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ドル独歩高を米国がどこまで容認するかは不透明だ(ワシントン)=AP
G20、揺らぐ安定成長 通貨政策巡り不協和音も
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO78329630S4A011C1NN1000/
2014/10/12 0:32 日経新聞
【ワシントン=後藤達也、赤川省吾】世界経済の持続的な成長シナリオが揺らぎ始めた。9〜10日に米ワシントンで開いた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は不協和音が目立ち、経済の下振れに明確な処方箋を示せなかった。通貨安に依存する日欧に対し、ドル独歩高を米国がどこまで容認するかは不透明だ。米利上げへの不安も再燃している。
G20会合には景気への危機感が漂っていた。新興国ではロシアの成長率が水面下に沈み、ブラジルは資源価格の下落でゼロ成長だ。先進国でも日本の景気がもたつき、欧州にデフレリスクが忍び寄る。成長シナリオは明らかに揺らいでいる。
財政拡大や金融緩和などで経済の下支えが必要になる――。そんな認識が参加者に強まっていたが、会合は開催前から波乱含みだった。
■にべもないドイツ
「ユーロ圏と日本で金融政策の前進が必要だ」。国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事が日銀と欧州中央銀行(ECB)に追加緩和を促したのは会合に先立つ9日午前だった。するとワシントンに到着したばかりのドイツ連邦銀行のワイトマン総裁は記者団につぶやいた。「(緩和には)リスクがある」
翌10日の会合でも議論はかみあわなかった。「柔軟な財政による世界成長の底上げは経常黒字国の責務だ」。米国側の念頭にあったのは2015年に財政黒字と経常黒字という「双子の黒字」を見込むドイツによる財政出動だ。だがショイブレ独財務相は「財政規律は守る」とにべもない。
景気がもたつく日本に財政出動の余地は小さく、日銀も追加緩和に慎重だ。議長国オーストラリアによるインフラ投資の底上げ計画も、どこまで世界経済の成長に寄与するのかは見えない。
世界経済の下振れ懸念を映し、新興国からは再び米利上げへの警戒の声が上がり始めた。「短期的な資金の流動を招き、新興国・途上国に副作用を与える可能性がある」(ブラジルのマンテガ財務相)
■米は日欧にくぎ
手詰まりのG20で日欧が期待を寄せるのが通貨安による景気押し上げ効果だ。独り気を吐く好調な米景気を背景に、円と通貨ユーロには先安観が強まっている。
「為替については厳に口を慎んでもらいたい」。米財務省高官はG20会合に先立ち、日欧などG20通貨当局者にくぎをさした。
日本の貿易赤字やユーロ圏の先行き不安からドル独歩高の傾向が続くのはある程度はしかたない。こう考える米国側は「強いドルは米の国益」と事実上、ドル高を容認してきたが、日欧などには「ドル高が加速すれば対議会などでルー米財務長官も厳しい立場に追い込まれる」(国際金融筋)と米の“手のひら返し”への警戒が強まる。
日本の政策当局者は1ドル=110円までなら米国は円安を容認するだろうと踏む。ユーロ圏では1ユーロ=1.2ドルが許容ラインとの見方があるが、米中間選挙を11月に控え米側の出方は読みづらい。通貨摩擦の火だねを抱えながら世界経済はもろさを伴う成長鈍化の局面に入る。
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