01. 2014年10月13日 06:49:42
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小笠原誠治の経済ニュースに異議あり! トップ | 日本国債の人気が高い理由 2014/10/11 (土) 10:28 ある読者の方から、次のような質問が寄せられました。「教えてください。日本国債の10年の金利が0.5%を切ってしまいました。1,000兆円もの借金を抱え人口も、就労人口も減る(借金を返す人、金利を支払う人が減る)のにどうして日本国債は人気なのでしょう。ハイパーインフレは起きないのでしょうか?」 本日は、この質問について考えてみたいと思いますが、貴方はどのようにお感じでしょうか。 少しだけ、自分の頭で考えてみてください。 では、私の考えをご紹介したいと思います。 日本の10年物国債の利回りが今週0.5%を最近下回ったのは事実です。1%を切るというだけでも驚きなのに、今は0.5%を下回っているのです。 誤解のないように言っておきますが、10年物の金利なのです。決して短期や中期の金利ではないのです。 質問をして下さった方は、国債の金利がそのように低下することが不思議でならないようです。政府の借金は1000兆円を超し、そればかりか今後借金の返済能力が弱体化することが予想されるのに、どうしてそのような国の国債に人気が集まるのか、と。 さあ、どうしてなのでしょうか? 貴方は、意見がまとまりましたか? では、何故そのように日本の国債は人気が高いのでしょうか? その理由を知りたいのであれば、今一番国債を購入している人にその理由なり動機を聞いてみればいいのです。 では、今一番国債を購入しているのは誰なのか? 銀行や生命保険会社などでしょうか? そうではないのです。今一番国債を購入しているのは日本銀行なのです。 日本銀行は、今から約1年半ほど前の2013年3月31日現在で125兆円の国債を保有していました。それが、2014年9月30日現在では229兆円になっているのです。差し引き104兆円の増加です。その一方で、近年の我が国政府の年度間の新規国債の発行額は40数兆円程度ですので、日本銀行は、新規国債を全て買い占めた上に、それまでに発行され未償還である国債も市場から買い上げているのと等しい結果になっているのです。 言ってみれば、そうやって日本銀行がガンガン市場から国債を吸い上げるので、利回りはどんどん低下するのです。だって、日本銀行は異次元の緩和策を実施中であり、市場からガンガン国債を買い上げると言明しているので何が何でも国債を買い上げる必要があるからです。 当然の結果として国債の価格は上がり...そして、国債の価格が上がるということは利回りが低下するということなのです。 しかし、注意しなければならないことは、今国債の利回りが0.5%を切り如何にも日本国債の人気が高いようにみえても、それが自由な市場で形成されたもの(市場介入のないもの)ではないということなのです。 仮に日本銀行によるこのような積極的な介入なしに国債の利回りがこれほどまで低下しているのであれば、それは驚くべきことだと言っていいでしょう。しかし、このように国債の利回りが低下しているのは飽くまでも日銀が大規模な介入を行っているからなのです。 驚くべきことと言えば、最近、短期国債の利回りがマイナスになっているなんていう記事を見た人も多いでしょう。 金利が0.5%切るどころかマイナスになっているというのです。もっともそのマイナスになっている国債というのは残存期間が1年未満のものではあるのですが、でも、何故金利がマイナスになるようなことがあり得るのでしょうか? というのも、金利がマイナスになるというのは、額面価格を超えた価格で購入しないとそうはならないからです。しかし、満期に国が支払う額は額面価格であるので、額面価格を超えた価格で購入した投資家は損失を蒙ってしまうのです。 おかしいでしょう? では、誰が額面価格を超えた価格で残存期間が1年未満の国債を購入しているのか? これも日本銀行なのです。 何故日本銀行は損をするような取引をするのか? それは、そうしないと自分たちが公言した国債の購入量に達しないからなのです。 そうやって、国債を保有してる銀行は、日本銀行が額面以上の金額で国債を購入してくれるので、まさに濡れ手に粟でお金が儲かるのです。 そして、そのような体験をした銀行としては、日本銀行が幾らでも自分たちにとって有利な条件で国債を購入してくれると思うから、国債の真のリスクがどうであろうとも、そのようなことはお構いなしに国債を保有したいという気持ちになるのです。そのようなことも国債の利回りを低下させる要因になっているのです。 いずれにしても、今の国債市場は日本銀行が完全にコントロールしていて、そこでどのような金利が付こうともそれはあくまでも人為的なものでしかないのです。 ただ、日本は今のところ、経常収支の黒字は維持しているので、その結果、どうにか国債の信任も維持できているのだと思います。でも、そのことは、逆に考えれば、日本の経常収支が赤字に転落するようなことになれば、一気に日本国債の信認が落ちる可能性があるということなのです。 なお、ハイパーインフレは起こらないのかという質問に関しては、モノ不足になっていないとハイパーインフレは発生はしないのです。