02. 2014年10月11日 22:09:52
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G20、欧州経済悪化への対応求める声相次ぐ 2014年 10月 11日 12:40 JST [ワシントン 10日 ロイター] - 米ワシントンで開かれていた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は10日閉幕した。会議では欧州経済の悪化が焦点となり、各国からは景気後退(リセッション)回避に向け、当局に対応を求める声が相次いだ。欧州経済をめぐっては、最大のけん引国であるドイツの減速ぶりが鮮明になっている。今週発表された8月の貿易統計によると、輸出は前月比5.8%減と2009年1月以来の大幅な落ち込みとなった。同じく今週発表された鉱工業受注や鉱工業生産でも大幅な減少がみられ、一部ではドイツが景気後退(リセッション)に陥るのではないかとも懸念されている。 IMFは今週発表した「世界経済見通し」のなかで、ユーロ圏が今後1年間でデフレに陥る確率を30%、景気後退となる可能性は40%との予想を示した。 こうしたなか、欧州の当局者はこうした懸念の払しょくに追われた。 ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のダイセルブルーム議長はロイターに対し、今後開かれるユーロ圏会合で、域内の成長を後押しするための新たな戦略を提案する考えを表明。具体的には、金融政策、財政政策、構造改革、投資計画の4分野において、各政策の連携強化を求めるとした。 オズボーン英財務相は記者団に対し、「足元、英国経済はもちろん世界経済にとっても最大のリスクは、ユーロ圏経済が景気後退(リセッション)に陥り、危機に逆戻りすることだ」と話した。 一方、ドイツのショイブレ財務相は、欧州にとって必要なことは経済改革であって「小切手を切る」ことではないとの立場を繰り返し表明した。 *見出しを修正して再送します。 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0HZ2E320141011 〔情報BOX〕G20要人発言一覧 2014年 10月 11日 11:40 JST [ワシントン 10日 ロイター] - ワシントンで開催された国際通貨基金(IMF)・世界銀行総会、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議、その他関連会合に出席した要人の主な発言は以下の通り。 ◎麻生太郎財務相 (日本経済は)緩やかに回復しているとみている。世界経済については楽観も悲観もしていない。 デフレの下で不況をやった経験は欧州にはない。金融政策だけでは(デフレを防ぐことは)できない、というのがわれわれの実験ではっきりした。財政と一緒にやらないとできない。 ◎朱光耀・中国財政次官 <米連邦準備理事会(FRB)の政策とコミュニケーションについて> FRBは来年の早い時期に(金融政策の)正常化を開始する公算が大きい。FRBが金利の正常化を開始したら、25ベーシスポイント(bp)の1度の利上げにとどまらず、プロセスが続くということは過去の事例で明らかだ。 FRBの政策が米経済や世界経済に及ぼす影響を注視する必要がある。もちろん波及効果をめぐる問題は特に重要だ。 コミュニケーションを一段と強化し、政策を透明化することにより、新興市場国をはじめとする他国への波及効果について、市場に理解させることが必要だ。G20などが共同で取り組むべきだ。政策調整や協調が一段と重要になっている。 <ドルについて> 金融政策が為替相場に焦点を当てたものではなく、国内の経済政策の一部であることでG20は一致している。しかし欧州のデフレリスクなどにより金利正常化で問題が生じれば、近い将来、おそらく2年以内に政策調整がより重要になってくるだろう。 ◎ルー米財務長官 <世界経済について> 世界経済の需要を強力に支える包括的なマクロ経済政策と構造改革が世界的に必要だ。とりわけ対外収支が黒字で、財政が世界の調整を支援できる柔軟な状況である国に課された義務だ。 <為替について> 主要国は競争的な通貨切り下げを回避するという合意を順守する必要がある。 <ユーロ圏について> 長期に及ぶ低インフレなどマクロ経済と金融面で強い逆風が続いている。短期的には弱い需要に対応し、中長期的には潜在成長率を引き上げるよう欧州の首脳は政策を調整すべきだ。より力強い成長を実現するために需要と供給面の改革を同時に進める必要がある。 <日本について> 日銀がデフレサイクルを解消し成長を支援しつつある。ただ、財政健全化のペースを慎重に調整し、成長を促進する構造改革を断行しなければならない。 <中国について> 中国は市場が決定する為替相場への移行と金融部門のリスクへの対処が不可欠だ。 ◎ノボトニー・オーストリア中銀総裁 通貨安は輸出にプラスで、現在目標を大きく下回っているインフレ率の押し上げにも効果的だ。 ◎マンテガ・ブラジル財務相 米国が金融政策を正常化すれば金利が上昇し、短期的な資金移動が起きる。金融を自由化していれば(新興国や発展途上国は)打撃を受ける恐れがある。しかし新興国・途上国は資本流出の混乱に対処する上で以前と比べてより堅固な状況にある。 ◎ダイセルブルーム・ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)議長 <ユーロ圏経済の課題について> 欧州は新たな成長戦略の策定を目指す。投資拡大、財政規律強化、構造改革を一体で行えば強力なメカニズムとなる。 欧州に対する悲観的な見方は当たらない。改革を実施した南部の国やバルト諸国、アイルランドは成長を回復した。改革は成長を阻害するのではなく、速やかな回復を支援するということをあらためて証明した。 <為替相場について> 為替相場について話しても意味はない。米国と欧州は景気回復の度合いが異なる。米国は金融緩和を縮小し、おそらく来年利上げすることを検討している。一方、欧州はまだ量的緩和と非常に緩和的な金融政策が焦点になっている。 ◎オズボーン英財務相 <公的債務について> 英国を含め多くの先進国で公的債務と財政赤字は依然として非常に高水準だ。財政健全化は完了していない。市場の信頼をつなぎとめる確かな中期的財政規律は、引き続き優先度が高い。 <欧州の問題の影響について> 現時点で英国と世界経済にとって最大のリスクは、ユーロ圏が景気後退に逆戻りし、危機が再燃することだ。 再び欧州に注目が集まっている。欧州諸国が協調して信頼のおける財政政策、経済を支援する金融政策、本物の経済構造改革をまとめることができるか注視している。 <日本の3本の矢について> 安倍晋三首相の「3本の矢」をもちろん支持する。経済改革を目的とする3本目の矢が確実に放たれることを誰もが期待している。経済改革は日本だけでなく、米国や英国、他の欧州諸国の課題でもある。 ◎ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁 (ユーロ圏)経済の勢いが足元弱まっていることで、民間投資の回復はさらに幾分遅れる可能性がある。地政学リスクの高まりもマイナスの影響を及ぼしている。 成長を阻害せずに財政健全化を着実に実行し、強い意思を持って構造改革に臨むことが、将来に対する消費者や企業の信頼感を後押しすることにつながる。 ◎ラガルドIMFド専務理事 リスクを取る行動が経済においては過少で、金融では過剰だ。リスクは一部に集中している。世界の資産運用最大手10社に19兆ドルもの資金が集まっている。これは米国の経済規模を上回る。 2015年が正念場になりつつある。この機会を逃せば、何世代にもわたって世界の最貧困層を見捨てることになる。 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0I000T20141011 日銀総裁「経済状況反映した円安はプラス」、財務相は為替に沈黙 2014年 10月 11日 10:37 JST [ワシントン 10日 ロイター] - 麻生太郎財務相と黒田東彦日銀総裁は10日、ワシントンで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の閉幕後に記者会見した。麻生財務相は為替についてはコメントを避け、沈黙した。一方、黒田日銀総裁はファンダメンタルズを反映した円安はプラスとの見解を示した上で、日銀と政府の間に円安の影響について温度差はないことを強調した。 <為替発言はもっぱら黒田総裁、「政府と温度差なし」> 麻生財務相は「為替については話さないことになっている」と述べたきり、円安に関して一切発言しなかった。 これに対し、黒田総裁は饒舌(じょうぜつ)だった。「為替の水準や見通しについて具体的に申し上げることは差し控えたい。一般論として言うと、円安は輸出の増加や、グローバルに展開している企業の収益を改善させる、あるいは株価を上昇させるというプラスの効果を持つ一方で、輸入コストの上昇や、価格転嫁を通じて非製造業の収益や家計の実質所得に対する押し下げ圧力として作用する。