01. 2014年10月10日 16:49:30
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焦点:消費増税で企業間格差が鮮明に、商品力・価格決定力で明暗 2014年 10月 10日 16:21 JST ◓http://jp.reuters.com/news/pictures/articleslideshow?articleId=JPKCN0HZ0CC20141010&channelName=topNews#a=1 1 of 1[Full Size] [東京 10日 ロイター] - 今年4月からの消費増税で、家計負担増があらためて意識され、消費者は支出先の選別を強めている。その結果、業態内における消費関連企業の格差が、より鮮明になってきた。そこに再増税の可能性も控えている。より慎重さを増す消費者を前に、商品力や価格決定力など企業の「実力」によって、一段と業績に格差が生じる可能性がある。 <業態間格差から企業間格差へ> 流通大手の幹部は「これまでは業態間の格差だったが、消費増税を経て、足元では、企業間格差が広がっている」と話す。 安倍晋三首相が就任して以降、株高を背景に「プチぜいたく」や「プレミアム志向」など高付加価値化の消費が広がった。しかし、その行動は必要なものには多少高くても支出をするが、不要な物は買わないという選別消費。 そこに消費増税や円安による輸入物価、エネルギーコストの上昇、天候不順による生鮮野菜の高騰などが重なり、消費者の選別の目は、一段と厳しくなっているという。 <コンビニは1強際立つ> 高齢化、単身世帯の増加、女性の社会進出といった環境変化への対応を強化し、店舗網を急拡大したコンビニ各社も、足元では、各社の差が広がってきている。3―8月期決算は、業界首位のセブン―イレブン・ジャパンの強さが際立つものとなった。 本業の強さを示す営業利益(3―8月期)は、セブンイレブンが4.0%増の1158億円で過去最高益となったほか、ローソン (2651.T: 株価, ニュース, レポート)は会計基準の変更を除くと0.1%増の357億円とほぼ前年並み、ファミリーマート (8028.T: 株価, ニュース, レポート)は15.8%減の214億円と落ち込んだ。 全店の1日平均売上高(日販)では、セブンイレブン66万6000円に対し、ローソンが54万4000円、ファミリーマートが51万7000円となり、ファミリーマートとセブンイレブンとの差は前年同期に比べて広がっている。 メリルリンチ日本証券・小売りセクター担当アナリストの青木英彦氏は、セブンイレブンの強さは商品開発力に加え「絶妙なプライシングができていること」と指摘する。 「金の食パン」の大ヒットで「高価格化路線」とみられがちなセブンイレブンだが、鎌田靖・常務執行役員は「値ごろ感」を強調する。「価値があれば価格は高くても良い、という時代ではない」と話し、高付加価値商品であっても、「高価格」ではなく、「値ごろ感」のある価格が必要だという。 例えば、一大ブームとなったコーヒーも「1杯100円で喫茶店のコーヒーと全くそん色ない味となっている。ワンコインで買える、というのは消費者にとって非常に魅力的」(全日本コーヒー協会の西野豊秀・専務理事)と、専門家もうならせる品質と価格がヒットの大きな要因となった。 ローソンの玉塚元一社長は、カード会員に限定した値引きや価格がセブンイレブンに比べて割高と受け止められるなど、価格政策に「ち密さと繊細さが欠けていた」と反省。集客に効果を発揮するコーヒーだけに、Sサイズを100円とする新メニューをそろえ、巻き返しを図る。 <好対照なユニクロとしまむら> 「消費者離れを引き起こすことはないか要注目」とされたユニクロの値上げ。今秋冬物から5%程度の値上げを実施したが、9月既存店客数は1.9%増と8カ月ぶりに増加し、客離れは杞憂(きゆう)に終わった。 2015年8月期の国内ユニクロ既存店売上高は3.5%増を計画する。岡崎健・グループ上席執行役員CFOは「客数・客単価ともに伸びるが、客単価の伸びの方が高い」としており、消費者に受け入れられた高付加価値化が功を奏している格好だ。 ニトリホールディングス (9843.T: 株価, ニュース, レポート)もソファーの売れ筋価格は3万円台から4―5万円台に切り上がっているという。素材から徹底的に見直し、高品質化を進めた結果だ。 デフレ経済下ではそろって拡大してきた企業群でも、ここにきて明暗が分かれてきている。メリルリンチ日本証券の青木氏は「価格競争力のある企業、品質と価格のバランスがとれている企業が強い」と、その背景をみている。 今春には、高付加価値化を進めるとしていた、しまむら (8227.T: 株価, ニュース, レポート)は2015年2月期の業績予想を下方修正。連結営業利益予想を507億円から457億円に引き下げた。野中正人社長は「商品力が少し落ちている」としており、「消費意欲はあっても消費余力がない」消費者に対し、価格に見合った価値を訴えかけることができなかったという。 高付加価値化にかじを切っても、消費者に受け入れられなければ、在庫となり、在庫処分で値を下げ、収益が悪化するという悪循環に陥ってしまう。今後、半年から1年のタイムラグを伴って円安による原材料高が企業に影響を及ぼし始める。原材料高に伴う値上げなど、価格戦略をめぐっては、悩ましい状況が続く。 時期はどうであれ、日本のさらなる消費増税は避けられず、将来不安も簡単には拭い切れない。こうした環境の中では、価値と価格のバランスを見極める消費者の目は、より厳しくなることが予想される。 人件費上昇や出店コスト増、オーバーストア気味な競争激化の下で、有力な独自商品や根強いファンを有し、価格決定力を持つ一部の企業が、より強さを発揮していく構図が続きそうだ。 *見出しを修正して再送します。 (清水律子 編集:田巻一彦)
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