というよりも、モノ不足が起きているのにも拘わらず、政府がモノを調達する必要があるのでガンガン紙幣を発行し...しかし、どれだけ紙幣を発行して購買力を増強しようとしてもモノが足りないので、モノの値段が上がるだけのことなのです。 今、日本でモノ不足が起きているでしょうか? 答えはノー。だから、なかなかインフレは起きにくいのです。 それに、どれだけ国債の発行高が増えようとも、実際に世の中に出回っているお金の量はそれほどは増えていないので、インフレになりにくいのです。 いずれにしても、10年物の国債の利回りが0.5%を切り如何にも国債の人気が高まっているかのように見えますが、それは我が国国債の真のリスクを反映したものとは言えないので、日本の国債が人気が高いと思い込むのは非常に危険なことなのです。 http://www.gci-klug.jp/ogasawara/2014/10/11/022511.php
コラム:個人注目の豪ドル投資は報われるか=村田雅志氏 2014年 10月 10日 15:01 JST 村田雅志 ブラウン・ブラザーズ・ハリマン 通貨ストラテジスト [東京 10日] - ドル高基調の中でも底堅く推移していることから、豪ドルは日本の個人投資家を中心に注目を集めている。しかし、筆者は先行きを慎重にみており、たとえ多くの主要通貨に対して円安が進んだとしても、豪ドルは対円でも下落するリスクが高いと考えている。 豪ドル円は、今年1月下旬に90円を割り込む場面もあったが、その後は底堅く推移。9月上旬には98円台後半と昨年5月以来の水準に上昇し、原稿執筆時点(10月10日午前)でも94円台半ば近辺と年初来プラスを維持している。年初から5%以上下落したユーロ円と対照的な動きである。 豪ドルは、対円だけでなく、対米ドル(以下、ドル)でも下値の堅い動きを示している。対ドルの年初来パフォーマンスをみると、円が2.3%、ユーロは7.6%とそれぞれ下落したのに対し、豪ドルの下落率は1.8%と小幅。為替市場では9月に入りドル高基調が強まったが、豪ドルは対ドルでも下値が堅い。 この背景として、格付けが最高水準にあるにもかかわらず、金利水準が高い点がある。オーストラリアの格付けは、大手格付け機関3社いずれもがAAA水準を付与。アジア・太平洋州で同水準にあるのはシンガポールだけである。 格付けが高ければ、金利水準も低くなるのが一般的だが、オーストラリア債利回りは、先進国の中で抜きん出ている。豪2年債利回りは原稿執筆時点で2.5%台後半。他の先進国をみると、日本が0.05%台、米国が0.44%台、英国が0.73%台と、いずれも1%に満たない水準だ。ドイツにいたってはマイナス0.06%台と、マイナス金利が続いている。 ドル高基調の中でも下値が堅く、高格付けで高金利という条件がそろっていることもあって、日本の投資家は個人を中心に豪ドルへの投資に強い興味を示しているようだ。日本の個人投資家向けを中心とした外債(いわゆる売出債)のうち外貨建てでの発行割合をみると、豪ドル建ての割合は28.5%と、より金利の高いブラジルレアル建てやトルコリラ建てを抑えトップとなっている。 <強まる豪ドルの割高感> しかし、前述した通り、豪ドルの先行きに対しては慎重な見方を取るべきだ。オーストラリア景気の下振れリスクが高まるなか、豪ドルの割高感が強まっているためである。 緩やかな回復を続けてきた同国の景気は、転換点を迎えつつある。8月の小売売上高は前月比でわずか0.1%増と、2カ月連続の減速。9月の雇用者数は2.97万人減と、2011年4月以来の落ち込みとなり、労働参加率は06年2月以来の低水準である64.5%に低下した。 一方、外需に目を転じれば、8月の輸出は前年比4.7%減と2012年12月以来の落ち込みを記録。同国最大の輸出先である中国景気は先行き不透明感が強いほか、主要輸出品である鉄鉱石など原材料価格の低迷もあって、外需が景気をけん引する展開は期待しにくい。7―9月期の成長率は前年比3.0%増程度と2四半期連続で減速するとの見方が強まっており、10―12月期以降も減速基調が続くと見込まれている。 オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は7日の会合で政策金利を2.50%で据え置くと発表。RBAは声明で、労働市場は依然として過剰感が強く、賃金の下落も著しいと指摘。公共投資は抑制傾向が続く見込みで、今後、数四半期の成長率は長期平均を若干下回るとの見方を示した。その上で、当面、金利を安定させるのが最善だろうと、政策金利を据え置き続ける意向も示した。 興味深いのは、9月に入ってから豪ドルが大きく下落したにもかかわらず、RBAは、前回会合と同様に豪ドルは歴史的な水準からみて「依然として高い」との見方を維持したことだ。声明では豪ドルについて、最近の為替相場は主にドル高を反映して下落しているが、特にここ数カ月間に主要商品価格が一段安となったことを考慮すれば、過去の基準でなお高止まりしていると指摘。バランスの取れた経済成長を達成する上で通常予想されるよりも為替の支援は少ないと説明した。 足元の豪ドル/ドルは0.87ドル台半ばと、2011年夏場に記録した1985年以降の最高値(1.10ドル台)からみれば、すでに2割以上も下落している。