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株式市場の下落
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52653359.html
2014年10月10日 在野のアナリスト
日経平均が三日続落、しかも10月になってからは800円以上、5%を越える下落です。しかもドルベースでみるともっと深刻で、例えば7月1日は101.3円で日経平均は15326円、今日は107.9円で日経平均は15300円。ドルベースなら151.3と141.8、実に6%を越える下落率で、同じ15300円でも、景色が違ってきます。10月はファンド勢の損だし売りが嵩む、ということは以前から知られていますが、これだけパフォーマンスの悪い日本では、売りたくなるのは必定です。
先週、現物、先物合わせて1兆円以上を売っていますが、9月は2兆円以上買い越しており、また円売り、裁定買いも未だに高水準と、まだ売り余力も相当あるとされます。またここに来て、米株がボラタイルな展開を続けており、バブルか、そうでないか、といった議論が出ているように、世界経済減速の影響を米経済だけが免れる、という必然性について懐疑的な見方が広がっていることも、市場を下押しします。企業決算、見通しが示されるここからは、米市場の動向も、世界経済全体の方向性という意味では、重要となってくるのかもしれません。
しかも、海外投資家の見立てとして、地方創生を掲げて円安牽制をする安倍政権と、インフレ重視で円安容認の日銀との間で政策の整合性がとれるのか? という不安が語られます。要するに、安心してポジションを傾けられない。日本市場は外そう、という思惑が働き易くなった。それは円売り、株買いのアンワインドを起こし易い、という意味で下落を大きくさせます。
個人的には、政権の掲げる脱デフレの目標設定がそもそも間違えていて、中銀のインフレターゲット論なども、総じて考えると上手くいった試しがありません。経済の一つの側面であるインフレを目標にすると、他にマイナスの影響がでる。経済全体の構造をチェックし、上手く機能させていくためには、狭い視野では必ず失敗する。脱デフレはまさにその一つと云えます。
最近、市場関係者の間からもスタグフ懸念が囁かれます。景気後退とインフレが共存し、より経済に打撃となるスタグフ症状を示しても、政府、日銀が景気後退を認めないため、未だに脱デフレを目標とします。7-9月期の減速を天候要因としたなら、2週続けて大型台風が直撃する10-12月期とて不安が残るはずなのに、その考察はありません。9月日銀会合の議事要旨をみても、本当に経済の専門家か? と目を疑うような内容が目立ち、そこに不安を感じます。
8月機械受注が4.7%増で、内閣府は基調判断を上方修正しました。しかしバブルに湧く建設業、リース業などが中心で、全体への広がりはありません。9月の消費者態度指数など、前月比1.3pt低下の39.9になるなど、家計が圧倒的に弱くなっています。その国の経済の基は家計にあり、そこがインフレでさらに苦しむ状況で、議事要旨は家計への配慮、目配せがありません。
安倍政権で、必然的におこってきた景気後退局面。財政出動と金融緩和、という二つの泡をつくって、実体を覆い隠してきましたが、その泡を二つの台風が吹き飛ばし、何が起きているかを露にするのかもしれません。日本経済への不安、昨年の外国人投資家の買い越し額は、GPIFが今後増やす、とされる株式投資の額を大きく凌駕します。本気で売りたててきたら、抵抗する術がない。日銀が、今のETF買いを続けることも同様に、今後は何が起きるかを将来にわたって冷静に、見極めていくことが大事なのでしょうね。
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