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豊かさの中に、貧困が深く忍び寄っている日本社会。私たちは今、生きるのが難しい時代に放り込まれている。
10年後、私たちの生活レベルは1つ下のランクに落ちている
http://www.bllackz.com/2014/10/10.html
2014年10月10日 Darkness - ダークネス
2014年10月9日、政府は税制改正に向けた議論に着手しているが、その大きな目的は2015年10月の消費税率10%を確実に成し遂げることにある。
すでに、政府は財政状況を鑑みて消費税10%は当然として、強引だろうが何だろうが、とにかくそれを実現する意向であるのは言うまでもない。
しかし、消費税を10%にしたらそれで終わりではない。日本は債務比率が対GDP比200%以上という異常な事態にあり、消費税を10%にしたところで日本の財政状況は改善しない。
消費税を5%上げると、約13兆円の税収増になると言われている。しかし、歳出90兆円、累積債務は1000兆円を超えた中で、たかが13兆円増えたところで何の意味もない。
それこそ「焼け石に水」で、増税分はすぐに蒸発して消えるレベルでしかない。金利が1%上昇したら、もう増税分が吹き飛ぶような莫大な累積債務が政府にはある。
そこで2014年9月21日、麻生太郎財務相は「黒字化を達成するための新たな計画を準備する必要がある」と述べている。
■消費増税を繰り返して国民の所得や資産を収奪
何が起きているのか、言うまでもない。
「日本の国債は国内で消費されているから問題ない」とツケをどんどん先送りしているうちに、政府はもうどうしようもならなくなってしまったのだ。
そこで、いよいよ消費増税を繰り返して国民の所得や資産を収奪にかかっているのである。
この政府の莫大な債務の担保は日本国民の貯蓄だが、この個人貯蓄も今後は現象していく。なぜか。今後は高齢化がさらに進展していき、彼らは個人貯蓄を取り崩して生活するようになるからだ。
貯蓄のない高齢者は年金でも食べて行けなくなる上に、消費増税で追い詰められるので、彼らの生活は破綻する。
そうなると、彼らが最後に頼るのが生活保護であり、事実、生活保護の受給者は増えることがあっても減ることがない。
高齢者の万引きも激増している。すでに万引きは2013年に入って、未成年者よりも高齢者の逮捕の方が増えているのである。
高齢者の万引きは認知症や孤立と言った原因も含まれているので、貧困から来ているとは限らないという分析もある。
しかし、貧困が孤立を招き、それが万引きにつながっているという事実もあるわけで、高齢者の万引きは決して貧困と無縁ではない。
貧困と言えば、企業の雇用形態も変化して若年層も非正規労働者として雇われるのが普通になっていき、給料は極限まで下げられている。
そんな状況なのだから、個人貯蓄は減ることがあっても、増えることはないと言われている。
■問題は、政府より自分が生き残れるかどうか
これは政府から見ると急激に累積債務の担保が毀損しているという意味になる。
だから、もはや待ったなしで増税が推し進められているのである。紆余曲折があったとしても、やがては消費税10%、あるいはそれ以上の増税の道は避けられないと覚悟した方がいい。
フランスでは20%を超える消費税が取り入れられているが、そのレベルにまで到達しても不思議ではない。
ここで重要なのは、政府が破綻するとかしないとか、国債が暴落するとかしないとか、そういった話ではない。これについては現状維持も暴落もどちらも考えられる。
どちらに転ぶのか分からないのを議論するのは学者の仕事であって、一般の国民の仕事ではない。
問題は、政府が生き残るために、何が何でも増税と福祉や行政の削減に動いて「国民からの収奪」が避けられなくなっているという部分だ。
私たちは、自国の政府が生き延びる心配をする前に、まずこれから自分が生き残れるかどうかの心配をしなければならないのである。
もし、国が駄目になるのであれば、まず国が駄目になって、自分の生活が駄目になるのではない。順番が逆だ。
政府が追い詰められると、すぐに国民の収入や個人貯蓄に手を突っ込んで来る。政府が駄目になるのだとしたら、政府の前に自分の生活が駄目になるのである。現に、激しい勢いで増税が為されている。
ただでさえ、低賃金にあえぐ若年層、切り詰めながら年金で生きている高齢者にとっては最悪の事態となっていくのである。
■日本人の困窮化は、むしろこれからが本番
すでに2000年に入ってから日本人はどんどん経済的に追い込まれるようになっていった。最初は一部の若年層の苦境から始まったので貧困は、「格差問題」から始まった。
しかし、その格差がどんどん拡大していくと、それは「貧困問題」へと変質していった。この貧困による経済苦境は、世界がグローバル化していけばいくほど拡大する一方だ。
日本人は明らかに以前と比べて貧しくなった。
そこに、政府の累積債務問題が重なり、少子高齢化問題が重なり、増税が為されているのだから、日本人の困窮化は、むしろこれからが本番であることが分かる。
企業は社員を切り捨てにかかる。政府は国民から収奪にかかる。福祉や行政は削減する方向に向かう。少子高齢化で活力が失われる方向に向かう。
そのような動きが複雑に絡み合って日本の国力は削がれていくわけだから、私たちはもう全員まとめて「生きるのが難しい時代」に放り込まれたのである。
「日本がより悪くなる」というのは、現実化してしまった。だからこそ、私たちが重要になっているのは、いかに生活するかではなく、いかにサバイバルするかになっているのだ。
サバイバルするというのは、「劣悪になる環境の中で生き残る」という意味である。
人生を確実に生き残るための奇策はそうそうあるわけではなく、宝くじやギャンブルを当てるという運に頼るわけにもいかない。現実的にならなければ生き残れない。
10年後の日本社会は、何らかの奇跡でも起きない限りは、より貧しくなっている。つまり、私たちの生活レベルは、今よりも1つ下のランクに落ちているのは間違いない。
それを見越して生きるというのが、現実的になるということでもある。
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