新興メディア編 沸騰するニュースアプリの実態とは 人とカネが集まる新バブルの震源地』では、テレビCMが盛んに流れているニュースアプリが認知度を急激に上げている様子を伝えている。特にダウンロード数が約600万のグノシー、約500万のスマートニュースがその旗手といえるだろう。
「今年はグノシーがKDDIなどから6月までに24億円を調達。使い道はほぼCMで、すでに10億円以上を投じている。スマートニュースは8月にグリーやミクシィから36億円を調達。同社もCMや10月から配信する米国版アプリの開発に充当する」(同記事より)
要するに、テレビCMで知名度を高めるための資金が大量に流入するという、ゲームアプリ業界の株高バブルと同様の現象が起きているわけだが、バブルなだけに中身が伴っていない。
「課題は、記事の提供元との関係だ。提供元は人件費、取材費などのコストをかけて良質な記事の制作に努めている。多くのニュースアプリは提供元から配信の許諾を得ているだけで対価を払っていなかった。リンクで配信元サイトに送客しているから、というのが理屈だが、“ただ乗りしている”と言われても否定できないだろう」(同記事より)
つまり、成長性への期待から投資が集まるが、持続可能なビジネスモデル構築までは至っていないのがニュースアプリなのだ。実際に、インターネットで拡散させられる記事を書ける記者を抱えるようになったら、コストが大きく膨らむのだ。
例えば、独立系の言論サイト、アゴラ研究所は月間700万ページビューあるが、「アゴラの収入は月100万円程度で、これでは記者1人分の人件費も賄えない。効率の悪いビジネスだ」という池田信夫(アゴラ研究所代表取締役)の声を紹介している(特集記事『インタビュー ネットでは言論も無料に 集客ツールと割り切れ』)。
●雑誌メディアも転換期に突入か?
今回、メディアの転換期を活写した特集だが、当の「東洋経済」自体が動乱の真っただ中にいる。実は、今夏、同誌編集部の2人のエースが外部流出してしまったのだ。東洋経済オンラインの編集長だった佐々木紀彦氏が経済ニュースに特化したNewsPicksの編集長に、エース記者の風間直樹氏が朝日新聞社に、それぞれ電撃移籍した。
確かに昨年から上層部が一新し、同誌発行元である東洋経済新報社は経費節減に余念がない。IT化に乗り遅れた「会社四季報」などのデータベースコストが重荷になりつつあるのだ。
佐々木氏は、東洋経済オンラインのリニューアルに貢献したことが評価されての移籍だが、そもそも東洋経済オンラインのニュースの多くは「会社四季報」と「東洋経済」の記者の人脈で集めてきた、それこそ同社だからこそできたニュースだった。この先、佐々木氏がどう出るのか、注目されている。
また、風間氏は『雇用融解―これが新しい「日本型雇用」なのか』などの著書もある労働問題のエースだ。従軍慰安婦に関する一連の騒動が明らかになる直前に、朝日新聞特別報道部へ移籍したが、これまでのような雑誌的な取材手法には制限が出てくるのではないか。
しかも、これまで経済誌は、待遇も経費もリストラ一辺倒の毎日新聞や産経新聞から、実績や意欲のある記者の移籍先となるケースが多かったのだが、今回はその移籍先であるはずの経済誌からの人材流出とあり、しかも一人は新興メディア・ニュースアプリ、また一人は既存メディア、しかも渦中の朝日新聞への移籍とあって、出版関係者の間では興味津々なのだ。雑誌メディアも動乱の渦中ということかもしれない。
松井克明/CFP
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