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本日(10月7日)、日本マクドナルドHD(コード2702)は2014年12月期の連結業績予想を大幅に下方修正しました。
日本マクドナルドは期限切れ鶏肉を使用していた上海福喜問題を受け、7月末に中間決算を発表した時点で連結業績予想を撤回していました。
新たに発表された予想では、売上高が2210億円(2013年12月期実績の2604億円から15.1%減)、営業利益が94億円の赤字(同115億円の黒字)、最終損益が170億円の純損失(同51億円の純利益)となりました。
営業損益は2001年7月の上場以来初の赤字(上場前を入れても創業直後の1973年以来の赤字)となり、最終純損失は2003年12月期の71億円の純損失以来ですが、この時は原田CEO(当時)が思い切って不採算店舗を閉鎖した結果でした。
要するに日本マクドナルドHDは創業以来の大赤字であり、創業以来の経営危機に見舞われていることになります。
最大の問題は、むしろ上海福喜問題を「これ幸い」ととらえ、その関連損失を「過剰に」見積もって、構造的な問題点を覆い隠していることが「はっきり」と公表資料から読み取れることです。
既存店売上高は(上海福喜問題が発覚した)7月が前年比17.4%減、8月が同25.1%減、9月が同16.6%減と、ことさら上海福喜問題「だけ」の影響のように強調しています。
しかし昨年8月にカサノバCEOが就任して以来、明確な営業戦略が打ち出せず各店舗でのサービスが「はっきり」と劣化していました。それなりの存在感とリーダーシップを発揮していた原田CEO(当時)が米本社の意向で「切られ」て、派遣されたカサノバCEOの力不足という外資系企業でよくみられる凋落の典型パターンに嵌っていました。
それではこの降って湧いたような上海福喜問題を、どのように利用したのでしょう?
公表資料では「上海福喜問題に伴う財務的影響」として、売上が450億円減少し、経常利益が116億円減少したことになっています。
さらにフランチャイズオーナーに対する財務施策として32億円、品質管理システムの強化等で27億円、原材料の廃棄で30億円など、合計104億円の経常利益減少と特別損失になったとしています。
つまり降って湧いた上海福喜問題で220億円もの利益減少となったのです。
全体では経常赤字が107億円、減損など特別損失が95億円、それに税金戻入が32億円あるため、最終損益が170億円の純損失となっています。
公表資料自体が大変にわかりにくいのですが、明らかに上海福喜問題の影響を「過剰に」見積もっています。
これがカサノバ体制下の日本マクドナルドの「本当の問題点」で、今回の巨額赤字を「底」に今後の業容が改善するとは全く期待できません。
日本マクドナルドHDの発行済み株数の49.9%は米本社の関係会社が保有しており(たぶん他名義でもっと多い)、この巨額損失でも期末配当の30円は据え置きます。新たに20億円が本社に吸い上げられます。
もともと米本社は売上高の3%のロイヤルティを徴収し、食材供給をほぼ独占しています。もちろんこれらのコストは日本の消費者が負担しています。
日本マクドナルドHDは、米本社以外で株式を公開している世界で唯一の会社(子会社)です。
したがって日本マクドナルドHDの株主には2つのリスクがあります。
1つは株価が急落したところで米本社がTOBをかけること、もう1つは逆に米本社が株式を日本マクドナルドに自社株買いさせて資本(だけ)を引き上げてしまうことです。
日本マクドナルドの収益は今後も低迷するはずで投資効率から前者は考えにくく、ロイヤルティと配当で「とっくに」回収済みの投資を「さらに」回収してしまう後者の可能性が高いと考えます。
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