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GPIF組織改革にこだわる塩崎恭久厚労相は「官僚と衝突中」 photo Getty Images
GPIF改革で株価上昇へのサプライズ!「25%」「バンド制」を塩崎厚労相は発表できるか
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/40733
2014年10月11日(土) 歳川 隆雄 現代ビジネス
10月8日(現地時間)、ニューヨーク証券取引市場のダウ工業株平均は前日比274ドル高と大幅に反発したものの、翌日は米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録公開で早期の利上げ観測が後退したことで、一転して335ドル安に下落した。
加えて円相場が対ドルで円高に振れて輸出関連株が売られ、欧州景気に対する懸念も強まり、東京証券市場の日経平均株価は3日続けての値下がりで下げ幅400円超の1万5500円割れになり1ヵ月ぶりの安値となった。
■塩崎厚労相が「官僚の抵抗にあっている」
「株価が政権の命綱」とする首相官邸が望んでいた9月中旬の株価1万6000円台回復は瞬間風速に終わった。こうした中で、焦点の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF。三谷隆博理事長=元日本銀行理事)のリスク資産運用構成比変更、具体的には実質国内株式保有率を現行の17.3%から20%超への引き上げを正式発表するのか、それとも先送りするのかが、市場関係者の最大の関心事になっている。
GPIFを所管するのは厚生労働省(村木厚子厚生労働事務次官・1978年旧労働省入省)の年金局(香取照幸局長・80年旧厚生省)である。そして厚労相は、鳴り物入りで就任した塩崎恭久氏である。『毎日新聞』(4日付朝刊)は、その塩崎厚労相が「運用を手がけるGPIFの組織改革にこだわり、官僚の抵抗にあっている」と報じている。
外国機関投資家を含む市場関係者のみならず、出来れば株価1万7000円台を実現したい官邸側は、GPIFのガバナンス改革も重要だが、それよりも総資産約130兆円の国内株式保有率を増やしてより多くの運用益を出せという立場である。
有識者7人で構成する運用委員会(委員長・米澤康博早稲田大学大学院教授)を日銀の政策委員会に準じた金融専門家による「合議制」導入などガバナンス改革にはGPIF組織改革法案の国会成立が必要である。今臨時国会への法案提出・成立は無理だ。
そんな悠長なことを言っている場合か、というのが安倍官邸の本音であろう。
筆者は本コラム5月17日付で、当時の円高・株安によるアベノミクスへの先行き不安を突破するには、GPIF改革との絡みで日銀(黒田東彦総裁)とGPIFが個別に直接量的緩和のスワップ取引の実行を提言した。
日銀がGPIFから国内国債を買い取れば、市場は一定の緩和策として評価すると共に国債市場の流動性を損ねることもない。そしてGPIFが国債保有率を減らすことは運用改革・資産分散の大きな一歩と見なされ、市場への強いメッセージとなる、と書いた。
■株価上昇へ必要なのは「25%」「バンド制」
何と、ここに来て日銀の政策委員会は中曽宏理事を中心にGPIFとのスワップ取引を検討し始めているというのだ。従って、重要なのはやはりGPIF自らが運用改革を断行するというメッセージを市場に向けて発するということである。
市場は既に国内株式比率を20%に引き上げられるということを織り込んでいる。必要なことは、市場の期待値以上に引き上げることだ。例えば、25%。所謂「ポジティブ・サプライズ」である。
そこまで踏み込めないというのであれば、新たな資産構成手法として「バンド制」の導入も考えられる。中央値を設けない18%〜30%のバンド制というものだ。これであれば、抵抗勢力である年金局が言い募る「運用に失敗したら誰が責任を取るのか」という心配についても、相場環境に伴う柔軟な運用・運営が可能だと反論できる。そして外国投資家はバンドの上限に注目する傾向が強いことから、30%という数字を重視して「日本買い」が進み、1万7000円台も現実味が帯びてくる。
要は、塩崎厚労相が独立行政法人を手放したくない厚労省年金局を政治力で押さえ込むことが出来るかどうかである。
ザ・霞が関がカジノ解禁法案の今臨時国会への提出・成立に、パチンコ(遊戯)利権を握る警察官僚だけでなく、競馬を所管する農林水産省、競輪・オートレースの経済産業省、競艇の国土交通省、宝くじの総務省、サッカーくじの文部科学省が一体となって反対に追随するのは、民間主導のカジノが公営ギャンブルを脅かすことになるからだ。
厚生労働省(年金局)=GPIFと、これまで巨額な資産運用を独占的に担ってきた金融機関との間にも、こうした癒着の構造があるに違いない。
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