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アリババ・グループHDのNY証券取引所上場から約1カ月。10月は波乱の大きい月だが、「米国発」の一段の下落はあるのか(新華社/アフロ)
日経平均は、1万5000円を維持できるか 不吉なヒンデンブルグ・オーメン示現後の株式市場
http://toyokeizai.net/articles/-/50374
2014年10月13日 平野 憲一:ケイ・アセット代表、マーケットアナリスト 東洋経済
今年も残り2カ月半ほどになった。約2週間前の、前回のコラム「米株に不吉なヒンデンブルグ・オーメンの影」では、相場が暴落するかどうかはともかく、「警戒は怠らないように」と、東洋経済オンラインの読者の皆様に訴えた。現在の相場は、まさに暴落とまではいかないものの、米国市場が大きく下落した形になった。つれて日本株も大きく下落している。
米国市場は、なお波乱の様相だ。先週末10日のダウ工業株30種は115ドル安となり、終値は1万6544ドル、ナスダックに至っては102ポイント安の4276ポイントまで下落した。ダウ平均は、年初以来のパフォーマンスが、ついにマイナスとなった。
現水準は、高値からダウで約4.2%、ナスダックで約7%の下げだが、これで下げ止まるのか、市場では不安が高まっている。
しかし、金融相場から業績相場に移った米国株が一気に基調を変えるとも思えない。確かに欧州の景況感は悪化しており、厳しさを増しつつある。だが、筆者の「米国経済の基調は強い」との考え方には変わりがなく、この水準あたりからは、踏ん張ってほしいところだ。
では、日本株はどうなるだろうか。前週末10日の日経平均株価の終値は1万5300円。前週の1週間では408円(2.6%)も下落した。その後CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)の先物価格は1万5015円程度まで売られ、1万5000円を維持できるのか、ピンチだ。
■当面「下げ潮」は、考えにくい日本株
もし、連休明けの14日、日経平均が1万5000円近くで始まると、当面の下値のメドとしていた200日移動平均(1万5123円)を、あっさり割り込んでしまうことになる。
ただ、日経平均の予想PER(株価収益率)は、14.8倍に低下。騰落レシオも「売られ過ぎ」といわれる70%までは下がってはいないまでも、77.8%まで下がった。もし、14日も下げるとなると、5営業日連続安となる。ここまで下げると、日本のいまの趨勢(国土強靭化政策や、2020年の五輪など、中期では株価の下支え材料が目白押し)から考えれば、当面「下げ潮」になるとは考えにくい。
なお、「上げ潮相場」という言葉は聞いたことがあっても、「下げ潮相場」という言葉は聞いたことがないかもしれない。実は、これは筆者が命名した言葉で、テクニカル指標で重要とされる200日移動平均線の下で、相場が低調に推移することをいう。
消費増税の影響はあるものの、政権側の姿勢も含め、いまの日本で下げ潮相場が続くとは考えにくい。ということから推論すれば、もし200日移動平均前後は買い場ということになる。当面の日経平均のレンジは下値が1万5000円前後、上値を1万5500円前後としたい。
さて、今回はNISA(少額投資非課税制度)の話もさせていただきたい。いま証券各社では、個人投資家に向けてNISA口座100万円枠未消化分の執行を勧める営業活動が佳境を迎えている。
現在、日本経済は、デフレからは脱却しつつある。だが、経済の回復に対して賃金の増加率は低く、消費者態度指数も低迷している。消費税増税後の反動が緩やかだと言われているが、これは駆け込み需要が盛り上がらなかったことの証左でもあり、アベノミクスに淡い期待はしても、信頼はしていない消費者のマインドを表している。
不安の最大要因は、人口減少による社会システムの崩壊懸念だ。すでに政府は2050年でも1億人程度の人口を維持できるとの予測を発表しているが、これは逆に言えば、今から2700万人の人口が減るということである。つまり、30万人弱の中堅都市が、100個も消滅するという、恐ろしいイメージだ。
■NISA改革を推進、投資家に支持される「国家戦略」に
確かに政府関係者の話を聞いていると「働きたい人は75歳まで働ける社会基盤を作ろう」という、一見前向きに見えるような議論もある。だが、普通に考えれば、これは最終的には年金支給開始年齢を75歳程度まで引き上げると言うことである。国民1人1人がしっかりとした危機意識を持って自己防衛をしなければならないところに来ている。
政治の世界を見ても、少子化担当大臣だけは何人も変わったが、変化の実感はほとんどない。企業の体制も全くといっていいほど進んでいない。社会保障システムが脆弱になる中で、国民は今後何十年かを生きて行かなければならないという事実だけが継続している。
そんな中で、NISAは政権の人気とりとか、証券界の都合か、といったことではなく、この非課税枠が社会保障システムを補完する重要な政策・国家戦略の一つであるという強い認識が必要ではないか。
さすがに、国もそれを踏まえてNISA改革に大きく動く構えだ。今後は、年100万円の枠の拡大、制度自体の恒久化、使いやすいように枠内での売買の自由化や損益通算もできるようになるかもしれない。親や祖父母が子供や孫の名義で出来る「ジュニアNISA」制度発足の話まで出てきた。
金融庁の発表によると、NISA口座数は6月末で727万口座、つまり枠は7兆2700億円あるのだが、実際の買い付け額は1兆5631億円、未消化枠は5兆7000億円に上るという。証券・金融各社は、NISAが社会保障システムを補完する国民の自己防衛システムだということを理解し、高い理念をもって年末まで営業活動に邁進してほしいものだ。
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