したがって、その影響は経済主体によって異なり得るもの」と説明。 その上で「経済・金融のファンダメンタルズを反映した円安であれば、全体として経済にはプラス」と述べた。金融市場では、日銀と政府の円安に対するメッセージの違いを懸念する声もあるが、「こうした見方について温度差があるとは思っていない」として、見解の相違を否定した。ただ、「為替相場の動きを含めて金融資本市場の動向についてはそれが実体経済、さらには物価などに与える影響を引き続き注意深くみていきたい」と慎重な姿勢も示した。 最近の原油価格や株価などの下落傾向について、黒田総裁は「ボラティリティーが低いところから若干上がったことについて、特に大きな問題とはみていない」、「中期的にみて、市場のボラティリティーは依然かなり低い」と述べるなど、問題視しない姿勢を示した。また「日本は巨額の石油輸入国であり、原油価格の下落は日本経済にとってプラス」との認識も示した。 <日本経済、緩やかに回復> 日本経済について、麻生財務相は「緩やかに回復しているとみている」との認識を示した。米財務長官が日本に構造改革を訴えていることもあり、「成長戦略の確実な実施や政労使の会議での議論を通じ、好調な企業収益を設備投資・賃上げ・配当・雇用環境のさらなる改善につなげることにより、経済の好循環につなげたいと思っている」と述べた。「そういう意味で、本年度の第3・四半期のQEをはじめ、いろいろな経済指標を見極めた上で、いろいろ決めていかないといけない」として、10%への消費税再引き上げが可能かどうか、経済環境を見極めたいとの考えを示した。 世界経済についてユーロ圏を中心に懸念が強まっている状況に関して、「世界経済については楽観も悲観もしていない」と特定の見方を明示しなかった。特に欧州のデフレ懸念に関連した質問には「デフレの下で不況をやった経験は欧州にはない」として、日本の経験に言及。「金融政策だけで(デフレを防ぐことは)できない、というのがわれわれの実験ではっきりした。財政と一緒にやらないとできない」と述べた。 黒田総裁は日本経済に関して「企業部門は極めて高い利益水準にあり、その下で設備投資や賃上げを通じ、次第に所得から支出へという循環が働いてきている」と前向きの動きを強調。「足元、消費増税に伴う駆け込みの反動で4─6月は消費もかなり落ち込んだが、7月、8月中旬までの天候不順の影響も脱しつつある。(消費増税前の駆け込みの)反動減の影響も和らぎつつある。雇用・所得環境が良好なので、消費も次第に戻ってくるだろう」と楽観的な見通しを示した。 麻生財務相はまた、しばらく開催されていない日韓財務相会談について「日韓の間で次回の財務相対話は事務レベルで詰めるとの話をした。首脳会談については、双方でこの話を検討するように詰める」と述べ、実現の見通しが立っていない首脳会談の開催についても検討を進めるとした。 (木原麗花 中川泉 編集:山川薫) http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0I000P20141011 米財務長官、通貨安競争の回避と世界の需要押し上げを要請 2014年 10月 11日 08:22 JST [ワシントン 10日 ロイター] - ルー米財務長官は10日、世界の需要押し上げに注力するよう世界各国の首脳に求めた。さらに、景気や財政状況が堅調な国々に対し、成長支援に向け一段の措置を講じるよう要請した。また為替相場について、主要国は競争的な通貨切り下げを回避するという合意を順守する必要があると訴えた。 ルー長官は国際通貨金融委員会(IMFC)への声明で 「弱い需要の伸びは、多くの国で見られる慢性的な経済不振の元凶だ」と指摘した。 そのうえで、成長支援は「とりわけ、対外収支が黒字で、財政が世界の調整を支援できる柔軟な状況である国に課された義務だ」と強調した。ドイツを念頭に置いた発言とみられる。 その一方で「より力強い成長を実現するために需要と供給面の改革を同時に進める必要がある」として、欧州の国々は経済の生産性を改善する必要があると指摘した。 日本については、日銀がデフレサイクルを解消しつつあり、日本は慎重に財政健全化のペースを調整する必要があるとの見解を示した。 また、中国は市場が決定する為替相場への移行と金融部門リスクへの対処が不可欠と語った。 *内容を追加しました。 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0HZ2C620141010 |