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急激なドル高への懸念を表明したジャック・ルー米財務長官 photo Getty Images
米国のドル高容認姿勢に変化出て、今後の為替動向どうなるか?
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/40736
2014年10月14日(火) 真壁 昭夫「通貨とファイナンスで読む世界経済」 現代ビジネス
足許の為替市場で、ドル高・円安のトレンドに変化が出始めている。その背景には、今までドル高を容認する姿勢を取ってきた、米国政府に微妙な変化が出ていることがある。政策当局のスタンスの変化によって、投機筋も為替の持ち高調整を行っているようだ。
ヘッジファンドや為替ディーラーなどの投機筋は、それまで積み上げてきたドル買い・円売りの持ち高の巻き戻しを始めた。為替市場では、ドルを売って円やユーロを買い戻す動きが顕著になっている。
それによって、一時、1ドル=110円台まで進んだドル高・円安のトレンドは一服と言ったところで、10月10日現在、107円台の円高方向へと動いた。当面、こうした動きが続くと見られ、ドル高は調整局面に入ったと考えられる。
■日米産業界からドル高・円安に対する懸念
米国の産業界から、一段のドル高に対して懸念の声が出ている。海外展開が進んでいる米国の企業は、これ以上ドル高が進むと、海外現地法人から受け取る配当金が目減りするなどの弊害が拡大することになる。
一方、わが国企業、特に中小企業からも、さらに円安が進むと原材料価格の上昇などのマイナス面が拡大するとの声が出ている。日米両国とも、産業界からの懸念を無視することはできない。米国のルー財務長官が、G7の会議で為替動向に対するけん制を行った。
日銀の黒田総裁は円安に賛意を述べたものの、麻生財務相は為替に関するコメントを避け、米国政府の方針を容認するとも取れるスタンスを示した。これら政策当局の為替に対する姿勢は、投機筋などのオペレーションに大きな影響を与える。
今後の為替動向予想
米国を中心にした主要国の為替政策は足元で微妙に変化しているものの、日米欧の経済状況を考えると、基本的にはドル高・円安・ユーロ安のトレンドが大きく変化したとは考えにくい。
日米欧の金融政策を考えても、米国は量的金融緩和策が終了し、次のステップは金利引き上げが実施されることになるはずだ。一方、日欧はこれから追加の金融緩和策の実施が見込まれる。そうした状況を勘案すると、ドル高の方向に大きな変化は考え難い。
重要なポイントは、米国政府がどの程度のドル高を容認するかだ。今後、米国政府は、産業界の声を反映しながらそのレベルを値踏みすることになるはずだ。大手投機筋は、当面、その判断を慎重に確かめながらのオペレーションになるだろう。
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