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“新”大株主の幻影に怯える疑心暗鬼の西武王国
http://wjn.jp/article/detail/1495194/
週刊実話 2014年10月16日 特大号
西武鉄道やプリンスホテルを傘下に置く西武ホールディングス(HD)が10月20日、大きな岐路に立つ。同社株の35.48%を保有する筆頭株主の米投資会社サーベラスが、今年4月の再上場に当たって証券会社と契約していたロックアップ条項が解除され、この日から株式の売買が自由になるためだ。
投資マネーの早期回収を狙ったサーベラスが“厄介な筋”に売却して撤退すれば、西武HDは歓迎できない新たな大株主と付き合うハメになる。逆に一時は激しくにらみあったサーベラスが引き続き株を保有し、一気に株を買い増して経営権を奪取する可能性もある。だからこそ、西武HDはロックアップ条項の解除を待って青い目ファンドが繰り出す“次の手”に疑心暗鬼を募らせる。
とはいえ、そこは銀行出身者の保身術なのか、ここへ来て新聞各紙のインタビューに次々と応じる後藤高志社長は、サーベラスとの友好な関係をしきりに強調する。揚げ句にサーベラスが保有株を売却する可能性についても「コメントする立場にない」と、触らぬ神にタタリなしを決め込む。
だからこそ市場関係者は「再上場を遂げた西武にとってサーベラスは今や目障りな大株主でしかない。さっさと撤退してほしい半面、下手に刺激すればどんなシッペ返しを食うかわからない。そんな複雑な気持ちから友好関係を装っているに決まっている」と冷ややかな視線を向ける。
投資家から資金運用を委ねられた投資ファンドである以上、西武への出資分を含め1200億円超を投入したサーベラスが、出口戦略という名のマネー回収シナリオを描いているのは疑う余地がない。問題はいつ、どのタイミングでGOサインを出すか、である。
今年4月23日の再上場に際し、サーベラスは15.5%の株式を売り出し、保有比率を約20%に引き下げる計画だった。しかし西武が見込んだ売り出し価格1株2300円に対し、ヒアリングで機関投資家から「需給関係が悪く、投資家の人気が集まらない」の声が噴出したことから売り出し価格を1600円に引き下げた。これを受け、サーベラスは「妙味に欠ける」と放出を見送った経緯がある。
ところがその後、株価は上昇し、8月12日には年初来高値の2352円を付けた。多少の変動はあるにせよ、9月22日には2215円を付けるなど、サーベラスが当初期待した2300円の大台が再び射程圏に入ってきた。その理由を証券アナリストは「鳴り物入りで始めた旧グランドプリンスホテル赤坂の再開発事業『紀尾井町プロジェクト』が2年後に竣工する上、鉄道や不動産事業も堅調に推移している。これを評価した積極買いが入っている」と解説する。従って10月20日に向け、今後とも西武株の上昇基調が続けば、サーベラスが保有株を売却する可能性は高まる。
「サーベラスが出口作戦に向け、どこと交渉しているかは一切明らかになっていませんが、市場では『東武鉄道や小田急などのライバルが関心を示している』と囁かれている。HDの分離解体を狙っているのか、プリンスホテルに興味を示す外資もあるようです」(情報筋)
一部には失脚した堤義明元オーナーがサーベラスから株を肩代わりし、奇跡の復権を果たすとの“待望論”もあるが、既に80歳と高齢の身。常識的には考えられない。
一方、サーベラスの次の手は読みにくい。昨年春には敵対色をあらわにしてTOB(株式公開買い付け)を延期してまで保有比率を高め、一時は自らの意向に沿った役員陣を送り込もうと企てたほどのシタタカ軍団である。またゾロ株を買い増して本気で経営権を奪取、後藤社長以下の役員を追放すべく荒療治に踏み切らないとも限らない。
買い増し、売却のどちらに転んでも、西武には「一難去ってまた一難」の言葉がピッタリくる。
その場合、プロ野球球団『埼玉西武ライオンズ』の去就があらためて注目を集めそうだ。後藤社長は相次ぐインタビューで「グループにとって(球団は)不可欠な存在。売却はないと断言できる」と力説するが、株を肩代わりした新株主や、一気に経営権を握ったサーベラスの意向次第では“断言”が平気で覆る。現にサーベラスは西武との攻防戦の渦中で球団運営からの撤退を唱え、あまりのリアクションに慌てて前言を撤回した過去がある。
「後藤社長は西武線沿線を中心に法人個人を問わず、企業価値に注目してくれる長期安定株主を呼び掛けている。これはサーベラスが牙をむく事態を想定してのことで、危機感の裏返しに他なりません」(大手証券マン)
ライバルの私鉄どころか、もし中国や韓国企業が大株主に急浮上すれば、西武王国は大激震に見舞われることになる。
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