高くないとも言えそうだが、RBAの判断は、物価の観点から考えても、さほど不思議なものではない。経済協力開発機構(OECD)が購買力平価から算出した通貨の割高度をみると、円が4.5%、ユーロが1.1%の割安であるのに対し、豪ドルは対ドルで25%の割高となっている。 国際決済銀行(BIS)が公表する実質実効為替レート(物価変動や他国との貿易額の割合から算出された通貨の水準)をみても、豪ドルはリーマンショック前の2006年、07年の水準を上回ったまま。1995年以降の最低水準を維持している円と対照的だ。 日本時間10月9日の早朝に公表された9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨をきっかけに米利上げ期待はやや後退。米10年債利回りは一時2.28%程度と昨年6月以来の低水準を記録したが、ドル円は107円台半ばで下げ止まり、為替市場でのドル高期待は継続している。 今後、時の経過とともに米利上げは近いとの見方が強まり、ドルは再び買い優勢の展開となるだろう。割高感の高い豪ドルは、割高感が解消された円やユーロに代わり、ドル買いの相手通貨として有力な候補となりうる。 *村田雅志氏は、ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの通貨ストラテジスト。三和総合研究所、GCIキャピタルを経て2010年より現職。 G20で為替発言相次ぐ、米が通貨安競争けん制し日欧はメリット強調 2014年 10月 11日 12:27 JST [東京 11日 ロイター] - ワシントンで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、世界経済、とりわけデフレに直面しているユーロ圏経済が大きなテーマのひとつとなった。ユーロ圏からユーロ安を求める声が高まるなか、当初議題予定になかった為替に関する発言が相次ぎ、米財務長官は通貨安競争をけん制。 これに対し日銀総裁や欧州勢は自国通貨安による経済へのプラス面を強調するなど、認識にややずれが見られた。 前回9月のオーストラリア・ケアンズでのG20の声明文に、為替に関する言及はなかった。今回は声明文は発表されなかったものの、各国から発言が相次いだ。 ルー米財務長官は当初、G20への出席予定が公表されていなかった。しかし実際には会合に出席し、通貨安競争回避と需要の押し上げを要請。同長官は「主要国は競争的な通貨切り下げを回避するという(G7声明などの)合意を順守する必要がある」と発言した。 ただ、ルー長官の欧州と日本への評価は異なる。ユーロ圏については、つい数日前の米国内での講演で、ユーロ安を求める欧州を念頭に「通貨安競争は誤り」と基本的なG7合意を踏襲しながらも、同時に「強いドルは米国にとって良いこと」とドル高容認姿勢を示していた。 今回のG20でも事前の見通しでは、ユーロ圏がデフレ状況に近づく中、財政・金融政策ともに限界があるならユーロ安を容認するのではないか、との観測も取りざたされていた。 しかし、ルー長官はあらためて通貨安競争をけん制。ユーロ圏に対しては成長率引き上げによる対応を強く求めた。「長期に及ぶ低インフレなどマクロ経済と金融面で強い逆風が続いている。短期的には弱い需要に対応し、中長期的には潜在成長率を引き上げるよう欧州の首脳は政策を調整すべきだ。より力強い成長を実現するために需要と供給面の改革を同時に進める必要がある」と指摘。とりわけ、ドイツを念頭に財政による成長支援を求めた。 一方で日本に対しては、日銀がデフレサイクルを食い止めているとして、一定の評価を示した。ただ、成長は依然弱い見通しだと懸念を示し、「慎重に財政健全化のペースを調整する必要がある」と成長に配慮した対応を求めた。 これに対し、日本の麻生太郎財務相が為替への発言を控えたのに対して、黒田東彦日銀総裁が積極的に発言。「ファンダメンタルズを反映した円安は日本経済にプラス」との従来の認識を繰り返した。もっとも、金融市場で懸念されている政府と日銀のメッセージの食い違いについては、黒田総裁が円安の影響について政府と温度差がないことを強調した。 欧州勢からは、引き続きユーロ安を是認する発言が相次いだ。ノボトニー・オーストリア中央銀行総裁が「通貨安は輸出にプラスで、現在目標を大きく下回っているインフレ率の押し上げにも効果的だ」としたほか、ダイセルブルーム・ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)議長も「米国と欧州は景気回復の度合いが異なる」として、ファンダメンタルズの違いがある以上、ドル高・ユーロ安について議論する意味はない、とした。 他方、ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁は為替への言及よりも、むしろユーロ圏経済の弱さを指摘、「成長を阻害せずに財政健全化を着実に実行し、強い意思を持って構造改革に臨むことが、将来に対する消費者や企業の信頼感を後押しすることにつながる」として構造改革の必要性を訴えた。 (中川泉 編集:山川薫) http://jp.reuters.com/article/jp_forum/idJPKCN0HZ06020141010 |